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2015年5月28日木曜日

テレビ随想:テレビ?ふとんの中で見てるさ

■テレビ随想:テレビ?ふとんの中で見てるさ
 「テレビ?ふとんの中で見てるさ。」チャンネル権を喪失した同僚のオヤジがグチる。ケータイでテレビを見てるんだな。ワンセグだな。よかったじゃねえか。昔なら寝床でも便所でも見られなかったんだから。

 ワンセグ。ケータイだけじゃなくて、クルマについてる画面でもクッキリと見えるようになりましたよね。地デジの電波を使ったサービスで、普通のテレビと同じく、タダ。

 これとは別に、スマホ向けの有料テレビもあります。「NOTTV」というサービスです。これは地デジができるまで使っていたアナログテレビの電波帯を使っています。

 地デジはテレビをキレイにするだけじゃなくて、電波の土地区画整理という意味合いが大きい。平屋建てのように使っていたアナログの土地から、高層ビルのように効率よく使えるデジタルの土地にテレビが引っ越す。そして空いたアナログの跡地を有効活用する。

 その跡地もデジタルで高層化して、つまりチャンネルを増やして、ケータイという通信機にテレビ放送を届ける。通信と放送の融合というやつです。しかもその会社はNTTドコモが筆頭株主。通信会社のカネで放送が行われているのです。

 アナログの跡地にはまだ空き家があって、もう一つ計画があります。「マルチメディア放送」です。スマホやパソコンやデジタルサイネージなど、マルチなメディアに向けて新種の放送を届けるプラン。テレビやラジオっぽい番組だけじゃない、新しいアイデアが練られています。

 企画しているFMラジオ局に計画を聞いてみました。
「番組をぜんぶ文字起こしして、ツイッターやフェイスブックと連動させます。」「新聞や雑誌の誌面をそのまま届けることもできます。」まるでネットだね。「自動車会社がカーナビに使います。」ちょっと待って、それって思い切りネットだよね。というか、アプリだよね。

 そうなのです。実は日本では、放送の電波を使って通信っぽいサービスを行うという、海外ではできないことができるように制度が改められていて、それが実現するのです。こちらはNOTTVとは逆に、放送局が通信ぽいことをする、ということです。

 ぼくが期待しているのは、電波の時間貸し。放送の電波なら、全国の子どもたちが学校で使うタブレットに、教科書を一斉に送ることが瞬時にできます。市役所や村役場が緊急の防災情報を送ることもできます。

 使う側としては、通信でも放送でもどっちでもいい。FMラジオでもテレビでもネットでもない、世界にもまだないサービス。たくさん生まれてくれるとうれしい。

2015年5月26日火曜日

デジタル教育、改めて、前に進みたい。


■デジタル教育、改めて、前に進みたい。


 政府がデジタル教科書の無償配布解禁を検討、という報道がありました。
 デジタル教科書教材協議会DiTTが2012年から求めていた施策がようやく検討です。よろしくお願い致します。
 
http://bit.ly/1BpynR8

 3年前に提言した際には、業界からもムチャだという声が上がったのですが、知財本部での議論を経て、政府内でも「検討すべし」とされました。事態が速やかに動くことを期待しました。

 しかし、3年間、検討は始まりませんでした。
 

 その停滞は、日本社会のIT利用の遅れ、社会全体の変革への躊躇を反映するものであって、教育界のみを責めることはできません。動き出すことを多として、前に進みましょう。

 何しろ、状況を直視しなければ。
 FMMC七邊さんのレポートによると、OECDの2012年調査では、「自宅でデスクトップPCが利用できる」と回答した生徒は、OECD平均69%、日本47%。うーん。これでいいのでしょうか。
 

 同調査では、「自宅でインターネットが利用できる」と回答した生徒は、OECD平均91%、日本82%。うーん。
 

 「学校でデスクトップPCが利用できる」と回答した生徒は、OECD平均65%、日本53%。うーん。
 

 「学校でインターネットが利用できる」と回答した生徒は、OECD平均71%、日本47%。うーん。
 

 「学校外でコンピュータを使って宿題作成する」と回答した生徒は、デンマーク、オーストラリア、メキシコは90%以上。日本は他を大きく引き離して最下位の9%!
 

