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2014年3月31日月曜日

ポリシープロジェクトの解説-1:概要

■ポリシープロジェクトの解説-1:概要
KMD(慶應義塾大学メディアデザイン研究科)はリアルプロジェクトを軸に教育研究を進めるのが特徴。そのうちぼくが担当するポリシー系のプロジェクトは、この春からキッズ系は石戸奈々子さんが総責任者になることに伴い、再編することとしました。改めて解説しておきます。

 ポリシー・プロジェクトは新しい情報社会を築くための産官学連携プロジェクト。公益を増進する観点から、技術開発、ビジネス構築、コンテンツ制作、政策立案などを総合的に行います。
 1. ポップパワー   
 2. デジタルキッズ    
 の2サブプロジェクトを置き、計500企業とアライアンスを組んで走らせています。



1. ポップパワー
 新ITメディアとコンテンツの開発を進めます。
 デジタルサイネージやスマートテレビの産業開拓、そのための制度改革や技術開発を推進しています。立法府・行政府と連携した活動を通じ「ユビキタス特区」の創設、「情報通信法スキーム」の制定など制度面でも成果を挙げてきています。
 同時に、ポップカルチャーの生産基盤を整備するとともに、海外展開を推進しています。音楽、マンガ、アニメ、映画、ゲームなどの領域に関し、各業界とプロジェクトを企画・運営。内閣官房知財本部、総務省、文部科学省、経済産業省などとも連絡調整しています。
 「Convergence」「Cool」「City」の3本柱で進めます。



2. デジタルキッズ
デジタル時代の子どもたちに関する研究プロジェクト。
 子どもたちの創造力、コミュニケーション力を育む環境を整備するとともに、未来の学習をデザインします。
 子どもたちのための技術開発、コンテンツ制作、ビジネス展開、国際的活動、全国の教育関係者との連携、政策提言などを総合的に進めています。
 NPO「CANVAS」などと連携し、「リアルキッズ」「デジタル教科書」「デジタルえほん」の3案件を進めています。


 これらを通じて、これまで成果を出してきました。

1) 政策
 メディア融合法制:情報通信法の提案
 ユビキタス特区、ホワイトスペース特区の提案
 知財計画、クールジャパン政策へのインプット
 教育情報化政策の推進  など

2) コンテンツ制作
 デジタルサイネージ、デジタル教科書等に関する書籍
 Sync Music番組、大学サイネージ番組、ラジオシリーズThis is IT
 デジタルえほんアプリ  など

3) イベント開催
 ワークショップコレクション、デジタルえほんアワード
 Tokyo Crazy Kawaii Paris、海外マンガフェスタ など

4) 産業プラットフォーム形成
 デジタルサイネージコンソーシアム、IPDCフォーラム、
 デジタル教科書教材協議会、安心ネットづくり促進協議会、
 ニューメディアリスク協会、ソーシャルゲーム協会 など


 次回、ポップパワーについて解説します。

2014年3月27日木曜日

竹芝再開発プロジェクトを始めます。

■竹芝再開発プロジェクトを始めます。
お知らせです。
 慶應義塾大学メディアデザイン研究科(KMD)は、東京都港区竹芝地区の都有地再開発プロジェクトに参加し、コンテンツ産業集積地の形成を目指すこととします。

 竹芝地区。浜松町から海に向かったところ。東京都はその都有地1.5haを都市再生に向けて民間活用することとしました。現在、東急不動産・鹿島建設が事業主体となって「コンテンツ産業集積地」を形成すべく検討を進めています。

 建物計画については行政協議中で、規模・内容等変更になる場合もありますが、地上26階地下2階の業務棟を建設する計画です。

 その中にコンテンツやITに関する1)研究開発・人材育成、2)国際産業支援のための拠点として、7600㎡を用意し、ラボ、ホール、スタジオ、オフィス等を構築する計画です。
 2019年にオープンする予定となっています。

