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2015年12月31日木曜日

メディア政策参考図書 新20冊

■メディア政策参考図書 新20冊

2012年11月に「メディア政策参考図書100選」を発表しました。
議論のうえ、メディア政策系の学生が読むべき書籍リスト100冊を挙げたものです。
http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2012/11/1002012.html


それから3年がたちました。
メディア、IT、コンテンツの分野も変わりました。
そこで、100冊に追加する20冊を選んでみました。
3年前の100冊が色褪せることはありません。なので、新20冊の追加、とします。
紹介します。

1 知はいかにして再発明されたか
 イアン・マクニーリー/ライザ・ウルヴァートン著。
「何を」より「どう」が難しいことを描く。
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2012/04/blog-post_19.html

2 ストリートの思想
 毛利嘉孝著。
 反韓流や反原発デモに見られるストリート感の背景を文化研究の文脈で描く。
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2012/10/blog-post_29.html

3 情報社会と共同規制
 生貝直人著。
 自主規制と公的関与という情報政策の主流となった枠組を概説。
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2013/01/blog-post.html

4 少女時代と日本の音楽生態系
 三浦文夫著。
 電通から大学に転じたradiko生みの親が綴る音楽文化産業論。
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2013/02/blog-post_28.html

5 ビッグデータがビジネスを変える
 稲田修一著。
 総務省から東大に移った大先輩が描く指針。
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2013/04/blog-post.html

6 イノベーションオブライフ
 クレイトン・M・クリステンセン、ジェームス・アルワース、カレン・ディロン著。
 ハーバード・ビジネススクールの看板教授による最終講義。
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2013/06/blog-post_17.html

7 機械との競争
 エリック・ブリニョルフソン、アンドリュー・マカフィー著。
 MITビジネススクール「Sloan」の教授たちによる情報経済論。
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2013/05/blog-post_6639.html

8 パブリック
 ジェフ・ジャービス著。
 パブリックとプライベートの概念がネットで破壊され再構築されるという分析。
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2013/07/p2p.html

9 空気の構造
 池田信夫著。
 日本の政治と企業の「失敗の本質」をさぐる。
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2013/09/blog-post_23.html
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2013/09/blog-post_26.html

10 日本人が好きすぎる中国人女子
 櫻井孝昌著。
 24カ国110都市を回ってクールを発信し続け逝った著者の国内向けメッセージ。
 

 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2013/10/blog-post_7.html
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2013/10/blog-post_10.html

11 情報覇権と帝国日本
 有山輝雄著。
 開国から欧州への依存、通信覇権主義への参加、壮絶な挫折までを膨大な資料をもとに描く。
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2014/05/blog-post_26.html

12 メディアの発生
 加藤秀俊著。
 聖職者、遊女、旅人らを「メディア」として日本各地を探訪するフィールドワークの集大成
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2014/06/blog-post.html

13 第5の権力
 エリック・シュミット/ジャレッド・コーエン著。
 五番目の権力たるネットがもたらす国家、革命、戦争の未来を展望。
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2014/08/blog-post_18.html

14 ビッグの終焉
 ニコ・メレ著。
 個人が情報を直接発信する一方、「さらに大きなもの」が産み落とされるパラドクスを提示。
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2014/08/blog-post_18.html

15 クリエイティブ都市論
 リチャード・フロリダ著。
 人生で意味を持つものは「何を」「だれと」行うかに加え「どこで」=居住地が重要。
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2015/01/blog-post_12.html

16 誰が知を独占するのか
 福井健策著。
 デジタルアーカイブの意味と、しのぎを削る欧米の戦略、そして日本の採るべき道。
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2015/03/blog-post_30.html

17 アーカイブ立国宣言
 福井健策・吉見俊哉監修。
 マンガ、アニメ、ゲーム、テレビ、脚本、音楽、書籍などの事例・課題・対策。
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2015/04/blog-post_13.html

18 クラウドからAIへ
 小林雅一著。
 クラウド・コンピューティングの次はビッグデータよりAI技術と早くから喝破した著。
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2015/10/ai.html

19 クール・ジャパン!?
 鴻上尚史著。
 10年間、NHKクールジャパンを率いる著者が描くクールジャパンの全体像。
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2015/11/blog-post_16.html

20 未来のイノベーターはどう育つのか
 トニー・ワグナー著。
 イノベーター150人にインタビューし、親の教育方針と大学の果たす役割を説く。
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2015/11/blog-post_9.html

2015年12月28日月曜日

吉本興業の正体!?

■吉本興業の正体!?


 増田晶文さん著「吉本興業の正体」。
 吉本せい、林正之助さんらの創業期から、1930年代エンタツ・アチャコ、春団治の黄金期、70年代のTV時代、80年代の東京進出、90年代以降のデジタル時代、その100年を描く。

 2007年刊行の書籍、8年後に単行本化された518ページ。同い年の関西人で、同時代同文化を生きた増田さんの筆致は、ぼくの半生とシンクロしすぎて、読み通すのにとても時間がかかりました。

 吉本の大崎社長を描いた本のことは、かつてブログに書きました。この本とも随分シンクロしました。
「吉本興業社長大崎洋物語「笑う奴ほどよく眠る」。」
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2013/08/blog-post_12.html


 吉本史にある多くの山場で、増田さんと共振するのは70年頃のブームです。60年代後半から70年頃にかけての笑福亭仁鶴さんに関し「あの頃の仁鶴を肌身で知ることができた私は幸せ者だ」というコメントに同意します。

