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2014年11月27日木曜日

IT政策の動向と展望 1.これまでのIT政策

■IT政策の動向と展望 1.これまでのIT政策
 スタンフォード大学APARC(アジア太平洋研究センター)と共同で「IT政策研究会」をスタートさせました。日米の政策研究者や関係企業が集い、10年後の政策を考えるものです。
 そのキックオフに当たり、ぼくが「IT政策の動向と展望」と題するディスカッション・ペーパーを提出しました。1.これまでのIT政策、2.これからの課題、3.日本のIT政策10の論点、の3項目からなります。3つに分けて掲載します。

1 これまでのIT政策
 

 19世紀後半、各国は電話、ラジオ等電気通信の基本ネットワークを整備し始めた。日本は1870年代から電気通信網のユニバーサルサービスを提供すべく国策として整備を進めた。
 その目標は100年後の1980年代に一応の達成をみせ、AT&T分割の1年後、1985年に電々公社の株式会社化と通信自由化が断行され、放送の多チャンネル化も推進された。ファクシミリ、ビデオテックス、衛星、CATVなどのアナログメディアの開発が競争環境下で進められた。政策目標は、基本メディアの整備から、多様化・低廉化・高速高精細化に転換した。
 1990年代に入ると、通信・放送ともにデジタル化による刷新が進んだ。デバイスはPCと携帯電話が爆発的に普及し、ネットワークはインターネットとデジタル放送が整備された。インターネットの整備策は日米は競争政策を標榜して世界をリードした。1999年には日本では携帯電話とインターネットの結合サービスが世界に先駆けて登場した。一方、放送のデジタル化は日本はアメリカの後追いであった。
 2000年代には、それまで一世紀のインフラ整備政策の到達点が見える一方、デジタル化されたIT環境をどう活かすかの政策に注目が集まった。2001年には内閣官房にIT戦略本部が設置され、ITの利用促進策が講じられた。2003年には知財本部が設置され、コンテンツ政策が講じられている。

 2010年代に入り、日本のIT政策は方向性を失いつつある。
 ブロードバンドと地上デジタル放送網の全国整備がほぼ達成され、通信・放送を横断するデジタル列島が完成した。2011年には通信・放送の法制度が抜本改正され、放送用の周波数で通信サービスを提供するなど、柔軟なサービス展開が可能となった。
 同時に、デバイスでは、PC・携帯電話に加え、スマートフォン、タブレット端末、電子書籍リーダー、デジタルサイネージ、スマートテレビなど多様な機器が身の回りを覆う「マルチスクリーン」環境が到来した。さらに、ウェアラブルデバイスやM2Mなど、質的に新しい機器の普及が予期されている。
 合わせて、この20年近く成長産業として期待されてきた「コンテンツ」の国内市場が勢いを失う反面、いわゆる「ソーシャルネットワークサービス」が勃興している。これにより、コミュニケーションや関連産業が活性化する一方、新たな社会問題や混乱も発生する。
 これらは、経済社会の各般におけるITの利用度をますます高めることよって便益を向上させるという政策と、それによって引き起こされる混乱を解決する政策とを求めることになる。また、ブロードバンドが各国をカバーし、ITサービスがボーダレス化しているため、政策対応も一国に閉じることは稀になり、世界スケールの対策が必要となる。
 このように、ネットワーク、デバイス、サービスというメディアを構成する3層が世界一斉に塗り変わる局面で、IT政策も新しいステージを迎えることが求められる。


◯参考:現在の日本の主要IT政策

1) IT本部の政策アジェンダ:世界最先端IT国家創造宣言(2013.6)目次
 1.革新的な新産業・新サービスの創出と全産業の成長を促進する社会の実現 

 2.健康て安心して快適に生活できる、世界一安全て災害に強い社会
 3.公共サーヒスかワンストップで誰でもどこでもいつでも受けられる社会の実現
 4.利活用の裾野拡大を推進するための基盤の強化
 5.規制改革と環境整備