この計画を進めるため、人材育成・研究機関の誘致、ビジネスマッチング、起業支援、コンテンツ系施設への助言などを行う活動母体として「コンテンツ・イノベーションプログラム(CIP)推進協議会」の設立が予定されています。
 
 KMDは、この計画策定と運用に参加し、中心的な役割を果たす予定です。
 CIP推進協議会の代表にぼくが就任し、今春から活動を始めたいと考えています。

 どういう人材育成機能を備え、どういう研究機関を誘致するか。どのようなビジネスマッチングや起業支援の機能を備えるか。このあたり白紙です。
 これから関心のある企業、研究機関、教育機関、官庁などと相談し、協議会作りを進めながら、デジタルの街づくりをグランドデザインしていきます。

 ただ、ぼくの頭の中には2点ばかりイメージがあります。

 まず、オリンピック。2020年の前年オープンです。国際的なデジタルのショーケースとなり、開催中も活躍し、その後もインフラとして活躍する場にしたい。

 もう一つは、ビヨンド・スマート。マルチデバイス、クラウド、ソーシャルのスマート革命はもう姿が見えました。その次、次の次をどう作るか。その拠点にしたい。恐らくこれまでにない組織設計が必要だと思います。
 MITメディアラボとコミケとワークショップコレクションが合体して無国籍な祭りが続くカルチェを夢想しているのですが、そのあたりはこれからおいおい煮詰めてまいります。

 取り急ぎご案内まで。

2014年3月24日月曜日

IP2.0プロジェクト、始動。(下)

■IP2.0プロジェクト、始動。(下)

 IP2.0プロジェクトでのぼくのプレゼンメモ。続きです。

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 現在、マルチスクリーン、クラウドネットワーク、ソーシャルサービスが同時進行している。
 この状況が進むことで、見えていることもある。

1 文字→映像
 文字ベースが映像ベースになっていく。いや文字ベースを映像ベースで上書きし、2つのOSが並走する、とした方が正確か。
 アルタミラやラスコーの人類のように、映像で考えて映像で表現することが当たり前になっていく。これは退化ではない。かつて捨てた能力を再構築するのだ。

2 プロ→ユーザ
 一部のプロからユーザ、みんな、へのパワーシフトが進む。進んでいる。誰もが24時間コンテンツを作って発信する。コンテンツはコミュニケーションと同義になる。
 国民のデジタルでの創造力・表現力が国力を左右する。日本のモバイルユーザの情報発信量は断トツ世界一という。若い世代のデジタル活用能力で世界をリードする日本は、国際競争力を発揮する大きなチャンスを迎える。
 その裏返しで、コンテンツを巡るトラブル、例えば炎上などの社会問題も日本では大きくなる。2013年には炎上を引き起こしたユーザの民事・刑事問題が沸き上がったが、炎上をあおるユーザの責任が問われる事態も想定される。
 パワーシフトという点では、GoogleやAppleのように国家を上回るパワーを発揮するグローバルなデジタル系企業も増加するだろう。企業と国家を巡るガバナンスは重要課題となる。

3 アトム→ビット
 MITネグロポンテが唱道したアトムからビットへの転換、リアルからバーチャルへのシフトは完成する。
 パッケージコンテンツはネットに移行し、12兆円のコンテンツ産業の大半がバーチャルにシフトする。紙はなくなる。
 買い物はリアルからオンラインに移行する。小売り135兆円のうち電子商取引は5%だが、50%ぐらいまで高まるのでは。それはコマースが巨大なコンテンツ産業になることでもある。通貨のデジタル化も進む。これは通貨発行という国の基本機能との深刻な対立をはらむ。
 全ての子どもがデジタルで勉強する。教育がコンテンツ化する。教育ビジネス20兆円の数割がコンテンツ産業となる。医療、30兆円ビジネスも同様だ。
 エンタメコンテンツ12兆円は海外以外に伸びる見込みはない。だが、リアル領域をコンテンツ化すれば、大きく伸びる。