 71年なんば花月のお笑いタレント調査では、1位仁鶴、2位コメディNo1、3位岡八郎、4位やすしきよし。このランクが「実感を伴って理解できる」にも同意です。当時のガキどもは「爆笑」を求めていました。

 坂田利夫さんは平和ラッパや藤山寛以来の「アホ」芸人だが、この系譜が途絶えてしまっているのが寂しい、というコメント。花紀京さん追悼番組での、これからもアホを続けます、という坂田さんのコメントにぼくは泣けました。


 70年の土曜日、半ドンで帰宅し朝日放送で角座中継、吾妻ひな子・桂小米(後の枝雀)、柳次・柳太などを見て、2時から岡八郎・船場太郎・山田スミ子の吉本新喜劇を見ていたとあります。同級生男子の9割は同じ行動でした。

 土曜は松前屋のえびすめ・とこわか、阪神村山実のダイヤモンドバス、十全練炭、みすず豆腐、そのあと、新東洋・いろはという名の旅館のCMで吉本新喜劇が始まる。なんてことをぼくも18年前に書いていました。
 http://www.ichiya.org/jpn/column/macpower/11.html

(ところでこのMac Powerの連載は現役官僚の頃だけど、よくこんな乱暴なコラムを、役所もアスキーも許していたもんだと思います。)

 名前が並ぶ芸人も、Wヤング、伴大吾、谷茂、「ただ首を振って舞台を行き来するだけという芸」の淀川吾郎、そして北京一・京二といったところが、読者を置いてきぼりにする感じでいい。岡八郎さんへの想いに8ページを費やすのも共鳴します。


 次いで、80年のマンザイブーム。
 東京には漫才師がツービート、セントルイス、コントゆーとぴあぐらいしかいなかったという回顧。西はB&B、のりおよしお、紳助竜介、サブローシロー、阪神巨人、いくよくるよ・・厚かったですよね。

 のりおよしおやサブローシローが好きな筆者が「ツービートのどこがそんなに面白かったのか、今もってまったく理解できない」、紳助竜介も、という点にも、同意です。漫才好きは、一人の多彩な天才より、二人の漫才。

 そしてダウンタウンの登場。「すべての既成を突破」という破格の描写は誇張ではありません。そのパンクな進撃は、大崎洋物語「笑う奴ほどよく眠る」を併せ読むことを勧めます。


 林裕章元社長:日本の演芸界は芸人の格をキャリアや門閥で判断するが、吉本は実力だけが物差し。
 ですよね。対して東京の落語界は真打ちや前座という階級制ですが、それがもたらすメリットって何なんでしょう。

 筆者は「芸人はカタギ・素人ではなく、ヤクザ・玄人であってほしい。芸人は異能者でなければならぬ。」と説きます。うむ。こういうことを言い難くなった世間は、文化を薄めると危惧します。

 ヤクザとの関わりを一切禁じた林正之助さん、山口組田岡組長の葬儀に列席した紙面をカウスさんに見せられて、「双子の弟ですよ。しゃーないやっちゃ。あいつにも、きつう言うとかんとあかんな。」この切り返し!


 合弁企業を作った東京電力の方が「吉本のスタッフが入った会議は、とにかくおもしろい、何かあったら笑わせにかかる。」その経験、ぼくも何度もあります。笑わすために会議セットしたでしょう、いうやつ。実にはかどらないんです。

 中田カウスさんの吉本評「マネージメントという名の合法的な人身売買、テキヤ稼業の巨大化したもん」。うまいこと言わはる。一方、「吉本興業が持つ資質は、勤勉、情熱、刺激、狂気の4つ」とも。うまいこと言わはる。

 本書に登場する大崎さん、岡本昭彦さん、中井秀範さんら幹部が酒を呑まないという記述。はい。飲み会に行ってぼくだけべろんべろんということもあります。カウスさんの言う勤勉、そして狂気です。

 カウスさん、吉本が買収されたら社員は即刻自分でプロダクションを作るし、芸人はすぐ移籍して、吉本はもぬけの殻になる、という指摘。それでハゲタカも買収をあきらめたという話がありますね。絆、であって、会社、じゃないと。


 本書が出された後、吉本興業はさらなる変化を遂げました。大崎さんが社長になり、非上場化して、創業家とも縁が切れ、自由となりました。ネット展開、海外展開に力が入り、沖縄と京都で国際映画祭も実施。凄みを増しています。

 吉本芸人を総動員するとツイッターのフォロワーは2000万人を超え、世界ベスト3に入る。「これを、どないかしよやないか」と大崎さんが語っています。どないしはるんやろ。

 あとがきの最後に、出版社の人が「吉本のタレントのファンはこの手の本を買わない。この手の本が好きな読書人は吉本に興味がない」と言っています。ぼくは吉本に興味があって、タレントファンですが、この本を買いました。

2015年12月24日木曜日

デジタルメディアシティ@ソウル、やるなぁ。


■デジタルメディアシティ@ソウル、やるなぁ。
 デジタルメディアシティDMC。
 ソウル郊外、ゴミ捨て場だった地57万㎡を再開発、MBC、SBS、YTNなど放送局やアーカイブ、ミュージアムなどを集積した地。国とソウル市と民間が連携して造成されました。フジテレビと未来館があるお台場っぽい。CiPの参考になります。

 


ソウル産業振興院のキムさんによれば、DMCはワールドカップの2002年に計画を開始し、2012年にオープン。放送、映画、アニメ、ゲーム、音楽、教育とITとをかけあわせる構想です。

 


