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2009年10月31日土曜日

電波オークション -2

■Net 電波オークション -2


実態もたくさん出現しています。
例えばユビキタス特区。現行制度の下でも電波の規制を緩和して新しいことをやらせろ。ということでスタートした仕組み。現在、全国67か所で新しい電波ビジネスのモデルが試行されています。
ぼくが関わっている案件に福岡があります。福岡では、放送の電波にIP(インターネット・プロトコル)を乗せる「IPDC」を実験しているのですが、電波をCSK、コンテンツをFM東京が持っていまして、つまりハードソフト分離。通信・放送ミックスで、ハードソフト分離で、有料・無料コンテンツを配信。いやぁ、タブー満載です。
情報通信法を作って規制緩和しないと本サービスに移行できませんね。
そういうビジネス事例が民間にはたくさんあるんです。

そういう電波の受け皿の一つがデジタルサイネージ。
サイネージのシステム自体、通信だったり放送だったりするんです。融合メディアなんですね。これを産業化しようということで2年前にコンソーシアムを設立し、会員数160。6月に幕張で開いたイベント、デジタルサイネージジャパン2009には3日間で13万人の来客をみました。2015年には1兆円作業にしようという熱気のある業界です。
同時に、放送の電波にIPを乗せようというIPDCフォーラムにも30社の参加があります。その一環で、地デジ電波に新聞や雑誌のコンテンツをそのまま乗せて配信してみようという構想を進めており、それも間もなく発表できると思います。

情報通信法をめぐるこれまでの議論では、電波の柔軟利用を認め、利用目的の変更も認め、かつ、転売可能にすることを求めています。となると、誰にどう割り振ればよいのかという議論になり、つきつめると入札制=オークションに行きつくわけです。とりあえずの対象はアナログ跡地のITS10MHzとケータイ40MHzでしょう。そのどこかでトライアルをしてみればよいのではないでしょうか。

オークションのメリットは、割り当ての透明性向上、利用効率の上昇ということでしょう。デメリットは欧米で実施した際に見られた価格高騰。携帯電話へ転嫁されたり、巨大企業しか入札できなかったりする恐れが指摘されています。しかし、結局役所が割り当てても失敗するわけです。2005年の1.7G2Gにしても、3社割り当てたうち2社が撤退。それならオークションを試してみれば?というのもあながち否定できません。恐らく役所にもそれほどの抵抗感はないでしょう。むしろ抵抗があるのは入札に回る民間企業。民間の不満をどう調整するのか、とう政治問題です。

以上を前提に制度設計を考えると、論点がまだいくつかあります。
・占有と解放
 ホワイトスペースに解放させるところと、オークションで占有させるところの、つまりコモンズと所有の制度設計。どうする。
・転売市場
 周波数を転売する市場をどう設計する。
・目的柔軟化
 通信・放送をはじめ、その周波数の利用規制をどの程度ゆるめられるのか。
・電波利用料
 オークション収入は一般財源か。電波利用料という特定財源で面倒をみている電波監視やR&Dのコストをどう手当てするか(総務省が最も抵抗するのはここ)
 (つづく)

2009年10月30日金曜日

電波オークション -1

■Net 電波オークション -1


慶應義塾大学主催で「情報通信制度改革」シンポジウム3本シリーズが開催されます。
その第一段が昨日10/29KMDのある日吉キャンパス(写真)で行われました。
第一回のテーマは「電波オークション」。
パネリストは、池田信夫さん、佐々木俊尚さん、関口和一さん、國領二郎さん、岸博幸さん、そしてぼく。金正勲さんがモデレータ。
時計の針を前に進めようという連中の集まりなので、死人もけが人も出ず終わったんですけど、論点はあれこれありました。
ここではぼくが主張したことだけ書いておきます。

この3年、情報通信法の論議に携わってきました。通信・放送の規制法10本を一本化して、そういうタイミングでのみできる大胆な規制緩和を断行する。特に電波の規制を緩めて新しいサービスを生む。これが主要テーマでした。コンテンツ規制を強化するんじゃないかという意見は単なる噂です。
例えばテレビ局。昼間は放送、晩は通信に電波を使いたいなどと言うと、それは電波が余ってるんだから返せと総務省に叱られる。これ実話。