2) 知財本部の政策アジェンダ:知的財産政策ビジョン(2013.6)目次
第1.産業競争力強化のためのグローバル知財システムの構築
第2.中小・ベンチャー企業の知財マネジメント強化支援
第3.デジタル・ネットワーク社会に対応した環境整備
 1.コンテンツ産業を巡る生態系変化への対応
 2.コンテンツ政策のプライオリティの向上
 3.コンテンツ産業の市場拡大に向けた環境醸成
 4.デジタル・ネットワーク環境促進の基盤整備
第4.コンテンツを中心としたソフトパワーの強化
 1.コンテンツを中心としたソフトパワーの強化に向けた一体的な取組
 2.日本の伝統や文化に根ざした魅力あるコンテンツ・製品なとの発掘・創造
 3.日本ブラントのグローバルな発信
 4.戦略的な海外展開の推進
 5.国内外から人を日本に呼ひ込むインバウントの推進
 6.模倣品・海賊版対策の強化
 7.コンテンツ人財の育成

2014年11月24日月曜日

ロックミュージシャンを音大が生めるかみたいないつものアレ

■ロックミュージシャンを音大が生めるかみたいないつものアレ

 崇敬する世界的アーティストK氏が大学教授に転じました。アーティストとして食えず若くして学に職を求めるのは負け組ですが、アーティストとして実績を残し、後進の教育に当たるのは勝ち組です。めでたいことです。


 K氏はデジタル・メディアアートの映像・音楽制作が専門で、チョ~先進的な生産・表現活動を続けてきました。でも、体系的な教育を受けたことがないと言い、「その私が人を教えるのは、どうにも迷う。」とのたまう。独学・独創で来たからK氏の今があり、だからこその躊躇です。


 変化し進化する先進分野と、できあがった伝統分野とでは体系に強弱があります。いや、体系がないのを前者とするということかもしれません。

 メディア芸術にしろ総合政策にしろ、前者に属する分野の学部名は長くなりがちで、後者のように、法、文、工、理、医と一文字で表せる格は得ていません。体系的に教えること、学ぶことにも違いがあります。
 


 だからどうだというのだ。
 世界的なロックミュージシャンがコンセルヴァトアールやバークレーを出たなんて話は聞いたことがないし(だから「ピアノの森」は痛快だ)、世界的なマンガ家がロンドン芸大や東京芸大を修めたという例も寡聞です(手塚治虫が医学博士号を修めたという例はある)。


 こういう分野では、「育てる」という行為が成り立つのか。「学ぶ」という努力が成り立つのか。いや、何度もすみません、まだわかんなくて。


 

 90年代初め、日本にコンテンツ政策を立ち上げるに当たり、マンガ・アニメなどのポップカルチャーを育成する高等教育機関が最大の問題とされ、その増強が政策課題とされました。ぼくもその政策に携わりました。
 

 以後、さまざまな努力が続けられ、そうした機関は増えてきました。京都精華大学のように、マンガの大学院も持ち、世界的な女性マンガ家が学長に就く事例もみられるようになりました。ぼくも今その手の新設大学院に身を置いています。文科省のマンガ・アニメ人材育成事業にも参加しています。
 

 いずれはロックもマンガも音大や芸大で基礎の修練を積んだ人たちだけがプロとして生きられる世界になるのかもしれません。
 いや、いつまでもロックもマンガもパンクな様式破壊を繰り返し、体系ができあがらないのかもしれません。今はまだ、体系を作る努力と、体系を崩す挑戦とがせめぎあう段階なのでしょう。

 

 だからどうだというのだ。おまえ自身は。おまえも教員だろう。
 

 そうなのです。ぼくは教員であると同時に、政策屋・プロジェクト屋ですが、どこかの教育機関に体系的に学んだことはありません。
 政策の企画立案は霞ヶ関の秘伝です。今でこそ官僚が大学に転身し、政策を論じていますが、ぼくらの時代にはOJTしかありませんでした。マンガと同じです。
 ぼくも実体験を通じた独自のメソッドを学生に伝えることになります。それが正当かどうか、自信がありません。そう、K氏と同じなのです。

