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2020年1月27日月曜日

知財戦略の新ステージが始まりました

■知財戦略の新ステージが始まりました


 知財本部にて「構想委員会」がスタートしました。
 ATカーニー梅澤高明さん吉本興業大洋さんテレビ東京太田勇さん筑波大落合陽一さんドワンゴ川上量生さん国立情報学研究所喜連川優さん松竹迫本淳一さん事業構想大学院大学田中里沙さんホリプロ堀義貴さんNTV宮島香澄さんREADY FOR米良はるかさん東大渡部俊也さんら。

 ぼくも委員として参加致します。知財会議の座長を務めてきた10年間は、自分の意見を表明することは極力控えてきました。新ステージの開始に当たり申し上げたいことは多々あれど、当日、委員一人当たり3分しか発言時間がなかったので、それを含めここにメモしておきます。

会議の公開について

 冒頭、渡部座長から、会議を原則公開にするという整理が表明されました。本委員会が発足する前に示されていた、発言者名を秘匿する「チャタムハウスルール」の適用は慎重にしてほしいと事務局にお願いをしていたので、その整理は妥当と考えます。

 昨年の海賊版対策の議論は公開であったがために政策の重要性が認識されたと考えますし、実名入りの議事録は歴史的にも重要な価値を持ちます。知財戦略のプライオリティーを高めることがこの会議の一つのミッション。情報をいかに抑えるか以上に、いかに発信するかが大事でしょう。


論点I.デジタル知財戦略の推進

・GAFAがデータ駆動社会を席巻するかのように見られているが、データの蓄積、流通はまだまだなされておらず、IoTで有用なデータは爆発的に増加する。データ流通基盤(PDS、データ取引市場、情報銀行等)を構築することが知財戦略にとっても重要であり、IT政策+知財政策の一体化が課題と考えます。

・民間にデータ駆動社会への移行を促す以上に国が行うべきはオープンデータです。国のもつデータをオープン化し民間が利用できるようにする、そして全国の地方自治体も同調するよう、強力に推進すべきです。これもIT政策として扱われているが、知財戦略の筆頭に据えてよいテーマと考えます。

・データ人材育成策としては、社会人を対象とするリカレント教育コースを用意していくことが有用。ただこれを各大学の枠内で設計するのは限界があります。大学や企業の枠を超え、研究者や実務者を柔軟かつ機動的に組み合わせた学習コースを設計して提供するアプローチがあってよいと考えます。


論点II. 地域資源の活用と知財戦略

・「ポストオリパラから大阪万博2025」という知財戦略の視座設定に同意します。取り分けクールジャパン戦略として、海外発信、インバウンド対策、ツーリズム地域活性化などを強化する5年間のアクションを企画するのがよいと考えます。

・竹芝CiPはポップ・テック特区としてコンテンツやITの集積を進めています。同趣旨の拠点構想が東京以外にも、名古屋、京都、福岡などで見られますし、集積イベントが札幌、神戸、那覇などでも開かれています。これら都市を連結し、ポップ・テック列島の構想を描いてみれば面白いと考えます。



論点III. コンテンツ戦略/クールジャパン戦略

・海外展開策はクールジャパン機構の設立はじめ政策ツールが揃い、政府のアナウンス効果もあいまって、成果が上がっています。もっと評価してよい。一方、利益還元策に関わるIT・ハードとコンテンツ・ソフトの関係は、海賊版論議でも見られたように対立の構図が続いており、その融和が重要テーマです。

・クールジャパンに関しては知恵は出尽くしています。過去、提案されてきた政策を総ざらいし、評価・検証するのがよい。
 例えば集積拠点モデルとして、竹芝CiP、羽田空港跡地、所沢の3ヶ所が議論されたが、いずれも民間が整備を推進し来夏に街開きの予定で、国の戦略とは関係が切れています。

 また、音楽業界によるエージェント組織やアーカイブ整備の構築なども提案されたものの、業界の自主努力で進められており、これも政府の戦略とは切れています。
 その点で、引き続き民間にクールジャパン戦略を期待させるためには、先般打ち出された「中核組織」は結実する必要があると考えます。

・著作権制度は、柔軟な権利制限に係る大きな改正を経て、海賊版に関する措置も執られようとしています。
 当面残る重要課題は通信・放送融合への対応で、テレビ番組のネット配信問題を早急に処理すべき。これも文化庁だけでは調整が困難で、知財本部はじめ関係省庁の強力な連携が求められます。



