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2019年3月28日木曜日

大阪の新名所、SAKUYA LUMINA

■大阪の新名所、SAKUYA LUMINA

大阪城公園に登場するナイトウォーク「SAKUYA LUMINA(サクヤルミナ)」。
幻想的な音と光と映像が交錯し、インタラクティブな仕掛けが楽しめるエンタテインメントです。
行ってきました。
吉本興業と電通グループの共同出資事業です。

この仕掛けの主は、カナダ・モントリオールのライブ型マルチメディア会社「モメントファクトリー」。
世界に展開する「ルミナ・ナイトウォーク」の9作目となるシリーズ最新作です。
その土地がもつ固有の文化や自然を活かし、光や音やデジタルの仕掛けによる体験型エンタテインメント。

未来の大阪に住むアキヨちゃんが現代にタイムスリップした。
彼女と一緒に、帰り道を探す冒険の旅に出かけるストーリー。
道中、参加者が自分の笑顔を撮影するとアキヨにパワーが届き、最終コーナーでみんなの笑顔が花咲く仕掛け。


いくつもの光の輪が広がり、青い光線や白いスモークが注がれる夜の大阪城。
石が話しかけてきたり、お稲荷さんが浮かび上がったり、そこにある木々や土、城石などが命を宿して接してきます。
その声は渡辺直美さんや木村祐一さんだったりします。


モメントファクトリーは、映像、音響、建築、特殊効果などの専門家たちがR&DとR&C(コミュニケーション)を核として次々と新しい体験を生み出し、リアルに実装する集団。
展覧会、イベント、テーマパーク、商業施設など世界400以上のプロジェクトを手がけています。

国内外観光客の人気スポットであり、大阪の人々にとって特別な場所である大阪城公園を、大人から子どもまで誰もが楽しめる健全なナイトエンターテインメントスポットとしてこれまでに無い新しい夜の魅力を発信していきます。


大都会の、高層ビル群が並ぶ真ん中に、天守閣とお濠、公園をたたえる大阪城。
こんな面白いロケーションと構造物はない、とモメントファクトリーは目を見張った。
そして大阪の文化をみっちり勉強して、吉本と一緒に「笑い」を真ん中に据えたと言います。
笑いの文化をカナダに持ち帰りたいとのこと。


モメントファクトリーのディレクター陣が「今回は挑戦だった」と言うので、最も苦労したところはと聞くと、「音響」だという。
ふだん田舎の森でやっているのと異なり、大都会での音響は強い規制を受け、その中でいかに音をコントロールするかに配意したと。

オープニングのパーティー、IT知財担当の平井大臣「日本の夜を明るくしてくれ。そのリスクを取る人を支援する。だから、口コミで、よかったと広めて。」
チコちゃんの中の人が「なんでこんなサブい時にオープンすんねん、て言わんといて」とコメントしました。大阪のひと、ホンマ言いそう。

吉本興業の取締役会で大崎社長がぼそっと「モメントファクトリー大阪城に連れてくる」と発言したとき、ぼくはエエッと声を上げてしまいました。
ほんまかいな&なんでやねん、のエエッでした。
ほんまですねんそうですねんになったのは、慶賀にたえません。
2025の万博が決まった大阪。
ほんまかいなを積み重ねて、賑やかにしていきましょう。

2019年3月25日月曜日

シェアリングエコノミー政策見直し現場はいま

■シェアリングエコノミー政策見直し現場はいま
内閣官房IT本部が事務局を務める「シェエリングエコノミー検討会議」。
さきごろ2回にわたってヒアリング+議論を行いました。
会議がモデルガイドラインを策定してから2年。
それらシェアエコ政策の見直し論議です。

例えばスペースマーケットの「うちスタ」。
レンタルスペースでスポーツを観戦する。仲間でパーティーをしながら屋内パブリックビューイング。
こういう需要・供給の開拓、いいですね。
4K8K整備はシェアエコで進めるといいんじゃないでしょうか。
シェアエコはこのように有望な成長領域。その政策も進化の途上です。