 

 そんなことに迷っていてはいけない。体系なんぞお構いなしに、自分のコピーを大量生産すべく、自分のメソッドを押しつけるのが健康の秘訣だ。K氏にはそうアドバイスしましょう。K氏は世界に名を馳せた力量と実績があり、人格としても教員向きだから。
 

 でもぼくは、自分のコピーを生むことは世間に申し訳ないし、まして人格は言わずもがなですんで、お構いなしにパンクなプロジェクトに没頭するのでありました。
 いつも同じで、すみません。


※投稿後、ドリームシアターのメンバーはバークリー出身とジュリアード卒、という指摘をいただきました。そうか。例はあるんだ。恐縮です。

2014年11月20日木曜日

台北の子ども施設:科学教育館と京華城LIVING MALL


台北の子ども施設:科学教育館と京華城LIVING MALL

 Tokyo Crazy Kawaii Taipeiの合間に、台北の子ども施設を二つ訪れました。軽くメモします。

まず、科学教育館。
とても大きくて、日本にもNYCにもSFにもParisにもLondonにもない不思議なテイストの施設でした。


 インタラクティブなデジタルの教材はたくさんありました。  




タイムマシンに乗ってコンピュータの歴史を学ぼう。
この色使いは昔どこかで見た記憶があります。 



人体の仕組みを見せるデジタルとアナログの組み合わせ。
コミカルなんだけど、ちょっと日本の趣味とは違う。  



ウンコのイスと、デジタル。
ウンコは鉄板だよなぁ。
ウンコじゃなくてウンチと言いなさい。と叱る母親がいましたが、そのほうが上品なのですか。
関西では「ウンコさん」と呼びますが、それはどうですか。 




もう1つ、台北の京華城LIVING MALL、7F子どもフロア。
思いがけずハマってしまいました。
いいんです、ここ。
子ども施設づくりの参考になります。


カラフルなボールとすべり台とトンネルの空間。
大人でも楽しいです。
てゆーか、大人が遊んでもいいんですよね。



作ったり壊したり、乗り物に乗ったり、大人・子ども入り乱れて遊びます。





フワフワの球をプシュッと飛ばす大砲。
遊べます。





 竹芝CiPに向けて、子ども向け施設のプラニングを進めておりまして、あちこち見まわっております。今度またいい施設に出会ったらレポートしますね。

2014年11月17日月曜日

BPO10年、いや20年のあゆみ

■BPO10年、いや20年のあゆみ
 放送倫理・番組向上機構BPO。設立から10年になります。
 このたび編纂された「BPO10年のあゆみ」にぼくも寄稿しました。許しを得て転載します。


 20年前を思い出す。放送局が政権交代に荷担したとされる事件をきっかけに第三者機関論が盛り上がった。地デジへの移行が議論され始めたころだから、ソフトもハードも放送の根底が見直される時期だった。

 郵政省が第三者機関の設置を提案した96年当時、私は郵政省官房総務課の担当として、カルト宗教にテレビ局が取材ビデオを見せた事件の収拾に追われた。BPOの前身となるBRC設立直後にはポケモンショックの後始末に奔走した。内閣法制局と憲法論でやり合った。

 どうにかしろという政治プレッシャーと、政府は介入するなという民間との板挟みの中、怒ったふりをしつつ業界の自浄作用に委ねるという行政だった。そんな政府は日本だけだろう。フランスでスパイっぽいことをしていた頃も、アメリカで研究していた頃も、独立行政機関が放送局にずかずかと介入する姿を見て驚いたが、日本はかたくなに番組規律を放送局の自律に委ねている。

 それは、マズいことがあっても業界が何とか対処するという信頼と、多少マズい表現があっても国民に受容力があるという信頼との、二重のフィクションから成り立っている。独立行政機関を置く代わりに民間のBPO、という世界的な実験であり、それに成功しているのだ。政府や国会のご指導がなくても自律するというメカニズムが働いていることを、日本は胸を張ってよい。