 日本の教育環境を世界一にしたい。
 そう願っているのですが、逆に、日本の子だけがデジタル環境で学べなくなりそうな気配。

 教育情報化に失敗したら責任をどう取るんだ、という批判を受けることもあるのですが、教育情報化を進めなかった大人の責任のほうが問われる事態かと思います。

 もう議論の時期は過ぎたと思うんです。
 でも、例えば、先ごろ情報処理学会全国大会では、教育情報化に「かんかんがくがく」の議論がなされたそうです。

  http://nkbp.jp/1EdwgGh
 ぼくらがデジタル教科書の運動を進めた5年前には、学会は否定的なメッセージを発しておられましたが、今もそうなのでしょうか。

 14年前、ぼくがMITで100ドルPC構想をプレゼンした際、全ての子どもにネット端末を与えることは「当たり前の使命」だとして、アカデミズムの支持を得て、即座にアメリカのプロジェクトとなったのに対し、今もこの国は、その是非を議論している、という状況です。

 まあいいか。いいんだった。もうそんなことは。



 これまでも、教育情報化への反対、懸念、不安に対し、ていねいに論じてきたつもりです。そして2年前には、もうそんな時期は過ぎたので、前に進もうと思ったのでした。
 この2年で、政府は対策を講じ、本格導入を進める自治体が現れ、学校現場の実践も重ねられ、よりよい教育環境に向けた企業の投資も進みました。
 動けるプレイヤーで、前に動きましょう。


 

参考:最近の関連記事

おつかれさまです。研究はもう十分です。普及・実行を進めましょう。
「文科省、タブレットの有用性など教育ICTの実証研究成果を公表」
http://resemom.jp/article/2015/05/22/24671.html

リスクを考えすぎることが問題。ITで経済格差-学力格差は縮まる。品川女子学院の漆紫穂子校長がいいことをおっしゃってます。
「ICT活用で日本の教育はどう変わる--変化を阻む2つの要因」
 http://bit.ly/1yVWDi7


福岡市立賀茂小学校、福岡市、KDDIの実践。1人1台、SNS、アクティブラーニング。「「タブレットで学力向上」は本当か? 福岡の公立小学校がiPad100台で実証」 
 
http://bit.ly/1Nknt6S 
「学校でもBYODが増える?」はい、増えます。でもそれ以上に、まずは1人1台が達成されるように自治体が力を入れなければなりません。今は小学校6.5人にPC1台というありさま。
 http://bit.ly/1yVWDPe


「英国BBC、ミニ基板コンピュータ『Micro Bit』100万台を無償配布。中1生全員にコーディング教育」だそうです。
 日本のNHKがこういうことをしようとしたら、どういう反応になるでしょう?
でも、そんな反応を気にせず、強いプレイヤーにどんどんやっていただきたい。
 http://engt.co/1GCYpSY
 


12出版社によるデジタル教科書プラットフォーム、CoNETS。成果に期待しております。「標準となるか、複数のデジタル教科書を一貫した操作で扱える「CoNETS」」
 http://bit.ly/1yVWBGV

普及が本格化してきました。課題を乗り越えていきましょう。
「デジタル教材、伸び盛り 新市場に期待感、国も検討本腰」
 http://www.asahi.com/articles/ASH5N6X31H5NUTIL058.html

AppleTVをハブにするスマート黒板。発売が楽しみ。全国の先生方、どうですか?
「黒板×デジタル機器で授業の新たな可能性--カヤックら「Kocri(コクリ)」開発」
 http://japan.cnet.com/news/service/35064908/


幼児向けに力が入ってきました。民間が投資をして、よい環境を作り、その恩恵が日本の子どもに行き渡るようにしてほしい。
「電子黒板から幼児タブレットまで最新デジタル教材」
 http://bit.ly/1KrGDsj


2015年5月25日月曜日

MIT発世界を変える100ドルPCプロジェクト


MIT発世界を変える100ドルPCプロジェクト




 ウォルター・ベンダー他「ラーニング・レボリューション」。副題「MIT発世界を変える100ドルPCプロジェクト」。
 大プロジェクト遂行の汗と涙が詰まった好著。パソコン本でも教育本でもなく、社会起業本であります。