論点IV. 知財戦略の社会実装 

・シェアリングエコノミーはじめ新興の産業ジャンルでは、ソフトローや共同規制のアプローチが採用されてきており、政府も従来型の縦割り業法規制に抑制的で、好ましく見ています。

 昨年の海賊版論議は、IT(通信の秘密)と知財(財産権)という憲法の要請を巡る対立であり、多くの省庁をまたぐ調整が必要でした。取り分けこの分野は縦割りの官庁では解けないテーマが今後も増加するでしょう。

 このため、IT・知財を核にする省を構想する時期と考えます。経団連もデジタル省を提案しました。省庁再編からの20年での最大変化はIT・知財、AI・データの重要度と横割り度が増したことでしょう。

・この10年、政府の会議では、民間委員が議論をリードする一方、役所の発言が減少したことが気がかりです。無論、民間有識者が自由に意見をたたかわせることは大切ですが、それを基本としてその後に政府内でチューンアップする政策形成手法ばかりでよいか。

 テーマによっては専門性が最も高く、情報が集まる政府が議論し、それを踏まえ民間が意見を述べる手法があってもよい。
 関係省庁の責任者が政策をたたかわせ合うオープンな会議体を設定してはどうでしょう。
(霞が関の裏で行われている政策協議を表に出されてみてはどうか、というアイディア。)

2020年1月20日月曜日

和服ぐらし、10年。

■和服ぐらし、10年。
和服のひとになって10年がたちました。
政府のクールジャパン会議で、ファッションも対象とする議論となった際、「んなこと言ってもみんなスーツじゃないか」と発言してしまったぼくに、「じゃオマエがなれ」とブーメランが返り、スーツ蝶ネクタイから変身したのが始まりです。

いつも和服のひと、ということで去年NHK「美の壺」から「キモノ男子の巻」に出演依頼がありました。
え、茶道や華道の師匠や歌舞伎役者など、和の本業のかたがおられるでしょうに。
「いや、そういう人たちも普段は洋服なんです。いつも和服って、アンタか門川京都市長ぐらいなんですよ。」

じいさんは西陣の木工職人でしたんで、和服は身近ではありましたが、正月に着る程度でした。
切り替えてからは毎日。
でも寝る時はパジャマ。
波平さんの反対です。
逆波平であります。

たくさん買いました。
ほぼ全て、古着をネットで。
昔の旦那衆が手放しているんですかね。
うまく探せば、袖を通していないとおぼしき品が新品価格の数十分の一で手に入るのです。
スーツ1着買うなら10着ぐらい買えちゃう。
値上がりせぬよう、詳しくは教えませんが。

ただ、糸が古いので、あちこち綻びます。
暮らしが洋になったので、ドアノブやらヘリやらに引っ掛けましてね。
週に一度は縫い物。
教授会ではいつも何か繕っています。
ぼくは小学校で家庭科が一番得意でした。
それが今、役立っています。
先生、ありがとう。

足元はブーツです。
東京では無反応ですが、京都では見知らぬオッサンから
「ちゃんとせえ」
と叱られます。
竜馬のコスプレですやん。
応えようものなら、
「田舎もんの真似せんとけ」
と叱られます。
京都、こわ。

うるさいんですよね、和服て、ルールが。
6月まで裏は袷、6月初めはヒトエ、みたいな。
大島は普段着で、略礼には御召だとか。
そんなこと言うてるさかいみんな着んようになって。
昔もっとユルかった思うんです。
かぶいたはったと思うんです。
ぼくらも気楽に行きましょ。

和服は異物なんですよね、日本では。
パリでも、ロンドンでも、NYでも、和服でいてもさほど注目されません。
アフリカやアラブやインド、民族衣装のかたがたと同列で、街に溶け込みます。
日本では「今日は何かありますのか?」「お茶の師匠ですか?」
意味を問われます。

ちかごろ韓国や中国に呼ばれた際、安全が保証できないからと、洋服を推奨されることがあります。
それなら、行かない。
西洋ならよいというのは複雑なものがあります。

日本でも面倒なことがあります。
霞が関界隈を歩いていると、警備のおまわりさんに止められて、誰何されるんです。
羽織ハカマ男は不審につき。
官邸の会議に出向く時など、官邸にたどり着くまでに何度も路上チェックです。
いや、こっちのほうが正式衣装っぽくないですか?

