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2021年5月31日月曜日

「野外ミュージックフェスコンソーシアム」が設立されました。

 ■「野外ミュージックフェスコンソーシアム」が設立されました。




フジロック、サマソニ、Rock in Japan、ライジングサンらフェス主催7社が集まり、われわれCiP協議会も発起人です。

コロナで開催が中止となったフェスの開催・拡大を目指します。


夏フェスと呼ばれる野外音楽フェスは、全国で年間約300件が開催されていますが、昨年はコロナで全国的に中止が続出しました。

本コンソは、地方との連携事例の共有、安全安心なガイドラインの策定と周知、政府や自治体への要望を行い、音楽フェスのさらなる発展を図ります。


音楽フェスの公益性として、以下が挙げられます。

・地方において各地方に協力を仰ぎながら実施し、人の移動や土地への愛着が発生

・音楽のみならず、食、観光、自然、ファッションなど多様な文化の発信

・各地方での交通宿泊費・事前消費は音楽フェス売上を超える規模


尚美学園大学江頭満正准教授によれば、日本の音楽フェス経済波及効果は3700億円。主催者と開催地である自治体とが連携し開催され、交通宿泊費・事前消費額がイベントとしての売上を上回るなど、各地方において大きな経済効果を生んでいます。


しかし日本での音楽フェスの歴史は浅く、課題も多く存在しています。

本コンソは、各地方と深く連携し巻き込むことでフェスを発展させ、地方の経済にも貢献、持続可能な音楽フェス文化の形成を目指します。いちイベントでは達成の難しい目標や課題の解決に共同して立ち向かいます。


野外音楽フェスは、そこに集うファンと共に作り上げるイベントであり、子どもたちにとっては自然を体験する機会にもなります。

フェスの発展を通して、地方、ファン、そして将来的なファンとなる子どもたちとの「共生」を実現し、地方の創生、持続可能な野外音楽フェス文化を作り上げます。


野外音楽フェスは主催者のみならず、アーティスト、自治体、関連産業、ファンと共に作り上げるイベントであり、With コロナ/Afterコロナの時代にて、多様な主体が集うエコシステムをとして発展させたい。

CiP協議会も発展的な地方創生に寄与するよう努めます。


発起人は以下のフェス主催7社とCiP協議会です。


SPACE SHOWER SWEET LOVE SHOWER

RISING SUN ROCK FESTIVAL

ARABAKI ROCK FEST

FUJI ROCK FESTIVAL

ROCK IN JAPAN FESTIVAL

SUMMER SONIC

RUSH BALL

2021年5月27日木曜日

新版 超ヒマ社会をつくる1  はじめに

■新版 超ヒマ社会をつくる1  はじめに



 「超ヒマ社会をつくる」を書いて2年。コロナ襲来で、事態が激変しました。そこで、半分ぐらい書き直して新版を出版しました。副題「アフターコロナはネコの時代」。紙はやめてデジタル(Kindle)一本にしました。

 その一部を、しみ出します。

 まず「はじめに」。

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 こんなはずじゃなかった。 


 ガラガラ。令和の世が明けた。テクノロジーの時代の再来である。デジタルから25年、スマートから10年を経て、AI/IoT/データによる超スマートが来る。

AI・ロボットが仕事を奪う。仕事を奪っても、ぼくらの取り分が変わらなければ、ヒマになる。うんと奪ってくれれば、超ヒマになる。そうなれ。

 超ヒマつぶしをしよう。超ポップの超エンタメ、超スポーツ、超教育。そのための超都市。ギギィ。令和の幕開けは超テックの扉が本開きとなる。超ヒマ社会に突入するのは2030年ごろだろうか。想像して、創造しよう。


 そこで令和元年、「超ヒマ社会をつくる」という本を書いた。その社会をどう作るかのアクションプランを描いた。

 明治・大正・昭和・平成という、近代の起承転結に区切りをつけて、人類が立ち入ったことのない新しい世界、機械が人の能力を超えて、モノどうしがコミュニケーションする新文明の幕を開ける、それが令和だという本だ。

 ドイツが言う第4次産業革命、つまり情報産業という第3次産業革命の次の時代。日本政府が言うSociety5.0、つまり狩猟・農耕・工業・情報に次ぐ第5の文明。今から10年後を展望して書いた。


 ところが、超ヒマ社会に突入する前に、天からブワッとコロナが降ってきた。じっとしておれ引きこもれ。予期せぬ形で、超ヒマにさせられた。思てた超ヒマ社会とちゃう!

