■学長くんガチョーン. 中山淳雄さん
わが師匠。中山さんの本、「ソーシャルゲームだけがなぜ儲かるのか」 「オタク経済圏創世記」「推しエコノミー」「エンタメビジネス全史」「クリエイターワンダーランド」、すべて勝手書評を書いてきました。コンテンツ産業のこと、ぜんぶ知ってる戦略家。しばらくこのかたの時代が続きます。
◆いま一番力を入れていること
3,4社ほど一つのキャラクターをどうやって中国へ持っていくか、アーティストをASEANに持って行ってどう育てるにはどうすればいいか、実企業と手づかみで色んな国に法人を作るなどのお手伝いに一番力を入れている。それが自分の本流。
事業自体を進めながら、2,3割俯瞰して形にしてみんなに伝えていくのはサイドジョブ。
◆推しエコノミー
2017頃から推しが強くなってきた。経済圏やビジネスにモチベートしていろんな企業がどう投資をしているのか、という観点からみてきた。
ブシロードでバンドリ!(BanG Dream!)を海外に持っていったり、新日本プロレスをアメリカに持っていく、カードゲームの世界大会をやっていたりしており、ユーザーとの接点が多かった。日本、アメリカ、アジアで起こっていることをうまく形にしたい中で「推しエコノミー」というのが今の現象を一番切り取りやすかった。
◆推しエコノミーは日本の特徴?
日本は均質性が高く、同質性の中で差別化をしているので共有材はとても大事。
みんなでまとまりを作るために、異色のなにかを持ち上げたり、共有したりする。日本は特別強い。
欧米ではみんなが動くというのはなく、それぞれが動く。あまり群にならない。
◆産業界における日本の政策の問題
日本の官僚動き方や政治家との距離のとり方は、戦後、敗戦国であるためアメリカからの産業と癒着するなという攻めもあり、そういう分岐点で分化して、そのままになってしまった。アメリカや中国の方が癒着してるよね、ということも多い。
ここ5,60年の話だとおもうが、かっちり分けてきたが故にソフト系のコンテンツの中では
産官学の連携が取りづらい。
ゴシップで官僚や政治家はだめだ!と退けた結果がこれ。脱戦後なので再構築し、抜けられるといい。
◆学生時代
東大の学部・院では上野千鶴子研究室がメモリアル。学問の楽しさを教えてもらった。それまではバックパッカー系の人間だったが、価値観はみんなでなんとなく決めてきたが、
転換をしてみたら、マイノリティはすごく弾かれていた。自身はマジョリティだったので、マイノリティから見るとこんなに違うんだなと気がついた。
大学の前半は25カ国くらい自転車で旅し、後半は社会学をがっつり勉強し、すごい論文を書いて、すごい読書をして、一端の研究者になろうとおもっていた思い出が強い。
◆勉強したことが活きている
大学で勉強したことが15年くらい働いてから活きている。ビジネスをしていく中で社会学的な考え方で分析してみよう、まとめてみよう、本を出してみよう、教えてみようというのがもともと自分の中で5-10%位だったが、いま主業みたいになっている。
勉強したことが長期的に役立っている。大学の恩恵をフルに受けている。
発言するためのパッケージを得られた。
世になにか出すのはものすごく怖かった。
大学の学部では歴史研究をしていた。ナチスドイツの記憶について、戦後の西ドイツではどうおもわれていたか。もぐりではいっていた上野千鶴子研究室で、それを論文にしたら面白いと言われて書いた。上野千鶴子さんは世に問うことをわりと持ち上げてくれる。
戦争責任研究という雑誌に載った。書いて出して物申していいんだという経験をした。
その後にものすごくインパクトを及ぼした。
◆キミたちへのメッセージ
なにか意見を出して世の中に問う。
本が名刺。本のおかげで色んな人に興味を持ってもらいコンタクトが来る。なにか自分なりの意見を持って、ちゃんと発言する、誰かの見える形にすることが思わぬ収穫になる。
出した後の波及効果は、大学時代は1-2、社会人になって10-20、ここ2,3年では1000くらいのイメージ。
それは大学時代にやったことがかなり効いてくる。バカにせず、勉強は大事であることを認識する。