 ここまでは見えている。さらに、それを超えた次元で起きることが重要だ。
 それを空想しなければならない。
 とはいえ、そう遠くなく実現することがたくさんありそうだ。
 一例を挙げよう。
 15年前のMITメディアラボでは、ウェアラブルコンピュータで暮らす研究員が何人もいた。技術はできていた。しかし、グーグルグラスは今になってようやく商品化する。新しい技術が登場して普及するまで、それくらい時間がかかるものだとも言える。
 当時見えていたデジタルでオンラインの世界は、15年で普及した。その次、15年前にメディアラボが目指していたような世界がようやく来るのかもしれない。
 Intelligent、Wearable、Ubiquitousといった方向性。
 言い換えると、「かしこくて、いつも、なんでも」。

1 Intelligent : かしこい
 メディアが私の代わりに自動的にどんどんコンテンツを生んでいく。
 世界中のコンテンツを処理・消化していく。
 自分のエージェントが自律的にネットの世界を生きて、表現・発信していく。

2 Wearable : いつも
 モバイルは「いつでも」だったが、Wearableはスイッチをオフしない。
 24時間「いつも」つながっていて、常に見聞きした情報コンテンツを発信しつづける。
 触覚情報もニオイもコンテンツとなる。
 自分の脈拍や脳波もコンテンツとなって発信される。

3 Ubiquitous : なんでも
 ビットが全てのアトムに入る。
 町自体がメディアになり、コンテンツを発信する。
 モノが発信する情報もコンテンツたり得る。
 ロボットを遠隔地から操縦して動かすドラマもコンテンツになる。

 さて、そうすると、これまでにない課題も発生してくる。
 たとえば、自分とバーチャルの権利をどう扱うか。
 エージェントが自分をどこまで代理できるのか。代理エージェントがしでかした発言や契約にどこまで責任を負うのか。
 ウェアラブルで常時見られ、映され、蓄積される社会のプライバシーはどこまで保護されるのか。自分の情報をどこまでコントロールできるのか。ユビキタスにあふれる情報の洪水を遮断する権利はどうか。
 また、モノの権利と責任をどう扱うか。モノが発生する情報に著作権はあるのか。モノが虚偽を唱えたらどうするのか。ネットで指令されたロボットが施した善行の権利や、しでかした悪行の責任はどうか。
 もっともっといろんなことが起きそうであり、これまでにない政策イシューが発生してくる。
 今日そこに踏み込む余裕はないが、それを空想して、つぶしていくという作業が大事だと考える。

2014年3月20日木曜日

東京オリンピックに向けた提言 byデジタルサイネージ

■東京オリンピックに向けた提言 byデジタルサイネージ
お知らせです。
 デジタルサイネージコンソーシアムは、2020年の東京オリンピックに向け、東京及び全国の情報通信機能を強化することが必要となることに鑑み、下記2点を提言します。


1 メディア整備

  2020年東京オリンピックに向け、下記メディアの整備を図るべきである。

 1) 4K8Kパブリックビューイング
  学校、郵便局等全国の公共空間及び海外の計数万箇所に、
  4K8Kによるパブリックビューイング拠点を設ける。
  地域における防災情報機能も具備する。

 2) おもてなしサイネージ
  都内の公共空間・商業施設等1,000箇所に、
  英中韓3カ国語による対話式の案内表示を設ける。

 3) マルチスクリーン連携
  TV、スマホ・タブレット及びデジタルサイネージが
  放送及びインターネットと連動し、
  全ての端末で全競技が試聴でき、コマース連動もできる環境を全国に整備する。

 4) サイネージビッグデータ
  顔認証機能などを通じデジタルサイネージから得られる統計データを
  収集・分析・連携してビッグデータとして活用する。


2 措置

 上記のため、政府及び東京都は、下記の措置を講ずるべきである。

 1) 表示規制緩和
  都内のバス停など公共空間・公共施設における
  デジタルサイネージの設置規制を緩和する。
 
 2) 実証実験
  パブリックビュー及びマルチスクリーンに対する
  多言語コンテンツ配信、防災機能強化、
  ビッグデータ利用に向けた実証実験を行う。


 なお、これらメディア及び措置は、オリンピック会期終了後の活用を前提とするものです。
 これらを推進するため産官学連携の組織を設置することが望ましく、デジタルサイネージコンソーシアムとしても積極的に参加する意向であります。

