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2014年10月30日木曜日

ワークショップコレクション10!


 ■ワークショップコレクション10!



 2014年8月29日(金)、30日(土)、東京・渋谷区の青山学院大学で開催した記念すべき第10回目のワークショップコレクション。これまでの集大成、また新たな1歩をふみだす新しい取り組みとしてさまざまな企画が目白押しとなりました。
 造形、工作、デジタル、映像、音楽、ダンス…多様ななジャンル、100以上ものワークショッププログラムに加え、世界的にも盛り上がりを見せているプログラミング学習や、3Dプリンター、ロボットなど、新しいテクノロジーを活用した学びのブースの数々。
 今回の新たなチャレンジは、ワークショップコレクションと同時開催した「クリエイティブキッズデイ」。全国各地で同時にこどもたちのための場をつくる試み。このこどもたちの「創る」を応援する年に1度のお祭りに全国各地から約150ワークショップもご参加頂きました!


 今年は慶應から青学に移り装い一新しましたが、広くて新しくて雰囲気もよく、来場者の満足度は高かったと感じます。みなさんありがとうございました。特に青学関係者のおもてなし対応がとてもよく、主催者・出展社側の好感度も高かったようです。ありがとうございました。
 ここ4年の模様は以下に記してあります。
◯2013
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2013/05/10.html
◯2012
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2012/07/2012.html
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2012/07/2012_12.html
◯2011
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2011/04/2011_07.html
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2011/04/2011_14.html
◯2010
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2010/03/2009.html
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2010/03/2009_19.html

 では、WSの紹介です。

3Dアプリ体験で組ひもアクセサリー。
大人気です。


 


「不思議なスケッチブック」にカラーペンでお絵描きすると、絵が立体的な3DのCGに自動変化。面白い技術です。愛知工業大学。


 アルミホイルとビー玉でころころたまごを作って、デジタル特製コースでころがします。神奈川工科大学。

 


 女子美術大学は、デジタルえほんとワークショップのセット。学生が作り、学生がワークショップしています。立派。


レゴで作ったロボットをバーチャル空間で動かすよ。
おなじみ中京大学宮田研究室。

 







Pepperが8体も来てくれたよ。
Pepperといっしょにプログラミング体験!

 







iPhoneで動くロボット「Romo」を動かそう。

 








ロボットを組み立てて、Scratchでプログラミング。ロボットとプログラミングの組み合わせ、きてます。

 


毎度どうもViscuitプログラミング。
熱気!
主催の原田博士と「プログラミング、きましたね」としみじみお話しました。

 






プログラミング学習普及プロジェクト「PEG」です。
ラズベリーパイでゲームを作る。
Scratchでロボットを動かす。
プログラミング学習の本家としてがんばります。


 

デジタルえほん☓DNPのAR作品「ピーターパン」。
KMD学生も制作に携わりました。

 


NHK。
アーカイブ素材を使ったARカードにiPadをかざすと、4コマ動画ができる。
音も入れて作品を完成。
さすが、スゴいのを出してきます。

 

今年の朝日新聞はドラえもん新聞づくり。
いろんな意味で朝日新聞がんばってください。

 







おなじみフジテレビ「タケシ学院」。
ピョコタン画伯とパラパラアニメを作ります。
ぜいたくです。

 

スマホで紙のフォトブックを作る「nohana」。
mixiグループでございます。よろしく。

 

 
フルアナログのピスタチオさん、今年は「妖怪に変身!」こんなの初めてだよ~とブツブツ言いながら嬉々としてメイクする連中。


 





国境なき医師団。
病院をつくろう。

 








おもてでは移動式子ども基地。
みんながいい音をならしていました。

 


安心ネット協、JASGA、GREE、DeNAが今年も安心・安全ネットコーナーを出しています。
タブレットを使ってネットのルールやマナーを学び、おべんきょうもします。

 




今回は10年めにして場所・季節を変えたワーコレ2.0。
そのプログラムも時代の流れを反映し、デジタルもの、プログラム教育ものが増えました。
これはラズベリーパイ+Scratchプログラミング。

 

ロボットものが増えたのも今年の特徴。
デジタル、プログラミング、ロボティクスへの拡張に成功したと思います。

 