入居企業は440。メディア・エンタメが56%、IT39%、ナノ/バイオ5%。狙いどおりの比率だそうです。中小企業が96%を占めています。ただし、インフラ=ハコモノはできたが、人が追いついていないとの評も。韓国の若者はまだ大企業志向で、起業家を育てるのが課題とか。

 

CiPも 企業が集積し、R&Dが行われ、そしてこういう市が立ち並ぶ場にしたく存じます。

 




DMCに置かれるKorean Film Archive/Film Museum。「日帝強占期」時代から100年の韓国映画の記録。政府が運営。日本映画史を総合的に見られる施設って、日本にはないですよね。まして政府が・・・

 


ちょっと前まで韓国は漢字も結構使ってたんですよね。

 






ソウル産業振興院と情報通信産業振興院が主催するVR技術展。文化を保存し、技術を振興し、産業を支援しています。政府と自治体の姿勢がわかりやすい。

 


NAVER社長室の韓さんによれば、LINEの元祖カカオトークは韓国の若者のほぼ全員が使っているとのこと。

 




いや、LINEショップも活気あるよね?  
「客の多くは外人です。」(韓さん)


 



DMCに置かれる「文化創造融合センター」。
韓国コンテンツの制作を支援するため政府文化大陸観光部とCJエンタテイメントとが資金を拠出して本年2月オープン。これはCiPのモデルだ!

 


 映画、音楽、アニメ、ドラマなどをテクノロジーで「融合」させ、支援する施設だとか。

 




クリエイティブラウンジ。制作者や起業家に開放してるんだそうです。

 





バーチャルセンターと呼ぶプレゼンシステム。プレゼンしてみたくなります。

 





モーションスタジオ。ゲームやアニメの制作に「誰でも」使える。
しかも、「無料」!!

 






音楽スタジオ。

これも、「無料」!

 





アーカイブやライブラリーも用意しています。

 





こういう制作と起業の支援に、政府・自治体とメディア企業とが資金を拠出して場を提供する。
CiPがやりたいのはこういうことなんです。刺激になりました。

 


CiPの施設ができるのはまだ先ですが、こことの連携策をすぐ考えようと思います。

 




DMCに置かれる「Digital Pavilion」。
デジタルの遊び場。
ソウル市産業振興院が運営。
「無料」!!!

 



LIVE SHADOW。
スクリーン前に立った人のポーズを認識し、それが動物に変わって、映像空間に現れる。いいデザイン。

 





LIVE BLOCK。

積み木を組みた立て、バーチャルな虫をつくる。いいデザイン。

 








 タブレットで動物に色を塗ってスクリーンに送り込む。
その動物たちを動かす。
ボストンの科学博物館にあるバーチャル水族館みたいなかんじ。

 


ミュージックテーブル。
ドラム、ギター、キーボードなどのガジェットをテーブルに置いて、曲を操作する、って、これMIT石井裕先生ですね。







 


また来ます。

2015年12月21日月曜日

タブレット学習サービスはここまで進んでいる

■タブレット学習サービスはここまで進んでいる

 デジタル教科書教材協議会DiTTシンポジウム@慶應義塾大学三田キャンパス。テーマは「タブレット学習サービス」。
 ベネッセコーポレーション上田朗子さん、ジャストシステム寺尾房代さん、小学館関俊行さん、Z会草郷雅幸さん、リクルート中野慧さんに登壇いただきました。

 ベネッセは小学生向け通信教育「チャレンジタッチ」を2014年4月にスタート。ぼくはテレビCMやオープニングイベントでも協力しました。ログイン率90%、完遂率80%を誇るサービスに育っていて、継続率が大きく伸びているそうです。

 ジャストシステムの小学校向けタブレット活用統合ソフト「ジャストスマイルクラス」は、80%以上の小学校に導入されているといいます。2012年12月には通信教育スマイルゼミを開始。家族のコミュニケーションを活性化しながら、保護者とともに学ぶしくみを講じています。

 小学館のデジタル学習サービスは、漢字の習得、基礎計算など5教科の徹底的な反復学習、高いレベルの基礎学力の習得に注力。Z会のサービスはSNSによるコミュニケーションに力を入れているとのことです。

 リクルートはこの分野の新参だが、「受験サプリ」は受験生の半数が使っているという人気。小中学生向けの「勉強サプリ」はカリスマ先生の授業動画を中心に低価格で提供。ログデータを活用した学習計画リコメンド機能もあります。正答率が100%でも50%でも継続性は低いが、90%だと続くんだそうです。ビッグデータを活かしたサービスですね。

 いくつか質疑がありました。

Q ビジネスの手応えは?
 ジャスト:1年でプロジェクトから事業部に成長した。Z会:継続する人が増え、タブレットがサービス全体の半分を占めている。小学館:家と学校との好循環を生んでいる。ベネッセ:コミュニケーションの深化に不可欠なサービスだと感じている。リクルート:自治体へも広がりを見せている。

Q サービスの効果をどう評価する?
 リクルート:動画の視聴と成績の向上には明らかな相関がみられる。紙よりも継続性が高い。ジャスト:子どもの学習する姿勢が積極的になった。小学館:学力の向上にも実証結果が出ている。Z会:紙と違い、他の会員と競争したり存在を感じたりしながらの学習が意欲に結びついている。ベネッセ:マンガの投稿欄が人気。最初は棒人間ばかりだったのが、表現が進化して、大作になっている。学び合いの成果と言えよう。