 関係各位、ご理解のほどよろしくお願い致します。

2014年3月17日月曜日

IP2.0プロジェクト、始動。(上)

■IP2.0プロジェクト、始動。(上)
IP2.0という耳慣れないプロジェクトがスタートしました。
 IPという言葉は、同じデジタル業界に身を置く人々でも違う意味に受け取ったりします。技術屋はInternet Protocolととらえ、プラットフォーム屋はInformation Providerと思い、そしてコンテンツ屋はIntellectual Propertyと認識します。
 IP2.0の指すIPは、最後のやつ、知的財産のことです。その第2ステージを切り開こう、というものです。
 去る7月、設立10年を迎えた知財本部は「知財政策ビジョン」をとりまとめました。そのエッセンスは閣議決定に至りました。政府はIP分野にこれまでになく力を込めています。
 しかし同時に、改めてメディアが激動期を迎え、知財分野はこれまでの延長線ではとらえきれなくなっています。
 たとえば企業活動のグローバル化が進み、ビジネスが地球クラウド化する中で、各国の制度との整合性が取れなくなっています。国家と企業との関わりをどうとらえればよいか。
 あるいはビッグデータのように超大量の情報の生産・流通・蓄積がこれまでにない価値を生み、また、これまでにない問題を発生させます。これをどう扱えばよいか。
 さらに、モノのデジタル化が進み、人と人(P2P)だけでなく、モノとモノ(M2M)のコミュニケーションが高まります。その価値と課題は何か。
 こうした問題には、いちど頭を切り換えて望む必要があります。IP2.0は、そのためのチャレンジ。角川グループの角川歴彦会長が座長となって議論していくことになりました。MITメディアラボ伊藤穣一所長、ドワンゴ川上量生会長、SF作家の藤井太洋さん、デザイナーの田中一雄さん、東京大学渡部俊也教授らが参加し、ぼくも名を連ねました。
 そのプレ会合で、コンテンツのこれまで、というお題を座興までにいただいたので、その軽いプレゼンをメモしておきます。
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 人類最初の楽器はスロベニアで発見された43000年前のアナグマの大腿骨。まずは音楽から始まった。アルタミラは18,500年前、ラスコーは15,000年前。当時、人類は映像で考え、映像で表現していたのだろう。文字の発明は紀元前7千年ごろと言われる。コンテンツは音、映像、文字の順に作られたが、ライブだったり壁面だったりして、その時その場限りのものだった。
 最初に大衆化されたのは、文字表現。1455年、グーテンベルク活版印刷。写真は1826年、ニエプス。音は1877年、エジソンのフォノグラフ。文字、映像、音というコンテンツ登場の逆順だった。動画は1985年、リュミエール兄弟。
 著作権の概念は印刷機発明から100年後、1545年にヴェネツィアで最初の著作権法が登場。19世紀にはメディアの登場とともにAudio Visualに広がった。

 20世紀はテレコミュニケーションの時代。電話やテレビの普及で、コンテンツやコミュニケーションが場所と時間の制約から開放された。
 次の変革期は今から30年前。任天堂ファミコンが映像で遊ぶことを可能とした。83-85年、メディアの多様化が進んだ。日本ではニューメディアブームと呼ばれ、電話・テレビ以外のメディアの多様化が進められた。通信自由化、放送多チャンネル化もこの時期。アナログの多様化だった。
 同じく84年、マッキントッシュをジョブスが発表。コンピュータのパーソナル化が始まった。デスクトップで誰もがコンテンツを作る時代の幕開けだ。