シェアエコの最大課題は、ユーザの「安心」を高めること。
安心・安全対策を強めることは重要です。
しかしそれはコストがかかることであり、既存の大プレイヤーを利する参入障壁となり得ます。
プラットフォームへの規制は、シェアエコ政策上は自主規制を軸とする成長促進型で進めてきました。
がんばっている政策領域だと考えます。

ソフトローを軸とする共同規制の研究者、東洋大学・生貝直人さんが、消費者保護策として、検索結果のランク付けを決定するパラメータをEUが情報開示する指令を用意していることを紹介しました。
EUは強い球を投げてきます。
罰金などを伴う規制となるのか気になります。
これに対し、日本の政策モデルやいかに。

シェアエコの「安心」を高めるため、「ECネットワーク」はシェアエコのトラブルを解決するODR(オンライン紛争処理)を提案します。
それをプラットフォーム事業者が担うのがよいと示唆されるのですが、シェアエコ専門のODRやADRを第三者が事業として行ってもいいんじゃないですかね。
こうした事業の運営をどう設計するか。
これまた政策マターとなります。

「PwCコンサルティング」によれば、シェアエコサービスの認知は2017年の31%から2018年には42%に高まったが、利用経験は13%。
モノ・移動手段・場所のシェアサービスは6割以上の認知があるが、スキルのシェアは4割に満たない。
成長領域であることがうかがえます。

スキル・時間という誰もが持っているものをシェアするサービスが最も発展余地があるとぼくは考えます。
その点、「クラウドワークス」が、所属・肩書・資格以外にネットによる個人の評判や評価を加えるモデルを提示しています。
食べログのように個人の信用を見える化する。
大事なアジェンダになりそうです。

「フリーランス協会」は、PSP(パーソナルスコアリングプラットフォーム)という壮大な計画を提示します。
個人の信用を評価・見える化して、融資やジョブマッチングに活用するものです。
公的・私的な公開情報はともかく、データ保有企業による非公開情報をどう活用できるかがポイントとのことです。

ここでJIPDEC坂下さんが経済効果を定量的に把握するための手法が必要と唱えました。
同意します。重要事項です。

シェアエコは経済成長の文脈で期待され、1-2兆円市場とも言われますが、その分、効率化や市場の代替で縮小する経済もある。
そしてまだGDPには反映されていません。
経済としてどうとらえるか。

野村総研「デジタル資本主義」によれば、2010年ごろから生活者は生活レベルが向上したと感じているそうです。
GDPは停滞しているが、生活の質は豊かになったのです。
明らかにIT化やシェアエコの効果です。
でもそれを経済として示す手段がないので、重要性が認知されにくい。

シェアエコで生産者余剰:GDPは下がる可能性があります。
従来の経済指標上はマイナスに働き得ます。
一方、消費者余剰:お得感・満足という主観は指標がありません。
シェアエコはそれを増大させるためのものですから、正当な評価がされていないと考えます。

情報通信白書が2年前にICT消費者余剰の計測努力をしましたが、研究不足のままです。
日本だけではムリで、国際的な知恵を結集する必要があるでしょう。
日本からG20やOECDに提案してよいテーマではないでしょうか。
民間事業の環境整備とともに、国際的な指標づくり。
いい政策テーマだと思います。

2019年3月21日木曜日

知財本部:ブロックチェーンの位置づけは?

■知財本部:ブロックチェーンの位置づけは?

