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2019年1月31日木曜日

チロルと融合の季節

■チロルと融合の季節

10円あったらチロルチョコです。
ヌガー入り三ツ山のチョコは遠足上限100円のおやつに貴重な戦力でした。
進化をとげ、きなこもちやめんたい味などパンクな商品を叩き出しています。
(インスブルックにて)

融合の季節が来た。
デジタル技術は、上下左右を融合させる。
いったい何が融合するのか。
その10項目を挙げてみる。



千鳥屋「チロリアン」。
チロルチョコ同様、福岡の会社が生み出した銘菓。
こちらはかたくなにロールクッキーの伝統を守っています。
しかし、チロル地方には、チロルチョコもチロリアンも見当たりません。
(コルティナダンペッツォにて)


1.バーチャルとリアル。
MITネグロポンテ教授のBits meet Atoms
リアル空間の行いがバーチャル空間でもできるネット化は25年前に始まり、バーチャルがリアルに進出するIoTが近ごろのテーマ。
遠く離れた異質なものを融合させる。


オーストリアのチロル地方、インスブルック。
1964年1月と1976年2月。冬季五輪を2度開きました。
日本はいずれもメダルを獲得していません。 
ピョンチャンの13個は隔世の感があります。
(インスブルックのスキー台はザハさんの設計。)


2.通信・放送融合。
これも25年前に議論が始まった。
現実の騒ぎは2005年のホリエモンフジサンケイ、楽天TBSそして2006年のGoogleAppleによる映像配信構想。
わが融合研究所の設立は2008年、以来10年。
通信と放送は本来同質なので、その融合を唱えるのは滑稽ではないか。
なぜか対立の歴史。


イタリアの南チロル地方、コルティナダンペッツォ。
1956年の冬季五輪。
猪谷千春さんが冬季日本初のメダルを獲得しました。
このポールに日の丸を掲げられたんですね。


3.ポップとテック。
Art & Science、これはMITメディアラボの属する学科名。
これも本来同質だったものが近代で分離された概念。
Pop & Tech特区「CiP」は、その集積による化学変化での融合を目論む。

チロルはオーストリア、イタリア、ドイツにまたがる地域。
インスブルックはドイツ語、コルティナダンペッツォはイタリア語。
ナポレオン後バイエルンに割譲され、南チロルはイタリアに割譲、ウィーン会議でオーストリアに復帰するなど3国間には生臭い攻防の歴史。
うららかさとはうらはらに。


4.モノとコト。
バーチャルとリアルの先に来るもの。
CDDVDはライブにシフトする。
超大型・超高精細ライブビューイングを整備せよ。
シェアリングエコノミーも、不動産やクルマのシェアから時間やスキルのコトシェアに移る。

チロル以外にもヨーロッパには国境の線引きが地域を分断し、所属する国家が変わる、そして今もそのくびきを負う場所があちこちにあります。
それはたいてい、うららかで素敵な地域です。
みんなが欲しがる場所です。

5.伝統と新規。
ポップとテックが新旧の接近を進める。
歌舞伎とkirariと初音ミクの融合は典型。
鳥獣戯画の技法を継ぐアニメもテックでポップを維持する。

例えばチロルの近くのサヴォア地方。
フランスとスイスとイタリアにまたがります。
冬季五輪を開いた仏アルベールビルから伊トリノに至る。
美しい地域です。

6.ウチとソト。
ソトから入ったものをウチで進化させ、ソトに出すのをクールジャパンという。
マンガアニメゲームも、ラーメンもカレーも、ロリータ服もコンビニも同じ。
そしてアウトバウンドからインバウンドへ。


例えばアルザス・ロレーヌ地方。
17世紀にフランス、普仏戦争「最後の授業」でドイツ、一次大戦でフランス、ナチスでドイツ、そして今はフランス。
ストラスブールにはEU議会が置かれるなど、緩衝地として、いやヨーロッパの中心地として機能しています。