 10年後、90年代に入ると、別の運動が起きる。日本ではマルチメディアブームと呼ばれる。デバイスとしてPCとケータイが大衆化、インターネットが普及し、デジタルネットワークの上に流れる情報、映画や書籍やテレビ番組や音楽やゲーム、それらをひとまとまりにする「コンテンツ」という概念が登場した。
 ぼくはその政策を政府で初めて担当した。1993年、今でいうコンテンツ政策を立ち上げるため「メディア・ソフト研究会」なるものを開催した。メディアソフトというのは造語だ。その翌年あたりからコンテンツという言葉が普及した。アナログで多メディア・多チャンネル化したものを、デジタルに収束する運動でもあった。

 さらに10年後、コンテンツが注目されるようになる。2003年、知財本部が設置され、「コンテンツビジネスの飛躍的拡大」が計画に明記された。04年「コンテンツビジネス振興政策」では「コンテンツビジネス振興を国家戦略の柱とする」と明記されるに至った。
 しかしコンテンツは成長産業と言われながら、期待には反している。デジタル化が進んだ95年からの10年間に市場規模は5.8%成長でGDPとほぼ同じであり、成長産業ではない。このところむしろ縮小している。一方、その間、生産された情報量は21倍。爆発的に拡大している。

 デジタル化で起きたことは、ウェブやソーシャルメディアなどで作り手が爆発的に増え、情報量が増えたことだ。産業としてみても、狭義のコンテンツ産業=エンタメ産業12兆円は拡大せず、ネットや通信としてカウントされる産業、それは合計20兆円以上あるのだが、そこが拡大した。自分でコンテンツを作って自分で発信して自分でお金を払うビジネス構造だ。これも広い意味でのコンテンツ産業と言える。
 これに対応し、この数年、知財本部の重点領域も変化している。1)国内重視から海外展開に軸を移す。2)産業界を助成する以上に制度やインフラという基盤の整備に力を入れる。3)プロだけでなく、国民全体の教育に力を入れる。ひとまず、正しいと考える。

 同時にこの数年、メディアは20年ぶりの激動のさなかにある。1)デバイスはTV、PC、ケータイからスマホ、タブレット、サイネージ、スマートTVなどマルチスクリーンへ。2)ブロードバンドと地デジの全国整備が完成、通信放送の総デジタル化という20年来の目標が達成、クラウド列島が誕生。3)サービスとしてはコンテンツが伸び悩み、ソーシャルメディアが中心に定着。メディアを構成する3つが世界一斉に塗り変わっている。
 その中で、知財・コンテンツがどうなるかが目下の課題となる。 (つづく)

2014年3月13日木曜日

吉本興業とYouTubeチャンネルを始めます。

■吉本興業とYouTubeチャンネルを始めます。
お知らせです。
 慶應義塾大学メディアデザイン研究科(KMD)は、吉本興業が展開する動画配信チャンネルと連携し、映像制作、人材育成、新ビジネス創出等の共同研究を行います。

 吉本興業が展開するYouTube マルチチャンネルネットワーク(MCN)向け動画チャンネル「OmO」(オモ)と連携して、映像制作・配信を行うほか、人材育成、新ビジネス創出等に関する共同研究を行うものです。

 具体的には以下の事項が進められます。

・KMDの学生(留学生を含む)ないしそのグループがチャンネル内に個別チャンネルを設け、番組を制作・配信します。

・他の大学などから映像作家の卵を共同で発掘し、制作・配信の機会を提供します。

・これらを通じ、映像を制作する人材の育成策の検討、ネットでの新ビジネスの開拓等について、共同で研究します。


 スタート時の「OmO」×「KMD」共同制作チャンネルは以下の5つです。
 全部学生がやっとります。

◯Gothic & Lolita & Punk no Kai Weekly Channel
 ゴシック&ロリータ&パンクの会です。
 http://bit.ly/1nzubXS