知財本部 検証・評価・企画委員会コンテンツ分野会合、有識者ヒアリング。

独立系レーベルの世界的デジタル権利管理団体MERLINの谷口元さん。
ユニバーサル、ソニーミュージック、ワーナーミュージックの3大メジャー以外のインディーズ・レーベルがスポティファイ、アップル、アマゾン、パンドラなどの配信事業者DSPと結ぶ契約を代行。
2万レーベルが参加し、25のDSPと契約を結んでいる。
年600億円がDSPからレーベルに分配されているそうです。

日の丸プラットフォームなど威勢のいいアイディアを聞くこともありますが、経産省高木さんが言うとおり、現流通構造に対し強い音楽を乗せるこうしたリアリティーある仕組みが重要です。

谷口さんは、メタデータの整備が後れており、レーベル=アーティストに利益が還元できないという問題を指摘しました。
零細なプロダクションやレーベルが個別対応するのは難しい。
コンテンツ流通のインフラ整備的な施策が必要です。
これは今ラウンドの重要施策となりそうです。

ソングライターでありミュージシャンでもある平井大臣は「音楽は戦略がなかった」と厳しく指摘します。
「デジタル世代が活躍できるよう、足かせをなくせ」とも。
IT・コンテンツ業界ともつきあいの長い大臣。
懸案を一掃する手をお願いします。

ポリゴン・ピクチュアズ塩田さん。
CGアニメは95年のトイ・ストーリー、プレステやセガサターンからの映画制作の時代を経て海外へと切り込む。
作り上げたアニメ制作管理システムは、塩田さん出身の新日鉄のノウハウだとか。
存じませんでした。大事なノウハウは身近に宿る。

eスポーツ筧さん。
世界1.3億人プレイヤーに比べ立ち遅れる日本のヒントとして、スウェーデン、ノルウェーの高校の授業導入、アメリカ15州の高校でのスポーツ競技化、そしてアメリカ45大学、中国17大学 韓国10大学での授業化を挙げます。
普及施策の第一は教育ですね。

eスポーツは未だ制度課題を抱えます。
拠点を作る上での風営法の規制。
大会を開く上での刑法の賭博罪。景表法もグレイ。
2028年ロス五輪での正式競技化が見込まれる中、海外でできることが日本ではできないもどかしさ。
カドカワ川上さん「杓子定規じゃない仕組みを」。
政策テーマだと考えます。

さて、問題はブロックチェーン。
経産省はブロックチェーンを活用したコンテンツのサービス・アプリ開発、利益分配の仕組みに取り組んでいるのですが、内山委員・福井委員から、エージェンシーとブロックチェーンが共存するのか対立関係かを問う声が上がりました。
ぼくも同様の問いを抱えています。

川上委員は、ブロックチェーンは公明正大なコンテンツ管理手法であるが非効率であり、ビジネス上も誰がどう使うかの仕組みが詰まっていないと指摘。
ぼくも期待すべき超技術であるが、まだ等身大になっておらず、長い時間軸の中でとらまえるべきと考えます。
政策対象としてどう位置づけるか、要検討。

海賊版対策はブロッキング法制化が見送られる一方、政府はリーチサイトなど著作権法の手当てを用意しています。
マンガ正規版の拡充など民間側の動きもあります。
これも含め、知財政策の新展開を煮詰めてまいります。

2019年3月18日月曜日

知財本部:進展する海外コンテンツ展開

■知財本部:進展する海外コンテンツ展開

知財本部 検証・評価・企画委員会コンテンツ分野会合。
吉本興業大崎さん、カドカワ川上さん、講談社野間さんら出席。
コンテンツ海外展開・人材育成について、内閣府、総務省、外務省、文化庁、経産省、法務省から報告。

まずコンテンツ市場の概況を共有。
国内市場はゲームは伸びているが全体は横ばい。
海外市場は5年で26%拡大。
訪日外国人は3千万人を突破し、多くがポップカルチャーに期待して来日。
政策の肝は依然アウトバウンド・インバウンドに置かれます。


ネットワーク配信は2008年の9.5%が26.0%まで拡大したが、マンガ40%、アニメ15%、音楽8%、動画4%。
分野によって差が大きい。


アニメは特に2015年以降、海外展開が急速に進展。
3年で3倍に増加している。
音楽は日本市場は横ばいだが海外がストリーミングで成長基調に。
国内はライブ入場料収入が急増。



ゲームはオンラインゲームの拡大で完全復活。
8年で規模が倍増。
世界市場もアジアを中心に拡大している。
出版、映画などとの明暗は、ここ10年のネット・海外対応の戦略差がもたらした面もあるでしょう。


