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2026年9月21日月曜日

無職になります。

■無職になります。


9月末日をもってiU学長を退任することになりました。

iU構想から約10年。開学から6年半。多謝。


打ち立てたものはブログ「iUというバウハウス」に記しました。

https://ichiyanakamura.blogspot.com/2026/04/iu.html


学長くんメッセージとして900本近いビデオを遺しておきます。

https://www.youtube.com/channel/UCDZ5aAZ_TuGz058tdYNQizg

 

人生初の無職です。無職という名刺を作ります。

社会人になったときには島耕作さんは課長でした。

彼いま社外取締役です。

ぼくは社長、会長、そして社外取締役も経験し、無職です。

ようやく追い越します。

 

次、どうするの。

まずはハローワーク。そしてタイミーに登録。

それから考えます。

問題はあります。

役所の委員とか学会の理事とか、

職業じゃなくて引き受けてる役割があって、

その肩書の欄に何て書くか。

 

そこも「無職」でどうすか。

って相談したんだけど、役所は前例がないと渋る。

学会に相談したら、「年金生活者」でどうかと言う。

だが年金は月ン万円しかくれなくて、

生活できないんで、虚偽になります。

じゃ「年金受給者」でどうかと言う。それも職業ぽくないよな。

「ハローワーカー」とか「タイミーさん」とかかなぁ。

 

ふと気づいたんだが、学生のあいだって

成人してても無職とは呼ばないよね。

学生は学生だ。

だからも一回 学生になればいいのか。

肩書に〇〇校1年生とか。おさまりよくないですか。

そうしますか。

質問です。

どこか入学できるいい学校、ありません?

2026年6月29日月曜日

■ビジネスとアート、1冊ずつ

■ビジネスとアート、1冊ずつ


デザイン思考からアート思考へという言説によく接する。ビジネスにアートが重要と聞く。

そうだろうと思いつつうまく言語化できず気持ちが悪い。

そこで、それを唱える経営学者の本や論を読み漁ったのだが、ピクリとも引っかからない。

ここはビジネスとアート、それぞれリアリティをもつ人に聞かねば。

そこで手にした2冊、取り急ぎピクリときた部分のメモ。

 

1 ビジネスのひと

ニール・ヒンディ「世界のビジネスリーダーがいまアートから学んでいること」

・一流芸術大学がMBAコースを始めている。アートの手法、創造性をビジネスに取り入れて、革新性・創造力を育てる。

・ビジネスとアートはともに必要で依存する。アートの世界のイノベーションのプロセスを仕事に取り入れる。

・ルネサンスは美が高邁な思想や価値体系を生み出すという考えに基づいて都市を建設した。

・アーティストと起業家は好奇心と創造意欲に共通点。

・起業家の直感的な右脳型思考と組織が必要とする左脳型思考のバランスを取れ。

・ソフトウェアをつくるには絵画同様、美への徹底したこだわりが必要。

・起業家はアーティストと同じように、人々が見落としていることに目を留め、それを形にする。

・革新的な起業家や企業の創設者は、アーティストが普段から使っている5つのスキル=関連付ける力、質問力、観察力、ネットワーク力、実験力、を身につけている。

 

2 アートのひと

秋元雄史「アート思考」

・ジョン・マエダ:デザイナーが生み出すのは解決策、アーティストが生み出すのは問いかけ。

・世の中の問題解決をするデザイナーの時代から、主観的な世界の問題提起型アーティストの時代へ。

・デザイナーは外側にある課題・クライアントに向き合うのに対し、アーティストは内側から湧き上がるものに向き合う。

・アーティストが自らの想像力と意志により制作したのがアート作品:前例のないアートを探求する孤独。

・アーティストはビジョンを持ち実現することを優先する自由な心をもつ主体性がある人たち。

・アート思考は、わからないものに対して考え続ける態度。問いをつくり出す力は作品の創造性やオリジナリティと相関する。

・日本企業は破壊的イノベーションが苦手--アートの世界でも革命より継承が大切。

・現代アートの三大要素:インパクト、コンセプト、レイヤー(解釈層)。

 

 

全員起業のiUは、ビジネス・アーティスト=起業家を育てる。だが多くは失敗し、そこから学び、社会に出て、組織人となり、ビジネス・デザイナー=創造力ある問題解決者となる。

