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2020年7月27日月曜日

CESが示すデジタルのタテ・ヨコ展開

■CESが示すデジタルのタテ・ヨコ展開

SALON CiP オンライン。
赤坂のCiP事務局から。
博報堂DYメディアパートナーズ加藤薫さんに「CES2020」についてお話いただき、iU境真良さんを交えて議論しました。

1月のラスベガス・CESは開催されましたが、2月のバルセロナ・MWC(Mobile World Congress)も、3月のオースティン・SXSWも、世界最大のゲームショウ、ロサンゼルスのE3も中止。4月の幕張・Interop/DSCもです。
CESは貴重な機会となりました。



加藤さんは今年のCESについて、ヨコとタテの整理をしました。
これまでのトレンドをヨコ展開する「ソリューション」と、タテ方向に新機軸を生む「コンセプション」。
IoT/AIがヨコに充実するのと、また次の新トレンド=Cityが立ち上がる、との見方。

ヨコで言えば、2016年のIoT大喜利が行われ、2017年はアレクサ旋風が吹いたCES。
日本と比べて2~3年早いかな。
昨秋のCEATECでは、ANA、建設、LIXILなど非IT系の企業を巻き込む動きがあったけど、さほどビックリはなかった。
CES2020はとても面白いものがあった模様。

P&Gによる顔にペイントする化粧、パンパースによるおむつのソリューション、ソニーのクルマ。
ぼくが最も感じ入ったのはデルタ航空。
空港デジタルサイネージで一人ひとりに情報を示す仕組み。
サイネージとスマホの連動ではなく、個体認識してその人向けの情報をディスプレイを見る位置に応じ出し分ける。

サイネージでの情報の出し分けなどテクノロジー的にはさほど高度なものではないが、個人の客をとらまえて、情報を自然に示すことで空間での体験をプロデュースし、満足度を高める。
それを航空会社が実装する。
IoTを利用することの可能性を強く感じました。


タテのコンセプションとして加藤さんはCityに注目します。
特にトヨタの「Woven City」。ロボット・AI・自動運転・MaaS・パーソナルモビリティ・スマートホームといった先端技術を、東富士工場(静岡県裾野市)の跡地70.8万㎡に実装する構想です。
街を一企業がプロデュースするものです。

われわれCiPは東京・竹芝に先端技術満載の街づくりを進めています。
5G、ロボット、テレイグ、ドローン、VRAR,4K8K、パーソナルモビリティ、MaaS、AI、情報銀行。
トヨタの構想に似ています。
違いは、当方は多くの企業・大学などの集まりでオープンで行くこと。
そしてもうすぐ開業することです。

また、CiPは愛知県が進める起業支援施設「Station AI」の設立に協力しています。
この構想はトヨタが中核企業として参加していて、愛知県の企業・大学に加えCiP理事企業なども入り、さらに米欧アジアの有名大学も巻き込んで、オープンイノベーションを進める方針です。

CiPはスマートシティに前のめりな東京都とガッツリ連携する所存ですが、同時に、ソウル、バルセロナなど先行する国・都市とも提携してスマートシティの技術実装を進めようとしています。
トヨタを見習って海外発信も強めなければ。

デジタル→スマート→AI/IoTの超スマートが来て、しばしヨコ展開の時期が続くと考えていたのですが、加藤さんがまた新機軸の芽を指摘したのが刺激になりました。
早くもまた技術サプライサイド、イノベーションの季節が来るのかな。
てなことを考えた1時間半。コロナのヒマつぶしにどうぞ。

2020年7月20日月曜日

超スマート時代のメディア成長戦略を

■超スマート時代のメディア成長戦略を

 規制改革会議 投資WGに呼ばれ、2年ぶりに通信・放送融合についてお話しして参りました。
 会議は非公開につき、WG後に事務局が記者にブリーフィングした内容を越えない範囲でメモしておきます。

年前の模様はこちらに。
「通信・放送融合2.0」



前回の議論後、放送法が改正されNHK同時配信がスタートしました。大きな成果、大きな進展です。ただ、通信・放送融合という言葉が生まれて28年、NHK同時配信はBBCの12年遅れ。
通信・放送は2011年に法体系が抜本改正され、法制度はほぼ対応が終わっていて、残る宿題がNHK同時配信だったわけです。