経産省・高木課長:コンテンツは海外展開からインバウンドへと状況が動き、次のフェーズ。変化した流通構造に対し、強いコンテンツをどう乗せるかがポイント。

総務省・渋谷課長:ASEANではスマホでTVを見るのが常態。この環境にどう適応するのか。

正しい認識です。舵取りのほど、よろしく。

法務省がクールジャパン外国人材の受け入れ策を報告。
専門士の資格を持って融資創作活動に従事する場合は在留可だが、アニメ色つけ作業への従事だとダメとの解釈。
ただ、クールジャパン分野の留学生が就職できる業務の幅を広げる措置を講ずるとのこと。
CiP特区に導入できればと考えます。

ここでNHKから「通信・放送で著作権処理が異なることが配信のネック。法改正を求める」という超級の問題提起がなされました。
著作権問題が通信・放送融合の本丸です。
15年ほど前、この制度整備に総務省が失敗して以来、放置されています。
同時配信が見えてきた今、改めてアジェンダに登ります。

2019年3月14日木曜日

NTT R&D FORUMが示す底力

■NTT R&D FORUMが示す底力
NTT R&D FORUM2018。
武蔵野通研にお邪魔しました。
アッと声が出るUIに、AIやIoTの先端技術の実装。
眼の前のテクノロジーにこれほど興奮したのは久しぶりです。
前回来たときより格段に面白かった。
NTTの底力を見ました。
124件の展示、とても描写できませんが、目についたごく一部をメモします。

光を投影して絵や文字に影による奥行きを与える。
絵や写真を瞬時に解析して浮き上がらせる。
平面と奥行きとを、脳は別の信号として処理しているので、その奥行き情報を加えてあげる、という説明をいただきました。
ホントかよ!
何気なく、スゴい技術。
紙の資産が全部3D化しますよね。

メガネありなら3Dに、なしなら2D(3Dのモジャモジャがない)。
動画に光/影をかませることで3D化。動画の資産をみな立体化できる。
そしてメガネがうざい/疲れる人は同時に2Dで楽しめる。
Tech Techしてなくて、優しい。

透明ディスプレイの自動翻訳機。
こちらは日本語、あちらは英語で示す、という配慮。
ポケトークは、ぼくが端末に話しかけ、翻訳結果を相手に聞かせ、というインタフェースが最大の難です。
いいね。
MITメディアラボの石井裕さんがNTT研究所時代に仕込んでいた技術が生きているように見受けました。

CEATECで見た、360度どこからでも3Dに動画を表示する装置。
スクリーン自体は1mmで、10cmぐらいの厚みを持つ映像が見えます。
上部から60台の小型プロジェクタで投影される仕組み。
「サッカーのフィールドを立体で表示する、という広がりが考えられます。」

対話ロボットtotto。
いかにも黒柳徹子さんの声とトーンで対話します。
恐るべき音声合成技術。
2~30分も入力すれば学習し、その人の声とトーンを再現する。
黒柳さんのテレビ番組で学習させたんですと!
これで、亡き全タレントも復刻できますね!
政治家を装うフェイクもできますね!
楽しく、怖い!

NTTイチ押しのKirari!。
抽出・同期伝送・再現の総合技術。
フェンシングのリアル競技会場を360度3Dで再現しています。
映像だけじゃなく、音が重要なプレイヤーですね。
2020Tokyoをあちこちでリアルタイム観戦できるといいなぁ。

京都・南座の連獅子を再現。
ニコニコ超会議の超歌舞伎でもおなじみですね。
伝統芸術と先端技術の結合。
2020Tokyoで世界に示すにはもってこい。

この日いちばん驚いたのは、Kirari!ステージでのREATMOさんのボイスパーカッション・パフォーマンス。
不覚にも存じ上げませんでした。
各楽器パートを短く入力、そのシークエンスにどんどん打楽器とベースとメロディーラインを重畳していき、重厚な曲を作り上げていく、見事な手法と完璧なリズム感。