偉そうなことは言えません。
和服着てるだけのことですから。
口に入れるのは和食と焼酎が中心ですけど、他に和のことをしているわけじゃなく。
茶道、華道、書道、詩吟、舞い、棋、そんなことしているわけじゃなく。

ぼくにできること、何かありますかね。
落語、ぐらいですかね。
弟子入りしますかね。
そのときは、月亭がええな。

2020年1月13日月曜日

通信放送行政はなぜ総務省なのか

通信放送行政はなぜ総務省なのか
総務省が揺れています。
日本郵政の問題を巡り前事務次官の辞任などもあり、年頭、高市大臣の職員向け訓示では「『郵政一家』はやめましょう」との言葉もあったそうです。

総務省は20年前の省庁再編で、郵政省、自治省、総務庁が合体してできました。通信・放送と郵便局とに分かれた郵政が今も一家と見られている、その問題意識の表れです。それは改めてこの分野の行政組織のあり方を問いかけるものでもあります。

20年前ぼくは郵政省を総務省に合流させる仕事を最後に霞が関を去りました。
郵便局ではなく通信・放送行政の扱いが担当で、再編後の行政も気に留めてきました。

そして再編以来ぼくは再再編を唱えています。
「文化省をつくろう」と明示的に唱えたのは今から10年前、民主党政権の日本版FCC構想に危機感を抱いてのことでした。

10年前のブログです。
「文化省をつくろう! -1」

「文化省をつくろう! -2」

IT本部+知財本部+総務省通信放送+経産省ITコンテンツ+文化庁のセット案は2018年5月に経団連が提言した「情報経済社会省」(デジタル省)と同様のものです。
省庁名が違うのでぼくは著作権を主張しませんが、名前はぼくの案のほうがよろしい。
7文字の役所は三流です。

その議論の前に、なぜ旧郵政省の通信・放送行政が総務省の内局に位置づけられたのか。
20年前の顛末を知る現役もほぼいなくなりました。
もう時効でしょう。
ぼくの記憶も薄れそう。
いま再び役所のあり方が問われる中で、共有しておくのがいいかな。
少し記録しておきます。

1997年、橋本龍太郎内閣。
NTT分割に決着をつけた郵政省は、次はNHK改革だと息巻いていた。
一方、内閣は省庁再編を最重要テーマに据えた。
官房総務課の筆頭補佐だったぼくは、大嵐が来ると考え、通常、省全体業務の総括役となるべきところ、省庁再編プロジェクト担当を志願し、就きました。

省庁再編を論ずる行政改革会議は8月、中間報告を発しました。
22省庁を大ぐくりし12に減らす。
その際、郵政省は通信・放送行政を独立委員会にし、郵政事業を事業庁に切り出して民営化する。
行政も事業も政府の外に放り出す。
即ち省庁再編=郵政お家お取り潰し、だったのです。

中間報告にパニックになりつつぼくは冷静に「だよなぁ」と思いました。
NTTを敵に回しNHKも身構える。
通産省とはITで「十五年戦争」を続け、大蔵省とは郵貯で「百年戦争」だ。
潰したくもなるよなぁ。
自分を映す鏡が曇っているよなぁ。
負け戦確定。
その中でいかに善戦するか、が命題でした。

中間報告が出た日に、通信行政の幹部二人から呼び出されました。
「お前ら(官房)の責任だ。即刻、辞表を出せ。」
だよなぁ。
もう一人のトップが言いました。
「天は自らを助くる者を助く。」
うむ。
承知しました。
パニックったり消沈したりしていないで、自らを助く活動をして、その上で進退を決めます。

省内の意見はキレイに3つに割れました。
局長級は通産省との合併「産業通信省」。
通信政策を産業政策と位置づける。
課長級は運輸省「運輸通信省」。
通信をインフラと位置づける。逓信省の復活案。
課長補佐以下の若手は新設の「総務省」の中に滑り込む。
通信は横割りの独自政策ジャンルという見方。

ただ、さきほどの通信行政二人(その後役所トップまで上られる)は、総務省の内局に潜り込むしか打開策はないという意見でした。
ぼくもそれがいいと考えました。
彼らは「総務省潜り込み策はオレたちが勝手に動く。お前ら官房は運輸の旗でも振っとけ。」とのご沙汰。