 だから、BPOの責任は重い。90年代末、郵政省が総務省に移行する前、時の橋本政権が主張する放送の独立行政機関に省庁再編担当として私は、「んなこたあ民間の自浄自律でやって行ける」と真っ向から反論し、おかげで役所を辞めることになってしまったが、だから自浄自律でやってもらわねば困る。

 数年前の民主党政権でも、総務大臣が「言論の自由の砦」という構想を掲げ、私はそれはBPO強化以外に方法はないと主張し、議論の結果うやむやになってしまったが、だから自浄自律を強化してもらわねば困る。

 BPOは業界の任意団体である。法的な公共機関ではない。だから、もろい。ガバナンスを緩めると、あっという間に崩れる。フィクションが崩れれば、ひとたまりもない。ホテル業界の信頼感を食品偽装が一瞬で崩したように、戦後70年かけて築いてきた放送業界の信頼感だって盤石ではあるまい。

 だが、BPOに期待するのは、守りよりも、攻めだ。放送番組の規律は、どうにかこうにか、成り立っている。他方、インターネットのコンテンツは問題が噴出していて、規制論がくすぶっている。そして、放送と通信が融合し、放送番組と通信コンテンツとの連動が現実のものになっている。テレビ番組とウェブ情報がスマホ画面に同居している。

 放送以外の、スマホやネットの情報を、どう規律し、どう自由を保つのか。政府の腰が重いうちに、民間として対応策を用意する。そんな役割をBPOならば果たせるのではないだろうか。情報社会の先導役として機能されることを期待する。

2014年11月13日木曜日

Tokyo Crazy Kawaii Taipei


Tokyo Crazy Kawaii Taipei

  NIPPONのカワイイを世界各地でローカライズする Tokyo Crazy Kawaii ワールドツアー in Taiwan2014912()914()、台湾・台北の花博公園で開催しました。昨年開催した第一弾のパリに続き、第二弾として台湾で開催しました。

 今回もぼくが実行委員長を務めました。

 Tokyo Crazy Kawaii は、「ファッション」「音楽」「フード」「アニメ&ゲーム」「キャラクター(雑貨)」の 5ジャンルのコンテンツを一堂に介し、日本からの参加企業・個人とともにオールジャパンチームでリアルな日本カルチャーを発信するもの。「ビジネス マッチング」「イベント/SNS/WEB でのアプローチ」を軸として持続的に海外へリーチすることで、単なるイベントとして終わらせるのではなく、海外での日本カルチャーのローカライズ及び日本企 業・個人の海外進出をサポートする体制を整えたことが特徴です。


 なお、昨年のParis稲田現自民党政調会長がゴスロリっぽい格好をして物議をかもした模様はここに記してあります。

Tokyo Crazy Kawaii Paris第一回!


Tokyo Crazy Kawaii Paris、写真レポート


Tokyo Crazy Kawaii Paris、クールジャパン大臣がやってきたよ。




 さて、レポートします。


ファッション、音楽、フード、アニメ&ゲーム、雑貨の5ジャンルを海外発信し、新市場を作る。

こいつらKMD学生たちもゾロゾロ参加!




渋谷・原宿・秋葉原・築地・浅草・日本の6エリアを作ってプロデュースしました。

これは入口に陣取るKMDJasmine

11月に開催するアイドルイベント、Little TCKTのプロモ。




原宿ゾーンにはきゃりーぱみゅぱみゅ企画の「もしもしにっぽん」。

はい、ぼくが「ICHIYA'S POP EYE」コーナーを持ってる番組です。  




「もしもしにっぽん」、NHKワールドで海外発信、BSフジで国内発信、そしてネットで世界配信。よろしく!  