例えばハードソフト一致。電波と番組は同一会社じゃないとダメという規制。でもローカル局の経営が弱ってきて、地域の電波を集約して鉄塔会社を作り、バラバラのコンテンツ会社をその上に乗せるというガバナンスもあり得るけど、そんなのは禁止されてる。
もっと電波の使い方を自由にして、これまでアナログ放送で稼いできた年商4兆円市場を、デジタルに移して、跡地に高層ビルを建てて、10兆円ぐらいにしたらどうですか。
総務省・電波政策懇談会は、電波ビジネス25兆円を、2015年には55兆円に成長させられると報告しています。それぐらいの規模を達成するには、かなりの規制緩和が要りますよね。
総務省じしん、地デジの空き周波数を開放する「ホワイトスペース」にはかなり積極的。いい方向に流れてきています。オークションより先に、こういう新しい市場を広げる努力をすべきです。

ところが。
新政権が始まり、事態は怪しくなっています。
たとえば日本版FCC。これなど、コンテンツの規制強化にしか向かわない議論。
いますべき論議とは真逆の道。
電波オークションにも疑問が呈されています。NTT問題は再統合も、という競争抑制的な情報もあります。情報通信法も先送りという情報が流れていますね。どうやら改革には急ブレーキが踏まれています。新政権はまだ学習期間なのかもしれません。でも日本にはそんな時間的余裕はありません。

2009年10月29日木曜日

キッズクリエイティブ研究所

Kids キッズクリエイティブ研究所



ベビーカステラ。せんべい。とんがりコーン。マシュマロ。クッキー。あめ玉。ポップコーン。ポッキー。マーブルチョコ。
赤、白、青、緑、茶、黄。丸、四角、棒、球のお菓子。
その前に4~5歳の子どもたち25名。
食べたくてしょうがないけど、ダメ。
銀の皿の上にのりを付けて絵にするのです。

キッズクリエイティブ研究所 in 慶應日吉。スタートです。
http://canvas.ws/kenkyujo/
子どもたちの創作ワークショップ。東京大学やJPホールディングスの施設やアキハバラなどで実施しているシリーズを、KMDのある日吉キャンパスでも行っていきます。
デジタルのおもちゃ箱-1、-2でも書いたとおり、NPO「CANVAS」とKMDとで進めている「デジタルキッズ」プロジェクトの一環です。
http://ichiyanakamura.blogspot.com/2009/10/1_07.html
http://ichiyanakamura.blogspot.com/2009/10/2.html


今朝は、お菓子で絵を作る、というとってもアナログな、手触りと色彩を大切にするワークショップ。
創造力や表現力を育む大学の活動に子どもたちを連れてくる親たちは、やはりきちんと教育のことを考えています。子どもたちも好奇心旺盛です。
全員が「楽しかった。」  よかったね。
午後は幼児が葉っぱで絵を作るコースと、小学生が葉っぱで絵本を作るコース。

次回は12月13日。小学生のクレイアニメ。
粘土をこねてアニメを創ります。グループでストーリーを作って、粘土をこねて、カメラで撮影、PCで編集、ネットで配信するというデジタルなワークショップ。
毎年、東大で開催している3日コースを1日版にして実施します。
11月22日には東大駒場でクレイアニメ。
11月28日には慶應の三田キャンパスで造形ワークショップです。

来年2月27ー28日には、ワークショップの祭典「ワークショップコレクション」です。
http://www.wsc.or.jp/
全国から100種類ほどの子ども創作ワークショップが集合。
慶應日吉キャンパスで開催します。

子どもの創造力・表現力を高めることはデジタル時代の最重要課題。
私が2002年CANVAS設立以来取り組んでいるフィールド活動です。
これら活動については、おいおいゆっくり説明しますが、まずは新シリーズスタートのお知らせまで。

2009年10月27日火曜日

文化省をつくろう! -2

■YouGo3.0  文化省をつくろう! -2

文化省。
具体的に設計してみましょう。

まずは文化庁を中心に据えます。
内閣官房のIT本部と知財本部の機能を移管します。
総務省の情報通信国際戦略局、総合通信基盤局、情報流通行政局、電気通信事業紛争処理委員会などを移管します。
ただし、郵政事業を監督する郵政行政部は総務省に残します。
そして、経済産業省の商務情報政策局のうち、情報政策課、情報経済課、情報処理振興課、情報通信機器課、文化情報関連産業課の5課を移します。

なかなか魅力的な省ではないですか。
もし新政権が「委員会の独立」にこだわるのであれば、設計ができないことはありません。
事業者間の紛争をあっせん・仲裁したりルール整備等について総務大臣に勧告したりする「電気通信事業紛争処理委員会」を国家行政組織法の8条委員会から3条委員会に格上げすることです。
電波監理審議会の大臣への勧告機能を移してもよいでしょう。
放送の機能も欲しければ、BPOの機能を一部取り込むことも考えられます(放送業界は猛反対するでしょうけど)。