 ネグロポンテ師匠を継いで2代目のMITメディアラボ所長となり、苦労していたウォルターをよく知るだけに、すっかり肩入れして読んだのですが、ぼくの所属するKMDが求めるTテクノロジー、Dデザイン、Mマネジメント、Pポリシー、の4つの力がまぶされているのも、惹かれた要因です。

 100ドルPCの設計はTテクノロジーとDデザイン。コンソーシアムを作って企業に製造させるのはMマネジメント。各国に働きかけて購入・普及・利用させるのはPポリシーの役割。

 本書は、高速、無線、耐久、省電力のマシンを作るというT+D以上に、契約、販売、資金管理というM+Pを記述しているところが新鮮です。

 教育向けPCを作る、というアイディアがステップ1とすれば、それを設計・製造し、販売・普及させる道程と苦労が9ステップ。本書はその9を説きます。
 ぼくが授業でかねがね話している、「WhatよりHow」の実践例。PCや教育ではない、あらゆるプロジェクトについて共通する教えを包み込んでいます。

 イノベータと起業家は違う、と本書は説きます。そのとおりです。イノベーションは発見レベルでもよいが、起業はリスクを伴う実践です。ぼくらはコンサルではいけない。実践しなければならない。そんな話をウォルターとしたことはなかったけど、そう考えていたのか。

 西和彦さんやぼくがメディアラボに対し、元になった構想を提案したのは2001年7月。MIT・ネグロポンテ師匠はそれを直ちにプロジェクト化しました。ノートPCが1000ドルだったころの構想にはインパクトがありました。コレがその最初の構想図です。

 ぼくらの提案は1のアイディア。Whatにすぎません。これを即座にプロジェクト化し、企業コンソーシアム「OLPC」を2005年に形成し、多くの国を巻き込んだ9の実践=Howが事の本質です。

 メディアラボは世界的にも有名です。が、アウトプットは?と問われると案外乏しい。批判を受けつつも、40か国に250万台を普及させたことは大変な成果と思います。100ドルPCが最大の成果ではないでしょうか。

 1人1台PCは当然。議論の余地なし。だから本書は教育情報化の意義には触れていません。信念に基づき一途に行動しているのです。デジタルが有益かどうかでグズグズする日本の教育情報化関係者にも読んでもらいたい。

 ただ、その教育論の根本には、問題解決、批判思考、革新行動の能力を育むというMITシーモア・パパート教授による「教授主義から構築主義へ」が横たわります。弟子のミッチェル・レズニック教授に連なるチームによるLOGOとScratchは、100ドルPC構想のソフト面のインフラです。

 もちろんハード面の基本構想には、アランケイのダイナブックがあります。パソコンの父は、子供向けタブレットをPCの元に据えていました。

 本書は、アメリカで1971年には13%の高校がPCを導入していたが、40年たっても教育法は不変としています。うん、19世紀の外科医がいま手術室に来たら立ち往生するが、当時の教師が現れても躊躇せず授業を始めるだろう、とかつてパパート教授が言っていたな。

 ところで、65%のオーバーヘッドから逃れるためOLPCをMITから独立させたといいます。アメリカの大学は資金が潤沢に集まるけど、大学に吸い上げられる分も大きくて、そこがネックになります。その点、日本の大学の資金は効率的に研究に回るから、拠出しがいがありますよ>企業さま

 ぼくらが子どものデジタル創造力を高める活動=CANVASを立ち上げたのは、100ドルPC構想から1年後の2002年。以来13年、民での活動を続けています。

 デジタル教科書教材協議会を立ち上げたのは2010年。日本も学校の情報化を放っておけず。100ドルPCがウルグアイの全ての子どもに行き渡ったという2009年のニュースに触発されたことが大きかった。負けずに、がんばります。

2015年5月22日金曜日

武雄市の教育情報化策に関しまして

■武雄市の教育情報化策に関しまして

 佐賀県武雄市がタブレット端末を学校に導入した件に関して、ぼくらデジタル教科書教材協議会DiTT関係者がネットでdisられておりまして、それについて説明しておきます。