 今回、大学キャンパスから街に飛び出しました。
これは子どもの城でのWS。
全国同時のクリエイティブキッズデイも実施。
愛知、京都、沖縄などでも開催してもらい130WSを実施。
全国への展開、これが本来やりたかったことです。

 今日のワークショップアワードは、季里さん日テレ土屋敏男さんカヤック柳澤大輔さんと審査。みなさんと年々の進化を実感しました。
 な~んてエラそうにレポートしましたが、ぼくは何もしてません。全てCANVASはじめスタッフと出展社はじめ関係者がなしとげたことです。

 みなさんに拍手を送りつつ、また来年。

2014年10月27日月曜日

小学生に反転授業は可能か?

■小学生に反転授業は可能か?

 デジタル教科書教材協議会 DiTT が「小学生に反転授業は可能か?」というシンポを開きました。反転授業。タブレットなどで映像で予習して、授業は議論したり応用問題に取り組んだりする。家で予習、学校で復習。学校で習って家で宿題で復習する授業を「反転」するからそう呼ばれてるんですね。もとは英語のflipped classroomの直訳なんですけど、それが日本でも少しずつ高等教育で実態が現れてきたというんで、先駆者の方々に「それって小学校でもイケるの?」というお話を伺ったんです。
 国内で最初に反転授業を導入した宮城県富谷町立東向陽台小学校の佐藤靖泰さんと、今年度から反転授業の実施を開始した武雄市教育監で武内小校長の代田昭久さん。場所は東京大学。ニコ生中継したところ、1万5千名のかたにご覧いただきました。
 
 佐藤先生は、一人一台のタブレット端末を使わせつつ、電子黒板やプロジェクタで授業を進めたそうです。でも、生徒が家で映像を見るために、映像コンテンツを一台一台、手入力されたんですと。ネット一斉配信ができなかったんですね。いやあ、そりゃ大変だ。
 反転授業をやってみて、保護者からは、「先生の授業が保護者も見ることができて役立った」という声があったそうです。子どもだけじゃなくて、保護者も学校の授業に参加することができる。学校が地域に開かれる。これは一つの大事な効果ですよね。
 子どもからは、「人の考えにつられずに自分の意見を言えるようになった」とか、「家で予習をするクセがついた」といった声。まあそうでしょうね。その上で佐藤先生は、「この授業スタイルは、授業デザイン力や子どもを把握する力などを教師につきつける」といいます。導入するにも覚悟が要ります。動画を自作するコストなど、教員の負担増は厳しい課題です。

 代田先生。武雄市では市内全11小学校で70名の先生が参加し、600回の反転授業が行われているそうです。6年生の算数の授業で聞いたところ、授業がわかった94%:わからない6%。全国アンケートでは、わかった80%:わからない20%。普段の授業より反転のほうが楽しい、は70%。変わらない・楽しくないは30%だそうです。有意の効果ですよね。
 武雄市の反転授業は、そう呼ばず、「スマイル学習」と呼んでいます。当初、この授業を導入しようとしたところ、保護者から「家で私が教えるなんてムリ!」という反応があったとか。その誤解は、「反転」というネーミングにあるんじゃないか?ということで、呼び名を先生から募集して、「スマイル」に落ち着いたんですと。
 取り組む目的は3つ。子どもが「意欲」的に取り組める。教員が子どもの実態を「把握」する。授業では問題解決「能力」を育てる。意欲・把握・能力ですね。その成果は上がっているんでしょう。これまで受動的だった子どもたちがより主体的になる。教師が講義形式から協働学習へとスタイルを変える。その方向も出ているようです。
 ただ、課題は山積。どの教科でどの程度、実施するのか。動画コンテンツは誰がどう作るのか。授業内容をどのように評価するのか。これはわれわれも協力して、一つ一つ明らかにしていきたい。
 