Q コミュニケーションはどう?
 小学館:家庭内、教室内のコミュニケーション活性化が大切だ。ジャスト: SNSは父親から好評を得ている。みんなもやっている、という感覚が勉強のモチベーションになっている。Z会:同じ志望校の会員同士のコミュニケーションが有益。会員が居場所を感じている。ただ、リテラシーの問題はある。ベネッセ:年齢や発達段階により、第三者を入れてコミュニケーションを円滑にする設計を工夫している。


 ぼくはこうコメントしました。
 -----------------------
 DiTTはこれまで政府や自治体の対策を求めてきました。一方、DiTTは民間企業の集まりであり、民間の力で教育を変えようというのが元々の趣旨です。その点、ここ1〜2年で民間の動きが本格化し、サービスが普及しているのはうれしい限りです。

 リクルートは新参と言うが、17年前にぼくがMITに渡ったとき、リクルートのかたがたとメディアラボでデジタル教育のワークショップを開くなど共同研究を進めていて、その頃からの取組がいま花開いているんです。

 ぼくが日本の状況が変わったと感じたのは2年前。小学館がDSソフト「ドラちえ」を発売した際、DSをいじってる子どもをみて、「もっとやりなさい」というテレビCMを放映しました。そう、デジタルをもっと使って楽しく学ぼう。企業側がようやく正面からそう言えるようになったんです。

 教育をビジネスにするな、という声が今もあります。教育をビジネスにしなければ、企業は投資せず、技術もソフトもサービスも進化しません。日本だけがそれでよいのか。

 サービスが本格化する際、ベネッセとジャストシステムに関わる個人情報の悶着がありました。その両者がこうして並んで登壇してくれるのはDiTTならでは。競合しつつも市場を作っていきましょう。

 タブレットやネットというハードから、サービス、コンテンツというソフトへと議論が移ってきました。ぜひ民間サービスの進化で日本の教育をリードしていただきたい。さらに、世界展開を期待します。世界の子どもに豊かな学習を届けていただきたい。

2015年12月17日木曜日

拡張するコンテンツコリアラボに刺激を受けました。

■拡張するコンテンツコリアラボに刺激を受けました。
 

 韓国政府が運営するコンテンツの人材育成と起業支援の場、コンテンツコリアラボCKL。
 昨年秋に続き2回めの訪問です。
 前回の訪問はここにメモしました。
「Content Korea Lab訪問記」
 http://ichiyanakamura.blogspot.kr/2015/03/content-korea-lab.html

 

CKLはぼくらのCiPと同様の業務を行うのですが、CKLは文化大陸観光部の下にあるコンテンツ振興院KOCCAが年12億円の予算で運営。
スゲぇな、韓国政府。
CiPは政府から一円も出ません。今んとこ。

 

CKLは明洞にインキュベート施設「文化創造団地」を創設するとか。
42のスタートアップが2年間「無料」で入居できる。
CiPも連携したいよ!

 

日本上陸が報道された500 Startupsが韓国では2月に上陸、CKLと連携して起業支援を進めている。
CiPとも組んでください!

 



CKLは教育部門を別の場所に移転、現在の場所は制作・クリエイターの拠点にする。
制作、教育、起業支援の機能別に分散する方針です。
 

CiPはまずは集約のメリットを発揮するよう設計します。
(写真は本文と関係ない)
 


 ちなみに、今年のコンテンツ政策予算は13%増だそうで。この分野に注力する姿勢が明確です。うらやましい。
 韓国政府は創造経済を旗印に、地域と企業が連携して産業活性化を図っています。例えばソウルはケーブル最大手のCJエンタテイメントを指定して産官連携を進め、特区も適用しているとか。
 CiPでもそういうリーダー企業が現れるといいな、と思うものの、企業を指定して行政に協力させる手法は取りにくい。大統領制を敷く韓国だからこそ、という気がします。日本は日本のやりかたを考えましょう。

 一方、新設の役所、未来創造科学部が創造経済の振興を担当し、規制担当の放送通信委員会とのダブりが問題になっているという。規制と振興で政策を分けるとだいたいそうなりますよね。
 政府はNAVERやKAKAOに圧力をかけて政策に関与させようとしているが、振興政策の成果はまだ出ていないとのこと。それよりIT企業の社長たちが大統領府と通じていないと仕事が難しく、だから社長に法律家が多い、との評。これは大統領制ならではの急所かもしれません。

 

ところで、CiPを レバ刺し・ユッケ特区にしたいんですけど。

2015年12月14日月曜日

コンテンツ支援をどう考える? -- ソウルの学会で

■コンテンツ支援をどう考える? -- ソウルの学会で
 

 韓国日語日文学会@ソウル女子大学。盛大な学会です。
 ぼくの講演「日本の文化政策と韓国」。コンテンツ政策の日韓比較という微妙な案件について、ゆる〜く語ってみました。
 でもそこは学会、その後の質疑では、やはり厳しい問いもいただきました。以下のように答えました。


Q1 コンテンツ支援政策は、コンテンツにとって毒になることもあるのではないか?

 マンガ、アニメ、ゲームといった規制対象が支援対象に転じたのは、海外での人気に政府が気づいたから。知財本部を設置し、政府全体としてコンテンツ政策を推進するようになったのは2003年のこと。
 当時、政府は産業支援に力を入れ、国内コンテンツ産業の拡大を政府目標としたが、その後産業規模は縮小した。失敗である。

 今は産業支援よりインフラや制度など「基盤整備」に力が入っている。これは私が知財本部の会議に加わって以降の政策転換と考えている。

 政府が自らクール・ジャパンなどと称することにも批判がある。
 この点を政府はわきまえて、民間主導の活動を後方応援するという距離感が求められる。大統領制の韓国は政府主導のコンテンツ政策だが、日本は民間主導のアプローチが適している。


Q2 ネット利用者の大半は受動的であり、全員がコンテンツ制作者になるには壁が熱い。政策としてどう考えるのか?

