Twitter

2022年12月27日火曜日

長寿企業こそSDGsのS。

■長寿企業こそSDGsのS。




郵便局1871年、MIT1861年、スタンフォード1891年、慶応1868年。

ぼくは150年級の老舗を渡り歩いてきました。偶然です。

で、iUというベンチャーを立ち上げ、150年後を想定し、実装しています。必然です。





故郷の京都で過ごす時間も増え、うろつくのは、

創業200年の漬物屋、300年の団扇屋、400年の手ぬぐい屋、500年のそば屋、1000年の茶店。

150年など青い。100年なぞ子どもです。




老舗経営、長寿企業が気になります。

横澤利昌編著「老舗企業の研究」

田中真澄「百年以上続いている会社はどこが違うのか?」

塩見哲「京都老舗経営に学ぶ 企業継続の秘訣」

松岡憲司「京都からみた、日本の老舗、世界の老舗」

その他論文やらこのところ読み漁っています。

いくつか抽出。





100年続く会社を「老舗」として、日本には3万ないし5万社あるとされます。

ダントツ世界一。うち上場企業が532社。

200年企業は3000社強。世界の56%を占める。2位独8003位蘭200

1000年企業が16社。独7、英4、伊2、仏1。

長寿は日本の超特徴です。





老舗のうち、

年商1億円未満の中小は41.5%で最多だが老舗出現率は1.69%で最低。

500億円以上の大企業は1.7%で最少だが老舗出現率は15.1%で最高。

業種は小売卸売が45.5%、製造が25.1%。

酒造、旅館が多く、不動産への転業も多数。

出現率1位は京都府4.73%。




際立った特徴は、ファミリービジネスであること。

そもそも日本は事業所の99%、従業員の86%がファミリービジネスに従事し、上場企業の53%が家族経営の国。

老舗のほとんども同族経営です。

経営学は効率的な統治のため所有経営分離を求めるが、それとは違う路線が日本にはあります。



逆にファミリービジネスには、内部管理の効率性、意思決定の迅速さ、長期利益重視というメリットがある。

知人からの低コストによる資金調達や企業モチベーションの高さという点も改めて認識されています。


相山豊さんらの研究は、過去40年間をみると同族経営の業績が非同族を上回ることを示します。

そして「婿養子」という中国にも韓国にもない仕組みが武器として使われ、婿養子経営が同族経営や非同族経営よりも高い業績を見せている。

京都の商家では女の子が生まれると「ええ婿とれる」と喜ぶと聞きます。




もう一つの特徴は、「道」。

商売繁盛よりも商人道を重視する。

質素倹約・誠信義仁という倫理規定を明文化する。

8割の老舗が家訓を持つそうです。

宗教色の薄い社会システムにあって、キリスト教的な慈善=欧米型フィランソロピーでもない経営を維持してきました。


西洋の経営学が説く利益、売上、株主、スピード、シェアという言葉と違い、顧客第一、本業重視、品質本位、理念維持という教えが貫かれます。

石田梅岩の正直勤勉倹約、近江商人の売・買・世間「三方よし」もその礎。

そして社員との一体・家族化、地域との共生、文化芸術へのパトロン志向も強い。


とはいえ、長寿の条件は、進取の気性、革新であるとする点も研究は共通しています。

「老舗企業の研究」は老舗の因子をこうまとめます。

1.求心力:結束(従業員と経営)、堅実(外部資金導入と投資)

2.継承力:後継者教育、創業者一族の意向、地域志向

3.イノベーション力(変革志向、顧客志向)





100年超えの老舗は、敗戦・占領、体制変更、災害を生き抜いた組織です。

疫病やデジタル革命など激動を生き抜く抗体を持ち得る。

サステナブル。SDGsS

第一に自らがSであるべきで、企業30年説のアメリカには説得力がありません。


日本は社員・地域と共生し、サステナブルに生きる企業を最も量産する立場をこそSDGs的なるものとしてプレイアップするのがよい。

他国にとって学びになるクールジャパンは長寿企業・老舗経営だと思います。

2022年12月20日火曜日

三条市立大学、スゲえ

三条市立大学、スゲえ


三条市立大学@新潟県三条市に伺いました。

国定勇人衆議院議員/前三条市長のご紹介で。

アハメド・シャハリアル学長と懇談しました。

ものづくりの町の、産学連携で人材を育成する、強力な新設公立大学。

よくぞ創られました。





地元企業100社超と連携し、全員インターン。

研磨、溶接、非破壊検査、3D印刷など先端機器を学生たちが使い倒し、腕を磨く。

物理・化学の素材開発も担い、ものづくりの町のR&D機能を引き受ける。

論文型の研究はせず、開発と実践の中で学生が育ち、地元企業の役に立つ。

コンセプト、明確。パンク!




寄付も集まってきていて、奨学金も出している。

学生は男子が多い。そして隣には看護医療系専門学校も併設されていて、そちらは女子が中心。んで学食は共用で、どうしても混じり合う。

開学してまだ2年目なのに岸田首相も見学に来ていました。

設計がうまい。






開学に当たり最も苦労したのは「文科省対応」。

あはは。おんなじですね。

新しいコンセプトの学校を作ろうとすると、前例がなくて引っかかる。

文科省の、日本の、ワクを超えた新しい大学院を共同で作りません?

てな企みを、設計していくことになりましたー。




国定議員(役所の後輩)からいただいたSUWADAの爪切り。

「木村拓哉さんやオバマさんも使ってます」

どうもありがとう。

帰って調べたら、めっちゃ高いやん!

どうもありがとう。

2022年12月13日火曜日

クリエイターへの還元策!?