ともかく官房は役所としての立場を機関決定し、組織として動く必要があります。
まず局長級の命を受け通産省に打診。
ただ通産省の官房にストレートに持ち込むのは先方も迷惑につき、当時、工技院(現産総研)の総務部長に出ていた故・澤昭裕さんを密使と頼み相談しました。

澤さんの回答は明快。
「通信放送行政だけなら引き受けるけど、郵政事業も来るなら通産省は拒否する。巨大な宗教法人を抱えるみたいなもんだから。」
その言葉をそのまんま省議に持ち帰り、通産省との合併案はなくなりました。
宗教法人という言葉に、郵政省幹部も納得した風情でした。

続いて運輸省との合併が模索されました。協議を重ねました。
建設省との合併を行革会議から指示されていた運輸省にも考えるところがあった模様。
政治的にも筋がよいと見られ、自民党の将校クラスが署名運動を起こしました。
その指示でぼくが議員の署名を集めました。
300人ばかり集まりました。

そんな運動をすれば橋本政権の中枢は怒ります。
反逆ですもん。
ぼくら郵政内ゲリラとしては、その怒りが高まれば、お家お取り潰しではない別の答えが出るのでは、というかすかな期待がありました。
展望がありはしませんでしたが、走りました。

そして12月、政治決着を迎えます。
橋本首相と郵政族のドンだった野中広務議員の協議の結果、郵政省は総務省の内局2つ、ということになりました。
通信行政幹部が裏で動いた成果でもあります。

ぼくらは総務省に1室だけでももらって、捲土重来を期す、ぐらいが落としどころかと考えていました。
ぼくの入省前は通信行政は1室でした。局でも課でもない。
入省時は2局。その年に通信・放送・政策の3局となりました。
1室あれば、将来また育てられる。

だけど決着は、それまでの3局が2局に減るだけで済み、しかも郵政省という霞が関の辺境から総務省というど真ん中に来ることができる。
政府の外に出される案と比べれば、大変な勝ち戦に転じました。


これは単なる政治の綱引きではなく、政策論で決した点が重要です。
通信放送の独立化は、政権が権限を外部に放り投げる案です。
ぼくはこれに危機感を抱いていました。
この分野に政治管理を不要として大丈夫か、そこまで日本は政治も行政も成熟していないだろう。
野中さんも同意見でした。

米FCCのように、あるいは公取のように、政治や政府から「独立」すれば、官僚は自由になります。
議会根回しも業界対策も要らない。
だから部内には独立を望む声もありました。
ぼくはそれが危ないと考えたんです。
今もぼくは短絡的な独立論に反対です。

てなことで、郵政省は、自治省・総務庁の合併組織に割り込んで決着しました。
だけどぼくは政権に抗って運動したわけで、切腹です。
そりゃそうだろう。
なので辞表を提出するのですが、ぼくの上司は(6人ぐらいいたかな)誰も辞めないので役所は処置に困った。

仕方なくぼくは課長補佐の分際で郵政大臣に辞任の許しを請うこととなりました。
自見庄三郎郵政大臣は面白がってくれて、庄三郎という芋焼酎をくださいました。
すぐ飲み干しました。

再編後、菅義偉総務大臣が通信放送2局を3局に復活させ、今日に至ります。

総務省移行後、通信放送行政はよくやっていると思います。
ただ、そのキャパ以上にITの重要性は高まり、データ戦略も含め重要政策のトップに躍り出て、全行政に関わる横割りテーマとなりました。
IT政策に関する内閣官房・内閣府の出番が多くなっていることが証左です。

これを踏まえて、次の行政組織をどうするか。
五輪が済んだら、テーマ設定してよろしいんじゃないでしょうか。

2020年1月6日月曜日

声を出せ、官僚諸君。

■声を出せ、官僚諸君。

ちかごろ政府の審議会や研究会では、役所は局長クラスが委員とやりとりしています。
ぼくの現役時代はそんなのは課長補佐の仕事でした。
補佐-課長-審議官-局長、民間からみて3階級上がったというか、役所の格が3段落ちたというか。

10年前の民主党政権で政治主導が叫ばれ、官僚は引っ込んだ。
国会でも委員会でも答弁しなくなりました。
なのであちこち混乱しました。
自民党政権に戻り、今度は官邸主導となって、若干官僚の出番が増えましたが、やたら上司が出てきて、なお口数は少ないままです。