 ぼくらに対する批判はおおまかに言うと以下の2点です。
1 DiTT関係者の議論は無責任だ。
2 機種選定をDITTが主導した。


1について。
 武雄市のICT教育推進協議会にぼくらDiTT理事2名が委員として呼ばれたのは事実です。武雄市がいち早く1人1台を達成しようとする姿勢に共鳴し、お役に立てればと考えました。
 ネットでは、非公開で自由闊達な意見交換を求められた会議の第一回目の模様(とされるもの)が流れています。ずいぶん前のことで、もうあまり覚えていませんが、それによれば、好き勝手なことを話しています。放談ですから。それを無責任であるという指摘は、全てを否定できません。
 ただそれがネットに流れて叩かれているというのは、そこに何がしかの政治的な意図は感じます。ぼくらは、そうした暗闘とは無縁です。


2について。
 機種選定をDiTTが主導したことはありません。
 
 第一に、ぼくらはDiTTを代表して委員になったわけでもないし、DiTTの意見を代表したわけでもありません。個人として呼ばれて参加しました。

 第二に、ぼくらは全5回の会議のうち、その後1回だけ出席しました。結局、選ばれることになった端末が最終回にプレゼンされたらしいのですが、そこには出席していません。
 会議の答申では、対象となり得る全てのOSを候補として列挙しました。具体的な答申を求められても、OSを決め込むことなく答申し、その後、採択では一種類に絞られました。
 つまり、採択に対する主導力が強かったとは思えません。
 
 第三に、ぼくらは採択に関わっていません。これが最大のポイントです。
 会議の答申を受けて、採択を決めた際の「選定委員」には、DiTT関係者は入っていません。結局のところ、非公開のアドバイザリー会議で意見は言ったけど、後は存じ上げないというところです。

 第四に、採択された端末を提供する企業はDiTT会員ではありません。

 つまりぼくらは、DiTTの意見を代表しておらず、主導したわけでもなく、採択にも関与せず、結果もDiTTは無縁であります。
 

 本件を巡る経緯には、ぼくらが知らないことも多々あります。
 でも、武雄市が全国の先陣を切って「1人1台」を達成しようとし、全国の教育情報化に影響を与えてくれたことは、とても意義のあったことと思っています。

 ぼくは日本の教育情報化を進めるべく、旗を振り続けています。批判を浴びながらも、理解のある自治体や企業と運動を続けています。日本は教育情報化の後進国です。それを改革することはこの国の重要課題だという考えは変わりません。

 武雄市の前市長が乱暴なひとだったから、グッと進んだ面はあります。他にも教育情報化に取り組んでくださる自治体の首長は剛腕で、ある種乱暴なところもあるかたが多い。
 当面、こうしたやる気のある首長、学校、企業などが前進して改革していく必要があり、ぼくもまだリスクを取って運動を続けるつもりです。

 武雄市だけでなく、先んじて導入した地域の課題も耳に入ります。機種に問題があるのでは。教材が不足している。ネットがつながらない。先生が使いこなせない。無論、手を打たねばなりません。
 しかし。子どもたちがニコニコと、ワクワクして授業に臨むようになった。集中力が高まった。発表・表現しようとする子が増えた。デジタルを導入することによる効果や成果が寄せられるようになりました。これを伸ばしたい。
 今は、課題を叩いてブレーキを踏むよりも、成果を伸ばしてアクセルを踏むことが大事。ぼくはそちらに力を入れたいと考えます。

2015年5月21日木曜日

竹芝でガンダムを動かしたい!

■竹芝でガンダムを動かしたい!
 CiP構想を練る「サロン・シップ」にサンライズ宮河社長、ランティス井上社長にお越しいただきました。
 アニメとアニソンの海外展開は? 

 ガンダムは海外に放送しなくてもガンプラの3割は海外で売れているんだそうです。アニメで見せて商品で稼ぐビジネスモデルが定着しているんですね。
 2013年、J-Pop売上1610億円。洋楽は194億円。アニソンは246億円。アニソンは洋楽よりうんと大きくなってるんですね。

 バンダイナムコグループはクールジャパン機構などと連携して「アニメコンソーシアムジャパン」を設立、海外配信プラットフォーム作りに乗り出しました。鵜之澤伸さんが社長。期待します。
 https://www.adk.jp/9589.html

 動いてますねぇ。実に元気の出るセッションでした。

 で、ガンダム。
 実物大のガンダムを動かそう!
「ガンダムGLOBAL CHALLENGE」が始まりました。
 動かそう!動こう!
 http://gundam-challenge.com/

 実物大のガンダムが動く目標は2019年。竹芝CiP街開きの年でもあります。誘致しますので、ぜひ歩いてきて!
 そして東京オリンピック開会式では、走ろう!飛ぼう!