 デジタル教科書教材協議会DiTTを設立して4年。子どもに一人一台のコンピュータをと唱えてきましたが、「パソコン売りたいだけだろ」「ネット業者の手先」「中村伊知哉は電子工作員」といった批判を受けてきました。そのたび、授業が変わるんです、教わるから学ぶに変わるんです、と説明してきたものの、迫力に欠けていました。でも、やっとその実態や成果が学校現場に現れてきた。語るべきひとたちが現れてきたと思います。
 彼らは課題を抱えています。反転授業によって、先生の「負担感」が重くなる。コストもかかる。保護者が急速なデジタル化に不安を抱く。そうした課題を解消するのは、もはや政府の仕事ではありません。学校・自治体、そしてぼくたち民間の関係者、みんなで解いていくしかない。
  佐藤先生「日本の先生はみんながんばっている。それが成果となるよう、広げていきたい。」代田先生「文科省の問題ではなく、それぞれの学校にたまっている成果を活かす。いい先生とはどんな先生か。それを考えて、広げていきたい。」そのとおり。こんなイベントに時間を割いて参加し、ニコ生を見ている多くの先生は、いい先生です。

 文科省は教育情報化4ヵ年計画を立てました。現在、6.5人に1台のコンピュータを一人1台にするのは大変です。文科省はそのための予算6712億円を用意し、年1678億円でこれを進めます。2017年度末には、これによって3.6人に1台まで進みます。一人1台には達しませんが、まずこれを経ないことには始まりません。
 でも、この予算は「地方交付税」として自治体に配分されているものでして、ヒモつきではないので、それを使うかどうかは自治体任せなのです。これが道路や橋に化けたりしているんですよ。国としては措置済み。でも地域のニーズが低ければ使われない。
 武雄市、東京都荒川区、大阪市など、首長の馬力で教育情報化を進める地域は、予算はあるから進みます。そうでない地域は予算はあるけど進みません。つまり今、格差がハッキリ現れる状況になってきているんです。全国の自治体、全国の首長がどう認識するか、で道が別れるんです。 

 今回、2地域による反転授業=IT授業の実態を教えてもらいました。こうした実例、こうした成果をいかに全国に伝播させるか。これがぼくらの仕事です。

2014年10月23日木曜日

もしもしにっぽん:コンビニ

■もしもしにっぽん:コンビニ

 きゃりーぱみゅぱみゅさん主演の「もしもしにっぽん」。
 http://www.jibtv.com/programs/moshimoshinippon/
 ICHIYA’s POP EYE、「コンビニ」の巻。


 日本のコンビニはすごい!知ってました?

 まず、商品の種類が豊富です。
野菜も果物も売ってます。
切手も化粧品も薬も、シャツもパンツも靴下も売ってます。
 コンビニの中で調理をした食べ物を売っています。フランクフルトやポテトのようなホットスナックもあれば、お弁当も温めてくれます。
コンビニの食べ物は、なんといっても、おでん。日本のソウルフード、おでん。
 豆腐、こんにゃく、ちくわ、タコ。
 日本の食材を、カツオや昆布のスープで煮込む。アツアツで食べる。

 コンビニ独自の商品の開発に力を入れています。
 お弁当、醤油、化粧品など。
 あるコンビニはからあげ、別のコンビニはソフトクリーム、という具合に、それぞれのコンビニチェーン独自に人気商品があります。
 日本のコンビニの商品の入れ替わりは早い。あるチェーンでは、店に置いてある全ての商品のうち、70%が1年で入れ替わります。1年で70%。めまぐるしい!

そして、サービスが充実しています。
 郵便物を出したり、公共料金を払ったりできます。
 コンサートや美術館などのチケットを買える端末機があったり、保険の契約ができたりします。つまり、郵便局と銀行と市役所のサービスが受けられるんです。
 もちろん、24時間あいています。夜中でも安全なんです。日曜日も開いてます。
 トイレも借りられます。だから、トイレだけ借りに来る人も結構多い。

 椅子とテーブルがコンビニの一角に置いてあって、コンビニの中で食事ができる店もあります。コンビニがレストランなんですね。
 店の奥に卓球場があって遊べるコンビニもあります。カラオケルームが一体になっていて、コンビニで買った飲み物や食べ物を持ち込んでカラオケができるところもあります。
 カーシェアリングって知ってます?何人かで車を共同利用するサービス。コンビニの駐車場を使ってカーシェアリングを提供しているところもあります。
 クリーニングもあります。コンビニの中の箱に洗濯物を入れると、数日後に仕上がって、その箱の中に戻ってくる。ぼくは結構これを使っています。便利ですよ!

