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2019年9月30日月曜日

ナイツ塙さんの「言い訳」

■ナイツ塙さんの「言い訳」
ナイツ塙宣之さん著「言い訳」。
副題:関東芸人はなぜM1で勝てないのか。

M1でウケなかったという塙さんが言い訳をする、という体の本だが、そうではない、あふれる漫才愛をこれでもかと語る、漫才ファンの必読書。
ありがたくも、おもしろい。

つい先日ABCのお笑い番組で、ナイツは吉本興業をいじり「テープ回してるんじゃねえか」のボケに、土屋さんが「もうそんなこと誰も言ってねえよ」とツッコんだ。
関東芸人からの、ネタとして終わったよね宣言をいただいたと思いました。
感謝しつつ読みました。

M1出場者たちを次々と評論していきます。
霜降り明星、和牛、ジャルジャル、ミキ、かまいたち、ゆにばーす、スーパーマラドーナ、ギャロップ、トム・ブラウン、マヂカルラブリー、カミナリ。
フットボールアワー、笑い飯、ブラックマヨネーズ、ノンスタイル、アンタッチャブル、サンドウィッチマン、チュートリアル、南海キャンディーズ、オードリー、中川家、スリムクラブ、U字工事、とろサーモン、キングコング、ますだおかだ、おぎやはぎ。
的確です。

ボケとツッコミ。関西と関東。4分、15分、30分ネタ。しゃべくりとコント。
なるほどという分析です。
M1優勝者で吉本所属じゃないのは3組(ますだおかだ、アンタッチャブル、サンドウィッチマン)。
でもそのアンタッチャブルとサンドウィッチマンは圧倒的でした。

M1第一期10回中の優勝者は、しゃべくり漫才が6回、コント漫才が4回で、フットボールアワー、アンタッチャブル、サンドウィッチマン、パンクブーブー。
コントでフット以外の3組が関東で、関東系で優勝したのはこの3組のみ。
つまり関東のしゃべくり漫才は勝ててないということ。なるほど。

そこでナイツが勝てなかったことを自己分析するのですが、ぼくはM1という短距離走とナイツの漫才は別ジャンルだと思います。
しかもナイツはテレビよりライブ。
野球や芸能などの決してオンエアできないマニアックなネタをボソボソやる。
のりお・よしお師匠に似ています。

昨年のM1決勝で塙さんが審査員を務めた。
アドリブのコメントで初めてM1でウケた、というのがエピローグ。
ぼくは会場で見ていました。今田耕司さんの瞬発力によるツッコミがあったから。
つまりあれも漫才だった。
審査員も、落語家やコント師と異なり、漫才師のコメントにはリアリティーがある。

M1は予選や準決勝も見ますが、決勝の現場は出場者も審査員もピリピリする戦場。
短距離走漫才という特殊ジャンルとはいえ、4000組を越えるアーティストたちの頂上決戦。
さらなる発展を祈ります。

2019年9月23日月曜日

青少年安心ネット対策は、超フィルタリング!?

■青少年安心ネット対策は、超フィルタリング!?


青少年安心安全ネット利用タスクフォース@総務省。
主査を務めます。
第7回、新対策のとりまとめ会合です。
10件の報告を受け議論しました。
すんなりまとまらず、主査一任をとりつけて調整・公表することになりました。

前回までの議論はコチラを参照。
「青少年ネット安全安心対策はいま」

内閣府の調査によると、青少年のネット利用は93%、ほぼ全員。
スマホ利用は63%。
9歳以下の低年齢層ではネット利用57%、スマホ33%。
高校生のスマホは99%が自分専用。小学生は専用36%で、親と共同が57%。
11~12歳にかけて25ポイント上昇し、専用と共用が逆転する。

低年齢層の保護者は98%が子どものネット利用を管理しています。
大人の目が届く範囲で使わせているのが93%。
使う時間や場所を指定しているのが58%。
一方、フィルタリングはわずか9%。

安心安全対策は進んでいます。
各通信会社のフィルタリングの名称(あんしんフィルター)がロゴを統一。
SNSが使える「高校生プラス」を提供。
カスタマイズ設定を簡単にする。
iOSやAndroidのOS機能を活用できるようにする。
対策が積み重なってきています。

フィルタリングを開発・提供するデジタルアーツ社は、フィルタリングの制限を緩和し、子どものスマホ利用状況を保護者が確認できる仕組みを導入しています。
学校などに講師を派遣するマルチメディア振興センターFMMCの「eネットキャラバン」は、5169名の講師が認定され、全国2万件、受講者数は34万人にのぼる実績を上げています。