テクノロジーは単純なサンプリングとシークエンスで、それを軽やかに手玉に取る。だけど超級の音楽センスとパフォーマンスがなければ使えない。
Kirari!での再現もあったのですが、技術を超えるアーティストの存在に目と耳を奪われました。
REATMOさん、ぼくらのPop & Techイベントにお招きしたいな。

NTTはこれら技術をラスベガスなどの都市でも実証研究として導入するそうです。
Pop & Tech特区CiPは先端技術を「だいたいぜんぶ実装」する街として2020にオープンしますので、丸ごと持ってきてもらえませんか。
とNTTの研究トップ、川添取締役におねだりしました。

最後に、川添さんがカッコいいんで、貼っときます。

2019年3月11日月曜日

知財計画2019への新ラウンド、スタート。

■知財計画2019への新ラウンド、スタート。

知財本部 検証評価企画委員会、新ラウンド開始。
共同座長を務めます。
2018計画の検証評価です。

まずは政府側から説明。

○クールジャパン人材育成として、産業界と連携した「専門職大学」の設立に対応(文科省)。
 iUも専門職大学ですが、そうか、クールジャパン人材の育成を担う位置づけだったか。

○コンテンツ・エコシステムの確立。
 クラウドファンディングなど新資金調達策、ブロックチェーン活用のビジネス調査(経産省)、放送コンテンツ海外展開支援(総務省・外務省)、音楽の権利情報集約(文科省)など多彩な予算措置。

○海賊版対策。
 リーチサイト対策やダウンロード違法化などの検討(ブロッキング法制化は記載されていない)(文科省)ほか、内閣府、警察庁、総務省、財務省、経産省等の対策。

○データ・AIなど新情報財戦略。
 不正競争防止法やデータ利用権契約のガイドライン(経産省)、情報銀行・データ取引市場の指針(内閣官房)。
 なお、情報信託の認定指針を経産省がとりまとめ。それに基づき、総務省が実証などを開始するとある。郵政・通産戦争当時には見られなかった連携です。

他には、
○著作権システムの構築
○ロケ撮影の環境改善
○デジタルアーカイブの構築推進
などの事項が並びます。
対策、盛りだくさん。

委員からの意見。

東レ日覚さん:著作権法改正を受けてのガイドラインが重要。
福井弁護士:裁定制度の事前供託金を不要にする対応の拡大を。
東大喜連川さん:データ財をクローズアップせよ。データ人材の育成も急務。
フジテレビ小川さん:ロケ環境整備は制度面のサポートを。
→いずれも御意。

複製権センター瀬尾さん:2020年、そして2025年のイベントを知財戦略に織り込むべき。
→これまで2020Tokyoをにらんで知財計画を立ててきましたが、2025Osakaという新たなターゲットができました。特にコンテンツ分野は両アウトバウンド+インバウンドの山をどう活かすか。明示的に取り組みたい。

講談社吉羽さん:海賊版対策は、出版・コンテンツ業界がまとまり、通信業界にも呼びかけて協議を進めることとなった。
→非常にありがたい報告です。これで政府での議論は一区切りついたと考えます。
 ぼくもコメントしました。

「海賊版会議はブロッキングについて意見が折り合わず、とりまとめできなかった。ただ、その他10項目はほぼ合意をみたと認識しており、中でも官民連携での体制づくりが喫緊で、それができるかどうかが成否を分ける。出版・通信が前向きに取り組んでくださるのは、大きな一歩。ぜひ進めていただきたい。」

これら個別の対策よりも、大きな構えの意見が相次ぎました。日本のスタンスを問うものです。

林弁護士:米中対立の中で、日本の危機感が現れているのか。データ覇権にどう立ち向かうのか。スピードアップを。
キャノン長澤さん:米中対立は日本にとってチャンス。丁寧な知財戦略を。
日商久貝さん:知財に関し米中は国家のトップレベルが発信している。日本もそうすべき。
武蔵野大相澤さん:経常収支では知財の収入が増えている。外国・ASEANでの保護が大事。
動画協会石川さん:中国での成功事例が乏しい。よい関係を築けるよう国も対応を。