渋谷ゾーンではAVANCEがつけまとかアイラインとか。  







Okashi Mediaが日本のお菓子をプロモート。
左のパン社長はKMDの卒業生で、右のみかりんはうちの修士の学生です。
どちらも、よろしく。




 浅草ゾーンにあった、尼崎・岸本吉二商店の樽。

個人的に気に入って、購入しております。  





秋葉原ゾーン=アニメ・ゲーム。

SEGAはぷよぷよグッズを提供。






日本ゾーン。

チーバくん、人気。 












「知多娘。」も参加。

どうもありがとう。







ケミ芥見さんは、次のパリ・イベントにも出てくれるそうです。

ヨーロッパのほうが好まれるかもしれませんね。




DeNAはゲームとアニメのプロモーション。











ラーメン、からあげ、そば、すし、てんぷら。鉄板。  








まもなく、そうめんを流すところです。  








でんぱ組、moumoon、桃井はるこ・・ステージもたくさん。

これは去年ぼくも衣装を着せてもらったやまもとさんのファッションショー。

  
じゃ、またこんどね!   

2014年11月10日月曜日

東京は、負けないぞ

■東京は、負けないぞ
  コートダジュールからプロヴァンスを経てリヨンに行く電車。サンテミリオンと一人旅。実にヒマです。機嫌よく車窓をみやっていると、思います。この海の紺と光に東京は勝てないなぁ。もちろん世界の都市に東京が太刀打ちできないものはいくらでもあります。サンフランシスコの涼やかな夏。ブエノスアイレスやマラケシュの路傍のリズム。マドリードでみるフットボールの迫力。バンコクのムエタイ会場の場末感。
 でもね。昔ほど海外に憧れることは失せました。日本が、東京が成長し、多様性を保ったまま豊かになっているから。
 東京が世界の都市に負けないぞ、と思うことをランダムに挙げてみます。ヒマなので。

・ぼくのオフィスから100m圏内に、中国、韓国、インド、タイ、ベトナム、アメリカ、イギリス、フランス、イタリア、ドイツ、ベルギー、スペイン、ポルトガル、トルコ、ナイジェリア、トーゴのレストランがある。


・オフィスから100m圏内に、札幌の羊、仙台の牛たん、新潟のそば、富山の魚、京都のオムレツ、大阪の串かつ、高松のうどん、高知のかつお、宮崎の鶏、沖縄の豚がある。


・ミシュラン星付きレストランは、パリ64軒に比べ東京は266軒(京都大阪は243軒)。


・サイゼリヤならペペロンチーノとワインで400円しない。


・食堂の前に3Dリアル食べ物模型や写真が豊富でビジュアル完璧。


・コンビニでコピーができて公共料金が支払えて小包を送って洗濯物を出してトイレが借りられる。


・公衆トイレにウォシュレットがついている。


・ゴミが少なくてウンコくさくなくて、ツバをはく人も少ない。


・スマホ登場の8年前、今から15年前にはケータイでネットが使えた。


・LTEがあたりまえだ。


・どの通りにもある自販機が壊れておらず、ビールも日本酒も、カップ麺もおでんも、バナナも、パンツも買える。


・たまに電車が遅れると、あやまってくれる。


・タクシーにケータイを忘れてもドライバーが届けてくれる。


・家電量販店で商品のことを尋ねると、たちどころにA社とB社のスペックを解説してくれる。


・見知らぬ人に道を尋ねると、地図を描いてくれる。


・ほとんどの人がたて笛を吹くことができる。


・主婦が母国以外のいろんな料理を作ることができて、自分のレシピを持っていたりする。


・あまりクラクションの音がしない。けど自販機やエレベータが話しかけてくる。


・一方通行の道を運転していたら、向こうから逆走してきた相手がコッチを怒っている、ということがない。


・道を歩いていたら勝手に靴を磨かれて、「5ドル!」と請求されたりしない。


・コスプレアイテムである制服を女子高生がいつも着ているし、ナチスの軍服を着ていても殴られない。


・少年マンガ誌をおっさんが買っても恥ずかしくない。


・電車の中で、安心して口をあけて寝ている人がたくさんいる。


・酔っ払って路上で寝ていても身ぐるみはがされない。


・警官がこちらに銃口を向けていない。

ほかにもいろいろあるでしょう。 
思いついたら教えてもらえませんか?