ただ、孤高のアーティストを目指すメソッドが乏しい。これから腰を据えて「アート」に取り組もうと思います。

2026年6月22日月曜日

和田誠「銀座界隈ドキドキの日々」。

■和田誠「銀座界隈ドキドキの日々」。


銀座のデザイン会社、ライト・パブリシティに勤めた和田さん1960年代の思い出。デザイナー、作家、画家、映画監督、翻訳家、経営者、平野レミさんのご主人

93年の本著が綴る銀座の、デザインの、栄光の日々は、伸びゆく日本の縮図であり、その後30年にぼくたちが失った軽やかでギラついたエネルギーを発している。

私淑する杉山恒太郎・現ライト・パブリシティ社長に、この本について語ってもらいたい。

人名がたくさん登場する。この手の本がぼくは好物だ。何より全員、和田さんが交わったひとたちで、当時、銀座というプラットフォームがデザインを軸に爆発的な才能の増殖炉だったことがわかる。

 

宇野亜喜良、横尾忠則、田中一光、向秀男、伊坂芳太良、前田憲男、谷川俊太郎、亀倉雄策、古谷充、寺山修司、真鍋博、植草甚一、武満徹、黛敏郎、高橋悠治、粟津潔、立木義浩、篠田正浩、丸谷才一、吉村実子、水森亜土、三島由紀夫、水谷八重子、都筑道夫、立川談志、湯川れい子、篠山紀信、芥川也寸志、久里洋二、三宅一生、一柳慧、横山隆一、清水崑、手塚治虫、長新太、岸田今日子、石原慎太郎、土方巽、小島良平、赤塚不二夫、黒田征太郎、矢崎泰久、柳原良平、古川タク、山口瞳、浅葉克己、淀川長治、羽仁進、木村恒久、福田繁雄、唐十郎、小松左京、瑳峨三智子、岡本太郎、遠藤周作、鶴田浩二、勝新太郎、小中陽太郎、吉田日出子、宮本信子、小川真由美、木の実ナナ、九重佑三子、倍賞美津子、岸洋子、筒井康隆、永六輔、黒柳徹子、渥美清、いずみたく、中村八大、竹中労、吉行淳之介、小沢昭一、森山良子、恩地日出夫、岡本太郎。

 

どうですか。

おかしくないですか。

当時の全員じゃないですか。

和田誠さんという、銀座の、デザインというプラットフォームが、全部をつないでいた。

それって、今で言うと何でしょう。

 

大友克洋、河瀨直美、松本大洋、庵野秀明、安藤忠雄、草間彌生、米津玄師、椎名林檎、ボーメ、富野由悠季、菅田将暉、東村アキコ、村上春樹、藤本タツキ、宮藤官九郎、きゃりーぱみゅぱみゅ、村上隆、真鍋大度、Mrs. GREEN APPLE、会田誠、松本人志、市川團十郎、宮本茂、三谷幸喜、尾田栄一郎、蜷川実花、猪子寿之、隈研吾、小島秀夫、Ado、役所広司、湯浅政明、竹宮惠子、森見登美彦、奈良美智、山崎貴、宇多田ヒカル、押井守、落合陽一、伊東豊雄、ひろゆき、桑田佳祐、令和ロマン、吉沢亮、矢野顕子、浦沢直樹、宮崎駿。

 

が全員、どこかの、何か、誰かがメディアとなって、つながってるようなもんじゃないですか。

そういう、どこかの、何か、誰かって、今ありますか?

SNSですか?みんなをつないで、価値を生むことができているだろうか?

ほしいなぁ、そういうの。

っておもう本でした。

2026年4月30日木曜日

iUというバウハウス

■iUというバウハウス


65歳、定年。ルールに沿い学長を退任します。無職になります。

iU、情報と経営でイノベーションを起こす大学。

構想から9年。開学から6年。目指すモデルはつくりました。

ぼくだけでなく、阿部川学部長、松村太郎教授、山内正人教授、志村一隆教授ら中軸をなす教授陣も26年度末で退任します。iUスピリットを代表する若い教授陣がまるっと外に出ます。

これに伴い、これまでのiUは幕引きです。今後はこの実績、コミュニティ、ネットワークを外に向けて活用する考えです。

 

作ったモデルを整理します。


1.  全員起業


全員が起業に成功すれば就職率はゼロ。目標、就職率ゼロ。

起業率は断トツ日本一を続けています。たぶん、世界一です。

ただしほとんど失敗します。失敗から学ぶ「失敗大学」です。

 