法改正から10年、放送は地デジ以外の変化がなく、通信は成長して、NTT一社の営業利益でキー局がまるごと買収されるくらいの格差が開きました。
ネットフリックスはじめ米国の巨人が上陸し、もうすぐ中国資本も攻めてくる。同時に、AI・データ時代にさしかかる。その中での放送を考るのが、今のミッション。



1年前、放送法改正に当たって国会に呼ばれ申し上げたのが、英国の事例。BBCと民放が一丸となって、ネットフリックスやアマゾンに立ち向かう姿勢が鮮明。1.配信プラットフォーム、2.IPクラウド、3.データ利用の3施策を打っています。



特に2.IPクラに注目。英国はハード・ソフト分離で、ハード=送信をアウトソース。コンテンツをIPベースで、クラウドに集中してソフトウェアで管理し、有線・無線全ネットワーク、全デバイスに配信する仕組み。これが通信・放送融合の進化、BBCはいずれ地上波を返上するとも言われています。

今回、放送法はNHKと民放の協力義務規定を置きました。これに注目します。共同プラットフォーム、IPクラウド、データ利用、この3点セットをNHKと民放の連携で作れるか。受信2.5%、200億円弱という小さい話ではなく、数千億円規模でこうしたインフラが作れないか、が一つのポイント。



放送は4兆円。通信は15兆円。融合というと、その交わり、公約数を見がちだが、公倍数をどう伸ばすか。トータルな市場を見据えた成長戦略を描くべき。放送業界への外資規制を考え直す必要があるのか。マスメディア集中除や、NTTメディア出資規制などの規制はなお必要なのか。あたりが新しい論点でしょう。

次に残るのが著作権。通信・放送の融合が進む中、著作権法上の通信・放送の区分がネックになっている面があります。20年ほど問題提起していますが、日本の制度がガラパゴスで、ネット流通を阻害している面が問題となります。

ぼくのプレゼンはここまでで、後は同僚の菊池尚人慶應義塾大学特任教授が著作権制度を世界基準に合わせるべきと問題提起しました。ネットフリックス、NTTぷらら、NTTドコモ、スカパーなど映像プラットフォーマーからもプレゼンがありました。

 英国や米国の放送局の対応動向について質問がありました。英国のテレビ局は政府に促されてというより、自らの判断で対米戦略を講じているが、コンテンツについては自信を持っていて、むしろネットフリックスなどを世界的な販路として活用する姿勢です。

 米国の放送局、3大ネットワークはケーブルテレビの一部門とみるのが妥当。ABCNBC、CBSともに巨大メディア資本の傘下で、映画会社も同居していて、配信プラットフォームと対決している。日本は放送も通信も映画もバラバラで、対抗軸になるスケールが描けません。


 加えて3点コメントしました。
1)利用者からみて光であれ電波であれ、テレビであれスマホであれ、どこにいても受けられるサービス、となるとオールIP、オールクラウドに進むだろうが、そのためには事業者が連携・合併してまとまるか、大きなプレイヤーが巻き取るかそのリアリティがあってい

2)米国メディアの激しい合従連衡が日本に起きても驚かない。かつて孫さんとマードックさんがテレ朝を、ライブドアがフジを、楽天がTBSを買おうとした。サイバーエージェントとテレ朝はAbemaを作った。これらを促す政策があり得るのか、は討材料かもしれません。

3)吉本興業が参考になるでしょう。「火花」をネットフリックスの資金で制作して世界配信し、その後にNHKで放映した。従来のウィンドウ戦略と全く異なる。NTTぷららと大阪チャンネルを作り、放送コンテンツを配信している。制作プロダクションがプラットフォームやテレビ局を活用る事例です。

 総じて申し上げた趣旨は、制度課題は(著作権を除き)特になく、それよりもテレビ局を含む民間・ビジネス側の戦略やビジョンが問われているということです。米中の攻勢とテクノロジーの転換にどう立ち向かうのか。ぼくは政府にではなく、メディア企業に聞きたいです

2020年7月13日月曜日

くにうみ漫画ワールドカップ 第一回表彰式!