政治主導となる10年前、98年にも厄介な事件がありました。
大蔵省ノーパンしゃぶしゃぶ。
官僚4人が逮捕され自殺者も出し大臣も次官も局長も辞めた。
公務員倫理法ができて、霞が関が自らの手足を縛り、官民が分断されました。
官僚が無口になったのはそのころからです。

だけど、それでは困ります。
国力が下がり、逼迫から脱する契機がつかめぬ一方、AIはじめテクノロジーは新次元に突入し、世界は対立している。
かつて「強すぎる」と嫌われた官僚が凹んだままでは。
ここで再起動をかけて、持てるパワーを示していただきたい。

会議で座長など引き受けますと、民間の委員たちの意見を伺い回るのですが、それより事務局=官僚に答えてもらいたいシーンがしばしば。
だって、その分野で一番の専門家集団なんだもん。
一番、情報が集結する組織なんだもん。
並みの学者じゃ太刀打ちできないの、知ってるじゃん。

(現役のころ、新人から課長補佐まで、選りすぐりの委員の先生方より、担当のオレのほうが詳しくて頭も整理されている、と自信があったので事務局を務めていました。委員の質問には全部答えてやる、と構えていました。いまの官僚諸君にもそういう自負はあるはず。)

ところが今、官僚諸君は会議で配るパワポ資料の作成に忙しい。
細かく見栄えのよい紙づくりに時間と身を削っておられる。
先日ある審議会を傍聴したら、学者がパワポ資料の誤字1字を指摘し、事務局が陳謝していました。
アホか。
それは学者の仕事でも官僚の仕事でもない。

でもそうやって互いに無駄な仕事を作り、コンプラのハードルを高め、官僚は体を壊し、ますます無口になる。
やめよう。
官僚諸君、声を出そう。意見を言おう。頼みます。
しかも、昨今の政策課題はどれも縦割りでは解けません。
ほぼ省庁横割りの議論を要します。

官僚諸君が霞が関の内側で大声を上げているのは存じております。
夜な夜な協議し、知恵と情報をぶつけ合い、政策を形作っておられる。
審議会や委員会にはその結果が示され、民間委員がチョロっとコメントして、政策となる。
ならば、その霞が関内の議論を、オープン化すればよい。

GAFA対策はIT本部、知財本部、経産省、総務省、公取。
海賊版対策はIT本部、知財本部、経産省、総務省、文科省、法務省、警察庁。
eスポーツ振興はIT本部、知財本部、経産省、総務省、文科省、消費者庁、警察庁。
その官僚のみなさんが議論して政策を作る場を見たい。

現在は、民間有識者がオープンで議論した結果を官僚が吸い上げて、霞が関内で政策にする仕組み。
その前に、官僚がオープンで議論した結果に民間有識者がコメントを施して政策を編んでいく。
そのほうが現状よりよほど効率的で生産的ではないですかね。
官僚のパワポ資料の誤字チェックしているよりも。

試しに一度、さほど重くないテーマで、課長級にニコ生討論してもらったらどうですかね。
例えば文科省、経産省、総務省に教育IT化政策を論じてもらうとか。
財務省の悪口合戦になるかもしれませんけどw

2020年1月1日水曜日

反省、2019年。展望、2020年。

■反省、2019年。展望、2020年。
 賀正 でございます。
 いつものとおり、2020年を始めるに当たって、2019年を振り返ります。
 「City」「Cool」「Convergence」3本柱のプロジェクトです。


1 CITY
 Pop & Techの街づくりをするプロジェクトです。

1) CiP 
  港区竹芝にデジタル・コンテンツ産業集積特区を作る「CiP」。Pop &Tech 特区CiP。社団法人「CiP協議会」を設立し、2020年度の街開きに向け進んでいます。
 通信、放送、IT、音楽、アニメ、ゲーム、お笑い、広告、商社、VC、学校など60社・団体が参加し、内閣官房、内閣府、総務省、経産省など政府とも連携しています。
 国家戦略特区として総理大臣の認定を受けており、テストベッドを構築します。既にアーティストコモンズ、サイネージ実験、世界オタク研究所等のプロジェクトが走っています。
 CiPファンドを立ち上げ、起業支援を進めています。「iU」のサテライト誘致などによる「超教育」構想を進めます。

