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2015年6月29日月曜日

知財本部:コンテンツ海外展開策は?

■知財本部:コンテンツ海外展開策は?

 知財本部、コンテンツ会議。コンテンツ海外展開策を論議しています。
 今回は3名のゲスト。NTVからコンテンツ「を」売る話、伊藤忠からコンテンツ「で」商品を売る話、HTBからコンテンツと地方創成+インバウンドの話を伺いました。

 コンテンツの輸出増を目論んできたのですが、現実は、輸出総額が減少しています。家庭用ゲームが大幅減であることが主因です。コンテンツ輸出の大部分をゲームが占めていましたからね。
 これに対し、今政府が力を入れている放送コンテンツはというと、総務省によれば放送権は横ばいだが、番組配信やフォーマット販売は11年70億が13年105億と大幅増だそうです。

 NTVのフォーマットは、¥マネーの虎、仮装大賞、はじめてのおつかいが売れてるとか。今や海外との共同制作は放送+ネット+モバイルの全露出を前提にしているとか。以前とかなり状況が変わりましたね。
 シンガポールで活躍する宮野さんによれば、東南アジアではネットとケーブルの普及によりコンテンツ過剰の状況だそうです。日本が強いのはアニメ+キャラ、食、旅行だそうです。その強みにどうフォーカスすればいいでしょう。
 強みが確立したコンテンツもあります。たとえばドラえもん。ドラえもんの台湾イベントには有料なのに170万人が来たとか。藤子プロの篠田さんによれば、台湾がインバウンド策としてドラえもんを使った、んだそうで。したたかです。日本には、したたかさが足りない。

 ニッポン放送の重村さんは言います。「コンテンツ海外展開は個別には進みだした。だが、テレビ、音楽などジャンルごとに動きがバラバラ。観光など他ジャンルとの連携も弱い。情報の集約、連携が重要。」同意します。業界横断のマッチングは、政府にできる仕事でしょう。
 「ドラえもん、ドラゴンボール、ワンピース以降、アニメは海外に出て行けてない。国内は高校生以上が見るアニメ中心で、深夜放映。海外でウケるアニメを育てていない。」うぅむ、成熟した国内アニメ市場への対応と、海外展開との軸がズレているんですね。さて、これはいかがいたしましょう。

 さて、ここで質問です。
 コンテンツの海外展開は、ここ数年の重要政策となっています。でも、政策目標は変化しています。かつてはコンテンツの海外売上増が目標でした。今は、コンテンツを尖兵として、食、観光その他さまざまな産業が活性化するクールジャパン策に力が入れられています。
 コンテンツ「を」売るという政策目標から、コンテンツ「で」売るという政策へとシフトしているわけです。だが、問題は、その「指標」が明確ではないということです。コンテンツによる海外の「効果」をどう測定するか。その「外部効果」を測る手法は確立されておらず、政策の手触り感が薄いんですよね。

 とはいえ、知財本部のミッションは、毎年の知財計画を作り、実行に移していくこと。
 海外展開の課題は、1)分野連携・情報共有、2)支援策の継続性確保、3)権利処理円滑化が挙げられます。それを知財計画にどう落としこむか。これまた悩ましいテーマです。
 ところで、映像を中心に海外展開策を議論しているのですが、ラストに「重点を置くべきはアニメか実写・ドラマか」と横尾事務局長から重い質問が投げられました。長期・短期の効果、キャラクタービジネスや観光などの波及効果、ターゲット層の違いなど、政策意図によってそのバランスは変わります。でもそういうことを整理するのが知財本部の役目。どうでしょう?

2015年6月25日木曜日

テレビ随想:といっても、テレビ欄であります

■テレビ随想:といっても、テレビ欄であります
 54歳になりました。
 物心ついて半世紀です。
 生まれて最初の記憶は、先の東京五輪。
 テレビは白黒でした。
 三島由紀夫自決や浅間山荘事件では、小学生の私はカラーになった画面にかぶりつきました。
 社会人になり、天安門事件もベルリンの壁崩壊も、衛星で届く映像にかぶりつきました。

 阪神淡路大震災とオウム事件の当時、パリにいた私は、日本の放送局から伝わる映像が頼りでした。
 ニューヨークで9.11に接した私は、何の混乱かがわからずにうろたえ、テレビをつけて事態を把握しました。
 東京で3.11に遭った私は、被災地に押し寄せる津波をテレビで目撃しました。
 ずっとテレビと生きてきました。

 ただ、海外で暮らしていたころ、日本の世相を知るのは新聞でした。
 といっても、テレビ欄であります。
 ニュースやワイドショーのネタが一目瞭然。何が流行っているのか。どんなタレントが注目されているのか。どの事件が深堀りされているのか。
 テレビ欄さえ眺めていれば、空気はわかります。

 海外が戦争やテロで沸き上がっている最中も、日本のテレビ欄は温泉とアニメとグルメだったりします。
 ああ、平和を保っているな、と認識できます。
「爆笑ポンコツ旅SP」「超ドキドキ密着!?」「アノ芸能人が暴露・・そして号泣!!」
 ああ、特殊な文化を保っているな、と確認できます。