◯清水佳代子のイケパラちゃんねる
 イケメンをみてください。
 http://bit.ly/1nzuj9z

◯Cool food×美味しいちゃんねる
 韓国からきた黄さんの番組。プロの仕事です。
 http://bit.ly/1nzudip

◯TokyoMarin
 東京まりん「ひとりでできぬもん!」
 http://bit.ly/1ajTMh6

◯TokyoMarinEnglish
 東京まりんの英語版。
 http://bit.ly/1jDaLRH

2014年3月10日月曜日

オープンデータとブラックジャックによろしく。

■オープンデータとブラックジャックによろしく。
  オープンデータシンポジウム。今年もまた東京大学伊藤謝恩ホールで開催しました。ぼくが理事を務めるオープンデータ流通推進コンソーシアムが主催です。
 冒頭、藤川総務大臣政務官が、6月の世界最先端IT国家創造宣言で、2015年度末には世界最高水準のオープンデータ実現をうたったと報告されました。昨年度末の会合で、世界ランク19位の日本を3年で世界一しようと提案がなされ、そりゃ無茶だろう、でも民間のコンソーシアム旗を立てるぶんにはいいよね、と議論していたもの。なんと国家目標になったんですね。
 次いでコンソーシアム会長の小宮山宏親分は、今後のカギは複数分野のデータを横断的につなぐ技術と高速大容量データを収集・処理・解析する技術だと指摘しました。しばらくテクノロジードリブンですかね。
 同時に必要なのは、データをオープンにする努力。これに関し、井上由里子データガバナンス委員長は、国のもつ公共データをオープンにするためにクリエイティブコモンズを各省のホームページなどで活用する取組を報告しました。力強く進めてください。
 ぼくは利活用普及委員会の報告。昨年は、波は高いが船をこぎ出そうという団結式でした。今年は、高波に揺られながらも船が向こう岸に進んでいるという確認です。コンソーシアムとしては、海外への情報発信を強化したり、アプリコンテストなどの参加型イベントを開催して草の根的に拡げたり、自治体を巻き込んでいったりしています。コンテストは経産省と総務省の共催で進めているんですが、これは一昔前は考えられなかった。政府のやる気が見えます。
 
 さて、今回、「ブラックジャックによろしく」の佐藤秀峰さんにお越しいただきました。「ブラックジャックによろしく」の二次利用をフリーにした話を聞いたんです。パロディ、アニメ、小説、映画全て事前承諾不要でコピーも配信もOKにしたというもの。情報をオープンでフリーにすることで、一体何が起きるのか。その事例を共有してもらいました。
 出版市場は8年連続で縮小。マンガは95年の65%に縮小しているといいます。なのに電子書籍を巡ってマンガ家と出版社の対立もあり、ならばマンガ家の利益を増やすためまず拡散、と考えてやった、と佐藤さん。
 その結果、1年で712件の利用があったといいます。アプリが160万ダウンロードされたというマンガの拡散だけでなく、演劇、AV、酒も造られるなどの拡張。文化として広りをみせました。
 そして、「新ブラックジャックによろしく」の方はフリーにせず、そちらに誘導するというビジネスも考えたそうです。なるほど。やみくもにオープンにしたわけではないと。
 すると二次利用フリーで他の電子書籍作品の売り上げが増加したそうです。それも、1年で1.5億円売上増。佐藤さんの収入は7000万円アップ(あけすけ)! フリーにしたらもうかった、というおはなしでした。

 佐藤さんは出版社に著作権を与えることに疑問を呈していて、ぼくは知財本部でその議論をとりまとめる役割なので、聞く立場的にはビミョーなんですが、でも佐藤さんのやってることはパンクでわかりやすい。こうでなくちゃいけません、われわれオープンデータも。
 オープンデータに求められるのは、技術も、オープン化努力もありますが、それ以上に、こういうわかりやすい成果を増やしていくこと。引き続き、がんばります。

2014年3月6日木曜日

スタンフォード大学とIT政策研究会を開きます。

■スタンフォード大学とIT政策研究会を開きます。

 お知らせです。
 慶應義塾大学メディアデザイン研究科(KMD)は、スタンフォード大学APARC(アジア太平洋研究センター)と共同で、今後10年の国際的なIT政策を検討する研究会を開催します。