2014年11月6日木曜日

デジタルえほんアワード2014

■デジタルえほんアワード2014
 

 デジタルえほんアワードは、スマートフォンやタブレット、サイネージや電子黒板など、テレビ・PC以外の新しい端末での子ども向けのデジタル表現すべてを 「デジタルえほん」とし、応募作品の中から優秀な作品を表彰するものです。 http://www.digitalehonaward.net/news/20140907.html

 われらがNPO「CANVAS」、われらが株式会社「デジタルえほん」の共催です。今回が3回め。過去2回の模様はここに記してあります。
 第一回
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2012/05/blog-post.html
 第二回
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2013/06/2013_13.html

 審査委員は以下のかたがた。
・いしかわ こうじ  絵本作家
・角川 歴彦  株式会社角川グループホールディングス取締役会長
・香山 リカ  精神科医・立教大学教授
・きむら ゆういち  絵本作家
・小林 登  東京大学名誉教授・国立小児病院名誉院長
・杉山 知之  デジタルハリウッド大学学長
・水口 哲也  クリエイター・プロデューサー
・茂木 健一郎  脳科学者、慶應義塾大学特任教授
 

今回、19か国から300作品に応募いただきました。ボローニャ国際児童書展のデジタル部門を上回る世界最大のデジタルえほん賞です。
 同時開催の「国際デジタルえほんフェア」には40か国200作品に応募いただき、これも世界最大のデジタルえほん展です。
 http://www.a-m-u.jp/event/2014/11/digital-ehon-fair-2014.html

 さて、受賞結果。
◯企画部門。審査員特別賞は佐藤ねじさん「路上絵本」。企画だけでなく、「来月には実装する」(佐藤さん)そうです。同じく準グランプリはayaさんの「いろさがしえほん」。彼女、KMDの学生です。でもぼくらは審査に全く関わっていない、ガチの受賞。ayaさんも「実装します」。実装せえよ。

◯作品部門。入賞は15作品。デジタルえほんとDNPが作った「ピーターパン」もいただきました。
 審査員特別賞は4点。PPPさんの「WA!SK」のほか、フィンランド、スペイン、ウクライナの作品。
 準グランプリはさんさんかん さんの「きりえほん」。モノクロの切り絵が深海をさんぽする作品。彼女は女子美術大学の学生。うれしいなぁ。
 グランプリはオランダのDeveloplayさん「Nott Won't Sleep」でした。

 審査員からコメントをいただきました。

◯きむらゆういちさん
 私は絵本を600冊描いているのだが、デジタルえほんはこれまでの絵本の枠を超えていると感じる。これまでの絵本は主人公がいて、その思いのもとに話が進んでいく。デジタルえほんは、読者一人ひとりが関わって完成するもの。全ての人が関わる面白さが広がっていくといい。

◯いしかわこうじさん
 「きりえほん」は切り絵が動く気持ちよさがあった。「気持ちいい」がデジタルえほんのポイントだろう。今年のボローニャ国際児童書展を訪れ、あれこれ見て回ったのだが、世界のかたがたから日本の作品を出したいという声を聞いた。デジタル技術も手伝って、世界の感覚が近づいている。日本のえほんが最早エスニックなものではなくなっている。デジタルえほんを世界に打ち出していきたい。

◯角川歴彦さん
 実に変化が激しい。技術も内容も向上している。タブレットのようなデジタルの発明に基いて、創造力が豊かになっている。さらに、作品をつくるみなさんが経済的にも幸せとなることが大事。そのための流通システムを作りたい。