 ところが、ガンダムを動かそうとすると、いろんな規制にひっかかるんだそうです。重機なので、方向指示器とかつけなきゃいけないらしい。「右、まがります」とか言わされちゃうのかな、ガンダム。
 
 竹芝をガンダム特区にして、自由に生かしてあげたいよ!

 お台場から竹芝まで、東京湾上空をガンダムが飛ぶ、のはどう?
 海上も含めて特区にして。

 海面を巨大スクリーンにしてですね、夜はガンダムを上映しようじゃないですか。
 ドローンとロボットありありにしてですね、強烈な電波もいただいてですね、ザクにもGファイターにも活躍させてあげよう。

 てなテキトーなアイディアをわめいていたら、2020年には1個ぐらい実現しないかなと企んでるんです。

2015年5月18日月曜日

クールジャパン戦略推進会議に寄せて

■クールジャパン戦略推進会議に寄せて

 前回お話しした政府・クールジャパン戦略推進会議。
 ぼくが配付したメモを転記しておきます。

1 政策の優先度向上を
 知財本部でのコンテンツ政策に関する議論は、「デジタル・ネット化」と「海外展開」を2本柱(ないしこれに「人財育成」を加えて3本柱)としています。
 クールジャパン戦略会議ポップカルチャー分科会による提言「飛び出せ、日本ポップカルチャー。」では、産業界、クリエイター、ユーザほか多様な主体の「参加型」で総合力を発信する政策が強調されています。

 私はその双方に関わっており、いずれもその方向は正しいと考えています。しかし、これら政策は未だ他の領域に比べて十分な重みが置かれていません。
 農業・工業社会では領土・資源を持たざる国だった日本は、情報社会では技術・知識を持てる国として生きたい。政府には、日本が更に成長を遂げる糧となる領域に対する政策の優先度を高めていただきたい。


2 議論より実行を
 コンテンツやクールジャパンに関する議論は厚みを増しており、課題も整理されています。
 必要なのは、「実行」です。
 知財本部でも昨年、アーカイブと音楽に関する2種のタスクフォースが置かれ、施策プランが編まれました。しかし、政策的な措置はこれからであり、民間はそれを待てず独自に動き出している面があります。

 政府には、こうした民間の動きを後押ししていただきたい。民間主導のプロジェクトをすくい上げて、推進するアプローチがよいと考えます。
  新たな課題の抽出・整理だけでなく、既に共有されている課題の解決に向け次々と手を打ち、成果を上げていくことを求めます。


3 2020年対策を
 コンテンツ集積地の形成や超人スポーツ構想など、東京五輪をにらみ、クールジャパン力の発揮に向けて立ち上がった民間プロジェクトもあります。世界のみなさんをおもてなしするため、ICTインフラを増強する構想もあります。

 いま世界のメディア分野は、スマート化の段階を経て、IoTやウェアラブルなど新ステージに突入しつつあり、ちょうど2020年ごろに普及期に入ると考えられます。これを日本が後追いではなく、世界を先導することができるよう、この時期に施策を集中させることが重要と考えます。

2015年5月14日木曜日

もしもしにっぽん:駅

■もしもしにっぽん:駅

 きゃりーぱみゅぱみゅさん主演の「もしもしにっぽん」。
 http://www.jibtv.com/programs/moshimoshinippon/
 ICHIYA’s POP EYE、「駅」の巻。

世界一多くの人が乗り降りする駅はどこか知ってる?
 東京の新宿駅。1日平均350万人。2位は渋谷、3位は池袋。どれも東京。
 ある統計データによれば、上位23位までを日本の駅が占めるそうです。24位にようやくパリの北駅、25位に台湾の台北駅が入る。上位100位のうち、日本の駅が83個を占めるというんです。
 日本の駅は、世界一賑やかなようです。

 これが東京近郊の鉄道の路線図。それぞれの丸印が駅です。すごくないですか?
 http://bit.ly/1rbrIdR
(注:これは海外向け番組でありまして、これ見せたらスゴいと思うと思うんです)