カドカワ川上さん:多国間での守りが重要。中国は侵害はしなくてもジャンルごと真似をする。クールジャパンのコンテンツもいずれ中国が強くなる。アニメ・ゲームへの規制も強まる。中国との共同制作など真剣に取り組むべき。
→委員たちの危機感をいかに国の戦略に織り込めるか。

米中対立、EUも強い姿勢を見せる中での日本のスタンスを問う。大きな戦略論となります。
まずは知財計画2019に向けての作業ですが、2020、2025に向けての時間軸を据えましょう。
スタートです。

2019年3月7日木曜日

吉本興業が中国で教育機関を設立します。

■吉本興業が中国で教育機関を設立します。


2018年10月下旬、安倍首相は日本の首相として7年ぶりに中国を公式訪問し、習近平国家主席らと会談しました。
米中貿易戦争で中国は苦しく、トランプ政権は中間選挙で苦労する中、絶妙のタイミング。
尖閣問題以来、冷えていた両国が歩み寄りを見せる形となりました。

その際、北京で開催された「日中第三国市場協力フォーラム」には安倍首相、世耕経産大臣、河野外務大臣、中国から李克強総理らが出席、日中の財界トップも参加して、インフラ、ITなど52件の協力覚書が署名交換されました。

その一つに、吉本興業の案件がありました。

吉本興業は中国を代表する投資ファンドである華人文化グループ(チャイナ・メディア・キャピタルCMC)と共同で、世界に通用するエンタテインメント人材の発掘・育成を目的とした教育機関=エンタメ専門大学を設立する。
その提携に合意したのです。

吉本は東南アジアを中心にエンタメ産業を拡大するため、電通やクールジャパン機構などの出資も得てMCIPホールディングスを設立しています。アジア7カ国に「住みます芸人」を派遣し、現地の言葉で漫才をするなど日本のお笑いの浸透にも努めています。

一方CMCはワーナー・ブラザースとの合弁「Flagship」や世界最大手エージェンシーCAAとの「CAA中国」、英国マーリンとの中国での「レゴランド」など豊富な世界的投資実績を持ちます。

育成する人材は、俳優、ダンサー、歌手などのパフォーマー、映画、映像、アニメなどの制作担当者、音響、舞台、衣装などの技術担当者、VR、ARなど先端技術の担当者など。
活躍する場を提供するため、共同で中国、アジア・アセアンなどで映画館、劇場、放送局など発信拠点の開発、整備にも取り組む。

日中、アジアの若者を受け入れ、世界の教育機関と連携する。
卒業生にはCMCが出資する米国、アジアのメディアで働く機会を開く。
日本でも各連携企業や吉本興業グループで活躍できる環境を提供する。
そんな計画です。

大学の定員は100人。
9月をめどに中国国内数ヶ所に設立する。
学生は中国人だけでなくアジア各国や日本からも募集する。ハリウッドやブロードウェーなどで活躍する人材や吉本の芸人も講師として派遣する。
という方針だそうです。

日本側は教育プログラムなどを提供し運営を行い、中国側は大学の設立許可手続、場所の選定、中国での学生募集などに参画する。
吉本興業大崎CEOが旧知の間柄だったCMC黎CEOに3か月前に本事業を提案、サクッと決まったそうです。

大崎さんは、お笑いで100年やってきた吉本興業の次の本丸を「教育」と見据えています。
手始めに先ごろ「沖縄ラフ&ピース専門学校」を開校しました。
その中で、参加型で体験型の学びを重視しています。
また、エンタメとテクノロジーの融合も重視しています。

この方針は、ぼくたちが進めてきた子どもの創造力・表現力を新技術で育むNPO「CANVAS」や、ポップ&テック特区を産学連携で作る「CiP」、新しい教育環境に挑戦する「iU」や「超教育教育」などと丸ごと親和性が高い。
ぼくらも協力し、リソースも投入したく存じます。

2019年3月4日月曜日

スポーツとテクノロジーの未来?

