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2022年8月29日月曜日

オープンデータ勝手表彰2022

オープンデータ勝手表彰2022


オープンデータの取組を勝手に表彰する取組み、今回で9回目になります。

審査員長としてごあいさつ。

新型コロナの影響で前回・今回続けてオンラインでの開催となりました。

勝手に表彰する取り組みであり、「受賞頂きまして、ありがとうございます。」

とまずは感謝を伝えたい。


デジタル庁も創設され、ようやくデジタルが政策の最重要課題になった21年度でした。

コロナでデジタル敗戦を認識して、DXに脚光が当たっています。

データの重要性もすっかり認知されるようになりました。

コロナ後のDXにオープンデータが寄与して、豊かなデジタル環境を形成することを期待します。


ロシアのウクライナ侵攻は、サイバー攻撃、フェイクニュース、デジタル制裁など、デジタルが主戦場になった戦争でもあります。

そして、国家だけでなく、企業・民間が深く戦争に関わる状況ともなっています。

デジタルやデータがいかに世の中をよくすることに寄与するのかも問われる事態です。


表彰は、政府、自治体、公益法人、株式会社、個人と顔ぶれが多様となり、今回も幅広いかたがたに受賞いただきました。

ここまで、「産・官・学」のうち「学」の存在感が薄く、自分に対する戒めとして受け止めていましたが、今回、大学共同利用機関にも受賞いただいたのは個人的にホッとしました。


昨年の表彰は、コロナ対策関連が多かった。感染症の対策、自治体テレワークなどコロナ案件が目立ちました。

一方今年は、災害対策、教育、行政、地方創生、都市開発、スポーツ、と これまでのような多岐にわたるジャンルに受賞いただいきました。

アフターコロナに移っているのかな、と思います。



脱コロナに「役立つ」データ。さらに、コロナ後の「楽しい」「うれしい」データも見たいところです。

あらためて受賞者のみなさま、おめでとうございます、ありがとうございました。




最優秀賞:静岡県及び静岡点群サポートチーム

「熱海市土石流災害における点群データ活用」

(オープンデータが災害時に役立つこと、平時からの整備が大事ということを認識させました。)




優秀賞:ROIS-DS人文学オープンデータ共同利用センター

AIくずし字認識アプリ「みを」」

(源氏物語を学ぶためタイから留学されアプリを開発したカラーヌワット・タリンさん。注目しています。)




優秀賞:デジタル庁 社会共通機能Gデータチーム

「オープンデータ」

(がんばれデジタル庁。)




CiP協議会賞:Digital Government Labs

Digital Government Labsの活動」

iU賞:にゃんこそば

「オープンデータ可視化プロジェクト」

融合研究所賞:三重県デジタル社会推進局

「みえDXセンター」

デジタルリスク協会賞:オープン・ナレッジ・ファウンデーション・ジャパン

「オープンデータデイ10周年」

2022年8月23日火曜日

CiPメタバース、開始。

■CiPメタバース、開始。

メタバースプロジェクト発起イベント@竹芝CiP

ごあいさつ。

「メタバース、web3が次の政策課題として注目されるようになった。

バーチャル空間がパラレルワールドとなることはネット出現以来 予期されていた。

ウルティマオンラインから25年、セカンドライフから15年。それなりに蓄積はあった。」





2110月にフェイスブックがメタに改名すると宣言したことがスイッチになった。

VRARNFTブロックチェーンなど、新技術の磁場になっている。

ゲームや音楽フェスなどのエンタメ、教育や観光のための公益目的の場にもなる。

経済や暮らしが営まれ、人々がそこへの依存度を増すことが想定される。」






「するとにわかに、政策課題も数多く立ち上ってくる。

空間を建設するルール、その上での著作権など知財ルール、データや個人情報の取扱い、技術的な標準化、あるいは税制の支援措置も考えられる。

政府もたくさんの省庁が関わることになる。」


そしてメタバースは都市も国家も超えたボーダレスな空間であり、ルール形成や紛争解決の方法もテーマになる。

既に国際的な議論も始まっている。

ただ、まだ概念先行で実態はこれからにつき、政策論議もまだぼんやりしている。

まずはキックオフ。」






第一部:

バンダイナムコ藤原孝史チーフガンダムオフィサー

ソフトバンク加藤欽一部長

JeSU浜村弘一副会長

東急不動産伊丹政俊執行役員

博報堂DYメディアパートナーズ島野真研究所長

音制連浅川真次副理事長

エフエム東京松任谷玉子執行役員






バンナムはガンダム・メタバースで先行し、JeSUもサッカーのeスポーツでメタバースを開催。

ソフトバンクはホークスやフジロックなどで実績があり、バーチャルPayPayドームやショップも運営。

博報堂はKDDI・吉本興業・大阪府・大阪市とバーチャル大阪を展開。

東急不動産は竹芝でデジタルツインを構築しています。



税制や肖像権などさまざまな課題に直面している模様です。

特に音楽業界から、日本の法制度上、メタバース上で音楽が使いにくく、早期解決が求められました。

個々の課題を共有して、つぶしていく必要性が唱えられた一方、アクションを起こして打破するスピード感の重要性も指摘されました。







これら一線のビジネス意見を受け、第二部は政策論議。

平井卓也初代デジタル大臣

内閣府田中茂明知財戦略局長

デジタル庁津脇慈子企画官

国土交通省内山裕弥課長補佐

Thirdverse新清士取締役






平井さんはマネロンやデジタルの所有権など厄介な課題を挙げつつ、日本が先導して解決する期待を表明。

津脇さんはそれらのまとめ役をデジタル庁が担うとする一方、知財・田中さんは権利問題の解決にソフトロー・アプローチで取り組むと話します。






国交省・内山さんが紹介したのは「Plateau」。

Dデータによるデジタルツイン作りの基盤をオープンソースで提供しています。

既に60都市で活用され、竹芝デジタルツインもその一つ。

政府がプレイヤー、サービス提供者としても機能しています。






日本の強みはキャラやIPという見方は概ね一致。

田中さんは、キャラを生む作家、その原作力や世界観に着目し、メタバースやweb3でのコミュニティを軸とする「推しエコノミー」の可能性を示唆します。


一方、新さんがコア技術を海外に握られていることに懸念を表明しましたが、それを支えるエンジニアとクリエイターとの融合が大事になると平井さんが指摘。







さらに津脇さんは、そのテクノロジー&コンテンツの世界を、若い世代の「社会問題解決」に対する関心に向ける可能性に言及しました。






CiPが目指すポップ&テックに、ビジネスだけでなく、次の世代が見すえるソーシャルやサステナブルという世界をつなぐメタバース。とても大きな可能性を感じます。

ポップ、テック、そしてビジネスや社会実装を担う人々をつなぐ、これが基本テーマですね。



平井さんはさらに、「トラスト」を作ることが大事だといいます。

web3の「インチキくささ」を解消するには、案外、日本のまじめなアプローチが役立つと。

これまた大きな宿題です。






CiPとしては実証実験や政策提言など仕事が見えつつも、議論で解決することと、スピード感もってアクションで突破することのバランスも意識します。

「トラスト」を作るという大宿題を考えながら、ポップ・テック・ソーシャルをつなぐ役割を果たしたく存じます。

2022年8月15日月曜日

放送15年越しの宿題と、その次

■放送15年越しの宿題と、その次



総務省「デジタル時代における放送の将来像と制度の在り方に関する検討会」。

報告案が出ました。

経営の選択肢を拡大すべく制度を見直す。

ハード面、コンテンツ面、経営面の柔軟性を高める。

政策の方向は以下のとおり。

賛成です。よくまとめられました。


1.ハード共同利用をNHKと民放の共同出資も含め検討する。

2.IP・クラウド化も選択肢となる。

3.IPユニキャストでの中継局代替もあり得る。

4.マスメディア集中排除の地域制限を撤廃する。

5.複数地域での放送番組の同一化を可能とする。

6.NHKネット活用業務の位置づけを検討する。


これは、15年前の宿題の積み残しです。

2006年小泉内閣-竹中総務大臣での「通信・放送の在り方に関する懇談会」(いわゆる竹中懇)と、それを受けて第一次安倍内閣-菅総務大臣での「通信・放送の総合的な法体系に関する研究会」(ぼくは委員として参加)にて議論したことの先送り事項です。