7.スポーツとゲーム。
eスポーツがスポーツの地位を獲得する。
むしろ海外ではマインドスポーツ=ゲームはスポーツの一種とみなされていたが、ゲーム大国日本はフィジカルとマインドを遠く分離してきた。
改めて同化へ。


先日訪れたバルト3国も、W杯準優勝のクロアチアも、独立してまだ30年に届きません。
いずれも文化豊かな美しい地域です。

8.肉体と機械。
機械をまとうパラリンピックがオリンピックの記録を上回るようになる。
人機一体の超人スポーツは、オリやパラ、健常と障害という垣根を壊す。
サイバーパンクに市民権を。

チロルの隣、リヒテンシュタイン公国はスイスとオーストリアに挟まれつつ、19世紀から独立を維持。
ピレネーの山中にあるアンドラ公国はフランスとスペインの国境にあり、両国にもまれながらも独立を保っています。
奇跡のような小国です。

9.仕事と遊び。
AIが人の半分の仕事を奪う。
奪わせてやれば、人は超ヒマ社会を迎える。
働き方革命より遊び方革命が求められる。
働くように遊び、遊ぶように働く。
何足ものわらじをはきながら。

バルセロナを擁するスペイン、フランスとの国境にあるカタルーニャ地方、これもスペイン・フランスにまたがるバスク地方、いずれも独立を巡って諍いが続いています。
美食の地域です。


10.パーソナルとパブリック。
仕事から遊びへの移行は、遊ぶというイメージとうらはらに、公益を増進させる。
自己の利益の追求から離れて好きなことをするのは公益がインセンティブとなる。
Public Image Limited.

人類の融合は、いつまでも夢のまま。
折り合いがついたり、つかなかったり。
(コルティナダンペッツォの美しい五輪会場は子供の遊び場になっています。)


10の融合、推し進める。
YouGoExの季節。

鳥が飛ぶ。雲が流れる。教会の鐘が鳴っている。
うららかなチロルをそぞろ歩きながら、融合することを想う。
(コルティナダンペッツォ冬季五輪のスケート会場、絵画のようなミズリーナ湖。)









2019年1月28日月曜日

鼎談「知財本部の15年」。

■鼎談「知財本部の15年」。
雑誌「ジュリスト」の企画で、中山信弘東大名誉教授、荒井寿光初代知財本部事務局長と「知財本部の15年」の鼎談を神田・有斐閣にて行いました。
知財政策を立ち上げ作ってきた大大先輩はどちらもチョー過激で迫力があり、自分が実に小さく感じました。この世代はやはりスゴい。海賊版対策もハッパかけられました。

お二方の発言は、条約をぶっ飛ばせとか内閣○○局をぶっ飛ばせとか○○省は○○だとかヤバい内容が多く、紙面は大幅カットとなるでしょう。
ぼくの発言は穏当につき、ひとまず概要をメモしておきます。


○知財にはどのような関心?
・学生時代、音楽をやっていて役所に入った。創造・表現活動を活性化したい、今でいうコンテンツの領域を活性化したい。それで通信・放送政策やコンテンツ政策を担当。

・大学でも創造力・表現力を新技術で誰もが高めることに取り組んでいる。それを持続・発展させるインフラが知財制度。インフラ整備の観点で取り組んでいる。


○最近の知財本部?
・コンテンツ政策やクールジャパン政策では、かつては経産省・文化庁・総務省が中心で、受け身の姿勢も見られたが、今は国交省、外務省、農水省などを含め10近い省庁がテーブルにつき、自分たちでどんどん前のめりにカードを切る。

・コンテンツ分野と産業分野とが二分されていたが、第4次産業革命のAI論議になり、データの扱いが主戦場となるに至り、両分野を一体化する議論になっている。
・海賊版対策や教育情報化が典型だが、知財政策とIT政策の連携もますます重要性が高まっている。