これに対し、紛争処理委員会とともに、通信・放送規制を切り出すことを設計してみましょうか。
電気通信事業法、放送法、電波法などの規制法を運用する委員会です。政府はこれら十本ほどの法律を統合し、大幅な規制緩和をもたらす「情報通信法」を策定しており、2010年の通常国会に提出する構えです。
これが成立すれば、その法律の運用を司ることとなります。
総務省のうち、通信事業を監督する部局、電波監理を担当する部局、そして放送局を監督する部局が対象となります。地方総合通信局の多くの部分もこの委員会に属することとなります。
ただし、この場合も、総務省の情報通信国際戦略局や、高度通信網振興課、消費者行政課、情報流通振興課、コンテンツ振興課などの企画・振興部門は文化省に残ります。
ネットワーク整備を支援する電気通信基盤充実臨時措置法などの支援措置法の運用も残ります。

こうした組織をムリに設計することは可能ではあります。しかし、結果として、この委員会は旧総務省の出島となります。行政事務そのものを減らす=規制緩和することを先に行わなければ、焼け太りの形になります。
そして、二重行政が避けられず、国民に負担を強いることになります。
既述(「日本版FCC」5つの疑問 -3)のとおり、振興:規制=420人:278人。やっかいな出島になりそうです。


恐らく新政権が目指したい政策は、組織を改変したり独立させたりすることよりも、人事によって達成するほうが早く効果的でしょう。なおも政治からの中立を求めるのであれば、文化大臣に民間人を起用すればよいのではないですか。

2009年10月25日日曜日

文化省をつくろう! -1

■YouGo3.0  文化省をつくろう! -1

日本版FCC潰しは建設的ではありません。いま大事な話でもありません。
現政権がやらなきゃいけないことは、たくさんあります。

民主党が政策indexに掲げた「通信・放送行政の改革」、「電波の有効利用」、「情報格差の解消」、「NHKの改革」、「地上デジタル放送への円滑な移行」、「インターネットを用いたコンテンツの2次利用促進」といった施策は、日本版FCCを除きみな大事なことであり、急を要することです。
大いに期待します。進めていただきたい。

2009年10月24日土曜日

日本版Ofcom -2

■YouGo3.0 日本版Ofcom -2



そしてイギリスでは、保守党のキャメロン党首がOfcomのあり方を批判、保守党政権下では権限を限定させる考えを明らかにしています。

キャメロン氏は、政府の権力・権限(Power)と説明責任(Accountability)についてスピーチを行い、本来議会に説明責任を負う大臣によって決められるべき政策が、数々の非政府団体によって決められていると批判しています。

Ofcomを例に挙げ、本来の通信セクターの規制業務以外にも公共政策に関わる事柄に責務を持っているとも指摘しています。

そして、チャンネル4の地方ニュースのあり方など、大臣が決めるべき政策方針を、実際はOfcomが決めているとし、
企画・実施分離の二重行政を批判しています。
そのような状況を改善するために、保守党が政権をとった場合、現在のままのOfcomとしては継続させないという考えを明らかにするとともに、現時点でOfcomが持つ公共政策機能は完全に文化・メディア・スポーツ省(DCMS)に移管する考えを明らかにしています。
”So with a Conservative Government, OFCOM as we know it will cease to exist.  Its remit will be restricted to its narrow technical and enforcement roles. It will no longer play a role in making policy. And the policy-making functions it has today will be transferred back fully to the Department for Culture, Media and Sport.”

私にはキャメロン氏の意見のほうが分離論よりよほどしっくりきます。
Ofcomは規制機関として職責に忠実で、2008年、放送コード違反に対する罰金は過去最高ですし、ルール違反を行う通信事業者への罰金、電波干渉者の起訴など、規制が強いなぁと感じさせる面もあります。
規制機関を独立させたら規制が強まることは容易に想定できます。
日本でも電波監理委員会はかつて失敗し、イギリスでも「失敗論」が高まるものを、いままた日本に導入するメリットをACCJは「立証」すべきでしょう。

2009年10月23日金曜日

日本版Ofcom -1

■YouGo3.0 日本版Ofcom -1


今度は在日米国商工会議所(ACCJ)が
日本版FCCならぬ「日本版Ofcom」を提言しました。
企画・実施を分離して、実施官庁を独立させる構想です。
大統領制の米FCCや仏CSAと異なり、議院内閣制のイギリスの仕組みは日本の機構にマッチしやすい面があるでしょう。
委員会ではなく独任制(長官)の組織のほうが通信・放送の規制機関にふさわしいということも同意できます。
独立委員会は委員長が政治家ではなく、政治独立ですが、日本版Ofcomの長官に政治家を当てるというなら、政治従属であり、それも同意できます。
(もし政治独立の長官任命ということであれば、日本版FCCと同じ「規制強化」「不透明化」という懸念があります。)

