■新版 超ヒマ社会をつくる8 超ヒマつぶし戦略
近著「新版 超ヒマ社会をつくる アフターコロナはネコの時代」。その一部を、しみ出します。
第4章「超ヒマつぶし戦略」から。
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○もう学校はいらない
ここで試験問題を出します。
え、聞いてない?いやだってコレぼくの授業だから。ボーっと生きてるとチコちゃんが叱るぞ。
問題:超ヒマつぶし戦略を考えよ。
ヒントだけ出しておこう。
コロナは去る。あるいは同居を許される。ハイブリッドでニューノーマルな日々に落ち着く。コロナ前とは違う景色の世間となる。生き残る人類は進化しているはずだ。ぼくたちは、予期せぬことが地上を覆うことのあることを知った。どんなに強い権力も、どんなに高い知識も、どんなに広い心でも、たちどころに解決したり救ったりできないことがあることを知った。そして、こんなことはまた起こり得るということを悟った。そのうえで、生きる。
これから生き抜けるのは、変化を楽しめる人。何が起きるかわからない。同時に進むAIとロボットのテック革命で、変化し続けることが社会経済にビルトインされてもいる。せっかく蓄積し、用意したことが、一気に崩れてしまうような前からくる波に、そういうことあるよね!とライドオンする人だけがサバイブする。
これから生き抜けるのは、学び続ける人。思ってもいなかった事態に直面する。全く解けない問題が発生する。これまで学んだ、知った、わかったことが、根こそぎ否定される。そういうことあるよね!と探求する人だけがサバイブする。
能力じゃない。覚悟の問題だ。
自由になるよね。通勤・通学はだいぶしなくてよくなる。いやいや集まっていたのも、だいぶしなくてよくなる。きゅうくつな都会に住んでいたのも、だいぶしなくてよくなる。人生設計もラクになる。一つの会社にしばられなくてよくなる。いくつものわらじをはいていい。
ぼくは役所を出てから20年、だいぶノマドだった。初代VAIOと名機PowerBook2400cを持って渡米して以来、ノートパソコン+ネットで生きている。カナダの山奥、アルゼンチンの場末、モロッコの雑踏、地中海の船上、ネパールの山頂。どこにいても、ネットと電源を必死のパッチで確保して、東京にいるたたずまいでしのいできた。
コロナで変わったのは、周りもみんなそうなったということだけだ。今もMacBookでこれを京都・相国寺の境内で書きつつ、iPhoneとiPadでそれぞれ別の東京の会議につないでいる。会議にいるみんなもおんなじかんじ。
ぼくはデジタルのテックと関わってきた。通信自由化、CATVと衛星の立ち上げを担当した。政府AIプロジェクトを推進して、研究所を作った。インターネット政策を日本で最初に担当した。MITでIoTやロボットの開発に携わった。帰国してサイネージや4K8Kやオープンデータの旗を振った。
ポップとも関わってきた。もともと音楽志望だったのでずっとJ-POP業界にいる。マンガやアニメの人材育成と海外展開を進める。ゲーム機やスマホゲームの開発、eスポーツの産業化を手伝う。お笑いを教材にする。
超ヒマ社会が来る。次はテックとポップを融合して、みんなが自由になる場を作ることがミッションだ。みんなが暴れられる場を作ろう。スポーツを作ることが一つの柱だ。eスポーツに超人スポーツ。それを楽しむ場、鍛える場、作る場を作ることも柱になる。街と学校だ。
街と学校。CiPとiU。2020年、その2つをオープンした。こぎつけた。始まったばかり。まだ骨しかない。肉をつけて血を通わせるのはこれから。ごはんを食べて、走り込んで、鍛えなければ。
体を「作る」次は、「つなげる」。CiPもiUもつなげます。CiPという街の機能をヨコ展開することは述べた。都内、国内、海外に増殖していく。ハブになりたい。iUも同じくカニのように横ばいする。
超教育協会という団体を作った。教育とテクノロジーの融合を進める組織で、理事長は石戸奈々子さん、会長に小宮山宏 元東大総長、ぼくが専務理事を務める。IT、ソフトウェア、コンテンツなど30を超えるデジタル系の業界団体オールスターで、傘下の加盟企業は8000社にのぼる。デジタル教科書制度化、学校PC1人1台といった10年来の目標を達成したので、AI・IoT・データなど次のテック次元に向かおうという新しい運動論だ。