○知財戦略の成果と評価は?
・知財高裁や特許審査、職務発明制度など荒井さんが進めた産業分野の成果が先行して知財政策を引っ張ってきた。
・ここ数年で、著作権法改正やデジタル教科書の制度化などコンテンツ領域も制度対応が進んだ。

・クールジャパン機構など支援措置も充実し、政策ツールも揃ってきた。コンテンツ海外展開などの成果も数字となって現れている。

・特にコンテンツ分野は、20年ほど前からのPCやネットによる「デジタル化」、10年前からのスマホやソーシャルメディアによる「スマート化」、さらに昨今のAIやIoTによる「超スマート化」という大きな環境変化に対応していくことが主要課題であった。

・それは一人勝ちのアメリカにキャッチアップする十数年だったが、今度は中国というチャンピオンも現れてきて、環境は厳しさを増している。


○知財教育はどうか?
・私が所属する大学院はメディアを専門に扱う場で、著作権をはじめ知財教育には力を入れているが、知財を専門にして食べていく人は少ない。一方、どの産業に進むにしろ誰もが身につけるべきリテラシーとして捉えられており、知財教育の大衆化が課題になっている。

・誰もがITで情報を利用・発信する時代は著作権法に1億人が関わる社会であり、初等中等からの教育が重要になっている。


○企業の知財戦略は?
・コンテンツ業界のように知財が経営資源の大本である会社は知財戦略が経営戦略の中心になっている。だが一般の企業が知財戦略を第一に据えているかは疑問。
・ひとえに経営者が製造、営業、財務、人事などと比べて知財戦略にどれくらい重きを置いているか、その認識によると考える。

・それは政治や行政にも言える。TPPの交渉などにしても、農業や製造業などと比べ知財の扱いは高いとは言えない。そのプライオリティーの置き方、日本が今後何で食べていくかの認識がまだ国全体で共有されていないのではないか。


○最近の知財環境の変化は?
・知財への関心が高まり、重要性の認識が定着した。特許や著作権の扱いによって日本が停滞したことも認知されている。それにより、専門家を生むこと以上に、全ての職業人が知財の知識を身につける重要性が高まっている。

・国内市場中心の議論が海外展開へと主軸を移した。これまでの経済停滞と今後の少子高齢化を踏まえ、海外市場に向けた知財戦略が中心課題となっている。コンテンツ分野はさらに一巡し、観光や食などと連携したインバウンド戦略に力が入っている。


○コンテンツ戦略は?
・知財本部ではデジタル教科書の制度化、教育の情報化をコンテンツ政策として推進してきた。前国会でデジタル教科書の制度化やそのための著作権法の整備が実現したのは喜ばしい。

・そしてこれはコンテンツが産業政策だけでなく、教育など文化社会政策を含むより広い観点から捉えられているということ。またそれは学校のIT整備とセットで進められる案件で、知財政策とIT政策の連携が求められている。

・最近は海賊版サイト対策に力を入れており、ブロッキングという手法の是非が社会の注目を集めている。これは著作権という知財政策と、通信の秘密の保護というIT政策とが衝突している案件であり、知財政策だけでは正解が得られない。IT政策など他の政策領域との連携・調整を要する事態が増えている。


○知財本部の課題は?
・3つあると考える。
・海賊版対策に現れるように、知財政策とIT政策の連携・融合が重要。これは省庁再編の必要性も示唆している。

・2020年は著作権法の制定から50年。これまで何とか手当してきたが、小学生でも知っておくべき制度としては使い勝手が悪すぎる。抜本的に見直すチャンスではないか。
・これらを通じ、知財政策の優先度を向上させることが重要。ぜひ荒井さんの唱えた知財立国を進めたい。