 一人あたり情報発信量=コンテンツ制作量の面で日本と韓国は世界のツートップと言える。これをどう維持・発展させるかがコンテンツ政策の要諦だ。産業政策よりも教育政策が重要と考える。学校でデジタル技術を使った創造・表現教育を充実させることが処方箋。

 しかし教育情報化に関しては日本はみすぼらしい後進国だ。世界をリードする韓国をモデルとして、端末、ネットワーク、教材を整備するとともに、学校でのソーシャルメディア利用など、当たり前のデジタル環境を実現したい。


Q3 両国をつなぐ参加型コンテンツを活性化するには、コンテンツ自体への支援よりも、メディア環境を整備するほうがよいのでは?

 同意する。流通面でのネット環境や放送メディアを整備することがまず重要。留学を活発にして、大学が両国をつなぐメディアとして機能することも大切ではないか。


Q4 日韓両国の文化交流のためには、互いの「共感」が重要ではないか?

 同意する。政府の会議でも、海外にコンテンツを輸出するだけでなく、輸入の活発化も通じて互いの共感を高めなければ持続的な展開は不可、ということが論議されている。


Q5 日本における嫌韓、ヘイトの原因は何なのか?

 領土問題や大統領の姿勢といった個別の要因は、きっかけに過ぎないと思う。20年の経済低迷、震災、格差拡大、少子化による縮小などの国内問題が長引き、社会が閉塞していて、隣国にもイライラが現れてしまっているのではないか。
 対外的な融和のためにも、まずは国内経済の立て直しが最重要と考える。

2015年12月10日木曜日

韓国の映像ビジネスが揺れています。

■韓国の映像ビジネスが揺れています。
 国際放送コンテンツ展BCWW2015@ソウルに参りました。
 韓国政府(文化大陸観光部とコンテンツ振興院)が主催しているんです。政府ですよ!
 わがゼミ出身、NAVER社長室の韓さんと、KMD博士課程の黄さんとともに視察しました。
 日本もNetflix上陸はじめ、ネット映像ビジネスの本格化が見込まれ、通信・放送の融合という名の長い間の課題といいますか、宿痾といいますか、が現実の像を結ぼうとしていますが、韓国はネット基盤の面でも、ビジネス展開の面でも、利用面でも、先を走っています。

 それがそのままの形で日本に押し寄せてくるのか、テレビやネットの産業構造や文化の違いから、全く別モデルになるのか、まだ予断を許さない状況だと思いますが、ひとまず考えるヒントにはなりました。



NAVERのウェブドラマ Noble My Love。
1話1分程度で、200万ビュー!を稼ぐ。
NAVERはプラットフォームに徹し、制作費を出していないそうです。

 

LINEやウェブマンガに力を入れていたNAVERはここ1年、動画(と金融)に力を入れ、既に利用時間でYouTubeを抜いたとのこと。
勢いがあります。

 

放送番組は規制のせいで競争力を失い、放送局もケーブル局もウェブ番組に力を入れているとのこと。
放送から通信へのシフトは速まるか。気になるところです。

 

コンテンツ振興院KOCCAが「YLAB」制作のマンガを映画化した「Prince of Prince」を紹介していました。
YLABを経営するマンガ作家ユンイナンさんは、ウチの博士課程の学生でもあります。
NAVERのウェブマンガ→映像化で収益確保というビジネスができあがっているんですね。

 

子ども向けキャラクターを作り、教育コンテンツにして海外展開、それを支援するのが政府方針とのことです。
日本政府がドラマ等の放送コンテンツに力を入れているのとは対称的です。
教育コンテンツを海外展開するという戦略を日本も取れないものでしょうか。

 

たくさんの個人チャンネルをメディア化するMCN(Multi Channel Network)が力を持ってきているとのこと。
映像は1本72秒がフォーマットだったが、最近は40秒に移行しつつあるとか。
ショートコンテンツ化はどこまで進むでしょうか。

 

この前日、Netflixが韓国に参入を宣言、会場はザワついています。
「韓国はIPTVが月1000円程度であるし市場も小さいから、プラットフォームよりもコンテンツに投資するのが主な狙いではないか」と韓さん。
ぼくもそう思います。日本への参入も、コンテンツ確保が主目的ではないかな。

 

中国のテンセントが韓国のゲーム会社を買収しているのと同様の戦略をNetfilxは映像コンテンツで実行しようとしている、のかもしれません。
とすると、Netflix参入はNAVERや通信会社のようなプラットフォームよりも、プロダクションや放送局のほうが関心を示しそう。この点、映像プラットフォーム争いがこれからの日本とは状況が異なりそうです。

 




フジテレビも出展。CiP会員、がんばっております。

 




テレビ朝日も出展。CiP会員、がんばっております。

2015年12月7日月曜日

鈴木さんにもネットの未来が分かっただろうか。

■鈴木さんにもネットの未来が分かっただろうか。

 川上量生さん著「鈴木さんにも分かるネットの未来」。
コンテンツとプラットフォーム、オープンとクローズド、グローバルプラットフォームと国家、機械知性と集合知、リアルとネット。目次にそそられ読みました。
考えるためのテキストとして、優良教材に登録します。