 なのにテレワークも遠隔授業もできない。気がついた。日本は第3次産業革命にもSociety4.0にも到達していなかった。情報化ができていなかった。これでやっと第3次、4.0が来る。コロナのおかげで日本もその次の超ヒマ社会に進むことができる。

 近代は国家をベースに、資本主義と民主主義の二拍子となった。けれどITはコストを下げ、シェアリングを拡げて、GDP成長主義を揺るがす。各国で分断が進み、民主主義も揺らぐ。非民主の強権国のほうがうまくコロナを乗り切るかもしれない。

 他方コロナは2020年まで数千年のBC(ビフォーコロナ)の都市文明にダメ出しする。離れろ。散らばれ。黙れ。とうるさい。そしてワクチンや追跡機能などテクノロジーを要求する。AC(アフターコロナ)のハイブリッドはまだ設計できていない。


 なので前書を書き直すことにした。テック&ポップの超ヒマ社会は、来る。ただしコロナは、ハイブリッドという別の一軸を加える。そして引きこもるぼくたちに、超テックの衣装を素早く身にまとえと促す。やってやろうじゃないか。

 前書をベースにして、コロナを上書きしたのが本書である。

 超ヒマ社会に向けてぼくがしている活動は、全てアフターコロナに向けたプロジェクト。テックとポップが集積する特区「CiP」を東京ベイエリアの竹芝に街開きした。リアルでバーチャルな全員起業の大学「iU」を開学した。アクション自体は変わらないが、コロナ後の意味を問い続けている。

 相変わらず問題は、空気だ。縮む空気を吹き飛ばせ。どっどどどどう。コロナが求める換気は、平成30年間ちぢこまってデジタル敗戦に消沈するぼくたちに、巨大な換気扇のスイッチを入れろという信号だ。思い切りAIの粉をまきちらして、深呼吸しよう。走り出そう。こわして、つくろう。


 ところで各項に、ちなんだ曲名が現れる。[エクレア](岡崎体育)のように。いい曲はいい人とともに。読みながらバックで流すことを推奨する。音楽ある読書を祈る。

2021年5月24日月曜日

デジタル時代、どうする郵便局?

■デジタル時代、どうする郵便局


デジタル時代における郵政事業の在り方に関する懇談会」  

中間整理が発表されました。

座長代理を務めます。

プレゼンも致しました。


「郵政事業についてモノ申してしまいました。」

http://ichiyanakamura.blogspot.com/2021/03/blog-post_8.html


少子高齢化とコロナのパンチを食らう中でデジタル化を余儀なくされます。

郵便物数は過去8年で4割減少。長期低金利下、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の資金運用も厳しいし、不祥事もありました。

さて、郵政はデータ活用や地方創生にどう向き合うか?

という問いです。


報告では、デジタル化・データ活用は

①業務効率化・既存サービスの質の向上

②新たなビジネス(収益源)の創出 

③公的サービスへの活用 

に分けて整理すべき、としました。

守り、攻め、公的利用の3本立てです。


①守りについて。

"配達原簿や顧客情報など郵政が既に保有するデータについては、信書の秘密や個人情報の保護に十分配慮しつつ、本来業務としての利用を中心に、「仮名加工情報」の活用も含め幅広く検討すべき。"


②攻めについて。

"「個人に着目した」「同意取得を前提とした」利用者にとってメリットのある魅力的な新しいサービスを開発・提供すべき(「匿名大衆」から「顕名個客」へ、「製品」から「体験」へ転換し、「利用者との新たな関係を作る」方向へ進むべき)。 "


さらに日本郵政グループは、郵便局ネットワーク・リソースを最大限活用した「プラットフォーム・ビジネス」を提供すべきで、外部企業等と積極的に提携を図っていくことが必要としています。