くにうみ漫ワールドカップ 第一回表彰式!

「全国くにうみ漫画ワールドカップ」。
第一回の表彰式が淡路島にて開かれました。
マンガによる「淡路島日本遺産」の普及と、歴史・伝承を活用した国内外との交流を目的にしたものです。

「淡路島日本遺産部門」、「記紀・万葉集部門」の2部門で開催。
日本産に認定された兵庫県淡路島の「国生み神話」などをもとにしたストーリーや、「古事記」「日本書紀」「万葉集」に関連する全国に伝わる伝承・神話を題にしマンガ作品を募集しました。
海外を含め437作品が集まりまた。

古事記の冒頭を飾る「国生神話。淡路は、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)・伊弉冉尊(いざなみのみこと)が天沼矛(あめのぬぼこ)で下界をかき回し、最初に生れた島。
かき回し、落ちた塩の雫から島が生まれ様子は、ここの塩づくりに重なります。下界が渦くさまは、鳴門海峡を想わせます。

国生み話ゆかりの「えびす舞」を起源とする淡路人形浄瑠璃も、地元の淡路人形座によって大切に伝承されてきました。
古事記編纂から1300年を経て脈々と受け継がれてきた壮大な天地創造の物語。
これを再発見し、マンガ国内外に発信する。地域創生の新アプローチでもあります。

ぼくが審査委員長を務めました。他の員は以下のレジェンド。
里中 満子(マンガ家/大阪芸術大学教授・キャラクター造形学科長)
堀井 雄二(ゲームデザイナー/洲本市名誉市民)
吉村 和真(京都華大学副学長)

映えある第一回の受賞者は、プロのイラストーターやンガ家志望者から小学一年生まで。
総合大賞 EITIさん「はじまりの島おわりの間」
記紀万葉集大賞 更科雫さん「かみさまばなし」
日本遺産部門優秀賞 駒碧さん「はじまりの物語」
日本遺産部門優秀賞 沖田敦也さん「令和国生み物語」

委員から以下のようなコメント。
吉村さん「マンガの力と歴史を学ぶ力が必要な大会。海外の応募もあり、神話とマンガの国際性をみた。」
堀井さん「質・量ともに高かった。」
里中さん「想像を形にする能力が人間の力。役に立つ、より、感動する、が大事。マンガはベテランも新人も関係ない平等で公平な世界。」


ぼくは以下のようにコメントしました。


1300年を越える歴史文化と世界先端の表現・マンガとを組み合わせて、新しい世界をみんなが作る。日本にしかできない取組み。各地の魅力をポップカルチャーで発掘して世界に発信するクールジャパン作戦のモデルになります。今は海外から来ていただきにくい状況だが、コロナが収まれば発信をしましょう。

それにふさわしい量と質の作品が集まった。437作品、絵画からもお寄せいただいた。プロの連載モノじゃないかと思えるハイエンドの作品や、小学一年生の、ひと目みれば幸せな気分になれる作品も。ぼく自身が神話や日の文化を学んだ作品も多い。

里中先生は以前、「マンガは誰でも作れる。絵だけじゃなく、文もキャラもストーリーもある。」とおっしゃった。「だからあんたもマンガを作りなさい。」ぼくは「ハイ!」と返事したものの、まだその宿題を提出していません。今回の作品を通じ、ぼくもがんばらんといかん、エネルギーをいただきました。


ところで。表彰式の会場「ハローキティショウボックス」は、ふだんキティちゃん満載のシアターレストラン。これでもか。
はこうしたジャパン・ポップが淡路島には集積しています


甲子園球場の数十倍ある兵庫県立淡路島公、アニメパーク「ニジゲンノモリ」ではナルト、クレヨンしんちゃん、手塚治虫の鳥という、バラバラなチャンピオンたちがアトラクションを提供しています。
ゴジラのアトラクションを作る事が行われていました。

マンガ・アニメ・ゲームの二次元コンテンツの世界観を、体を動かしてリアル体験できる2.5次元アニメパークです。「最新テクノロジーを使用し、まるで作品の中へと迷い込んだ錯覚を起こす幻想的なアトラクションや、二次元コンテンツの世界観を踏襲したアクティビティ」。