 小さな箱のなかに効率的になんでも詰め込むのは、日本の得意なこと。いかに効率的に多くの人のニーズに合う店にするかを研究して、進化し続けてきたんです。
 コンビニはアメリカ生まれですが、日本に40年前に来て、進化しました。これぞクールジャパン。今やアメリカ本国のコンビニを経営しています。日本式で成功したビジネスの代表です。
 そんなコンビニ、あなたの国にも、欲しくないですか?

2014年10月20日月曜日

スゴい! コルクの戦略

■スゴい! コルクの戦略

 モーニング編集部から独立して「コルク」を設立した佐渡島庸平さん。日本マンガがここまで発展してきたのは、出版社の編集システムに負うとぼくは考えます。それを独立させたエージェントはモデル化が可能でしょうか。コルクは革新的な挑戦を見せています。
 以前、佐渡島さんとNHKラジオに出演したときのことはココに書きました。
「クールジャパンで日本を売り込め?」
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2013/09/blog-post_12.html

 先日、竹芝CiPの勉強会「SALON CiP」で伺った話が実に刺激的でした。
 まず、コルクは紙のマンガ、デジタルマンガ、動画を「同時」に制作・配信しています。紙ありきの従来モデルを壊すものです。
 マンガも単行本の第一巻から動画化します。雑誌→単行本→映像化のビジネス秩序を壊すものです。
 そして、国内と海外にコンテンツを同時に配信します。国内ありきの従来モデルを壊すものです。
 いいですね!叱られますね!

 マンガ作家とアナログ・デジタルメディアとを結びつけるコルクのプロダクション+プロデュース機能は、吉本興業に近いモデル。コルクは独立プロだから、モーニング(宇宙兄弟、インベスターZ)にもスピリッツ(テンプリズム)にも作品が出せる。出版社に属していたらできないことですね。

 佐渡島さんは、パッケージやメディアでコンテンツの価格が決まるんじゃなくて、コンテンツでコンテンツの価値が決まって課金される仕組みを作ると言います。大事な指摘です。
 例えば音楽のCDは、アーティストが誰でも価格が横並びでした。ヨーヨーマも北島三郎も少年ナイフもCD一枚の価格はほぼ同じ。パッケージや流通のコストで決まっていました。それがネットで価格破壊が起こり、ライブや物販にビジネスモデルが移っています。
 マンガもモデルが移るんですかね。絵画などアート作品はコンテンツによって価格がピンきりです。そういうモデルができると面白いですね。

 マンガの動画化はShift Oneという会社が担当しています。紙のマンガをベースに、簡易に動画っぽい表現ができる技術。ぼくはこの会社のことを産業革新機構の方から聞いていました。産業革新機構は政策的な役割を担う資金プロバイダー。そこが佐渡島さんちに張るとは、捨てたもんじゃないです。
 http://shiftone.jp/

 マンガ家と出版社をつなぎ原作・編集を行うコルクの仕組みは、わが研究室の博士課程学生、ユン・イナンさんが韓国で進めているモデルに似ています。日本で紙マンガ、韓国でデジタルを同時配信しているんです。
 ユンさんの仕事をソウルに見に行き、わが学生ながら度肝を抜かれた3年前の模様はココにあります。
「スゴい! NAVERのウェブマンガ」
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2011/11/naver.html

 こういうチャレンジャーが構造改革を進めてくれると、元気になります。

 佐渡島さんはマンガは産業たり得ていないといいます。そう、規模からすると通信より2ケタ小さい。海外展開や他業種連携で産業化する、それを政府は「クールジャパン」と呼んでいるんですがね。まず事例を作らないといけません。成功事例を作りましょう。

2014年10月16日木曜日

もしもしにっぽん:テレビゲーム

■もしもしにっぽん:テレビゲーム

 きゃりーぱみゅぱみゅさん主演の「もしもしにっぽん」。
 http://www.jibtv.com/programs/moshimoshinippon/
 ICHIYA’s POP EYE、「テレビゲーム」の巻。


「パックマン」「スーパーマリオ」「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」「ストリートファイター」「バイオハザード」。
 日本はいろんなテレビゲームを産んできました。遊んだことある?
 任天堂ファミリーコンピュータ、ソニー・プレイステーション、セガ・ドリームキャスト。多くのテレビゲームマシンを産んできました。持ってるものある?