2.  ノン・アカデミック


正教授は8割が産業界出身です。

通信、IT、ソフトウェア、コンテンツ、放送、出版、メーカ、コンサル、起業家。

ノン・アカデミックによる実践型の教育とプロジェクト。




3.  客員教授1000人


学生より教授のほうが多い大学。

産学の大きくて濃いコミュニティを作り、そこに交わり、プロジェクトを通じて学ぶ。

 



4.  連携企業800社


産業界と作る大学。IT系・コンテンツ系に加え、金融、食品、不動産、VCなど多彩。

プロジェクトを共創する。教員を出してもらう。インターンを受け入れてもらう。

 



5.  プロジェクト1st


Pop Power Project。ニューロダイバーシティ。超人スポーツ。

ウェルビーイング。医療AI。モビリティ。宇宙開発。

各教授が産学連携で研究を走らせる、プロジェクトのデパート。

 



6.  研究所 B Lab


Beyond、Borderless、Breakthrough。

MITメディアラボを反面モデルとし、ハイエンドではなくソーシャル、エスタブリッシュではなくオープンな研究コミュニティ。コモンズ的な存在です。

 



7.  国内外の拠点


墨田キャンパスに加え、サテライトをベイエリア竹芝と渋谷に設けてトライアングル。

京都は京都府のインキュベーション拠点Art Tech Village Kyotoに整備中。 

名古屋は愛知県のインキュベーション施設Station Aiを拠点とする。

B Labは海陽町、青ヶ島、種子島ら遠いところに看板を掲げ、

シンガポール、グラスゴー、ボローニャ、ダッカ、アデレードなどでも活動があります。

 



8.  大学院デパート


自ら大学院を作らず、海外の有力大学院を誘致しています。文科省をパスして。

米アリゾナ州立大学、伊ミラノ工科大学、英hult、仏Saclayら、

ハイブランドのビジネススクールと握手してきました。コースを形成中です。



 

これらはiUとしては2026年度で終了します。

27年度以降、どう外に切り出し、発展させるかを再設計します。

 

このほか進行中で扱いが決まっていない案件も数多い。



◯新コース


iUは世界初のeスポーツコースを作ると宣言しました。校内に設備を揃え、プロチームを誘致し、ときどさんなどを客員教授に迎え、活動を進めました。実装半ばです。

同様にYAHAMAと連携し、世界初のボカロコースを設計しています。まずは竹芝で短期コースを提供します。音楽・映像制作、配信ビジネス。いずれ本格的な授業コースにしたい。

27年度以降の扱いはこれからの検討です。



 

◯AI大学


AIの大学にiUはなる!という宣言をしました。AI学長くんを開発する。AI利用力を問う入試を導入する。この2つは実行します。

全教職員・学生が使う。全授業で使う。全業務をAIに乗せる。この実装は次期体制に委ねることとします。

 



◯テレビ局


すみだMedia Lab。iU敷地内に開いた映像スタジオです。BSよしもとの本拠になりました。テレビ局をもつ大学。それは達成しました。今後の運営は未定です。



 

◯構想プロジェクト


構想中のプロジェクトがいくつもあります。未来の美術館をデザインする。未来の食をデザインする。未来のファッションをデザインする。これらは退任後、場を換えて取り組みます。

 

校歌は少年ナイフによるパンクロックです。校内に学長が作ったタテカンが並べてあります。

学長くんガチョーン などYouTubeでヤバい発信も800本続けました。

ベンチャー大学にしかできない暴れ方をしてきました。これら色彩は、今後、変わります。

 

元々iUをマンモスにしたいわけではありませんでした。それより、このファーストペンギンをみて、他の大学が刺激を受け、つながって、日本の教育研究を構造改革していくことを夢想していました。このモデルを広げたい。

なので退任後ぼくは、ここまで作ったモデル、コミュニティ、スピリット、カルチャーを外に向けて伝播するよう改めてエンジンを始動します。

 

バウハウスはナチスに閉鎖されるまで14年の命でしたが、その後、世界の美術や建築に多大な影響を与えました。

ぼくらのiUは10年に満たないけど、何かが残り、インパクトを与えられるといいな。

ぼくはiUをバウハウスにしたい。退任して、無職になってからの、挑戦です。