■YouGo 基本問題小委員会コメント
著作権の基本問題を論議する「文化審議会著作権分科会基本問題小委員会」が求めた3つの論点に関するコメントを提出しました。ぼくは他の多くの委員と違い、著作権問題を制度ではない政策で解決すべきという立場なので、少数意見でしょう。ということで以下のとおり。
論点1 デジタル・ネットワーク社会に対する認識、評価
世界中の情報を誰もが入手でき、誰もが情報を生産・発信できて、世界中の人々がそれを共有できる。映像で考え、映像で表現できる。人どうしだけでなく、人とモノ、モノとモノとが交信し、常時連結する。
デジタルネットワークは、人類史を前後期に分けるほどの変革をもたらす力を持っています。メリット、デメリットといった二分評価を超える意味及び価値があります。
グーテンベルクの活版印刷技術が産業革命や国民国家形成などの影響をもたらすまでに3世紀を要したように、デジタルネットワークが産業、文化及び社会に浸透し、作用し、定着するまでには長期を要するでしょう。
制度や政策を考えるに当たっては、短期的な問題解決アプローチに加え、長期的な視点に基づく方向感をもって対応することが大切と考える次第です。
論点2 上記認識の下での著作権制度の果たす役割
デジタルネットワークの生産力と破壊力を正面からとらえ、情報の生産・流通・消費を活性化・健全化する制度作りに取り組む時期に来ています。それは著作権にとどまらない知財とメディアに関する包括的な仕組みでありましょう。国際横断的なスキーム、あるいは一国複数制度や道州制をにらんだスキームかもしれません。すなわち、相当な時間をかけて検討すべき問題だと考えます。
他方、「クオリティの高いコンテンツをいかに産み出すかが鍵であり、創作活動の意欲を喚起させるべき」「技術革新のスピードや社会状況の変化に著作権制度は対応できていない」といった問題意識はいずれも重要です。待ったなしの課題が山積しています。
しかし、これらに関し、著作権制度を手直しして問題解決を図るこれまでのアプローチは限界に直面していると考えます。数多くの課題が数年の時間と我が国を代表する大勢の関係者の智恵を費やしても合意に至らぬままで、解決に要するコスト・時間がかかりすぎています。
逆に、法律の出番を少なくし、契約、ビジネスモデル、技術で対応するアプローチを重視すべきと考えます。さらに、準司法的な簡便なジャッジ機能を厚くすることも効果的でしょう。制度で対応するとしても、これまでのように法律を微細にしていくのではなく、逆に法律のキメは粗くし、政省令、告示やガイドラインに落としていく工夫があってよいと考えます。
技術や利用の変化スピードに対応できるよう、制度というよりも全体のシステムを構築することが必要と考えます。
論点3 今後の検討が必要な著作権関連施策に係る課題と方向性
上記を踏まえいくつかアイディアを挙げてみます。
1) 著作権情報の集中処理機関への財政・税制支援
2) 放送コンテンツ等の製作取引適正化の監視・推進
3) 産学官によるフェアユース等に係るガイドラインの策定
4) ADRや相談窓口の拡充
5) 著作権特区の導入による問題解決に向けた場の設定
6) 初中等教育からの著作権教育の抜本強化
7) 集中処理技術の開発推進
9) Sync Music JapanなどJ-contentsを世界規模で拡大する民間取組の促進
10) ハード・ソフトの利益配分・相互発展に関する建設的なプロジェクトの構築
(録音録画補償金にこだわらない問題解決法の検討)





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