グッときたポイントを20点ピックアップします。

(ぼくが短縮した部分もあるので、著者の意図とズレる点もあるかもしれませんが、できるだけ忠実に。)
「→」はぼくの感想です。

 ネット住民の層が極めて分厚く他国を凌駕している背景は、インフラ整備が進んでいることと、豊かなニートが多いこと。

→基盤はインフラと人材。かつてぼくが電気通信基盤充実臨時措置法を起草したときも、通信インフラと人材を基盤と記述しました。

 ボカロ音楽などUGC発のコンテンツがこれほど盛り上がっているのは日本だけ。

→作詞、作曲、絵画、アニメ、歌唱、演奏、ダンスなどみんなが得意技で参加して育てていく、「みんな力」があります。

 ネット住民は現実社会への劣等感だけでなく、進化の先端にいるという優越感も持っている。

→劣等感を抱くリア充がネットでしでかすと、情報強者の優越感で炎上を引き起こすと。

 PCやネットの文化の担い手は、これが人類史上の革命であり、その新世界が生む知識や環境を平等・無償で享受できるべきという理想を持つ人が多い。

→技術が急激に進化し、ビジネスも制度も固まらないのに、イデオロギーが持ち込まれるとハレーションが起きますよね。

 ソーシャルゲームはサーバにデータが保存され、違法コピーが不可能なので高い価格設定でも顧客はお金を払う。コンテンツの価格を下げるのは違法コピーの存在。

→コンテンツはパッケージでもDLでもなくサーバ型になれば違法コンテンツ問題は解決すると川上さんは知財本部でも繰り返しおっしゃってました。ゲームはサーバ型へと移行していますが、他のコンテンツはなかなかそうせずに苦しんでます。

 世界の音楽市場が縮小する中、日本だけが違法コピーの少ない着うたや着うたフルのおかげで伸びた。

→そしてこれは、日本人がネットのコンテンツにカネを払わないという風説を打ち砕いた証明でもありました。

「コンテンツはつくらないと宣言するプラットフォームがフェアであるとも責任ある態度だとも思いません。」

→日本では通信会社が長らくそういう態度でした。IT企業による放送局買収騒ぎもあり、通信が放送から距離を取る姿勢を示しすぎた。
 すると今度はアメリカのIT企業がおカネを持ってやってきました。日本でもコンテンツを作ると宣言するNetflixの行方が気になります。

 任天堂やSCEのように自らコンテンツを作り、コンテンツから利益をあげる家庭用ゲーム機のようなPFが、コンテンツが儲かる仕組みが維持されて、クリエイターにとって幸せな環境。

→ PFを作る力は日本にもある、ということ。

 高性能で廉価な専用ハードを提供し、PF囲い込みによるソフトの販売で利益を上げる任天堂モデル。これを模倣して成功したのがiモード。

→アップルやグーグルのスマホビジネスモデルもこの線上にあります。

10 人気のあるコンテンツは独自PFを作り、定額サービスは人気コンテンツを集めることが難しくなる。サービス側は自らコンテンツを作る方向に進む。

→ドワンゴと角川の融合によりPFがコンテンツを作る。それを目指すということですかね?

11 ネットはオープンな公共の場からクローズドなプライベートな場へユーザの生活の中心がシフトしていくのは当然。

→伽藍からバザールへ、の時期が過ぎ、バザールから居間へ。

12 コンピュータはオープンがクローズドに勝ってきた歴史だが、IT業界は逆流している。FacebookもiPhoneもサービス囲い込みのクローズ。

→どれか一つのクローズドサービスが力を持ちすぎること、クローズド間の行き来ができなくなること、のないように願いたい。

13 PC誕生以来、アップルはオープン戦略と戦いつづけてきた。対IBM、対MS、決定的な戦いで常に敗北しつづけてきた。

→古いアップル使いは、それに泣かされつづけてきました。弱い頃の阪神のファンだったので耐性はありましたがぼくは。

14 日本だけ規制が緩い産業があれば国際競争力の源泉になる可能性がある。

→そのとおり。ぼくが規制緩和一辺倒なのも国際競争力の観点が主因です。

15 日本は宗教的価値観が社会に与える影響が小さく、民主的な政治体制をもつため、世界で最も自由な創作活動ができる。タブーの少ない創作活動を競争力を生む。

→同意。クールジャパンの源はユルさにあります。

16 マンガやアニメにも表現の規制を導入する動きがある。ネット時代には規制の少なさで国際競争を勝ち抜いていくという視点が必要。

→同意。表現規制強化には断固反対。

17 ネット上に国境がない状態で、国家が法律などで規制をしようとすると、国内の企業だけが守らされ、海外の企業は守らなくてもかまわないという、実質的には海外企業の保護政策みたいなものになってしまう。

→そして川上さんも政府の会議で主張していた「業界自主ルール」も厄介ですね。
 法律の規制は強すぎるから業界ルールで、というのを真に受けて自主規制を敷いても、海外のPFは従わず、国内企業だけバカをみるという例がコンテンツの世界で発生しています。この問題をどう解くか。政府でも答えが出ていません。

18 テレビ番組はネット端末の一機種になり、端末も融合する。そしてテレビ番組の伝送路が放送波からネットに置き換わる。

→放送のIP化を進めるIPDC。ぼくらが始めて6年になります。いよいよ本格化かな。

19 セガサターンがCPUを7個積んでいたが、後継機ドリームキャストはSH-4が1個だけだった。

→集合知は必ずしも頭がよくない例としてこれを挙げるのが川上さんらしい。ぼくはドリキャスの開発に少し関わったんですが、楽しいプロジェクトでした。ビジネスとしては惨敗でしたが。