◯香山リカさん
 精神科医として、創作物は心・脳・身体に存在するよいものを落としこむものだ、と思っていた。しかし、デジタルえほんに接して、自分もこのように知覚できるのか、とか、物語の芽をみつけて紡ぐことができるのか、と感じた。自分の中の思考・感情の広がりを感じさせてくれる。「創作」が心や身体を拡張していく。それは楽しみであり、どこまで広がりをもたらすのだろうと心配にもなるほどだ。生涯この審査員を務めたい。

 ありがとうございました。来年もよろしく。

2014年11月3日月曜日

デジタルマンガ キャンパス・マッチ2014

■デジタルマンガ キャンパス・マッチ2014

 マンガの未来を目指す学生の作品を募集、マンガ家やクリエイターが審査して、大手コミック雑誌の編集部が参加、才能を発掘してビジネスにつなげていく取組が始まりました。
 デジタルマンガ部門、イラスト・キャラクター部門、未来のマンガ部門を設け、年内に作品を募集。里中満智子さん、山田ゴロさん、犬木加奈子さん、倉田よしみさん、つだゆみさんが特別審査をしてくださいます。大学、専門学校など40の学校が参加します。講談社、集英社、小学館、KADOKAWA、秋田書店などの30ものコミック編集部が出口を用意してくれます。
 ぼくが実行委員長です。

 キックオフの集まりで、あいさつ申し上げました。
 

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 小さいころ、マンガ家になりたかった。でもどうしたらいいかわからなかった。石森章太郎先生や赤塚不二夫先生のマンガ教本を読む程度でした。学校があると知っていたら、それを目指したかもしれません。でも仮に、学校に入ったとして、どうすればプロフェッショナルになれるのか、今もよくわかりません。
 ぼくは30年前に就活に苦しんだクチです。そのころ既に、いろんな企業が就職説明会を開いていました。今、マンガ家になる説明会のようなものが整ってるんですかね。そういうきちんとしたパスが必要なんじゃないかと思います。

 むかしマンガばかり読んでいると不良になると言われました。でも今やクールジャパンとかで、マンガやアニメは国の宝だそうです。そうしたコンテンツ。コンテンツという言葉は、20年前に生まれました。当時、政府の委員会では、コンテンツを生む人材をどう育てるのか、そのための学校が日本には乏しいではないか、というのが重要課題として挙げられていました。
 20年経ちました。今日もたくさんのマンガ学校のかたがたがお越しです。ぼくも慶應義塾大学でメディアデザイン研究科というコンテンツ人材を育てる大学院づくりに参加しました。京都の精華大学のように、世界的なマンガ家が学長になるような例もあります。状況は変わった。ように見えます。でも、だからといってマンガ業界もコンテンツ産業も、活性化しているわけではありません。

 ぼくは政府・知財本部のコンテンツ政策をとりまとめる仕事をしています。政府が発行する知財計画に、コンテンツ人材の育成は毎年、重要課題として掲載されます。でも、今の問題は、そうやって育った人によって、マンガ業界やコンテンツ産業やそこに携わる人たちが豊かになる、その実績を上げること。
 このプロジェクトは、それを、デジタルに特化したかたちで、おカミに一切頼らずに民間の資金だけで実行するものです。そこに40の学校が集まり、30の編集部が賛同する。そうした場ができる、ということです。成果を上げましょう!
 
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 審査委員長の里中満智子先生が来場者に対しマイク越しに言いました。「人は育つ。育てる学校もある。だけど問題は、出口。夢と希望の持てる出口を用意できるかどうかです。デジタルで誰もがマンガを表現できるようになりました。その可能性を広げましょう。アンタ(ぼくのこと)も自分でやりなさい。」
 うっ、でっかいブーメランが返ってきた。
 はいはい。やりすごそうとしていたら、近づかれ、ヒソヒソ声で言われました。
「海外のマンガは、画家なの。日本のマンガは、脚本家なの。書きたい物語があれば、絵がヘタでも、その人でなければ描けない絵なら、胸を打つのよ。歳は、関係ありません。だからね、アンタも、作品を作りなさい。」 
 うっ、とてつもない説得力がある。
 どうしようどうしよう。何か作らないと、まずいかなコレは。