ぼくもプレゼンでプッシュした点です。


"例えば、様々な業種のステークホルダーで構成される「スマートシティ」、「教育」などのプロジェクトに参画し、異分野を含めアンテナを高め、ビジネス・サービスのヒントを発見したり、パートナーを発掘したりする試みが重要。"

ぼくが進めるCiPや超教育の活動も参考になるでしょう。


具体的なサービスイメージとして以下を示しました。

・「情報銀行」となり、見守り、遠隔健康診断、保険サービス等を地域住民へ提供

・「スマートシティ」や「MaaS」を活用したプロジェクトに参画し、ドローンによる配送、客貨混載サービス等を提供


中間まとめに当たり、ぼくは2点コメントしました。

1)通信・放送の特殊法人は社会経済のインフラ面に加えて、先端分野を切り拓く先導役というダブルの責務が課されている。

郵政にも後者の先導役としての働きが求められる。

情報銀行、スマートシティ、プラットフォームという攻めの展開を期待する。


2)とはいえ、日本郵政という民間企業の経営戦略だから、ここでの整理はイメージ、ヒント止まりでよい。

他方、これに関し、国や政府が何をするのかが重要だ。

今後その辺りを掘り下げていくのが良い。


プレゼンでぼくは「通信事業者になったりICTビジネスに進出していてもおかしくない。郵便局が楽天のポジションを取っていても不思議ではなかった。」と申し上げたのですが、その際、座が凍った感じがしたんです。

言い過ぎたかな?


ところが、中間まとめ会議後、郵政と楽天が資本提携を発表しました。

ビックリ。

だけど、ですよね。

よそものがしのごの議論してるより、会社が自らのDX戦略でグイッと踏み込んでいく。

それをしばし拝見。

という場面転換か。了解。 

というところです。

ひとまずご報告まで。

2021年5月17日月曜日

オープンデータ2020年度 勝手表彰

オープンデータ2020年度 勝手表彰

オープンデータ2020年度 勝手表彰オンライン授賞式。

オープンデータの取組をVLEDが勝手に表彰する取組み、今回で8回目になります。

前回、新型コロナの影響で式典が中止となったことは痛恨でした。

今回なんとかオンラインでの開催、今年も審査員長を務め、ごあいさつ申し上げました。



勝手に表彰する取り組みであり、

「受賞頂きまして、ありがとうございます。」とまずは感謝を伝えたい。

「デジタル社会形成基本法案」が国会に提出され、デジタル庁の創設も進められいます。

ようやく、初めてデジタルが国の政策の最重要課題になったと認識します。


20年前にeジャパン戦略が掲げられても政策の重要度は低いまま動かなかったことがデジタル敗戦や日本の没落に直結したと考えます。

ラストチャンス。

特に今般のDX論議ではデータの重要性が認識されている。

コロナでのDXにオープンデータが寄与して、豊かなデジタル環境を形成することを期待します。


これまで勝手表彰は、行政、防災、教育、生活、観光、ビジネスなど ジャンルが多岐にわたり、政府、自治体、公益法人、株式会社、個人と顔ぶれも多様となってきました。
ただ、まだ「産・官・学」のうち「学」の存在感が薄い。

自分に対する戒めとして受け止めているところです。



今回の表彰は、コロナ対策関連が多い。

コロナに立ち向かうためみんなが努力していることの反映であり、当然のことではあります。

その努力はまだまだ続けなければならなりません。

オープンデータがアフターコロナ、ウィズコロナに向けて役立てるよう祈る次第です。



最優秀賞

東京都新型コロナウイルス感染症対策サイト

東京都戦略政策情報推進本部

委員コメント:公的サービスのオープンソースプロジェクトとしては世界規模で見ても優れた事例となった。オープンデータとシビックテックの力を広く社会に知らしめる結果となった。 ほか


優秀賞①

シン・テレワークシステム/自治体テレワークシステム

情報処理推進機構、地方公共団体情報システム機構、NTT東日本

委員コメント:新型コロナ禍でのテレワークの最大の障壁であるネットワークインフラの問題を技術的に解決し、10万人以上が利用する実サービスとして提供している点を高く評価します。 ほか