iUもここにガッツリ参加して、プレイヤーになる。iUのスピリットを広げたい。小さなベンチャー大学は点でしかない。つながって、線にして、つながって、面にする。日本にもイケてる学校がたくさんある。高い国際性で知られる大分・別府の立命館アジア太平洋大学APU。出口治明学長と連携策を相談している。夏野剛さん率いるドワンゴのN高、堀江貴文さんらが始めるゼロ高などとがった高校とも連携する。とがった学校のコミュニティを作って、超教育のプラットフォームにしたい。
プロジェクトも始まっている。起業支援。「超起業学校」というアクション。全員起業のiU以外にも無論、起業に熱心な学校は多い。立命館APUもN高も起業部を置く。東大、早慶、高専など教育に組み込む学校も。その学校コミュニティを作る。100校集める。そして起業家やコンサル、VCをマッチングする。教育カリキュラムづくり、出口戦略などを進める。
eスポーツ。「超eスポーツ学校」も発足した。日本eスポーツ連合JeSUと連携している。大学から小学校までの学校コミュニティを作る。100校集める。大会主催者、プロ選手、研究者などをマッチングする。教育カリキュラムづくり、出口戦略などを進める。
平井卓也 初代デジタル大臣から要請があった。「デジタル庁とiUでDX人材育成やってくれ。」かしこまりました。社会人向けカリキュラムをデジタル庁と共同開発して、みんなが使えるようにする。墨田区や京丹後市など自治体の依頼もあり、協定を結んで地域の人材育成にも取り組む。
iUは進撃する。いま「未来の学校」と「i研究所」を構想している。
5G/6G、IoT、ロボット/ドローン、AI/データ、8K/VR/ARなど次世代のデジタル技術を総動員してキャンパスに実装した「未来の学校」を開発する。このテストベッドのモデルを他の学校等とも接続、連携する。多地点を5Gで結び、8KやVRで映像を共有しつつAI・ロボットを活用して学ぶ。学校間でブロックチェーンを用いた単位相互認証を行う。
そして「i研究所」を創設する。主にデジタル分野に着目しつつ「おもしろい未来をみんなでつくる」ラボとし、世界中の大学・研究所、地域、人材をつなぐ参加型のプラットフォームと位置づける。デジタル分野に着目し、テクノロジー、デザイン、ビジネス、ポリシーを融合させつつ創出する。
これまでの大学が目指したクローズドでハイエンドの学術研究よりも、「オープン、分散、参加」というデジタル・ネットワークの特質に立脚する、例のない研究機関とする。世界100の研究所と連携し、バーチャル・リアル問わず世界各地にラボを設置する。研究員は100万人が目標。おばちゃんも子どももみんな研究員。
大学の枠を超え、他の学校と融合して人材を育成する。幼稚園から大学院までごっちゃになって、遊びながら育つ。スクラッチを開発したMITメディアラボのレズニック教授は「ライフロング・キンダーガーデン」、生涯幼稚園を標榜する。その考え方を実装したい。
大学の卒業を待たず就職し、10年の間に学位を修得して卒業する仕組みを東大・柳川範之教授が提案している。そうそう。高校から大学に進んでも勉強する内容にリアリティーはなく、社会人になって必要な学問に気づく。なら早く就職してゆっくり学び直せばいい。人生100年なら、定年後も30年以上生きる。5年ほど学んで25年活躍できる。大学はそんなみんなも来ればいい。
勉強するだけならもう学校はいらない。ネットにぜんぶ転がっている。世界中の高度な授業も、子供の習い事も。ゲームだってスポーツだって料理だって教えてくれる。授業するだけならもう大学はいらない。学校は学校じゃなきゃできない価値を提供できなきゃ、つぶれる。
ネット教材とブロックチェーン認定で、学んだ履歴を証明する。スタンフォードのコンピュータ、ハーバードの起業論、オックスフォードの哲学、清華大のAI、予備校カリスマ先生の英語、フェンダーのギター教室。それら修了リストは、慶應義塾大学の卒業証書より値打ちがある。そんな時期が迫っている。
ぼくの遠い目標は、学校をなくすこと。いらない学校をこっぱみじんにしていって、だけど学びたいように学べるようにすること。これに向かってiUは、パンクに仕かけていく。そして、それでも残る、大切な学校になりたい。こわして、つくろう。[学園天国](フィンガー5)