 テレビと新聞は、そうやって、この半世紀の社会を支えてきたのでしょう。
 だけどそれは、変わりつつあります。ネットがメディアとの向き合い方を問い直したから。

 10年前の私は、起き抜けに新聞を読みました。それからテレビのニュースを見ました。それからパソコンを開き、ネットの情報を確かめました。

 それが今は、全く逆になっています。起きるやいなやフェースブックで友人の動静を見ます。ツイッターで自分がフォローしている人たちが発信する情報をチェックします。その上で、ウェブのニュース記事を追います。それからテレビをつけて、ヘッドラインを確かめます。新聞は最後です。

 以前の私は、信頼性の順番に情報を追いました。新聞、テレビ、ネットという、自分が確かだと思うメディアから目を通し、だんだん薄い情報へと拡散していきました。
 
 今はまず、身近で最もリアルタイムなネタに触れます。それからだんだん広域の情報に目を移し、最後に信頼の置けるプロの報道や解説で確認します。

 テレビも新聞も、しばし変わらぬ役目を果たすでしょう。そして、テレビも新聞も、急速に変わっていくでしょう。楽しみです。

2015年6月22日月曜日

超人スポーツ協会のご案内




■超人スポーツ協会のご案内



誰もが超人になってスポーツを楽しむ。身体と機械の融合により、誰もが身体的制約・空間的制約をも超えて楽しむことができる「人機一体」の新たなスポーツ。そのためのコミュニティが発足しました。
「超人スポーツ協会」です。
 http://superhuman-sports.org/

発足に先立ち、慶應義塾大学三田キャンパスで開いた説明会でお話したことをメモしておきます。

 超人スポーツが行うことは、まずは「身体の拡張」。
 例えば外骨格スーツ、あるいはスーパーな義手義足、スマートな補助具で身体を拡張する技術とデザインを開発すること。
「道具の拡張」。
 誰もが魔球を投げられるボール、何kmも先の的を射抜くアーチェリーの弓矢、そんな道具の開発。
「フィールドの拡張」。
 リアルな陸海空のスポーツ場の開拓、バーチャルな空間の開発を行います。
「トレーニングの拡張」。
 競技だけでなく、日々の訓練や練習にもイノベーションが期待できます。
「プレイヤー層の拡張」。
 ガチの、ハイエンドの競技だけではない。もっと大事なのは、みんなが参加できるようにすること。老若男女、障がい者、誰もがわくわくと参加したくなる、たとえばバブルサッカーのような、すてきなスポーツの開発で、みんなが盛り上がること。

超人スポーツ3原則を立てました。
1. 技術とともに進化し続けるスポーツであること
2. すべての参加者がスポーツとして楽しめること
3. すべての観戦者がスポーツとして楽しめること

これに基づき、協会は以下の活動を行います。


•超人スポーツの開発
–「人機一体」のスポーツを生み出す新たなテクノロジーを開発
–誰もが参加できる新しい競技種目とルールをデザイン
 

•超人スポーツの実践
–2020年 東京オリンピックにおける世界大会の実現に向けて,
- 2015年 超人スポーツデザイントーナメント,
- 2016年より 毎年の超人スポーツトーナメント
- 2018年 福井国体における超人スポーツ国内大会 を開催
 

•超人スポーツの普及
–誰もが超人スポーツを楽しめるワークショップやハッカソンを開催
- 超人スポーツのコミュニティを育成

展望としては、
2020年 東京オリンピック・パラリンピックに合わせ超人五種競技の国際大会を開催する
2028年 超人スポーツがオリンピック・パラリンピック公式種目として採択される
2030年 超人スポーツ競技人口1000万人到達、超人化技術の市場規模1兆円到達

前回の東京五輪開幕からちょうど50年にあたる昨年10月10日、超人スポーツ「委員会」なる組織が発足しました。VR、IT、スポーツ工学、脳科学などの研究者、科学者、デザイナー、アーティストなど40名ほどの集団です。
それを核にしながら、これを実際に開発し、普及させ、育てるためのコンソーシアムとして、今回、超人スポーツ協会を設立することとした次第です。
稲見昌彦さん、暦本純一さんとぼくの3名が共同代表。

今月初めに発足させましたが、今も理事・会員を募集中です。

説明会では、東大・山中俊治さん、内閣官房芦立審議官を招いてのパネルも行いました。
山中さん「超人スポーツは美しさが重要」。芦立さん「楽しさが大事。」
五輪のモットー「より速く、より高く、より強く」に、超人スポーツは「より美しく、より楽しく」を加えるのがよさそうです。

芦立さん「クーベルタン男爵の近代オリンピックから100年。」ですね。彼が導入した近代五種(射撃、フェンシング、馬術、水泳、ランニング)は野戦競技。では現代の超人五種はどんな競技がいいでしょう?

現在の五輪競技の多くは19世紀までに開発された農業社会のスポーツ。20世紀の工業社会にはモータースポーツが発達しました。では情報社会のスポーツとは?


人機一体の新しいスポーツを開発したい。それは、この協会に参加くださるみなさんとともに作り上げていく、これからの宿題です。
ぜひご参加のほどを。