優秀賞②

COVID-19 感染予測 (日本版)

Google

委員コメント:データの可視化だけではなく、AIによる予測という高度な活用を行っている。/厚労省によるCSVオープンデータ活用事例!/世界の感染予測を行い、公開した意義は大きいと思います。 ほか



このほか、貢献賞6件を選出したほか、県内全自治体がオープンデータに取り組んだ「コンプリート賞」を青森県、石川県、静岡県に差し上げました。



スポンサー賞として、ぼくサイドから提供した融合研究所賞、デジタルリスク協会賞、CiP協議会賞に加え、今年はiU賞も創設しました。

栄えある第一回iU賞は「GIGAスクール」で文科省様を表彰! 

受賞ありがとう!



最後に総評。

感染症の対策や予測、自治体テレワークなどコロナ案件が目立ちました。

受賞者は自治体、政府、公益法人、企業、そしてスナック。みんなで取り組む姿も見えました。

脱コロナに「役立つ」データ。

来年は、コロナ後の「楽しい」「うれしい」データも見たいね!

2021年5月10日月曜日

知財本部・著作権タスクフォース:後編

■知財本部・著作権タスクフォース:後編


知財本部の著作権タスクフォース、中間まとめ、つづき。

前編で解説した大胆な認識を踏まえて、各論の課題を整理するのが後半「デジタル時代に対応した利用円滑化方策と権利者の利益保護の両立」です。

UGCの発展と権利者の尊重とを両立させる利用ガイドラインの策定。権利情報データベースの整備促進。コンテンツ制作の取引適正化。といった項目を挙げています。


アナログとデジタル、リアルとネットで権利者の利益に与える影響が異なる場面について、著作権法上の規定を見直すことも示唆しています。

放送とネットで権利のあり方が異なっていた点について、今般、文化庁にて先行して手当する作業を進めました。こうした事例が他にもみられるのか、要チェックです。


注目点は「ソフトローの活用」を掲げた点です。

著作権は法制度=ハードローに重きが置かれ、紛争は裁判に委ねられる面が強かった。しかしデジタル化で著作物の生産・利用環境が激変し、調整や合意形成の分量も爆発的に増す中、立法・司法に頼ることの限界は明らかです。


法改正の論議でも、関係者の参加によるガイドラインの策定が求められる場面が増えてきました。

今回、「必要に応じて、行政機関の関与の下、当事者間の合意形成を促す」「ソフトローと実定法の組合せと相互関係についてイノベーションを生み出していく」との認識を示しました。


さて。

それで今回モメたのは、「一元的かつ円滑な権利処理の促進」についてです。

コンテンツの利用を円滑化するための制度について、以下の4スキームについて論じました。

1)補償金付権利制限

2)混合型(集中管理と補償金付権利制限)

3)拡大集中許諾

4)裁定制度抜本見直し




1)は従来からの手法、2)は今回、放送ネット配信で作ろうとしている制度、3)は欧州に例があるが日本で導入されていない仕組み、4)は処理方法の改変です。

特に3)拡大集中許諾の扱いが論点となりました。

委員間以上に、省庁間の調整が重く、最後までもつれました。


大胆な議論を進める知財事務局と、制度に責任をもつ文化庁との調整を軸としながら、規制改革会議や自民党なども加わり、落とし所を探りました。

結局、タイムアップとなり、タスクフォース委員による「中間まとめ」としました。




法的な論点は専門的に過ぎるので省きます。

ぼくなりに、とても乱暴にこれも意訳すると、この新スキームに対する差は、利害や省益というものではなく、法的正しさという是非論に至る以前の、制度そのものへの構えの違いが現れたものと考えます。


右は権利保護、左は流通促進、そのスタンスというか。

既存体系の責任保守vs体系ガラポンのロマンというか。

その間に知財本部が入って意見を伺った、ということかと。

そして、だからどうするという答えを出したものではありません。


この点、海賊版の論議とは形が違います。

あれは著作権と通信秘密という2つの保護の対立で、業界も担当省庁も分かれる、眼前に転がる利害の調整でした。

今回は今後の課題を先取りして仕組みを整えようとする理念系の努力。

ステイクホルダーを交えての本格論議はこれからです。




ただ今回、議論を通じ、裁定制度の抜本見直しが示されたことは画期的です。

権利者不明の場合の裁定制度は見直しが図られてきたが、より幅広い利用を進めるため、行政の関与をなくして民間にアウトソースする。申請の電子化や要件の緩和も行う。というもの。