となると、やはり問題は、分離による「二重行政」「縦割り悪化」。これは「日本版FCC 5つの疑問-3」に記したとおりです。
規制・振興で分離する組織図を再掲しておきます。規制:振興=委員会:総務省=278人:420人。両組織間で重複と調整と縄張り争いが起きるでしょう。うまく機能しないと思いませんか。


イギリスは2003年通信法で規制緩和とOfcom設立を行いましたが、先頃のOxfordのブロードバンド調査では66か国中、1位韓国2位日本、英国は仏独米にも大きく劣る31。これを行政の失敗ではないと言えるでしょうか?
 http://bit.ly/3mxBUC

そこでイギリス政府はOfcomに基金創設、投資促進など振興行政を担わせる法案を準備しています。要するに規制・振興分離の失敗を認めているのではないでしょうか? 
ACCJが日本版Ofcomをベストプラクティスと呼ぶ根拠は何なのでしょう?  
 http://bit.ly/11qvUS

 (つづく)

2009年10月21日水曜日

原口版FCC

■YouGo3.0 原口版FCC


asahi.comの記事に寄れば、原口総務大臣は日本版FCC構想の具体像を明らかにしました。
http://www.asahi.com/politics/update/1005/TKY200910050436.html
それによれば、
・放送局に対する総務省の規制・監督を監視する組織
・放送への言論統制の危険を排除するため政治権力から独立した委員会
・国家公安委員会のような独立委員会
・番組についてはBPOに委ね口出ししない

これは「免許・許認可などの行政権がない」「通信は無関係」という点で、日本版FCCとも、かつての民主党の通信・放送委員会とも似ても似つかぬ組織です。
これまでの日本版FCC案のように、規制権限を切り出し、二重行政、縦割り強化、不透明化が懸念される構想に比べればずいぶんマイルドであり、現実的な変更案とみます。
FCCとも、仏CSAとも、英Ofcomとも別の例のない野心的トライアルとなります。

しかし、その上で、なおいくつかの懸念があります。

1. 米仏等に比べ日本の放送介入は緩い。
 電波ストップはおろか、番組打ち切り勧告も罰金も課したことがありません(これが日本のメディア行政の最大の特徴と考えます)。しかも人権侵害救済はBPOに委ねるとのこと。
 となると、この委員会の仕事はどれだけあるのでしょうか? 独立機関として成立するほどの職員ボリュームがあるでしょうか。
 ちなみに政府が放送番組がらみで行政指導(打ち切りとか罰金とかではなく「注意」)した件数を数えてみたところ、過去25年で35件。近年増えているとはいえ、平均年1-2回程度。じゃあ年に一回チェックすればいい委員会ですね。この委員会の常勤、ラクでいいなぁ。

2. 放送法の運用は引き続き総務省が行うとのこと。
 これが政権によって恣意的となる恐れアリならば、放送法の番組規制を緩和・撤廃するのが筋ではないでしょうか。

3. 電波免許による圧力が番組に影響を及ぼすということなら、
 欧州のようにハード・ソフト分離などで電波と番組の関係を切る政策を探るのが効果的ではないでしょうか。

4. 国家公安委員長は国務大臣であるから政治独立ではありません。
 委員長公選の場合、総務大臣と委員長との見解が異なるときにはどちらが優位となるのでしょうか。

私にはどんどんわからなくなってきています。

2009年10月19日月曜日

「日本版FCC」5つの疑問 -3

■YouGo3.0  「日本版FCC」5つの疑問 -3


続き。





(さまざまな日本版FCC案が錯綜しているため、ここでは、民主党が以前提案した通信・放送委員会案を念頭に考えてみます。)



3.企画・実施分離、規制・振興分離は具体設計できますか?