 日本のゲーム市場は100億ドル。日本が海外に輸出するコンテンツには、アニメや映画や音楽もありますが、ゲームが全体の輸出額の95%を占めます。ビデオゲームは大きな産業であり、世界で人気を得ています。
 ビデオゲームの技術はアメリカで生まれました。日本はそれを輸入して、みんなが遊べる機械やゲームソフトを開発して、独特の発展を遂げました。ファミリーコンピュータが登場したのは今から30年前。そのころ世界では、シューティングゲームやスポーツゲームがたくさん作られましたが、日本は世界にない変わった作品を生んでいきました。

 例えば、「たまごっち」や「シーマン」のようにキャラクターを「育てる」ゲーム。二人が殴りあうファイティングゲーム。歴史をシミュレートするゲーム。アーケードセンターでも、「ダンスダンスレボリューション」や「太鼓の達人」のように、ダンスや音楽の腕を競うゲームが生まれて、人気を博したりします。
 特に、ストーリー志向で、アニメキャラクターが活躍するゲームに人気があります。ロールプレイングゲームがその代表。「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」などのRPGがたくさん作られました。

 最も日本らしいのは、「恋愛ゲーム」。二次元のキャラクターに感情移入して愛情を注ぐ。想いがかなわなくてイライラする。ゲームのキャラクターに意地悪されたりする。でもかわいくてしかたがない ・・・ 実に馬鹿げています。
 本当の人間相手の恋愛が苦手な人が日本には結構たくさんいるらしい。でも、ゲームに登場する相手となら恋愛できるんです。現実には存在しない完璧な相手とデートできるし、自分も最高の男や女になれる、っていう現実逃避なのですね。

 しかも、男性向けの恋愛ゲームだけでなく、女性向けのものもあります。それも、男の子同士が恋をするという、ボーイズ・ラブのゲームまであります。もともと日本の女性は恋愛ドラマやマンガが大好きで、それがゲームでも楽しめるようになったんです。
 
 どうです? 日本のゲーム。深いですよ。

2014年10月13日月曜日

20年後のアトムとビット (下) -- Bits meet Atoms

■20年後のアトムとビット (下) -- Bits meet Atoms

 15年前にMITメディアラボに参加して、強く追いかけたテーマは、「インテリジェント、ユビキタス、ウェアラブル」つまり「かしこくて、なんでも、いつも」といった技術が個人の力を飛躍させる可能性でした。ネットが普及して、社会全体が動き出すスピードよりも、技術・デバイスが個人に直接働きかけるほうが先だろうという感覚もありました。
 しかし実は、「インテリジェント、ユビキタス、ウェアラブル」つまり「かしこくて、なんでも、いつも」といった技術は、今になってようやく普及しそうな気配。それはPCやスマホといったデバイスがネットワークでつながる15年間が先に必要だったということでしょう。


 で、その気配を示す事例がいくつか立ち上っています。
 米フロリダ州で、殺人の容疑者がiPhoneのSiriに「ルームメイトを隠したい」と聞いたところ、「沼地、貯水池、鋳物工場、ゴミ捨て場」との回答があったという記録が裁判所に提出されたそうです。
「「死体をどこに隠したらいい?」とSiriに隠し場所を尋ねた殺人事件が発生」
 http://gigazine.net/news/20140814-ask-siri-for-hiding-place/

 事実のほどは知りませんが、「かしこい」デジタルに悪者も依存するわけです。30年前にぼくが社会人として最初に手がけた仕事が人工知能の国家プロジェクトだったのですが、実サービスとして頼られるようになったか、と感じています。
(ブログ)「30年たって実現した自動翻訳電話」
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2013/05/30.html