2019年1月24日木曜日

別所哲也さんと、CiP。

■別所哲也さんと、CiP。

J-WAVE TOKYO MORNING RADIOに出演し、別所哲也さんとポップ・テック特区「CiP」についてお話しました。
同番組には6月に超人スポーツの話題で登場しましたが、今回は、港区竹芝をデジタルコンテンツ産業の拠点とする計画、新たな街づくりについておはようモーニング!」

●CiPとは? 
コンテンツ/イノベーション/プログラム。コンテンツやIT産業の集積する特区を作るプロジェクトです。
浜松町駅から海に向かったベイエリアに東京都の持つ広い土地、産業貿易センターという展示場のあった場所を再開発して、新しい街を作ることになりました。2020年にオープン。

●どんな街になるんでしょう?
地上地下40Fのビルを建設して、そこを中心に、エンタテイメントやITの企業、大学や研究機関を集積。研究・教育とビジネス支援、情報発信の拠点を作ります。
いろんな規制緩和を導入して、これまでできなかったことを試す実験場、出島。

●なぜ「竹芝」? 
もともと都の持つ場を再開発する構想があり、作るなら世界にないポップな文化と技術・テックの融合する街、ポップ・テックの街を作ろうと。
羽田からモノレールでつながる国際的な玄関口であり、海もある。
でも未開発の場所なので、白いキャンバスに新しい街をデザインしたく。

●この計画は、官民一体のものなのでしょうか? 
50社・団体による民間プロジェクトです。
構想を発表したとたん、多くの企業が参加を表明。
オリパラが来ることも決定し、新拠点の構想に注目も集まりました。
政府クールジャパン構想でも、軸となる計画として認知され、協力してくれています。

●「デジタル国家戦略特区」とは?
竹芝地区が国家戦略特区に認定されており、今後、具体的な規制緩和を導入したい。
アイディアはたくさんあります。
電波特区:ロボットを動かすIoT放送局、
ドローン飛ばし放題特区、
道路をディスプレイにするデジタル特区。
ぼくは レバ刺し特区を作りたい。今一度、レバ刺しを。

ガンダムを動かしたいのです。
等身大のガンダムを動かすプロジェクトがCiPとは別に進行しているのですが、動くと重機扱いを受けるそうで。方向指示器を付けるなどの規制を受ける。
右曲がります
などとガンダムに言わせるのはかわいそう。彼が自由に動ける特区にしたい。

険しい道ですが、そういうアイディアを一つ一つ実現したい。
国家戦略特区はカケ問題で評判がイマイチになりましたが、一つ一つ突破していきたいので、政府にはぜひ忖度をいただきたい。

●どんなコンテンツを開発?
当初はマンガアニメゲームといった今のエンタメが中心になると考えていたんですが、急速にAI、IoT、ビッグデータ、ブロックチェーンといった技術の波が押し寄せていますので、これからのコンテンツを中心に考えようとしています。
超人スポーツもeスポーツも有望株です。

●育てるのは、「街」だけでなく「人」も?
教育はCiPの重要な柱。慶應大学KMDは一部移転しますし、スタンフォードの研究機関も誘致します。
子どものプログラミング教育や創作活動のNPOにもそこを拠点としてもらいます。

実は私はITの新しい大学を設立する計画で、「i大」というんですが、2020年開校で、学長に就任する予定です。竹芝CIPにサテライトを置いて、産学連携の拠点とします。
学校の壁をとっぱらいたいんです。
教育の壁をとっぱらう「超教育」の拠点を作りたいと考えています。

●日本のシリコンバレー的な存在を目指す?
シリコンバレーのテックにエンタメも融合させて、なのでシリコンバレーとハリウッドがギュッと詰まったような存在になりたい。
でも食フェスもあって、コスプレもいて、というTokyoにしかできない街にしたい。

竹芝はきっかけにすぎません。
渋谷、池袋、羽田、品川など同様の開発構想が東京にもたくさんあります。
竹芝が先陣を切って、それらの街をつないでいきたい。
京都、大阪、福岡、那覇、全国にもいろいろポップ・テック開発構想があります。
それらをつないでいってポップ・テック列島を作りたい。