・企画・実施分離して成功した組織実例は民間を含め何かありますか。
・企画と実施とは具体的に何を分離するのか不明です。例えば、中央官庁=企画と地方局=実施を分離するならわかります。でも地方の士気が下がり硬直化するのみ。利点は何でしょうか。
・課長以上=企画と補佐以下=実施を分離するならわかります。でも、何の意味があるのか。
・規制と振興を分離する、という意見も聞きます。でもこれをやると行政は混乱します。規制や振興は行政の「手段」だからです。行政は「目的」(インフラ整備や利用促進など)を各種の手段(規制、振興、技術開発、税制等)で達成するものです。手段で組織を分けるのはナンセンス。
・例えば、ネットワークの全国整備。総務省基盤通信局では、接続政策=規制を料金サービス課が担当し、支援措置=振興を高度通信課が担当しています。そのミックスで全国整備という目標を達成しようとしているのですが、これ、役所分けるんですか?どうして?
・例えば、青少年ネット安全は、総務省基盤通信局の消費者行政課がフィルタリング措置=規制を進めるとともに、リテラシー教育拡充=振興を担当しています。そのミックスでネット安全という目標を達成しようとしているのですが、これ、役所分けるんですか?どうして?
・メディア行政の最大の問題は縦割り。機器:経産省、著作権:文化庁、通信放送:総務省の縄張り争いです。でも、独任制の省庁間だったから調整も可能でした。通信放送を政府から切り出して、縦割りの弊害を助長するメリットはありますか?
・以前の民主党による委員会法案をもとに作ってみた組織図を冒頭添付します。
 振興:規制=総務省:委員会=420人:278人です(地方を除く)。6:4の4を切り出すわけです。
 二重行政の弊害が増すと思いませんか?両方の役所に行かざるを得ない民間は迷惑することになると思います。それを上回るメリットは何なのでしょう。


4.人事問題と組織問題を混同してはいませんか?

・電波監理、競争政策を透明化したい?なら電監審、情通審のメンバー変更と権限強化で達成できますね。
・放送番組規制を透明化したい?ならBPOを政府機関化すればいいですね。
・ないしは、紛争処理委員会の権限を強化して勧告などをさせればよいと思います。
・天下り阻止したい?なら独立不可。独立したらよけい天下りしやすくなりますよ、コントロール効かないんだから。


5.喜ぶひとが見あたらならないですね?

・通信業界は国会から政府へのプレッシャー手段を失います。NTTの経営陣も労組も、守ってくれるひとがいなくなりますよ。
・放送業界はFCC/CSAばりの介入を受けます。だから民放連会長はすぐ懸念を表明したのだろうと思います。
・ユーザや国民には特にメリットはありません。
・必要なのは「ちゃんとした政治」と「ちゃんとした行政機関」。「政治責任放棄」と「行政機関分断」はこれに逆行するのではないでしょうか。

以上、5問ですが、政府にも民主党にも、賛成する学者にも、答えていただきたい。

2009年10月18日日曜日

ゆっくり走ってていいの?

Buenos ゆっくり走ってていいの?



タートルマラソン。
荒川河川敷のマラソン大会。
走ってきました。

直前に、「情報通信法 見送り」の報。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20091017-OYT1T01238.htm
おや、まぁ。


河川敷。自分のペースでゆっくり走るのがこの大会の趣旨。
ゆっくり走りました。
ゆっくり走りました。
Sex Pistolsを聴きながら。
アナーキー in Japanとつぶやきながら。

情報通信法見送り。
規制非緩和。
通信放送非融合。
電波不開放。
国際没競争力。
ソフト反パワー。

1年間、議論=メシのタネができたということでしょうか。
潰れたら、一生、批判=メシのタネができるということでしょうか。


誰のセリフか答えよ。
「情報通信法ツブしてブラックスペースのまま日本版FCCで独立してしまえば、もうこっちのもんじゃわいフッフッフ。」


まぁ、ゆっくり走ろうってことですか。
時間ないんですけど日本には。
沈む時間を与えてもらったってことですかね。

2009年10月17日土曜日

「日本版FCC」5つの疑問 -2

■YouGo3.0 「日本版FCC」5つの疑問 -2

昨日の続き。 5問についてブレイクダウンします。

(さまざまな日本版FCC案が錯綜しているため、ここでは民主党が以前提案した通信・放送委員会案を念頭に考えてみます。)

1.独立させたら政治コントロールが効かず暴走するのではないですか?

・政府に100人送って官僚コントロールすると言いつつなぜ通信・放送だけ野放しにするのでしょうか。

・政治から自由になって議員会館回りから開放されて喜ぶ官僚は、電波オークションなど導入せず、規制強化と密室化するだけではないですか。

・独立したら、日銀になるか、軍部になるかどちらかでしょう。なぜ前者になると思えるのでしょうか(だとしても日銀独立に私は異論アリですけど)。

2.米仏は失敗例ではないですか?

・米FCC、仏CSAは放送局に恣意的で不透明な介入をしています。まずい番組があるとすぐ打ち切り勧告を出す仏CSAは論外としても、スーパーボウルでジャネットジャクソンがおっぱいポロリしたらFCCは根拠も算定も不明なまま6000万円の課徴金をテレビ局に課しました。さきごろ英OFCOMも放送番組に12億円!のペナルティーを課しました。日本もそういう規制強化の道をたどりませんか?