 その構造がとても複雑なことでも知られています。
 たとえば乗降数世界2位の渋谷駅。ここには8本の異なる路線の駅が同居しています。そのホームをつなぐ通路は迷宮のようで、初めて来た人は、電車を乗り換えるのに、壮大なスペクタクルを味わうことになります。その駅を毎日300万人の人が行き来しているのです。
 http://bit.ly/1zmpwTy

 そこには高度な技術が埋め込まれています。自動改札です。
 日本に自動改札が登場したのは1967年のこと。2000年代にはICカード方式が広がり、10年ほど前から携帯電話に埋め込まれ、おサイフケータイで通行します。
 ケータイをかざせば、瞬時に料金が計算されて、ドアが開け閉めされる。こちらからも、あちらからもチェックして、ドアを開閉します。0.2秒ごとに乗客をさばきます。0.2秒!
 例えばぼくは、ここ赤坂から大学のキャンパスに向かうのに、3つの違う路線の電車を乗り継いで行きますが、切符を買うことはなく、ケータイをゲートにかざすだけです。
 駅の中にある自動販売機や売店でもそのおサイフケータイでジュースや新聞を買います。

 駅にはいろんな店が集まっています。日本では街の真ん中に駅があって、同じビルにレストラン街やデパートが入っていることが多いんです。
 たとえば、カフェやレストランはあたりまえ。レディー・ガガさんは来日するたびに品川駅の立ち食いそば屋でそばを立って食べるそうです。東京駅にはラーメンストリートがあって、10軒以上の有名なラーメン屋が集まっています。
 書店、服屋はもちろん、おもちゃ屋、床屋、ネイルサロンもあります。お風呂のある駅もあるし、保育園のある駅もあります。だから、駅でデートしたり、駅で仕事したりする人もいます。本を無料で貸してくれる駅もあり、ぼくも借りに行くことがあります。

 ニッポンの駅、おもしろいでしょ?

2015年5月11日月曜日

クールジャパン戦略推進会議にて

■クールジャパン戦略推進会議にて

 クールジャパン戦略推進会議に参加しています。
 2年前に、官邸でクールジャパン推進会議の下にポップカルチャー分科会が設けられ、その議長を仰せつかりましたが、今回はそれを「戦略」にするという新たな座組です。
 参加冒頭、下記のとおりあいさつしました。
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 政策の優先度向上、議論より実行、2020年対策、の3つを求めたい。
 政府・成長戦略のトップ項目にクールジャパンを据えたいです。
 この会議の前身であるクールジャパン戦略会議や知財本部の議論に参加をして、政府と議論を重ねてきています。政府の方向性はよいと思います。が、もう実行の段階。昨年、知財本部のタスクフォースで議論されたこともまだ実行に移されていません。
 2020年に向かって、民間は動き出しています。集中的にそれをプッシュすべき時期です。

 例えば、民間の事例として、私が携わっているものを2点だけ紹介します。
 TokyoCrazyKawaiiは、コンテンツと、ファッションと、食の業界が連携して、パリ、台北、バンコクなどの海外にマーケットを作る取組。稲田朋美前大臣がゴスロリでパリの会場を練り歩いてくれた。そのような支援の仕方もある。赤字だが、続ける。
 CiPは、港区竹芝にコンテンツの集積地を作る産学連携の構想。研究開発から産業支援まで一気通貫に進める国家戦略特区で、クールジャパンとデジタル技術のショーケースにしたい。東京オリパラの前年、2019年に街開きの計画。
 今日お話のある、「もしもしにっぽん」も誘致したいし、音制連のデータベースも置きたいし、ガンダムにも来ていただきたい。

 このようなものは他にもたくさんある。こうした、民間の具体的な案件を後押しすればいい。資金提供、規制緩和、ゴスロリで応援、できることはいろいろある。
 5〜10件のプロジェクトを採択して、この場で肉付けして、集中的に応援する。ヨコ連携で面的に広がる案件を進めるとよい。
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 また、「これまでのコンテンツ政策を総括せよ」との質問があったので、下記のとおり答えました。
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 コンテンツ政策は20年論議されてきました。この数年は、海外展開とデジタル対策に力が入っています。知財本部では中長期の制度論が中心で、クールジャパン推進会議は即効性のあるテーマを扱っています。経産・総務その他各省でも議論が続いている。
 政府が取り組むべきお題目は出揃っていると思います。クールジャパン機構やJ-LOPなどの支援措置も厚くなってきました。