●海外ではこういったデジタル産業特区、のような街があるんですか?
韓国は行政主導でソウルにデジタル集積地区を作っています。
韓国政府とCiPは協定を締結、人材育成やベンチャー支援で連携していきます。
マレーシア、バルセロナ、パリにも似たような構想があって、協議している最中です。

しかし一番の目標は、スタンフォード大学。
大学がシリコンバレーのプラットフォームとして機能しています。
なのでCiPもスタンフォード大の研究所を誘致して、やりかたを学びたいと思います。

●中村さんが考える未来の「竹芝」とは?
ガンダムが動いている。
ロボットが店を経営していて、子供と学生が遊んでいて、政治サミットとコスプレサミットとeスポーツ世界大会が開かれている。
そしてレバ刺しが食える街。

2019年1月21日月曜日

eスポーツは本格化するのか?

■eスポーツは本格化するのか?

ジャカルタのアジア大会で公開競技となったeスポーツ。
サッカーゲーム「ウイニングイレブン」で日本チームが金メダルを獲得、日の丸がセンターに掲げられ君が代が流れました。
2022年、杭州でのアジア大会では正式競技となります。

熱を帯びるeスポーツ市場。昨年に続き開催された異業種産官学のAMDシンポジウム「激闘eスポーツ!:世界をめざすプレイヤー戦略、市場を生み出すビジネス戦略」に登壇しました。
まず、ぼくが語ったことをかいつまみメモします。

2017年9月のこのシンポでぼくは、eスポーツは日本は途上国で、大きな課題が2つ立ちはだかっていると報告しました。
1.規制。消費者庁による景表法の大会賞金上限10万円という規制をクリアすること。
2.プロ化。3つある関連団体を統一して国際進出の道を開くこと。


2018年の2月、その3団体が解散、統合し、日本eスポーツ連合JeSUが発足。
消費者庁とも規制問題をクリアすることが整理され、日本でも大型の大会が開けるようになりました。
産業界が安心して資金・人材を投入できる環境が整いました。

その際2018年は日本のeスポーツ元年にしたいと申し上げましたが、それは実現しました。
多くの企業が大型の大会を開催し始め、Jリーグや日本野球機構(NPB)もリーグをスタート。
吉本興業が本格参入するなど異業種からの参入も相次いでいます。

eスポーツは映像ビジネスで、収益の4割はメディア+広告。
ネット配信以外にも、日テレ、フジ、TBSなどテレビ局が番組にし始めました。
毎日新聞は高校eスポーツ選手権をスタートさせ、プロを育てる専門学校も現れました。
大学でのクラブも盛んになってきました。
ビジネス+教育のピースが揃ってきたように見えます。

しかしアメリカなど先進国との差は大きい。
大学の取組だけを見ても、全米大学eスポーツ協会によれば米国とカナダではeスポーツプログラムを持つ大学が80校以上。
米ユタ大学はLoL参加チームに学費全額免除。
公立カリフォルニア大学アーバイン校は325㎡のゲーム用アリーナを設置しています。
慶應にはありません。

スゴいのは韓国の取組です。
政府・ソウル市が産官連携で作り上げた町、ソウル・デジタルメディアシティDMCにCJメディア社が韓国最大のeSports専用スタジアムを設置しています。
650席の会場は毎日、試合が組まれ、ケーブルやネットで中継。
ソウル市が運営している、自治体の仕事です。
(と大井川茨城県知事に向かって。)


その建物に韓国政府コンテンツ振興院KOCCAが1552m²のeスポーツ展示館を作りました。
アーカイブや体験コーナーなどを設けています。
日本は住田事務局長のもとぼくも参加して作った政府「知財計画2018」にeスポーツを盛り上げることを記載したばかりですが、韓国は政府が直接事業を行っているのです。
(と住田知財事務局長に向かって。)