◯趣旨
 ブロードバンド、移動体通信網、デジタル放送網の整備や競争の促進など過去20年のIT政策は大きな目標をほぼ達成しました。
 一方、知財保護、セキュリティ、教育・医療等ITの利用面を中心に行政需要が高まっているほか、サイバーテロや機密漏洩など国際的な課題も発生し、新たな対応が必要となっています。
 世界的にマルチスクリーン、クラウドネットワーク、ソーシャルサービスが定着し、ビッグデータ、ウェアラブル、M2Mなどの新展開も見られる中、今後の政策アジェンダを整理し、提示することが求められます。
 このため、日米の研究機関が共同で検討の場を設定するものです。

◯内容・方法等
 インフラ、産業、知財、技術、利用等のジャンル毎に、重要となる政策テーマを整理します。
 国際提言のほか、シンポ、サイト発信、出版等をアウトプットとします。
 KMDからはぼくのほか、菊池尚人特任准教授(元総務省)、石戸奈々子特任准教授(情報通信審議会委員)が参加します。山田真貴子総理大臣秘書官、谷脇康彦内閣審議官、稲田修一東京大学先端科学技術研究センター特任教授にも参加いただく予定です。
 スタンフォードからは経済学者、IT政策研究者のほか、元在日米国大使などの参加を予定しています。MIT、Oxford大学、OECD等への参加者拡大も図ろうと思います。SNS等により、国際的なオープン論議も進めます。

 そこで、民間企業からの参加を呼びかけます。
 これから重要となるIT政策テーマは何か?
 競争政策や電波政策はなお必要か?
 産業支援は必要か?知財政策は重要か?技術政策の重点は?
 セキュリティ、プライバシー、電子政府・医療・教育?、バーチャル通貨?
 安全保障・軍事? そもそも国家政策は必要なのか?
 ご関心がおありでしたら参加いただければと存じます。


 なお、KMDは本件以外にもスタンフォード大学との間で連携プロジェクトを企画・協議しておりまして、それらと合わせて、東京都港区・竹芝地区の再開発プロジェクトでの共同研究構想の可能性についても検討していきます。
 要するにスタンフォード大学、竹芝に来いよ、つうことです。

2014年3月3日月曜日

2045年 世界と日本のICT

■2045年 世界と日本のICT
国際公共経済学会、トリのセッションは、これから30年後の情報社会を展望しようというものでした。KMDの同僚、稲見昌彦さん、水口哲也さん、チームラボ猪子寿之さん、情報セキュリティ大学院大学林紘一郎さん、経済産業省境真良さん、国立情報学研究所生貝直人さんという面々。ぼくが司会です。バックグラウンドは技術、デザイン、ビジネス、法学、経済学、政策とバラバラ。いちばん若い生貝さんとシニアの林さんは年齢差40歳。

 30年後を設定したのは、30年前が大事だと思ったから。当時のメディアは電話とテレビでした。100年整備してきた電話ネットワークの積滞解消とダイヤル化が完成し、テレビはアナログ全国網が整備されて全国での民放4ch化が目標になったばかり。次に進むということで、84-85年には通信は電電民営化・通信自由化、放送は衛星放送がスタートして多チャンネル化へ。
 当時の政策アジェンダは4つです。安い、速い、キレイ、もうかる。長距離と国際の電話料金が安くなるか。1200bpsが基本だった通信が速くなるか。ハイビジョンで放送の画像がキレイになるか。NTTや第二電電がもうかるか。このアジェンダ、今はもうどれも重要性を失っているのでは。
 同じころ、82年にCDが生産されデジタルコンテンツの幕が開き、83年に誕生したファミコンは映像で遊ぶことを可能にして、TCP/IPを採用したARPANETがインターネットに進化し、84年に誕生したマッキントッシュがコンテンツ制作のダウンサイジングを可能にしました。