 まだ十分でないものは3点あります。
 まずインフラ。海外向けテレビchや多言語発信できる環境など。(なお、これについては後日、クールジャパン機構がスカパーと海外配信会社を設立するとの報道があったことを付言します。)
 そして、ヨコ連携。コンテンツ、食、ファッション、観光、ロボット、家電など。役所間・業界間の連携は進みつつあるが、まだこれからで、その仕組みが必要。この会議をそのプラットフォームにすればいい。
 もう1つは、成果。クールジャパンの取組で「こう成功した」という手触り感のある成功事例。この会議はそれを生み出すキッカケにしなければ。
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 さて、そのような成果が出せますかどうか。

2015年5月7日木曜日

CiP協議会、プロジェクト始動です。

■CiP協議会、プロジェクト始動です。


 コンテンツの集積特区を作るプロジェクト「CiP」。協議会が発足したばかりですが、既にいくつものプロジェクトが動き始めます。その多くは、他の団体が進めているものと連携するものですが、それらプロジェクトのハブになることにより、化学反応が生まれることも企図します。
 いくつかご紹介しましょう。


◯アーティストコモンズ
 ユニークなアーティストIDの発番及び必要最小限の基本情報(プロフィール、写真、ライブ、音源情報のリンク)の整備を行うものです。アーティストの才能と魅力を広く知らしめ、その付加価値を最大化することによって、音楽等の産業振興、文化振興・保全に貢献することを目的とします。
 アーティスト、マネジメント会社、レコード会社、音楽出版社、プロモーター、制作プロダクション、ネット事業者、放送事業者、機器メーカー、そして内外のユーザを繋くハブとして機能し、映像・音源のアーカイブの基盤を提供します。
 現在、実証実験連絡会に以下の組織が参加しています。
 一般社団法人日本音楽事業者協会(JAME)、一般社団法人日本音楽出版社協会(MPA)、公益社団法人日本芸能実演家団体協議会(芸団協・CPRA)、一般社団法人コンサートプロモーターズ協会(ACPC)、一般社団法人日本音楽制作者連盟(FMPJ)、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科、関西大学社会学部メディア専攻
 オブザーバ:一般社団法人日本レコード協会(RIAJ)、一般社団法人日本動画協会(AJA)、一般社団法人著作権情報集中処理機構(CDC)


◯超人スポーツ
 身体と機械の融合により、誰もが身体的制約・空間的制約をも超えて楽しむことができる「人機一体」の新たなスポーツを開発し、普及させる活動です。2020年、東京オリンピック・パラリンピックに合わせ、超人五種競技の国際大会を開くことを目指します。
 設立準備中の超人スポーツ協会との連携によって進めます。CiP協議会は、超人スポーツの開催のための課題規制の整理、規制緩和の検討を行い、竹芝地区が超人スポーツの開発・発信拠点となることを目指します。


◯次世代デジタルサイネージ
 2020 年に向け、多言語で超高精彩(8K)に対応したデジタルサイネージを整備していくことが国の課題として位置づけられています。その研究・開発を政府及び社団法人デジタルサイネージコンソーシアムと連携して行います。竹芝地区の特区を活用した屋外広告規制の緩和や、電波利用の規制緩和によってコンテンツ更新を効率的に行う実験なども併せて行っていくことを目指します。


◯IT政策
 IT政策研究会は、CiP 協議会設立に先立って、活動を開始したWGです。今後10 年を展望した国際的な IT政策を日米合同で検討します。慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科と、スタンフォード大学 APARC(アジア太平洋研究センター)か中心となって進めます。
 これまで20 年間、IT 政策はインフラ整備、競争政策が中心でした。しかし、知財保護、セキュリティ、教育、医療等、行政面でのIT需要が増加しているほか、サイバーテロや、バーチャル通貨等、国際的な課題も発生しています。マルチスクリーンやクラウドネットワーク、そしてソーシャルサービスが定着し、ビックデータ、ウェアラブル、IoTなど新展開も見られます。
 あらゆる政策課題が混沌としている中、政策当局を交えて議論を行い、政策提言を行います。