■クリエイターへの還元策!?


文化審議会著作権分科会基本問題小委員会。

今年の議論が始まりました。

クリエイターへの適切な対価還元策について、

・私的録音録画補償金へのブルーレイディスクレコーダーの追加

・新たな対価還元策

・社会的な理解

どう考える?がお題。


コメントしました。


2005年の補償金を巡る対立や2008年のダビング10を巡る調整に関わった記憶からみて、ブルーレイの指定に折り合いがつくとすれば、ネット化の進展はじめコンテンツ流通構造の変化や日本の機器産業の立ち位置の変化など多くのことを物語る。

新たな対価還元策はその変化を踏まえた次元のものとする必要。


その際、ポイントが2つある。


1) 還元というのは、どこからの還元なのか。

これまでは機器製造からの還元を議論してきた。それが

PFなどネット事業者 なのか

・スマホユーザなどの電波利用者

・広く一般つまり納税者

そのイメージによって取りうる選択肢も異なる。


2) どの程度の還元が妥当なのか。

本来コンテンツに来るべき対価が遺失している、その市場の失敗が理由なのであれば、量的にいくらで、どこに遺失利益が流れているのか、コンテンツの外部経済/波及効果がどの程度なのがデータで示されて、政策が立案されるべき。

調査とアカデミックな分析が必要。


関連して、「社会的な理解」は極めて重要。

かつてソフトとハード、コンテンツと機器の産業は睦まじい関係だった。

機器メーカがレコード会社を持ったり映像会社を経営したりしていた。

いつしか対立するようになり、今日に至る。

気がつけば米IT企業が市場を握っている。


これは関連産業の経営戦略の問題であるだけでなく、役所を超えた国家産業政策の問題でもある。

そしてコンテンツの生産や消費をどう大切なものとして扱うのかという教育問題でもあろうと思う。 

これを機に何らか大きな問題提起をしてみたい。

2022年12月6日火曜日

ようやく、ネット安全からネット創造へ

■ようやく、ネット安全からネット創造へ


総務省が
ICTリテラシー政策をフィルタリングなど安心安全対策から創造・交流を含むポジティブに体重を移動させる方針を示し、新会議も準備しています。

これを受けぼくが副会長を務める安心ネットづくり促進協議会(安心協)も議論を開始。ぼくもコメントしました。




安心協発足から13年で政府の取組がネガからポジに転換する。やっとか、という思い。

95年ベルギーの情報G7サミットで「デジタルは子どもの時代」という日本提案が採択され、Jrサミットが第一回東京、第二回がMITで開催された。

それを機に私は役所をやめMITに参加し、PC一人一台運動などを推進した。




しかし日本の取組は遅く、2008年には当時の首相が「子どもにケータイは百害あって一利なし」と発言、デジタルを子どもから遠ざける風潮が広がった。

危機感を抱き、「百利あって一害あり」と考える関係者が集まり、私が世話役となって立ち上げたのが安心協。





発起人会の顔ぶれ。孫さんら通信3キャリアの社長、DeNA南場さんYahoo!井上さんIIJ鈴木さんmixi笠原さん個情委の堀部初代委員長ら。日本のデジタルの代表が一堂に介した。

みなさんの思いは、子どもから遠ざけるのではなく、いかに使わせるかだった。

でも運動論としては、そちらに進まなかった。



私は2年後DiTTを立ち上げ、PC一人一台、学校ネット化、デジタル教科書の3点セットを推進する運動を始めた。ポジティブの運動。

苦労した。8年かかってデジタル教科書を認める法律が成立、プログラミングも必修になった。

PC一人一台はGIGAで実現。コロナがなければあと25年かかる計算だった。




安心協とデジタル教育推進とは本来、一体として進めるべきというのが私の意見だったが、力不足で融合できなかった。

全ての子どもがデジタルで勉強する環境になり、ようやく機運が変わった、と感じており、ようやく一つのゴールにたどり着いた。

問題は今後。デジタルシティズンシップをどう作るか。





学校デジタルは進む。混乱も問題も起きるが、現場と子どもの力を信用し、見守りたい。

政策の重点は家庭に移る。特に格差。家でデジタルが使える/使えない問題。4万の学校から、子どものいる1千万の家庭へと課題が広がる。

教育問題から通信問題へ。文科省より総務省の仕事。通信政策の最重要課題。





セキュリティ、フェイク情報といった守るリテラシーは重要だが、それ以上にクリエイティビティ、コミュニケーション力をつけることが重要。

大人だって身についてはいない。子供のほうが優れている面はある。私も学生に教えてもらっている。子どもも大人も一緒に使い、学ぶ。





ツールは変わる。SNSmixi/fb/LINE/インスタ どんどん変わるので、定まった教育法もない。

紙と鉛筆のアナログ教育も、150年たっても理想の教育はできていない。デジタルでの学習は始まったばかりで、100年たっても理想には届いていまい。

使いながら、時間をかけて、ともに考えていく、という姿勢。




政策目的は「国民のユーザ力」を上げることだろう。とすれば、デジタルが1.役立つ、2.楽しい、3.安全、という順位だと考えるが、3.に偏重してきたのがこれまでの対策。

どう便利さや楽しさを高めるかの政策は抜け落ちていた。

創造力や共感力を上げる施策を厚くしたい。




安心協の根本は従来どおり安心・安全対策でよい。

一方、ポジティブ面の活動を担う団体、企業、学校はたくさんある。

安心協がすべきは、それらとつながり、連携していくこと。安心協としてのコミュニケーション力や共感力が必要となる。