■スポーツとテクノロジーの未来?

スポーツテック未来会議@早稲田大学大隈講堂。
2020東京五輪まであと2年を切ったが、スポーツ産業15兆円への道のりはまだ不確か。
テクノロジーやデジタルがその成長にどう貢献していくのか。
所管省庁、ベンチャー企業などとともに考えるイベントです。

説明を追加
パネル1「テクノロジーが変える「未来のスポーツ体験」とは」
Bリーグ葦原事務局長は、個人情報を統合してバスケ界の統合DMPを構築する構想とともに、音・光・振動を送る双方向パブリックビューイングの開発をプレゼンしました。
後者はぼくも関わりました。

かめはめ波を撃ち合うAR競技「HADO」を提供するmeleap福田CEO。2016年から世界大会を開催し、15か国に進出しているとのこと。「テクノスポーツの市場を作る。」いいね!
スポーツオープンイノベーションプラットフォームを進めるスポーツ庁の倅田参事官補佐からは政策面での支援が紹介されました。


パネル2「スポーツ産業における「デジタルレガシー」の行方」
スポーツマーケティングラボラトリー石井執行役員、ユーフォリア橋口代表、追手門学院大学上林准教授、早稲田大学間野義之教授。
スポーツでもデータの活用が中心課題ということが共有されていました。

縦割りで細分化されるジャンルをデジタルでどう横串を指すかという問いを間野さんが発したのに対し、都市を媒介にしてデジタルで再現する、都市と非都市の行き来が重要、デジタル化が進むほど身体性やリアルワールドが問われる、という指摘が返っていました。面白い議論です。



閉会のごあいさつを申し上げました。

スポーツとテクノロジーと未来の掛け算。
テレビ、ネット、スマートの次のテクノロジーの波が来ている。
政府はスポーツ産業を2025年までに3倍の15兆円に成長させる方針だが、産業の拡大では測りえない無限の未来を感じる。

テクノロジーは範囲が広い。
大リーグボール養成ギブスのように身体機能を高める。
パラリンピアンの義足や車椅子のように身体そのものを構成する。
AIで戦略を分析する。
VRやIoTで観戦を楽しむ。
私が携わる超人スポーツやeスポーツは、技術がスポーツ自体を構成する主役。

2020東京は大チャンス。超スマートの全技術が一気に投入される。
AI、IoT、ロボット、ドローン、VR、AR、4K・8K、5G、ビッグデータ、ブロックチェーンのオリパラになる。
スポーツがテクノロジーを求めているのと同時に、テクノロジーがスポーツという機会を求めている。

AIやIoTの超スマートを第4次産業革命やSociety5.0と呼ぶ。
前者は18世紀以来の産業革命の文脈で捉えるドイツの考え方だが、後者は狩猟、農耕、工業、情報に次ぐ社会という日本の見方で、産業革命というより文明の転換。
このほうがしっくりくる。
今その転換点にあり、それをスポーツと融合させたい。

AIやロボットの進化で超ヒマ社会が来る。
スポーツの重要性が増す。
人に残される、大事な領域。
超ヒマ社会に向けて、スポーツを作る。
これはぼくのミッション。
ぼくが共同代表を務める超人スポーツ協会は、テクノロジーを身体に取り込む新しいスポーツを開発している。

eスポーツは五輪の正式競技になる話もある。
諸問題をクリアし、日本でも今年に入って大変な盛り上がりを見せている。
スポーツとテクノロジーの掛け算がビジネスを生むとうい点で、一つのわかりやすい成果。
こうしたスポーツとテクノロジーと産業の掛け算があちこちで動いている。

テクノロジーが大きな波を迎えているというチャンスと、東京オリパラが来るというチャンスの、ダブルチャンス。それを活かす、われわれの意志が問われている。
知恵を集め、アクションを起こしましょう。