20 ニコ動はコメントを投稿することで誰もがコンテンツのつくり手側にも参加する。

→コンテンツをエンタメ商品だけでなく、ブログやメールなど個人コンテンツも含め、政策の対象にしようとぼくが主張して10年以上になりますが、その両者を組み合わせて一つのコンテンツ空間、コンテンツ環境を作り上げたニコ動は世界的にも重要な意味を持つモデルだと考えます。


云い遅れました。いい本です。
それを岩波から出すのも川上さんらしい。

2015年12月3日木曜日

デジタルえほんアワード2015

■デジタルえほんアワード2015
 ワーコレと併催、「デジタルえほんアワード」。
世界26カ国から約200の作品が集まりました。
ボローニャ国際児童書展のデジタル部門を上回る世界最大のデジタルえほん賞です。
第4回になります。

これまでのメモはこちら。
第一回
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2012/05/blog-post.html


第二回
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2013/06/2013_13.html
第三回
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2014/11/2014_6.html
 

審査員は、いしかわこうじさん、角川歴彦さん、香山リカさん、きむらゆういちさん、榊原洋一さん、水口哲也さん、杉山知之さん、茂木健一郎さん。超豪華です。

 

デジタルえほんアワード、グランプリは面白法人カヤック「ダンボッコキッチン」。
ダンボールとスマホで、煮る・焼く・茹でる・切るなどのお料理体験。
楽しくて、かわいい。
季里さんがハマってます。

 

準グランプリ、Sago Sago「Sago Mini Road Trip」。
カナダから。

 



同じく準グランプリ、Cowly Owl「Monster Mingle」。
イギリスから。

 




審査員からはこんな講評をいただきました。

いしかわこうじさん
 グランプリ作品は五感で楽しむ作品だ。新しい可能性を感じる。海外の作品も、楽しく美しい。デジタルえほんは、紙をベースに映像、インタラクティブへと展開することもでき、広がる可能性を感じる。自分も作っていきたい。

角川歴彦さん
 「デジタルえほん」という言葉が、このイベントを始めて4年で定着したことに驚く。iPadというデバイスが登場し、そこからコンテンツが育ってきた。そして26か国のグローバルな活動に広がった。継続を願う。

香山リカさん
 私は審査員を務めることが多いのだが、他のイベントは、「自分を見て、私を知って」というタイプの作品が多い。デジタルえほんは、自分の主張よりも、子どもがどう使うか、どう育つかという、他者の立場で作られる。審査をしていても、穏やかで安らかな気持ちになる。人と人の関わりの可能性を示すものとしてこのアワードが定着していくことを願う。

きむらゆういちさん
 私は紙の絵本を作っているが、デジタルえほんは絵本とは違うメディア。カラオケが今やどこでも歌われるものに育ったように、全ての人がデジタルえほんの作家になるように、世界的に広がるのでは。最初の段階、この時期がおもしろい。まだまだできていないことがたくさんあると思う。

榊原洋一さん
 私は小児科医なのだが、子どもの発達の最前線にいる人の多くがスマホやデジタルへの偏見を持っている。デジタルえほんが子どもにいい影響を与えること、デジタルに触れながら子どもが育っていくことを期待する。

水口哲也さん
 ここからまた面白くなる。ゲームデザイナーとして、これまで体感ゲーム、アーケードゲーム、家庭向けゲーム、スマホ等への広がりを見てきたのだが、感覚的なものがストーリーを追っていた。えほんはストーリーテリングに感覚や体験を乗せるという新しい表現だ。来年の作品も期待する。

杉山知之さん
 デジタルえほんが本のデジタル化というレベルを超え、全く新しいジャンルになっている。多くの国からプロも参加している。一層の発展を期待する。

世界中のデジタルえほんが集結する「国際デジタルえほんフェア」も同時に開催しました。
今年は47カ国から参加。
世界最大のデジタルえほん展なのであります。

 

巨匠きむらゆういちさんが自ら作ってました。
ぜいたく。

 





ではまた来年。

2015年11月30日月曜日

「居酒屋の誕生」

■「居酒屋の誕生」


 飯野亮一著「居酒屋の誕生」。
 京の着倒れ、大坂の食い倒れ、江戸の呑み倒れ。
 単身の男性が極端に多かった江戸は、外飲み文化が極度に発達した。
 いくつかピックアップします。

 居酒屋の割合は、200年前も今も、東京は550人に一軒だったそうです。
 江戸の人々はそんなに飲み屋がスキだった。
 江戸市民と東京都民の飲酒量を比べると、アルコール換算すると変わらないといいます。
 江戸の人々はそれほど飲んでいた。

 安酒なら一合で4文ほど。50円程度。安い。
 上酒で25文。300円程度。そこそこ。
 まあ、それなら飲むよなぁ。
 居酒屋は朝早くから営業していて、早朝から客が飲んでいたとか。
 ああ、今も築地界隈でお目にかかりますな。
 信長・秀吉時代に滞日した宣教師ルイス・フロイスは、「日本人は前後不覚に陥る異常な酒の飲み方をする」と評しています。外国では蔑視される行為が日本では自慢だったりするわけです。

 200年前に開かれた大酒会では、菊屋のおすみが2升5合を飲み干したという記録。
 女性の大酒飲み自慢というのは、豊かさの現れではないでしょうか。
「四十八癖」には、長屋の女房が昼の支度が面倒だからと、居酒屋から熱燗、ふぐの煮物、マグロの刺身を出前させ、近所の人と酒盛りを始める記述があります。
 時代劇に登場する女性たちより幸せそうです。