 京都・沖縄等の都市、国内・海外との大学、韓国政府・コンテンツ振興院など海外との連携も強化します。
 2019年には愛知県が計画する巨大インキュベーション施設「Station Ai」の設立に関わるとともに、スペイン・カタルーニャ州と協定書を締結し、都市整備に協力することとなりました。2020年は中国との関わりも探ります。

 竹芝に先端技術を実装する「City Tech委員会」(CT委)も活動を続けています。ロボット、AI,IoT、5G、8K、ドローン、モビリティ、情報銀行など、まるごと実装の姿が見えてきました。
 総務省、通信キャリア、通信メーカ、自動車メーカ、ソフトウェア、不動産、建設、慶應義塾大学、東京大学、情報通信研究機構、映像配信高度化機構、IPDCフォーラム、東京都、理研などが参加しています。
 CiPが入居するビルの上階にはソフトバンク本社が入居することも決定、連携を深めます。

 2020年7月4・5日には、CiP街開きイベント「ちょっと先のおもしろい未来」英語名Change Tomorrow を開催します。略してチョモロー。Chomorrow。ポップとテックをギュッと詰めます。ゆくゆくはSXSWやアルスエレクトロニカを凌ぐイベントに成長させたいと考えています。
 
2) iU
 ICTビジネスの専門職大学「iU」を2020年4月に開学し、ぼくが学長に就きます。

 ICTビジネス英語の徹底教育、全員インターンの実践教育、オンライン重視。
 学生が全員入社する会社「i株」も設立し、学生が全員起業できる環境を整備します。
 本校舎は東京都墨田区、スカイツリーの近くに新設します。ポップ&テック特区の竹芝CiPにサテライトを置きます。
 国家戦略特区を活かします。教育特区の指定も目指します。

 教員を派遣し、インターンを受入れ、産学プロジェクトを起こすといった協力を表明している企業は150社を超えています。

 教員の8割は企業出身。ICT、通信、放送、メーカーなどさまざま。さらに客員教授として第一線の経営者などプロを迎えます。合計200名を超え、学生より教授が多い大学となりそうです。

 開学に向け、毎週1本、ミニ講義を配信しています。  
https://www.youtube.com/channel/UCDZ5aAZ_TuGz058tdYNQizg

 そして日、「今日のヒトコト」をツイートしています。

 校歌は「少年ナイフ」が作りました。世界一パンクな校歌です。
 "Let's Go iU " by Shonen Knife

3) 超人スポーツ
 身体と技術を融合させ、人機一体の新しいスポーツを開発する「超人スポーツ」。稲見昌彦さんとぼくが共同代表、南澤孝太さんが専務理事として社団法人「超人スポーツ協会」を運営しています。
 2020年の大会に向け、新スポーツの開発・普及を進めています。岩手県とも連携して、岩手ご当地超人スポーツの開発も行っています。2025年万博が決定した大阪で、万博公園を使った大会も企画しています。

2 COOL  ポップカルチャーの世界展開やコンテンツの開発を進めるプロジェクトです。

1) 京都国際映画祭  吉本興業が主導する「映画もアートもその他もぜんぶ」のイベント、実行委員長を務めています。京都の街を広く使い、映画人もアーティストも芸人も学生も子どもも観光客も参加する、他のどこにもない祭典にしていきます。先輩格の沖縄国際映画祭との連携も深めます。

2) 世界オタク研究所
 国際オタクイベント協会IOEAとCiPが連携し、世界オタク研究所を設立しました。世界各地で開催されるオタク系イベントの動員数は年2000万人にのぼるそうです。そのエンジンたる各国の研究者による総本山を創る。経産省の支援を得て進めています。
 2019年にはスペイン・バルセロナにてオタク・サミットを開催。2020年夏は東京の予定です。

3) Artist Commons  アーティストに固有のIDを付与し、コンテンツやグッズ、ライブ等の情報を展開しやすいようにするプロジェクト「Artist Commons」を音楽業界と進めています。
 政府クールジャパン戦略にも明記され、CiPをベースに展開、2019年に法人化しました。経済産業省の支援を得ています。

4) CiPファンド
「CiPファンド」を設立しました。資金の出し手と起業家とのマッチング基盤が整います。政府・クールジャパン機構とも連携します。既に3件の出資を実行しました。

5) eスポーツ
 経済産業省の委託により日本eスポーツ連合JeSUが開催する「eスポーツを活性化させるための方策に関する検討会」の座長を務めています。eスポーツの意義と課題を整理し、産業界、政府・自治体などのアクションを講じます。