竹中懇-法体系研は、通信・放送の法体系をガラポンにして、ハード・ソフト分離や通信・放送の共用電波利用を可能にし、通信・放送横断サービスを提供できるようにする規制緩和でした。

(著作権も一緒に処理を目論んだが、役所も異なり断念。)

経営の選択肢を広げる点は今回の検討会と方向性が同じ。



その後、新法体系を活かすサービスやビジネスは放送界からほとんど立ち上らず、15年間にデジタル市場はネットに持っていかれました。

海外から10年以上遅れでネット同時配信が実装され、業界から声が上がって昨年ようやく著作権法も改正され、制度的な手当は揃っていました。


今回の検討会が打ち出した方向は、その次の、つまり通信・放送融合後を見据えた、そして放送局にとってより難局の場面を乗り切るための、残された論点を救うものです。

放送制度の最終仕上げとも言えましょう。


報告案はハード効率化を「守り」、配信戦略を「攻め」とみる。

ネット配信はじめデジタルの導入で効率化を進めて伝送コストを軽減し、コンテンツ制作に注力できる環境を整備する。

認識は正しい。問題は、攻め姿勢の経営があるか。

ネットフリックスや韓国ドラマの攻勢に対抗する意思が問われます。


そして制度対応は、攻めの経営を下支えする柔軟化であり、全て進めればよい。

ここまで手つかずだったのは総務省の不作為ではなく、業界の実態の弱さでした。

いよいよ官民の姿勢が明確になったわけです。

個別施策にコメントします。





1.ハード共同利用:NHK・民放共同出資

 竹中懇当時、ハードソフト分離に民放は表向き反対していたが、当時の広瀬道貞民放連会長はぼくをこっそり呼んで「地域の鉄塔を共同で持てるってことだよな」と正しく理解していた。具体設計すべし。その際、通信会社などを含む広い座組がポイントになろう。


2.IP・クラウド化

 英国はBBC民放ともハード・ソフト分離のうえで全IP化、クラウド化して、有線・無線、放送・通信をミックスして伝送している。コスト面からも当然の方向となる。英国はそれを外資(スウェーデン)企業に行わせているが、日本は放送安保をどうとらえるかが論点となる。


3.IPユニキャストでの中継局代替

 放送制度上も著作権法上も、マルチキャストかユニキャストかというネットの伝送方式で適用を違えるという、小手先の対応をしたことが日本の制度もビジネスも歪めることになった。いい機会なので、技術方式と制度適用の関わりを全面的に見直したらよい。





4.マス排の地域制限撤廃

5.複数地域の番組同一化

 マス排と地域限定は放送の「強さ」を背景とした規制だが、ネットが放送の広告収入を上回り、外資の攻勢もある中で、放送の地位が相対化し、国内業界を縛る意味が見直される状況。緩める方向は妥当。いずれ圏域免許の電波制度も見直し対象となろう。


6.NHKネット活用業務の位置づけ

 NHKのネット活用は補完業務でなく本来業務とし、英BBCや中国CCTV並みのデジタルメディアになるべき。というのがぼくの持論で、危険視されておりますw  1-3の事項もNHKが先導してやっつけてくれればよい。

 http://ichiyanakamura.blogspot.com/2022/06/nhk.html


以上、報告に異論はなく、政策の実装を期待します。



でも2点、不満アリ。「世界」と「データ」への言及が乏しいことです。

まず世界

米中韓など海外メディアが激動する中、日本はどういうポジションで、どういう戦略か。

日本の特異な制度をどうすべきか。

認識が乏しい。もはや国際問題ですぞ。


そしてデータ

通信・放送の区分より、データの活用・非活用が今日の課題。

ネットメディアがデータ事業化しているのに対し、放送はデータを使えていない。

通信融合に10年遅れたテレビは、データ融合でも10年遅れるのではないか。

その問題意識も読み取れません。


持ちこたえてきた放送がとうとうきしむ音を立て始め、危機感が表立ってきた。

それを制度に反映させるのは妥当です。

ただ、その前に問うべきは各社の戦略。

制度を整えても経営が動かなければ穴が空いたまま、というのがこの15年の教えでしょう。

これを受け各社はどうしますか。それを聞きたいです。