・日本の放送行政は、どんなに酷いヤラセ番組などがあっても、罰金とか電波停止などをせず「こらっ」と怒っておしまい政策を続けてきました。過去25年で番組への行政指導は35件。近年増えているとはいえ、年1-2件しかありません。放送への介入がこんなに緩いのは先進国で日本だけです。それは長所ではなかったのですか?欧米並みにしたいのでしょうか?

・米仏は大統領制ですね。FCCは議会との権限争いの妥協として設けられた多数の独立委員会の一つです。議院内閣制の日本には不適当。英OFCOMは二大政党の政権交代のたびに政策が大揺れする弊害を踏まえたもの。それもあって英OFCOMも見直しの議論が高まっていますね。英政府はOFCOMに振興機能を入れようとしているし、野党党首は政権交代後OFCOMを潰すと言っています。

・そもそも米仏の行政パフォーマンスはよいのでしょうか。ブロードバンドやモバイルネットの整備など。日本のスタイルのほうが先行。なぜ真似するのでしょうか。

・米はFCC、大統領府、司法省、USTR、州政府、裁判所など多元機構です。国の意志決定が難しく国際交渉も難航し、日本政府はいつも迷惑しています。日本もそういう行政機構になったほうがいいですか?

2009年10月15日木曜日

「日本版FCC」5つの疑問 -1

■YouGo3.0  「日本版FCC」5つの疑問 -1




ホントこの議論には頭が痛いです。
ぼくは1998年橋本行革の際、行革会議が提案した通信放送委員会案に対抗した郵政省の担当補佐だった(そしてこの議論のせいで役所を辞めた)ので10年以上この話と付き合っているわけですが、まだ雰囲気でなされる主張が絶えないということ。


まあいいです。総務大臣が「国民への約束」と言い切った日本版FCCですから、政治主導とおっしゃる政治家の方々に質問を発することとします。
ここでは、民主党が以前提案した通信・放送委員会案を念頭に考えてみます(というのは、原口大臣のおっしゃる構想は一部報道によるとそれとは全く異なる「現行総務省放送行政を監視する委員会」のようで、情報が錯綜しているためです)。


1.独立させたら政治コントロールが効かず暴走するのではないですか?
(議員会館回りから開放される官僚が喜ぶだけではないですか。)

2.米仏は失敗例ではないですか?
(FCC,CSAばりの規制強化を招くのではないでしょうか。日本も大統領制を導入してからやればいいのではないですか。)

3.企画・実施分離、規制・振興分離は具体設計できますか?
(地方総通局の独立、あるいは課長補佐以下の独立というこっけいな図柄となりますよね。しかも機器:経産省、著作権:文化庁と縦割りバラバラ行政が問題視されていた分野のバラバラをうんと助長するのではないですか。)

4.人事問題と組織問題を混同してはいませんか?
(審議会のメンバー変更と機能強化、BPOの格上げで済むのではないですか。)

5.喜ぶひとが見あたらならないですね?
(業界もユーザも支援するとは思えません。)

以上、5問です。次回詳しく述べます。

2009年10月13日火曜日

郵政復古の大号令?

■YouGo3.0 郵政復古の大号令?

慶應大学でシンポジウムシリーズ「NTT再編」「電波オークション」「日本版FCC」を計画しています。http://gie.sfc.keio.ac.jp/
でも、我々が議論するまでもなく、早くも原口新総務大臣は結論を出しているようです。

2009年10月11日日曜日

日本のポップパワー

■Pop 日本のポップパワー



中村伊知哉・小野打恵著「日本のポップパワー」2006年5月 日本経済新聞社。
http://www.amazon.co.jp:80/日本のポップパワー―世界を変えるコンテンツの実像-中村-伊知哉/dp/4532351863/ref=sr_1_2?ie=UTF8&s=books&qid=1202194998&sr=1-2
紹介文より
「マンガやアニメ、テレビゲームなどの大衆文化に関わる商品が日本経済に少なからず活力を与えている。著者らはそれらを「ポップカルチャー」として括り、官による支援政策や諸外国の現状との比較、将来の市場性などについて多角的に分析を加えていく。「ポケモン」の世界市場を含めた累積の売り上げは何と3兆円に達するという。また中国では、報じられている対日感情とは裏腹に、「クレヨンしんちゃん」がアイドル的存在になっていることなどを種々のデータから示す。これに対する国の取り組みはどうか。著者らは諸外国と比較しながら我が国の振興策を紹介するが、いまだ不十分であると論じる。次代を担う人材の育成を含むスキームを、産学官が協力して描き直すべきだと指摘する。」
へえ、ええこと言うやん。
ところで。民主党政権は早速「アニメの殿堂」を潰したわけですが、テレビドラマでご一緒したガンダム富野由悠季監督に感想を聞くと「あったりまえじゃないですか、文化が国家にすり寄ってどうしますか。」と軽くおっしゃいました。
御意。
世界を見据えているひとは健全ですね。
ポップの強さと弱さ、光と影、産業と文化、そして国家との距離感、このあたりもぼくのライフワークです。 
少年ナイフというポップから行政の世界に入り、それも崩れて大学に身を置く立場としては、そのあたり、言論としてというより、具体プロジェクトものとして、落とし前つけていこうと思います。
ポップ系プロジェクト、おいおい紹介していきますね。

