■デジタルサイネージアワード2012
第3回となるデジタルサイネージアワード。
昨年は1) 面白くて、2)役に立つ、3)みんなの サイネージへの進化を反映してくれました。
今年の応募は50作品。濃いのが揃っています。
特徴は「参加」と見ました。参加型のサイネージ。元来、デジタルサイネージはプッシュ型の屋外メディアとしてとらえられていたのですが、インタラクティブで、ユーザが働きかけたり、コンテンツを発信したり、ライブ参加したりするタイプが中心の座を占めるようになった。その傾向がアワードからも明らかになりました。街角のタッチパネルも、日本は韓国に比べてタッチする人が少ない印象でしたが、最近はみな物怖じせず触りまくってません?スマホやタブレットのおかげですかね。今年またサイネージが一皮むけた気がします。
各作品を見てみましょう。
GOLD賞(1作品):
■バカルディジャパン BACARDI「AR HAPPY HALLOWEEN」
「FacetrackingとARテクノロジーにより、手のジェスチャーアクションだけで”仮装“体験できる装置を開発。渋谷PARCOの向かいに位置するファッションビルを占拠してハロウィンイベントを開催した。
僅か6時間のイベント開催中に約2,000パターンもの仮装体験が生成。この様子は、会場の屋外看板・壁面ビジョンへリアルタイムに送出され渋谷を行交うターゲットへ広くアピールすることに成功した。」
インタラクティブでライブ参加型。仮装のテクノロジーとポップなデザインの結合です。
SILVER賞(3作品)
■インテル 透過型ディスプレイを搭載した次世代自販機のコンセプトモデル
「この次世代自販機は、内部に置かれている実物の商品が透けて見える大画面の透過型ディスプレイを搭載しています。また、内蔵カメラとインテル独自の匿名ビデオ解析ソリューションによって、正面に立つ人の性別や年齢層を推定し、その人に合ったコンテンツをリアルタイムに表示できます。このように、内部の商品や買い物客の操作などと連動したコンテンツを表示し、インタラクティブ性に富んだ新しいショッピング体験を提供できます。」
日本型モデルの代表、自販機サイネージ。ディスプレイを透明にすることで新しい表現が誕生しています。内蔵カメラによるインタラクティブも搭載。
■ アサツーディ・ケイ 等身大アイドル「あ〜ん」サイネージ
「”CMのリサイズ””動くポスター”の域を超え、駅サイネージの特性をフルに生かしたビジュアルアイデアを開発。サイネージのサイズや奥行きまで計算に入れ、リアルサイズの人間を収納したようなトリック的映像で通行人の強いアテンションを獲得。サイネージを展示/掲示の「面」的なメディアから、出来事が発生する「場所」的なメディアと捉え直し情報拡散の起点とした。」
デジタル技術とポップカルチャーとを組み合わせるのもまた日本モデル。技術力と文化力の総合で海外市場を切り開きたい。ぜひ世界の人たちに
あ〜ん してきてください。
■ノングリッド ライブエイジングミラー
「女性なら誰でもが気になるバストのエイジングを、生活習慣に関する問診によりと写真撮影により分かりやすくシミュレート。4歳から69歳までの延べ40,000人以上の詳細なデータを元にした説得力あるビジュアルと明るく華やかなデザインで、体験者が楽しくエイジングと向き合えるようになっている。」
自分の10〜30年後のバストの変化をシミュレートしてブラを選ぶ。「使う」サイネージです。これはあったら気になって試してしまうなぁ。ぼくがブラを選ぶわけではありませんが。
BRONZE賞(4作品)
■ 日テレ アックスオン/CJ PowerCast Inc./d’strict アミューズメントウォール
「10m×3mスケールの「アミューズメント・ウォール」広告では、全画面を使用した「大型ウォールデザイン広告」に加え、120インチの音声出力も備えた「動画映像による広告」、来場者が写真撮影などで参加できる80インチのマルチタッチスクリーンによる「インタラクティブ機能広告」を兼ね備え、来場者の参加やインタラクティブ機能により、”より長い時間の広告視聴”を誘う、アミューズメント性と広告の融合が最大の特徴。」
ダイバーシティ。大型参加インタラクティブ。
■ ノングリッド Lolipunk
interactive mirror
「Mirrorで撮影された画像はオフィシャルサイトに自動的に転送された後、各画像ページからボタンひとつでFacebook、RenRen、WeiboなどのSNSに投稿することができたため、イベントの認知拡大に一役買った。また、10日間の開催期間中、Mirrorを通じて日本の関係者と現地のファッションキッズの間に交流が生まれ、盛り上がりを見せた会場ではおよそ350枚もの写真が撮影された。」
香港、九龍エリア。海外市場開拓の息吹を感じます。ミラーからサイトへ、そしてソーシャルへ展開、そしてライブ参加型。
■大分駅1000人駅長チーム 大分駅デジタルサイネージ〜1000人駅長〜
「高架化に伴い新しくなった大分駅が3月17日に開業するのを記念し、大分県内外から約1000人の記念駅長を募集し、同駅構内新設のデジタルサイネージ13面にて放映した。専用サイトから投稿された顔写真に制帽を合成し、一人当たり10秒を2回表示、約2週間放映した。今回新設したDSは、駅構内の柱に60インチマルチディスプレイを横2面に取付、14セット設置した。駅構内の広告を全面的にサイネージ化したのは、JR九州管内の広告装置では初めてである。」
シンプルな参加型サイネージ。
■丸紅テクノシステム/ピーディーシー/三井不動産 世界初!ソーラー蓄電サイネージ
「世界初のソーラー蓄電サイネージ。太陽光発電と蓄電池を備えたデジタルサイネージ。太陽光利用の環境配置と節電運用が可能。災害・停電時には、地デジ公共放送、緊急情報の約10時間放映機能や携帯電話、パソコンの充電にも対応している。防塵・防水機能を持つ液晶ディスプレイを採用しており、屋外設置に対応。」
これは参加型という趣旨ではありませんが、震災から1年を経た日本サイネージの一つの回答です。
審査員特別賞
■tha ltd. FRAMED*
「デジタルアートを日常の空間に」をコンセプトにデザインされた、新しいカテゴリーのインテリア・デバイスです。世界中の作家たちの作品をその場で購入できる、オンラインアートギャラリーサービス「FRAMED GALLERY」。55インチ縦型LEDディスプレイと高性能PCユニットを薄型ボディに凝縮した、超スクエア・フォルム。iPhoneによるインテリジェントなコントロールシステム。様々な設置スタイル。」
中村勇吾さんの作品。これはデジタルサイネージなのか?という疑問が飛び交う作品。そうです、これはデジタルサイネージです。テレビでもPCでもケータイでもないからです。定義不能性がサイネージの特性なのです。しかるにもはやタブレットやスマートテレビなど、コンピュータやテレビとサイネージの境界線もなくなってきました。それを美しく悩ませる作品。
今年は他にもPDCの「東京スカイツリー大型クラウド150台」などトピック的なものも豊富にありました。ぼくが直接関わっているものとして、デジタルえほん/ダイヤモンドが病院やJRなど800施設で展開した「希望をはこぶ人」や5300面を子どもの作品でジャックしたCANVAS「街中こどもテレビ」も応募しました。
さて、来年はどんな進化をみせてくれるか。