 鶏の鍋だけでなく、鹿や猪も18世紀には麹町あたりで供されていたといいます。
 マグロは下魚としてないがしろにされていたとか。ぜいたくです。
 西洋の食堂ではまず料理を選んでからワインを注文しますが、江戸の居酒屋では、今の居酒屋と同様、とりあえず何か酒を頼み、酒のあてとしての肴を注文していたそうです。
 主役が酒なんですよね。


 2020に向けて「酒飲み文化」を打ち出せないかな、と思っているのです。

 竹芝を酒特区にしますかね。

2015年11月26日木曜日

ワークショップコレクション2015

■ワークショップコレクション2015
  ワークショップコレクション2015、渋谷にて2日間にわたり開催しました。デジタル系、アナログ系、150のワークショップが集まる世界最大の子ども創作イベントです。
 これまでのワークショップコレクションはここにメモしてあります。




◯2014
   http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2014/10/10.html
◯2013
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2013/05/10.html
◯2012
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2012/07/2012.html
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2012/07/2012_12.html
◯2011
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2011/04/2011_07.html
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2011/04/2011_14.html
◯2010
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2010/03/2009.html
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2010/03/2009_19.html



今回はメイン2ビルのほか、渋谷11スポットで子どもが街をハック!
メイン会場は取り壊し前の東急不動産本社ビル、壁・窓・床・天井など空間全体を子どもに開放!ラクガキOK!
こんなの最初で最後だよ!!

 

ワークショップアワードは、今年も季里さんNTV土屋敏男さんNHK中谷日出さん面白法人カヤック柳澤大輔さん石戸奈々子さんとで審査。
この入口のラクガキアートイベント「#BICTION」が東急不動産賞を受賞しました。

 

アワード優秀賞は渡辺裕樹・山内佑輔さん「小学校の図工の時間」。
小学校の図工の先生が授業を展開。学校は面白い!
CANVASはこんな授業を学校でやろうぜと始まった団体。
ワーコレはそれを示そうぜと始まったイベント。
それがワーコレに逆上陸。すばらしくて涙!

 

アワード最優秀賞はコモジラ研究所「手作りプロジェクションマッピング!」。
粘土を使って物体を作り、そこに投影するアニメを制作。
描いた絵がリアルな立体の上で動きます。

 

リアルとバーチャル、アナログとデジタルの自然な融合。
 

通りすがりのVISCUIT原田博士がハマって、熱く語ってくれました。

 





今年の目玉、Making&Codingエリア。
ロボット、電子楽器などプログラミング学習16ブースが大集合。
CANVASが本家となってプログラミング教育が広がり、今やブームになっていますが、これを見てなけりゃモグリと呼びます。

 

コルグのlittleBits。
電子モジュールをマグネットでつなげて、Scratchで操作。
モーターを回したりLEDが光ったり楽器の演奏ができたり。
コントローラーを自作してみたの巻。

 




組み立てて、プログラミングして、動かす。
「むつかしくないよ?」と子どもたちは言います。
プログラミング「を」学ぶんじゃなくて、プログラミング「で」作る。

 




モノにセンサーや電子部品を組み込んでいって、リアルな空間をプロデュースする。
IoTも、子どもたちが作る世界になります。急速に。

 

3Dプリンティングコーナー。
プログラミング学習は、ロボット、IoT等と同化して、リアル世界と融合する。
その手触り感が大切です。

 






この翌日の日経社説にこう書かれました。
「子どもにプログラミングを教えるNPO法人CANVASは、ドローン(無人飛行機)やロボットの操作など、デジタル時代のものづくりをみすえた教育に取り組む。」
「こうした人材の育成に、企業は積極的に関わるべきだ。」
そのとおり!

 

Scratchの伝道師、プログラミング学習PEGのリーダー、阿部さんは、ドローン飛ばし係なので、隔離されてました。
ドローンは規制より活用を!



 




今年の(ぼくの)目玉その1、CiP特設コーナー。
みらいの竹芝の街を子どもたちが建設します。
よし、それをぼくら大人が実現してやろうじゃないか!

 




けっこう縮尺を合わせた簡易ジオラマに、子どもたちが自分の建物・施設を創作して、未来を建設してくれてます。
国家戦略特区の威力をふんだんに使わないと実現しそうにありません。

 





そうそう、海なんです。
竹芝は。東京は。
海を活かす設計、みんなでやりましょう。

 


今年の(ぼくの)目玉その2,超人スポーツ特設コーナー。
世界ゆるスポーツ協会☓超人スポーツ協会「ピカリバブル」。
バブルで激突しようぜ。転がろうぜ。未来が見えるぜ。

 

超人スポーツ協会☓日本ブラインドサッカー協会「超ブラインドサッカープロジェクト」。
目隠しで見えない。音を頼りにする。うまく割れるかな?

 

Meleap「HADO」。ウェアラブル武器を装備して、バーチャル世界でドラゴンを倒す。
超人になれ!

 

ところで、安心ネット協、GREE、DeNAが今年もネット安心利用のゾーンを出展。ありがたいことです。
GREEはデジタルえほん社のコンテンツを使ってくれてます。

 

DeNAは、CESAと合併したソーシャルゲーム協会JASGAが作った「じゃすがんの冒険」。
ネットの安全安心のために、地味な汗もたくさんかきましょう。









ではまた来年。