 30年たちました。
 アナログは失せ、PC・モバイルと、インターネットと、コンテンツは世界的に定着しました。
 その次のステージ、マルチスクリーンと、クラウドと、ソーシャルメディアも普及しています。
 改めて、混沌。そこでの政策アジェンダもさまがわりしています。もはや安い速いもうかる、ではありません。とても多様化しています。
 さて、では、これから30年後を展望するとどうか。経済社会はどう変化するか。日本はどうなるか。その中で、ITはどういう役割を果たすのか。その位置づけは、重要になるのか、低下するのか。それがぼくからの問いかけでした。

 具体的な問いは3点。

1) 技術
 伝送、電波、コンピュータ、ディスプレイ、クラウド、AI、AR、印刷、ナノ、バッテリー・・
 これからのキーテクノロジーは何でしょう。

2) 利用
 ウェアラブル、M2M、エンタメ、教育、医療、電子商取引、リテラシー、格差、セキュリティ・・・
 技術、商品、サービスがいかに利用され、普及していくでしょうか。ユーザーたる産業界、社会への影響、変容が重要です。何が重要ジャンルで、何が期待できるでしょうか。何が重要課題になるでしょうか。

3) 政策
 インフラ、コンテンツ、プラットフォーム、ソーシャル、デバイス、ビッグデータ、セキュリティ、プライバシー・・・
 30年後に向け、われわれは何をすべきでしょうか。

 結論から言います。案の定、議論は全くとりとめもなく終わりました。司会の腕のなさを弁解はしません。でも、それ以上に、みんなの意見を聞いていて、やはりメディアが混沌としている、その状況を確認したんです。
 子どもだったころ、テレビ電話やエコカーが誕生するニコニコ明るい未来像を共有していました。30年前の高度情報社会論の頃も、いつでもどこでも誰とでもという「こんな感じ」を共有しようとしていました。
 でも今は、ユーザのウォンツも社会の要請も多様で、サイバー攻撃やら炎上やらの問題も先に立ち、技術が進むことによって機械が人に置き換わることの現実味も浮き彫りになっています。未来の「こんな感じ」が白でも黒でもなく、灰色でもなく、まだら模様。
 それを共有することがこのセッションの目的ですので、まぁいいのですが、そうした議論の再出発をアカデミズム=学会が投げかけたとして、そのプラットフォームを担っていくのはなかなかに荷が重い。後は誰かやってくれまいか。そこの若いの。

 個別のコメントでグサグサと刺さるものはありました。少々紹介しますと、
 稲見昌彦さんはITが物流となる可能性に言及。ぼくもこれは重要な変化をもたらすと考えます。3Dプリンタが大衆化しているように、インタフェースやアウトプットがAudio Videoじゃなくてモノになる。ITはモノを送受信する手段になるのです。
 稲見さんは主観や身体を共有できるようになる可能性にも言及。メディアを通じて共有される「情報」の概念が拡張するのか、あるいは「データ」が感情やアトムの全領域を覆い、処理されるとみるのがいいのか、深い洞察を要します。
 これに関し、水口哲也さんが身体の拡張を指摘したのに対し、猪子寿之さんは脳の拡張を指摘したのが面白かった。どちらかというと逆のことを言うイメージだったのですが。でも、その区分が無意味になることを、あるいはメディアを通じて両者の融合が重要になることを、示唆しています。
 他方、境真良さんが国の役割が強化されるだろうと言ったのが刺激的でした。前のパネルで、DeNA南場さんが国とグローバル企業との対立に言及したのですが、だからこそ国家となるか、そうならないか。政策屋を刺激します。
 林紘一郎さん「ムーアの法則のおかげでICTは予測可能性が高かった」という指摘にハッとしました。だが、技術より利用が主導する段階に入り、予測可能性は低下してはいまいか。だから未来論が難しくなっているのかもしれません。

 ところで稲見さんが提案した「サイボーグ五輪2020」。面白い! 障害のある人も普通の人も技術でパワーアップして、ロボットスーツで参加してもらい、強く、速く、高く、最高を競う。ノールール何でもアリで創造性を競いたい。
 無性に想像をかき立てられるアイディアなので、改めて考えてみます。