 MIT Sloanのエリック・ブリニョルフソン著「機械との競争」には、雇用は高所得の創造的な仕事と低賃金の肉体労働に二極化し、翻訳も自動車の運転もコンピュータがカバーするとしています。こうした議論は15年ほど前にもありましたが、「かしこい」デジタルが実は何をもたらすのか、そのデータも揃い、認知されてきたようです。
(ブログ)「機械との競争」
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2013/05/blog-post_6639.html


 「なんでも」ユビキタスにつながる。M2Mで家電もクルマもロボットもみな交信し始めます。と同時に、3Dプリンターが普及して、モノがコンテンツとして製造・流通するようになります。なんでも、です。
 国内でも3Dプリンターで拳銃を製造したとして、武器等製造法と銃刀法の罪に問われた男の公判が開かれました。
「3Dプリント銃所持「違法意識なかった」…被告」
 http://www.yomiuri.co.jp/national/20140821-OYT1T50133.html

 こんなこともです。
「ろくでなし子氏の逮捕 新たなる技術・3Dプリンターが原因か」
 http://www.news-postseven.com/archives/20140728_267877.html

 これも以前、MITメディアラボのジョー・ジェイコブソンが作っていた世界が現実のものになってきた、ってことなのでしょう。
「号外:Eインクを作ったジョーが10年前に話していたコト」
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2013/02/e10.html


 そして、「いつも」。モバイルは「いつでも」つながる手段でした。ウェアラブルは「いつも」。スイッチをオフしない。常時、です。
 米8つの州で、「グーグルグラス」の運転中の使用を規制する法案が提出されました。議会を通過してはいないそうですが、通っても執行は難しいですよね。装着してても「見てませんでした」って言い訳ができるだけじゃなくて、もっと薄く小さくなるし、コンタクト型も登場しそうだから、装着してるかどうかわからなくなる。ソフトだって運転アシスト機能がすぐ開発されて、「つけたほうが安全」という主張もされるでしょう。
「運転中のグーグルグラス規制案は「執行不可能」=米教授」 http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702303959804580090793108427072

 いつも見つめられていますし。
 「まんだらけ」から鉄人28号のブリキ製玩具を盗んだ容疑者に対し、返さなければ顔写真を公開すると警告した、そのやりかたの是非が議論になっています。撮られていること、いつもデジタルで見られているよ、ということが前提なんですよね。
「「まんだらけ」万引き、容疑者逮捕 顔写真公開を警視庁が止める」
 http://www.huffingtonpost.jp/2014/08/18/mandarake-taiho_n_5689621.html

 マルチデバイス、クラウドネットワーク、ソーシャルサービスのセットによる「スマート」が完成し、インテリジェント、ユビキタス、ウェアラブルによる次のステージに移行します。
 それは「Atoms meet Bits」、現実社会の活動がオンラインでも行える運動、その次に来る、「Bits meet Atoms」、デジタルが現実社会に張り出す運動、でもあります。

2014年10月9日木曜日

もしもしにっぽん:制服と男のおしゃれ

■もしもしにっぽん:制服と男のおしゃれ
 きゃりーぱみゅぱみゅさん主演の「もしもしにっぽん」。
 http://www.jibtv.com/programs/moshimoshinippon/
 ICHIYA’s POP EYE、「制服と男のおしゃれ」の巻。

 日本のポップカルチャーを創り出しているのは女子高生。ファッションも食べ物も、彼女たちがブームを作ります。
 その女子高生のファッションが海外からカワイイと注目されています。特に制服に人気があります。海外にも、日本の女子高生が着る制服姿のコスプレイヤーが多いですよね。
 
 かつて学生の制服は大人から支配される規制の象徴でした。しかし最近はとてもファッショナブルになり、好まれるようになりました。だから私服の学校でも、自分で買った制服っぽい服を着たりします。
 でも、だからといって、みんなまるっきり同じスタイルじゃイヤで、ちょっと目立ちたい。そこで、少しアレンジします。ほんの少しスカートを短くしたり、見えないところにアクセサリーをつけたり、靴下に工夫をしたりします。
 ぼくが着ている羽織も、ウラに派手な模様があります。昔から、見えないところでオシャレしていたんです。なにがしかの規制を受けて新しいファッションが産まれるというのは、昔も現代も同じ。