2009年10月9日金曜日

CEATEC

Buenos CEATEC





CEATEC@幕張メッセに行ってきました。
出展は前年の3割減の590社。日本企業は4割減。
韓国は増加。
攻守の読みは韓国が上か。
イラク戦争時のMIPで日本企業だけがブース撤退したのを思い出します。
その会場で「マルチメディア放送セミナー」を開きました。
デジタルハリウッド杉山知之さんらと登壇。

モバイル向けのマルチメディア放送は、V-low陣営のマルチメディア放送ビジネスフォーラムもV-high陣営のmmbiもブースを出していて、形が見えてきました。
V-low陣営では、ケータイ向けだけでなく、車載端末やデジタルフォトフレームも展示。
家ナカのサイネージ展開もアピール。
商機はこっちの方が大きいかもしれません。
セミナーでは電通の岸さんが二つケータイを並べて2画面でこそ成立する「ペア・ムービー」を披露。
50万ダウンロード!だとか。
そう、そろそろシステムの話より、コンテンツ。
ケータイならではのコンテンツ開発がカギですね。

目立つのは3D
ソニー、パナソニック、シャープ、東芝、三菱。3D満載。
エコやグリーンもうるさいほど主張されてました。
でも、家電のみなさん、そっち行ってビジネス解はあるのかな?
足の踏み入れ先に迷っている気がします。

それより目を引いたのは、新インタフェース。
NTTドコモ「投げメール」。
位置情報と投げる方向を計測することで、相手の方向にむいて投げる仕草でメールを送る。
同じくドコモ「眼で操作するイヤホン」。
電極で眼の動きを検知して、ON/Offやボリューム等をコントロール。
いずれもMIT Media Lab的といいますか、Ted Selker的といいますか(同じか)、少し方向を感じさせる挑戦。
ガラパゴスを欧化したところで魅力が失せるだけだから、どうせならそうやってうんとガラパゴスればいい。

それ以上に
日産の「ぶつからないロボット・カー」。
相互通信と位置測定のシステムです。
家電+ロボット+自動車+キャラクター。
ニッポン産業の方向としてコッチはアリでしょう。
強みを活かして、ハード+ソフトで次の戦略を作る。
これをIT企業じゃない会社に示してもらっているところが今の日本ITの置かれた状況。

ま、それより、セミナー後にメシ食ってたとき聞いた「ほうれん草みたいなアクの強いモノばっか食ってると尿管結石になるんだよ」
という杉山さんの情報が今回いちばんショックでありました。