くが訪れた日はコロナ真っ最中でしたが、行き場をなくしたかたがたが大勢おしかけ、普段の数倍の人出だとか
空のもとで非濃厚接触で遊ぶ。
コンテンツを活かした地域おこし。また来ます。

2020年7月6日月曜日

クールジャパン戦略のいま―自民党にて(後編)

■クールジャパン戦略のいま―自民党にて(後編)

自民党ールジャパン戦略推進特別委員会でのプレゼン、つづき。


考事例を2つあげる。
ずeスポーツ。
産省-JeSUが検討会を開催。
直接の売上を現44億円から2025年には700億円、物販・教育など波及市場を3000億円に成させる。
という目標を立てた。
1ゲーム利用ガイドラン策定、2拠点整備、3教育推進、という産官学のアクションを整理した。


もう一つが拠点づくり。
コンテンツの集積拠点を竹芝に作るCiP構想。
コンテンツ、放送、通、大学等50団体が集結。
国家戦略特区として電波、ロボット等規制緩和の導入を検討。
政府・クールジャパン戦略の拠点モデル。

このように民間も動いている。
政治・政府としても、5G、5輪のゴーゴー、この分野への注力をぜひよろしく。
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議員のみなさんから質問をいただきました。

Q:JASRACは問題だ。著作権ルールは厳しすぎないか。
A:JASRACは権者に資金を還元する上で極めてよくできたシステム。だがそれゆえ権利者に有利に見える面があるかも。それより映像その他のジャンルでJASRAC的組織がほしい。
日本の著作権制度は放送のネット配信にも個別に許諾が要るなどガラパゴスで、それが日本のコンテンツ産業やITの成長を妨げている面がある。著作物やネット利用を促進する方向に環境を整える必要がある。

Qデジタル時代に対応する著作権法を策定すべきと考えるが見解は。
A:今年は著作権法制定から50年で、全面見直しのタイミング。コピーと流通のための技術であるデジタルに着目し、利用促進に向けた制度を望む。デジタルを切り出して新法を作るアプローチがよいのではないか。 
著作権法は建て増しを繰り返した旅館みたいにっていて、どこがどうつながっているのか分からない。わからないら使わない、という悪循環。せめて国民が読んで「わかる」法律にしていただきたい。政治のリーダーシップに期待する。

Q:クールジャパン機構は問題が多い。
A:これまでの投資案件が焦げていることは聞いている。それもあってのことだと思うが、2018年、CEOに北川直樹さん(元ソニーミュージック社長)、COOに加藤有治さん(元郵政省でぼくの同僚)にトップが交代、改革を進めている。しばしその手腕を見極めたい。

Q:香川県のゲーム規制条例をどう考えるか。
A:ゲームによって戦略性やコミュニティ力とうこれから最も大事になる能力が育まれる面もある。経産省の検討会でもeスポーツの教育面での意義を議論し、推進することとしている。 
いま政府は子どもにPC1人1台を推し進めようとしているが、10年前、子どものケータイ利用を禁止する、デジタルを遠ざける政治的な風潮が起こり、それが日本の教育情報化の足を強く引っ張った。不用意に規制すると後が大変。極めて慎重に願いたい。

Q:デジタル・アーカイブ整備を推進すべきだ。国立国会書館にも期待する。CiPは協力するか?
A:政府の議論でも、立法府の組織である国会図書館と連携するよう求める提言を作ており、強く意識している。CiPもサブ的役割を果たしたい。

Q:世界オタク研究所とは何か。
世界各地で開催されるオタク系イベントは有名大学のオタクが仕切っている。それら研究者をつなぐネットワークの総本山を東京に置く。ご指導をいただきたい。

Q:「特撮」重要な分野なのに軽視されている。
A:円谷プロは世界の宝と認識する。コンテンツ政策は映画、テレビ、ネットといったメディア別に進めており、2.5次元やポケモン的な横割りの施策が弱い特撮も同じ。テーマとして捉えたい。


 みなさんに実に真剣に議論いただきました。
 政策としてアクションに移るよう、ぜひよろしくお願い致します。