6) NHKクールジャパン
 日本のクールを発信しつづける番組、15年目に入ります。BSを代表する長寿番組になりました。2019年は「鶏料理」「2.5次元」「昭和レトロ」「刀剣」「サンドイッチ」「うどん」「精進料理」の巻に参加しました。



3 CONVERGENCE
 メディア融合や新メディア開発を進めるプロジェクトです。

1) デジタルサイネージ
 「デジタルサイネージコンソーシアム」設立12年。多言語・防災おもてなしサイネージとが国家課題と位置づけられ、総務省2020年ICT懇談会の場で方策づくりが続いています。これを推し進めます。総務省の実証実験にもCiPとして参加・協力しています。

2) 4K8Kパブリックビューイング
 4K8Kはじめ超高精細映像パブリックビューイングの施設整備も総務省が推進しています。その推進母体「映像配信高度化機構」の理事長を務めています。NHK、NTT、NTV、スカパーJSAT、ソニーなどによって、実証開発や普及促進に努めています。2020年Tokyoまでに全国に超高精細・大画面のパブリックビューイング場を整備します。

3) IPDC/スマート放送
 放送の電波に通信技術であるIPを乗せるサービスを開発するIP Data Casting(IPDC)。代表を務める「IPDCフォーラム」とともにCiP特区でのメディア融合実験を企画しています。V-high周波数帯の実験試験局免許を取得しました。民放連でぼくが座長を務めるネッド・デジタル研究会でもこれら企画を論議していきます。
 http://www.ipdcforum.org/

4) オープンデータ
 オープンデータ対策を進めます。VLED(社団法人オープン&ビッグデータ活用・地方創生推進機構)に協力し、普及啓発に努めています。
 http://www.opendata.gr.jp/

5) データ流通
 データ取引市場の形成はじめデータの提供・利用を進めるための社団法人「データ流通推進協議会」の理事に就任しました。内閣官房IT戦略室、総務省、経済産業省での検討を踏まえ民間として立ち上げたものです。オープンデータとともに推進します。

6) シェアリングエコノミー
 内閣官房IT戦略室の検討会議での議論を踏まえ、シェアリングエコノミー認証制度が始まりました。認証委員会に参加しています。 

7) ネット炎上
 ネット炎上対策を講ずるプロジェクト。理事長を務める社団法人「ニューメディアリスク協会」とともに、事例調査、啓発教育などの活動を進めています。

8) 理研AIPセンター
 AI研究開発の日本の総本山、理研AIPセンター。コーディネイターに就任し、AI研究と社会経済をつなぎます。あれこれ仕掛けてまいります。



4 参考 

1)超教育協会
 教育とテクノロジーの融合を進める団体「超教育協会」の専務理事を務めています。
 IT、ソフトウェア、コンテンツなど30を超えるデジタル系の業界団体オールスターです。傘下の加盟企業は8000社にのぼります。経団連、新経連、日本IT団体連盟、内閣府知財本部、内閣官房IT戦略室もオブザーバー参加しています。
 AI、VR、IoT、ブロックチェーン等先端技術の教育への導入を進める活動が始まっており、各種ワーキンググループが立ち上がっています。
 デジタル教科書を制度化する学校教育法等改正に次いで、2019年は超党派の国会議員による教育ICT議連が提出した「教育情報化推進基本法」も成立。Wエンジンが整いました。年末には学校PC一人一台に向けた経済対策も組まれ、ぼくらが10年にわたり主張してきたことが制度的にも財政的にも整ったエポックメイキングな年となりました。

2) デジタルキッズ
 CANVAS石戸理事長率いるデジタルキッズも強力に進んでいます。ワークショックコレクション、国際デジタルえほんフェアも開催してまいります。3月にはiUの墨田キャンパスにてワークショップコレクションを開催します。
吉本興業とNTTが教育コンテンツなどを発信する事業「ラフ&ピース マザー」にクールジャパン機構が100億円を出資します。このコンテンツもCANVASが主導することとしています。

3) 情報リテラシー
 青少年ネット安全・安心政策が新段階を迎えています。ケータイはスマホに、SNSはtwitterやLINEに移り、対策も変化しています。政府会議の主査を務めながら対応を進化させます。

4) 企業経営
 吉本興業、スペースシャワーネットワークの社外取締役を務めています。