今後の課題は・環境整備と人材育成。

まず産業基盤となる環境の整備です。
オリンピック正式種目化と正式参加を進めるため、JOCにも認知してもらうべくスポーツ庁などにも働きかけて機運を盛り上げる必要があります。

メディア事業としての基盤も整えていく必要があります。
自分のやっているプロジェクトだけ紹介しておくと、ぼくは4K8K高精細のパブリックビューイング会場を全国整備するプロジェクトを進めています。
2020五輪はみんなで大画面に参加して騒ぐライブ型を定着させる。
そこにeスポーツも乗せたい。

港区竹芝にコンテンツとデジタル、ポップとテックの融合した特区を建設中。
ポップ・テック特区CiPと呼び、2020年に街開きするクールジャパン拠点です。
そうした場を産学連携で提供し、ソウルのDMCのような拠点にしていきたい。

そして人材育成。
慶應ががんばれよって話ですが、それより学校作ったほうが早い。
そこで大学を新設する計画を進めています。
「i大」という名前の、ITビジネス専門の大学、2020年に東京にオープンさせ、竹芝CiPにサテライトを置いて学長に就きます。

i大はITの大学なので最初からeスポーツに注力したい。
eスポーツ推薦枠を設けて奨学金をつけて、プロとオリンピアンを育てたい。
スターを生むことが大事。藤井聡太さんのようなスターを生みたい。
わかりやすいアイコンを得ることが大事です。

さて、パネルでは、大井川茨城県知事が今年の茨城国体でeスポーツ大会を開き、4月に各県内予選、10月に決勝戦を行うと表明。
国体が市場を広げる見通しを示しました。
経産省、マイクロソフト、シスコ、ドワンゴという経歴を持つ知事らしい見立てです。
「とはいえeスポーツはスポーツなのかという疑問があることも事実」(大井川知事)。
ようやく始まったが、まだこれから、です。

日本eスポーツ連合JeSU浜村弘一副理事長は、JeSUがIPホルダーの協力という世界に類を見ない体制でスタートし、プロのライセンスを既に119名に出したと言います。
eスポーツの認知度が17年9月の14%から昨年3月には35%に上昇し、人気も高まってきたとのこと。

eスポーツ選手を育てるSun-Gence梅崎伸幸CEOは、視聴者数が250万人まで増えてきた日本は未開のブルーオーシャンであり、海外がチームを買収にかかっている状況を伝えました。
日本は後進国であったがゆえに成長スピードが高く、有望な市場と見られているようです。

ゲーム選手の板橋ザンギエフさんは「プレイヤーにとって、オリンピックはウェルカム」と言います。
ただ、大リーグやNBAの選手がオリンピックを重視しない傾向を問う夏野さんに対する浜村さんの反応は「eスポーツはオリンピックの陸上よりアメフトに近く、エンタメビジネス的です。」

オリンピック路線で行くのか?プロレス路線で行くのか?
梅崎CEOは「その両方を狙う」と言います。
浜村さんは「eスポーツは多様であり、種目によって分かれるだろう」と。
ぼくもeスポーツは高校野球からプロまで一気に作ろうとする段階にあり、両にらみで行くんだろうと考えます。

国体で正式採用となれば「ウイイレが体育の授業になるかも」(夏野さん)。
大井川知事が「N高のサッカー部はウイイレのチームであり、その選手がアジア大会で金メダルを取った」とさすが元ドワンゴという解説を返しました。
教育との融和、eスポーツにとって重要課題です。

板橋選手「eスポーツの多くは反射神経より経験値が大事なので、それを活かそう。」
それは耳寄りです。高齢社会に適したeスポーツは日本にとって有望です。
経験を積んだシニアも活躍できる、裾野の広い市場を作ることが大事です。