2009年10月8日木曜日

デジタルのおもちゃ箱 -2

■Kids デジタルのおもちゃ箱 -2



 中村伊知哉著「デジタルのおもちゃ箱」2003年10月 NTT出版
http://www.ichiya.org/pdf/0310digitaltoybox.pdf 
 

キッズ活動、まずはこの1年の活動をメモしておきますね。
・コマどりアニメで国際交流(2008.7-8) : ブラジル・イタリア・カンボジア・日本で開催。
・富士通キッズイベント2008夢をかたちにするしくみ(2008.8)  
・こども造形工房in 東大(2008.8、2009.1、2)
・東大サマーキャンプ クレイアニメ スタートアップ講座(2008.8)
・おとラボ ワークショップ(2008.8)
・キッズ地域情報発信基地局(2008.8)
・丸の内キッズフェスタ(2008.8)
・『ガキネマ』アニマルムービーワークショップ(2008.9)
・ワークショップコレクション2008 in 慶應義塾(2008.10) : 2日間で約1万人来場。
・ICF設立20周年記念シンポジウム「未来の情報通信の課題と展望〜こども、デジタルデバイト、国際交流〜」
・エジソンキッズワークショップ(2008.12)
・いけいけキッズ情報発信基地局(2008.12〜2009.2)
・ピッケのつくるえほん(2009.1)
・エジソンキッズワークショップこどもアトリエ塾(2009.1)
・知っとく!なっとく!親子トクトク(2009.2)
・CANVASワークショップシリーズin こどもみらい塾(2009.2、3)
・タケシ学院第4回スペシャル講義(2009.2)
・ケロット キッズワークショップ〜クレイアニメをつくろう〜(2009.2)
・キッズクリエテイィブ研究所in東大(2009.4、5、6、7、8)、キッズクリエテイィブ研究所inアキバ(2009.4)、キッズクリエテイィブ研究所inニカメ(2009.5)
・ノリダンと!トアソビワークショップ(2009.4)
・情報通信月間参加行事 須高情報通信フェア2009 ICTデジタルワークショップ(2009.5)
・ネチケットかるたワークショップ&保護者セミナー(2009.7)
・東大サマーキャンプ(2009.8)
・富士通キッズイベント2009夢をかたちにするしくみ(2009.8)  
・A-Kids(2009.8)
・丸の内キッズフェスタ2009KIDSアカデミー(2009.8)  
・「もっとグッドネットin大阪」  遊んで学ぶ!情報通信技術とコミュニケーション(2009.8)  
・NECキッズ広報部アニメCM制作ワークショップ(2009.8) 
・「街をシル・ツクル」ワークショップ3回@日吉(2009.8-9)

2009年10月7日水曜日

デジタルのおもちゃ箱 -1

■Kids デジタルのおもちゃ箱 -1



 中村伊知哉著「デジタルのおもちゃ箱」2003年10月 NTT出版
http://www.ichiya.org/pdf/0310digitaltoybox.pdf
 

本書は、ぼくがMITメディアラボに滞在していたころのスケッチ集。メディアラボを通してみた世界の、日本の情報社会像とその展望です。
特に強調したかったのは、デジタル社会での日本の強みを伸ばす戦略。
デジタルの恩恵を全ての子どもに。デジタルリテラシーが今世紀の行方を決定。ソフトパワーの発信は子どもから。ポップカルチャーの育成はデジタル世代の子どもたちが。日本の競争力の源泉は子どもの創造力。
結局、この本を書いてから、ぼくは帰国して「デジタルキッズ」プロジェクトに邁進しています。
というわけで、1995年ブラッセルの「世界情報サミット」以来、ぼくが関わっているデジタルと子どもの活動をここで報告していきます。思えばこれを進めるために政府を辞めてMITに行き、メディアと子どもの研究所を作るプロジェクトに携わり、ぐずぐずするアメリカより日本の子どものほうが面白いと気がついて、日本にNPO「CANVAS」を設立し、今に至るわけです。
http://www.canvas.ws

2009年10月5日月曜日

デジタルサイネージ革命

■Net デジタルサイネージ革命



中村伊知哉・石戸奈々子著「デジタルサイネージ革命」2009年6月 朝日新聞出版。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4022505982/hatena-gd-22/ref=nosim
電子看板デジタルサイネージ。ちょいとしたブームですが、入門書がなかったので、事例満載の解説書を出しました。

2009年10月3日土曜日

通信と放送の融合のそれから

■YouGo3.0  通信と放送の融合のそれから



中村伊知哉著「通信と放送の融合のこれから」2008年1月 翔泳社。
http://www.amazon.co.jp/dp/4798115800/
これからの、それからが問題。

あとがきでも触れたとおり、当時はまだ「融合」という用語はあっち側かこっち側かのリトマス試験紙で、おかげでぼくは融合派と目されてテレビ番組を降ろされたりもしました。
でも2008年後半には日本でも融合が本格化。NHKオンデマンド開始や民放キー局のネット配信本格化、エイベックス+ドコモのBeeTVやら吉本興業のネット傾斜やらが太いうねりとして現れ、議論の時期を卒業。
国営・公共放送局が前面に出る欧州の融合スタイルは、YouTube/Appleなどネット系が牽引してきたアメリカでも顕著となり、CBSやNBCの存在感が増しています。
もう戻りません。
融合か、連携か。そのバカな問いもおしまい。
さて、そこで。

2009年10月1日木曜日

中村伊知哉 ブログ開始

■Buenos  ブログ開始








今日から始めるこのブログ。
5種類のスロットでお届けします。
(んでこのイラスト、安斎肇さん筆。)

1) You Go 3.0
メディア融合のあれこれ。
2) Net
デジタルサイネージやIPDCなどの通信・放送プロジェクトについて。
3) Kids
デジタルキッズや安心ネットなどキッズプロジェクトについて。
4) Pop
ポップ・パワー プロジェクトについて。 

5) Buenos
その他 のネタについて。

mixi日記(ichiya)も、twitter(ichiyanakamura)も続けます。
どうぞよろしく。