◯アニメビジネス・パートナーズフォーラム
 アニメ業界を中心としたビジネスマッチングの場である、アニメビジネス・パートナーズフォーラム(主催:日本動画協会) と連携し、アニメ以外の業界とも連携した形に広げ、ビジネスマッチングの範囲の拡大と、場としての魅力の向上を行います。


◯次世代コンテンツ人材育成
 文部科学省の「成長分野等における中核的専門人材養成の戦略的推進事業」に関わっている会員とともに、アニメ・マンガ人材や、ゲーム・CG 人材の育成活動を行います。将来的には、この成果を活かし、竹芝地区に教育機関を置くことも目指します。


◯東京コンテンツプロデューサーズラボ
 コンテンツのプロデューサーを育成する活動。今秋より、人材育成カリキュラムを実施します。ビジネスに必要な知識を学ぶだけでなく、ビジネスプラン作成といった実践的な内容も織り込み、起業支援にも結びつく活動にしていきます。


◯政策提言・特区提案
 特区認定された竹芝地区で、ビジネスがより活性化するために政策提言を行います。アイディアとして、
・    映像・音楽のアーカイブ化と区域内公開が容易な著作権特区
・    通信・放送融合実験のための電波特区
・    技術基準適合証明がなくても電波を発信する機器の実験・開発が行える技適特区
・    屋外広告規制が緩く大画面表示が容易なデジタルサイネージ特区
・    陸海空での対戦が容易な超人スポーツ特区
・    ロボットが自由にまちを闊歩できるロボット特区
・    ビッグデータ活用などが容易な教育特区
などが提案されており、実現のための課題整理を行っていきます。

2015年5月4日月曜日

教育情報化 - 1人1台の次に進もう

■教育情報化 - 1人1台の次に進もう

 デジタル教科書教材協議会DiTTシンポ@慶應義塾大学。
 小宮山宏会長、市原つくば市長、吉村備前市長、西川荒川区長とのパネルです。

 3人の首長が教育情報化について力強く報告してくれます。
 備前市長「昨年末、全小中学生にタブレットを配布した。遅れていると思ったら、全国初だった。」企業出身の吉村さんからみれば、当たり前のことだったんですね。
 荒川区長「議会を通すには、校長や教育委員会に理解者がいることが重要。その声が力になる。」西川さんは豪腕で突破しているだけではなく、対話で進めているんですね。
 つくば市長「タブレット利用に関し、保護者が期待してくれている。整備が遅れた学校の保護者から心配の声が上がる。これが重要。」議会、学校そして保護者の理解が不可欠です。

 荒川区長が「供給価格を下げろ」と企業に呼びかけます。ですね。そのためには需要を高め大量発注する必要があります。DiTTとして、まとめ売買の方法があるかどうか、検討します。
 以前このシンポで、コスト下げのため「一人一年1万円」構想が打ち出されました。自治体・学校と企業とがテーブルにつけるサービス設計をこれからも続けます。
 しかし、お金がかかると尻込みする自治体も多いですよね?
 備前市長「いや、財源は首長の思いがあればついてくる。」
 首長のやる気の問題なんですね!ぜひその熱を全国に伝えていただきたく。

 でも、教育は票にならん、という声も聞くのですが?
 荒川区長「いや、教育は票になるんだ。タブレット教育と学校図書館拡充の効果もあり、荒川区には世帯流入が増えた。」スゴい!この情報も全国に発信しましょう。
 5年前にDiTTが「1人1台、ネット整備、デジタル教科書」の3提言をした時には、反発が強かった。タブーだと言われたものです。だが、これはもう「目標」に変わりました。
 でもまだ教育情報化にはタブーがあります。例えば、タブレット配付の次に「BYOD」をどう見据えるのか。つまり、(配る)教科書なのか、(買う)ランドセルなのか。
 学校をネットにつなぐところまでは来た。だが、「クラウド」化はどうするか。これもどうやらまだタブー。学校でデジタル教材・教科書を使うところまでは来た。だが、「SNS」はどうか。これもタブー。学校で発生するビッグデータはどう扱うか。タブー。

 荒川区長「教育ビッグデータの活用を考えているんだ。」おお、いよいよ教育ビッグデータの議論ができるようになりましたか。現場が状況を変えていってくれてるんですね!こういう議論に取り組む時期ですよね。