ぼくも質問に答えました。
事業の広がりは?
「スポーツ事業・ゲーム事業。メディア・広告事業。ライブ・イベント事業。
それだけではありません。
PCなど機材製造もあれば、IKEAはeスポーツ専用の家具を作っているし、アディダスは専用ウェアを作っています。
コーチング教育、チームビルド企業研修、インバウンド観光。
裾野は広い。」

政府への期待?
「ゲームは民間主導です。放っといてください。
と言いたいところですが、韓国の戦略を見るとそうも言えません。
逆に、あれこれお願いしたい。
JOC/IOC対策を文科省・スポーツ庁に。クールジャパン支援を経産省に。5Gなど基盤整備を総務省にお願いしたい。
シニア対策は厚労省に、聖地化は観光庁に。
警察庁と消費者庁とも仲良くしたい。
でも縦割りは困りますんで、以上、知財本部様、よろしく。」

清水建設の井上社長、大和証券の松下副社長など、多彩な顔ぶれで開かれたシンポジウム。
eスポーツの広がりと期待感を共有しました。
昨年のシンポは「取り残された日本の挑戦」がサブタイトルで、どうなるどうするeスポーツという空気でしたが、まさに一変。
この盛り上がりを続けたく存じます。

参考
「政財界トップが「eスポーツ」で激闘する時代なのだ = AMDシンポジウム2018レポ」

「“日本esports元年”からつぎのステージに向けた選手・行政・企業の取り組みとは? AMDシンポジウム2018リポート」

2019年1月17日木曜日

DiTTは超教育協会と合併します。

■DiTTは超教育協会と合併します。


デジタル教科書教材協議会DiTTの総会が開催され、超教育協会LoTと合併することとなりました。
教育テクノロジーの推進力を高めます。

デジタル教科書教材協議会DiTTは、主に初等中等教育に関し、IT化(PC・ネット整備)を推進してきました。提言・ロビイング、普及啓発、実証実験の推進、自治体・先導先生との連携等を通じ、デジタル教科書の制度化などの成果を上げてきました。

超教育協会(LoT)は、DiTTの活動を全て継続・発展させるとともに、以下の活動を行います。

1. 初等中等教育だけでなく、幼児教育から高等教育・リカレントなど全世代にわたる教育の環境整備

2. IT化・スマート化に次ぐ、AI、IoT、ビッグデータ、VR/AR、ブロックチェーン等先端技術の教育利用推進

3. 学校の枠を超えて塾・職場・家庭が連動するリアル+オンラインの学習環境のデザイン

4. 産業界が求めるIT人材・AI人材の育成、企業人のIT研修の強化

立ち上げ3か月にして既にAIワーキング、VRワーキング、ブロックチェーンワーキング、クラウドワーキングなどを立ち上げ、教育テクノロジーの先端テーマに取り組んでいます。プログラミング教育を広げる手も打っています。

超教育協会は新規会員の募集も始めました。
参加メリットは、
・DiTTの活動+超教育としての新規活動への参加
・初等中等IT化(数千億円)から教育全体IT化(数兆円)への対象市場の拡大
・AI、IoTなど世界の先端技術動向の把握
・31業界団体(傘下8000企業)、有識者評議員のコミュニティの活用

最後の評議員コミュニティは、日本の教育テクノロジーを主導するパワフルなメンバーです。
現在のリストを掲げておきます。

小宮山宏DiTT/超教育協会会長
「ITで激変する社会、教育と言っても先生はいない。学び合う場が必要だ。老若男女外国人が混ざる超教育システムを作ろう。」

正しいクロージングでありました。

2019年1月14日月曜日

LIVE HACKASONG vol.3

■LIVE HACKASONG vol.3

LIVE HACKASONG vol.3@東京ミッドタウン。
テクノロジーでライブのサービスを開発するハッカソン。
CiP協議会とビルボードがお届けします。
審査委員長を務めました。

技術者やプログラマーが集中的にプログラムを制作するイベント。
普通のハッカソンは1日-2日で作り込みますが、この企画は3ヶ月かけて作ります。
テーマは「ライブ体験の拡張」。
Techを使ってPopをプロデュース。
バーチャルでリアルを演出するものです。