 いま世界に進出しているゴスロリファッションも、一つの制服のようなもの。おそろいのファッションスタイルとなることで、新しい価値観をもったともだちを作ろうとする。コミュニティ作りのためにファッションが使われているんですね。

 男の子もおしゃれ。同じスタイルの人が少ない。とても個性的で斬新な格好をするんです。男性用ブランドがたくさんあって、ファッション雑誌も数えきれないほどあります。それも、男子中学生向け、高校生向け、大学生向け、20代向け、40代、50代、と全部分かれています。
 カジュアル、ストリート、古着、といったジャンルにも分かれている。腕時計、靴、アクセサリーなど専門の雑誌もあります。もちろん、ぼくのような和服の雑誌もあります。不思議じゃないですか?

 男性用の化粧品もたくさんあります。それも香水やいい香りのするヘアトニックだけでなく、匂いを取るためのスキンケア製品や汗をふくシートなどに人気があります。男性が眉毛を揃えるキットも売られています。
 東京のティーンズは一ヶ月の小遣いの8割をファッション代につぎこむという調査結果もあります。驚異的でしょ?
 日本人は、コミュニケーションが下手で、無口だという印象があります。海外の会議やパーティーでも、あまり発言しません。だけど実は、自分を着飾って、表現したいという気持ちは昔から強い。言葉ではうまく表せなくても、ファッションで表そうとするんです。

 日本のティーンズのファッション、注目してみてください。

2014年10月6日月曜日

20年後のアトムとビット (上) -- Atoms meet Bits

■20年後のアトムとビット (上) -- Atoms meet Bits

 ネットが普及し始めて20年になります。このところ、かつてMITメディアラボのネグロポンテ教授が唱えた「アトムとビットの結合」を思い起こさせる事例にいくつか接しています。

 さきごろ福岡の少年たちが決闘罪で送検されました。LINEで中学生たちが約束して決闘し、約100人がこれもLINEで集まって見物したといいます。
「LINEで約束して殴り合った中学生たち」
 http://www.bengo4.com/topics/1860/

 この決闘罪というのは、刑法が定められる以前、120年以上前に定められた法で、これまで適用されたこともほとんどなかったそうです。一世紀前の社会をソーシャルメディアが掘り起こした。タコつぼ的なコミュニティが決闘を促し、観客動員もしやすくなったんですね。

 グループ名を持たない「名無し」の暴走族集団が増えているという記事もありました。ツイッターやLINEで集まって走るソーシャル暴走。集団のルールに縛られるのはイヤ。リーダーも組織もない。集まりたいときに集まって走る。ルールを崩して目的に純化する、それはパンクと呼びます。それをデジタルが助長しています。
「名無し上等、暴走族 「ばかばかしい」名称付け減る傾向」
 http://www.asahi.com/articles/ASG7G44VSG7GULOB013.html

 このあたり、よんどころない社会変化を示していますよね。ニコ・メレ著「ビッグの終焉」が説く「リーダーも階層も拠点もない、プロセスも文脈もない」というコミュニティへのパワーシフトが暴走界にも来たということでしょうか。いや、暴走界のほうが政治や経済より順応性や柔軟性が高くて、ソーシャル度が高いんでしょう。
(ブログ)「「第五の権力」と「ビッグの終焉」」
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2014/08/blog-post_18.html

 池田信夫著「「空気」の構造」に、日本の農村社会の水利秩序がボトムアップで、個々の現場がタコツボ化して、中枢機能が弱い例が紹介されています。それをデジタルが再現しているんでしょうかね。
(ブログ)「池田信夫 「空気」の構造(上)--日本人論の再構築」
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2013/09/blog-post_23.html

 にしてもマイルド暴走ってのは純真ですな。かつてギター少年は不良でしたが、今や目的意識の高い子扱い。暴走野郎もそうなるんでしょうか。タコつぼの濃いコミュニティで決闘を促す作用と、コミュニティを崩して暴走する作用。どちらに向かいましょうか。
 