これは今後の具体的な制度案件になります。


将来を見据えた大きな展望と、現下の課題を解決する待ったなしの制度・環境整備。

社会経済のDXが加速する中、著作権への向き合い方もしばし両にらみとなります。

引き続き、よろしくどうぞ。


なお、著作権制度という部分調節によるコンテンツ問題の解決は限界に達したと感じました。通信・放送制度やIT政策を含む総合的なメディア政策のアプローチが必要であると。

このためには、6つ程度の省庁を横断した座組が必要になります。

デジタル庁の創設はじめ霞が関の見直し時期に考えるには、よろしいテーマかと存じます。


http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/kousou/digital_kentou_tf/pdf/tyukan_torimatome.pdf

2021年5月3日月曜日

知財本部・著作権タスクフォース:前編

■知財本部・著作権タスクフォース:前編

デジタル時代における著作権制度・関連政策の在り方検討タスクフォース。

座長を務める知財本部の会議が「中間」報告をまとめました。

最終会合がおさまらず、2回追加して、ようやく。

2年前に破裂した海賊版タスクフォースを思い起こします。

またお主のせいか。そしりを受けつつ。

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/kousou/digital_kentou_tf/pdf/tyukan_torimatome.pdf



このタスクフォースは、放送番組の同時配信に関する著作権制度を論じる文化庁の審議会と並行してもたれました。

現下の法的問題を文化庁でこなしつつ、内閣府・知財本部はその次に来る重要課題に方向性をつける。

役割分担です。

そこで今回、知財本部は大きくふりかぶりました。


報告は前半の情勢認識、後半の方策に分かれます。

前半「コンテンツ産業を取り巻く環境の変化」は、1)流通、2)消費、3)創作環境の変化と4)グローバルなプラットフォームの台頭を踏まえつつ、5)デジタル経済社会上の新たな存在意義と6)将来への見通しを示します。



ぼくは意訳して、会議でこのように解説しました。


コンテンツの生産も流通もデジタルで丸ごと変化するというのは、MITネグロポンテ教授が『ビーイング・デジタル』で25年前に書いたことで、権利者にも利用者にも両方にメリットがあるという展望は当時から見えていました。


しかし2)3)4)にある記述は、当時はまだくっきりと見えていなかったけれども、その後起きてきたこと。

2)コンテンツが最終消費財だけではなくコミュニケーションやコミュニティーを活性化させる中間財になる。

3)生産が簡単になり、コンテンツそのものと作り手とが爆発的に増える。

4)グローバルプラットフォームが強大化する。従来型プレーヤーとしてのプロのクリエーターとコンテンツ企業、そしてアマチュアを含むみんな。それらを束ねるプラットフォームに軸が移った。


これらがSociety4.0で起きたこと。これにまだ対応できていないという問題意識です。



さらに5)が今回のポイント。

Society5.0でコンテンツがデータビジネスになるということです。


コンテンツがデータ駆動社会の資源となる。コンテンツの生産、流通、消費を円滑にして、外部不経済を取り除くことがコンテンツ産業の成長というミクロ経済のテーマではなく、産業全体の成長に関わる。


つまりコンテンツ政策が経済政策に位置づけられることになる、ということを表しています。


これまでのコンテンツは経済全体のバリューチェーンから切り離されたところにあって、ずっと個別産業論で議論されてきました。中途半端な、文化経済政策みたいな文脈で扱われていた面が強かったのです。


けれども、データ駆動社会の主要プレーヤーとして経済システムに組み込まれる。

だから、なぜわれわれが今、コンテンツについて語らなければいけないのかという政策的な位置づけが変わりますよということを語っている。

とぼくは解釈しています。


以上、解釈です。正確には報告を読まれたし。

(後編につづく)