学生や起業家の卵たちが、プロのサービサーらとともに、商品やサービスのプロトタイプ作って、スポンサー候補のかたがたにプレゼンをします。
学校や学会で、リスクを負わない相手に対してプレゼンするのとはわけが違います。
ヒリヒリします。
数チームが脱落し、6組が残りました。

でも、エンタテイメントのイベントである点がこのハッカソンの特徴。
楽しくやりました。
NTTdocomo、LINE、博報堂、レコチョクが技術を提供してくださいました。
多謝。

審査員は音楽プロデューサー玉井健二さん、デジタル音楽ジャーナリストジェイ・コウガミさん、経産省コンテンツ産業課長の高木美香さん、クールジャパン機構COO加藤有治さんとぼく。
司会はKMD佐藤千尋さんと、心の底から尊敬する「FUJIWARA」の二人。

ちなみに、過去2回の記録です。
Vol.1
Vol.2


では個別に。
1. docomoでmo live「docomoでmo live」
NTT docomoのVRアバター技術を使ってVirtual Live Performanceを行うアプリ。
LIVEに遠隔から誰もが参加する。
アイドルだけじゃなくてお笑いなどにも使えます。

2.KMD「Avatar in RV live」
ユーザがアバターになりVRライブを体験する仕組み。
残念ながらプロトタイプを作るまで到達せず、構想発表のみでした。
KMD諸君、がんばりましたが。
ステージに立つのは大切なこと。

3. Exphase/Skiyaki 
オタク向けグッズのオークションeコマース。出品物にブロックチェーンをかけて保証。
アジアアジア初Hollywood live auctionを行うとのこと。
「世界にはオタクが5億人いる」という説明にグッときました。

4. スペイシー「LIVE SPACEE」
ライブ・イベントなどでのチケットの確認や会場での物品購入などの運営支援ができるアプリケーション。
顔認証、QRコードなどを利用してスムーズにかつセキュアを担保して運営をすることが可能。
転売問題や入場の円滑化など2020五輪を見込んだサービスです。
優秀賞を獲得しました。

5. アンディ・アクバル「Guitar Visualizer」
プロジェクションマッピングとARを使い、演奏するギター音からCGIアニメションを合成する。
弾いている映像から光線が立ち上っていく共感覚。
やるやん。
それはいいが、サラリーマンの悲哀を歌ったアンディの演奏が長すぎるぞ!
なんでビルボードの舞台でフルコーラス歌うねん!
すみません、許してやってください。インドネシアから来た知人なのです。

6. YEAAH「LIVE Payライブ投げ銭 de 心も懐も盛り上がり」
ライブ中にLINE Payを使って投げ銭をするサービス。
投げ銭が大型ディスプレイに反映され、ライブの中の演出にもなる。
観客も生で応援したい気持ちを満たせ、アーティストも生の応援をダイレクトに受け取れるサービス。

YEAAHのシステムは「Puskas」のライブ演奏とともに試されました。
アンディのライブより短いぞ!
YEAAHが会場賞・最優秀賞をダブル受賞しました。
おめでとうございます。


ぼくの総評。
VR、AR,AI,ブロックチェーン、顔認証、eコマース・・。
さまざまなテクノロジーが提案されました。
ぜんぶ実装しましょう。
ぜんぶ導入する街をつくりましょう。
ポップ・テック特区CiPはその受け皿になります。
3ヶ月でここまで来た。
ぜひ開発を続け、ビジネスに結びつけていただきたい。


ところで。
でも今回最も衝撃だったのは、
FUJIWARAさんが逆バージョンだったこと。
フジモンさんがボケで、原西さんがツッコミだったのです。
むかしのFUJIWARAやん!
かっこええやん!
それに興奮していたのはぼくだけだったのでしょうか。