 個人の存在もネットに依存するようになっています。
 オンライン求人サイトの米CareerBuilderによれば、51%の採用担当がソーシャルメディアを見て不採用を決定したそうです。「応募者のソーシャルをみて採用を決めた」という人も33%。履歴書や面接より、ネット履歴のほうが人物を示す。人格はリアルの面接よりバーチャルでの蓄積がモノを言うようになったのですね。
「「SNSの投稿内容が原因で不採用」は5割」
 http://news.mynavi.jp/articles/2014/07/22/sns/

 これもネット履歴ですわね。記事中、南カリフォルニア大学のウィリアムズ准教授は、多人数参加型のオンラインゲームで熟練したプレーヤーは戦略立案とチーム編成で突出したスキルを見せるとしています。
「ゲームの戦績、履歴書に書けば就職に有利?」 
http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702303959804580090641944768322

 組織体系も社会構造も流動化しています。タコつぼ型のコミュニティが無数に生まれて、外からは不透明になると同時に、それらが連結し、崩壊し、また別のコミュニティになっていく。そうした中で、個人は主体性を高めていますが、でもそれはみなネットにより記憶され、自らを縛る。
 この20年。生まれながらにしてネット生活をする世代が社会に進出し始め、リアルとバーチャルの結合はもはや「変化」ではなく、「定着」したようです。
 (つづく)

2014年10月2日木曜日

もしもしにっぽん:おもちゃ

■もしもしにっぽん:おもちゃ

 きゃりーぱみゅぱみゅさん主演の「もしもしにっぽん」。
 http://www.jibtv.com/programs/moshimoshinippon/
 ICHIYA’s POP EYE、「おもちゃ」の巻。

 たまごっち って知ってる? 遊んだことのある人も多いのではないですか?
 画面の中に登場するキャラクターにエサをあげる。掃除をする。遊びながら育てていく。こまめにコミュニケーションをとれば機嫌がいい。が、えさをやり忘れると怒ったり、死んだりする。そして育てていくと、いろんな種類のキャラクターに変身する。
 典型的なクールジャパン。かわいいキャラクターと、ハイテクノロジーの組み合わせです。
 たまごっちは子ども向けのおもちゃです。しかし、大人も遊べるように設計されています。しかも「育てる」という新しいアイディアが加わったものです。
 
 日本のおもちゃには、「かわいい」と技術とを組み合わせて、大人も遊べるものが多い。デザインと技術の両方に徹底的にこだわって、大人にも魅力があるように作られているんです。
 おもちゃ店には、多くの大人が自分のために買いに来ています。ミニ四駆のように、制作技術を要するプラモデルがあります。クッキングトイのように、親子で楽しむ科学的なものもあります。ペットロボットも大人のおもちゃ。家族のコミュニケーションのためのものです。

 「ビーストウォーズやガンダムの人形のメカニズムを知りたい。」
 MITの教授たちにせがまれて、彼らと日本の玩具会社を数社回ったことがあります。十数年前のことです。先端技術を研究するアメリカの権威が、日本の小さな会社でおもちゃを作っている職人の技術にとても驚いていました。それはぼくにも印象的でした。
 マニアックなおもちゃも多いです。プラモデルには、クルマや飛行機に加えて、城や庭のプラモデルもあります。 小さいものを精密に作ることにこだわるんですね。

 けん玉やコマ回しのように、チャンピオンシップを競う全国的な大会が開かれるジャンルもあります。それらは柔道や空手と同様の「道」とみなされています。技を競うだけではありません。礼儀や精神的なものも問われます。単なる遊びではなくて、文化を作り上げているんです。
 
 6月に開催される東京おもちゃショーにぼくは毎年参加しています。前回は148社が35000点の商品を展示しました。前回驚いたのは、とても多くの会社がスマートフォンやタブレットのおもちゃを展示していたことです。
 デジタル道具で、ゲームや占いを楽しんだり、音楽や写真で遊んだりできます。勉強もできるし、コミュニケーションもできます。子どものおもちゃも急速に情報社会タイプに変化しているんです。おもちゃも新しい技術を取り入れて、どんどん進化するようです。

 あなたの周りにも、日本のおもちゃがあるかもしれません。探してみて。