フィルタリングは海賊版対策にも有効なので、普及の公的ニーズは高まっています。
そして関係者の涙ぐましい努力も続きます。
にもかかわらず、フィルタリングの普及は4割を切り、低下傾向にあります。
これが課題。

対策として、
・携帯電話事業者によるフィルタリング利用の実データの公表、販売代理店への指導
・OS事業者(Apple、Google)、MVNO、SNSプロバイダの取組推進
・周知啓発の推進、使いやすいサービスの普及、情報発信
などが挙げられ、全関係者の行動を後押ししています。
これに対する異存はありませんでした。


ここで安心ネットづくり促進協議会(安心協)から重大なデータが提示されました。
子どもがスマホを使う上で保護者が気にすることは「スマホ依存」が8割強なのに対し、フィルタリングの主目的である違法有害情報アクセスは3割強にとどまる、というのです。

スマホ利用リスクの保護者の認識はスマホ依存、学習・成績への影響、身体や健康への影響が突出した3トップ。「長時間利用」を問題としているわけです。
フィルタリングの普及が進まないのは、提供側の思いと、利用者の懸念とがズレているせいではないか。

フィルタリングは利用時間を制限・管理できる機能があるので、フィルタリングを促進することは利用者(親)のニーズに合致します。
だが不適切情報を遮断するフィルタリングがアプリやSNSを使えなくする=不便にする厄介者になっているために、提供・利用の双方が二の足を踏んでいるのではないか。

安心協は、フィルタリングが多様な役割を担うので、有害情報を遮断するフィルタリングという名称に変わる用語を考えるべき、と提案します。
「超フィルタリング」ですね!
健康のためにフィルタリング、頭がよくなるフィルタリング。
ポジティブ路線に切り替える必要があるのかもしれません。

青少年ネット安心対策は、ガラケー→スマホ移行から10年を経て、改めて「転換点を迎えた」(森弁護士)。
フィルタリング対策を推し進めつつ、転換点の新展開を考えたい。
引き続きよろしくお願いします。

2019年9月19日木曜日

アーティストIDを付番するアーティストコモンズ、離陸!

■アーティストIDを付番するアーティストコモンズ、離陸!
一般社団法人 アーティストコモンズ
が発足しました。
円滑なメディア・コンテンツサービス連携に向け、アーティストに固有のIDを付番します。
CiP協議会をベースに進めてきたプロジェクトが独立、法人化するものです。


「アーティストが第一。先が読めないネット時代はなおさら人をベースに。著作権は人格権。」(中井猛アーティストコモンズ会長)

「メディア環境変化の中、コンテンツも関わる人も変化しなければならない。だがこうした組織の運営は大変。みなさんの協力を。」(音事協 堀会長)

アーティストコモンズ(AC)は、
日本音楽事業者協会(音事協)、
日本音楽制作者連盟(音制連)、
コンサートプロモーターズ協会(ACPC)
などの音楽・エンタメ8団体・2企業が共同設立したものです。

スマホ中心のメディア環境でユーザはフィルターバブルと呼ばれる狭い世界に陥りがちで、アーティストが生み出す多様なコンテンツに出会う機会が少なくなっています。

ネット配信、チケット、ニュース、ランキング、放送などのサービス連携が十分でないこと、権利許諾が難しいことが一因だと考えられます。


そこでサービス連携を容易にしてアーティストの付加価値を高める情報基盤を構築するために、2014年10月から、共通のアーティストID「AC-ID」の付番と連携プログラム「AC-API」を音楽・エンタメ団体と学術研究機関が共同で開発・提供する研究・実証を重ねてきました。


アーティストID「AC-ID」はラジオのオンエア楽曲とライブチケットなどのサービス連携に加え、テレビの同時配信、キャッチアップサービスなどに伴う正確な使用状況の把握、ユーザの利便性の向上などさまざまな応用が考えられます。

音楽アーティストから先行してすでに付番を開始していますが、今後はタレント、俳優、スポーツ選手、文化人などに対象を広げていきます。


アーティスト名から音楽や映像に飛ぶ。
ライブやチケット、SNSやグッズへも容易にアクセス。
事業者にとっては動画配信での出演者、楽曲の利用状況の把握が簡単に。
ライブ、サブスク、チケット、ニュース、チャート、SNS、放送・動画配信などさまざまなサービスが容易に連携する基盤を提供します。

これまでもradiko、チケットぴあ、イープラス、ローチケなどと、オンエア楽曲から直接プレイガイド各社へのサイトへリンク、チケット購入も可能とするよう試験を行ってきました。

いよいよ実装・サービス化するため、法人化することになりました。
 
正社員は音事協・音制連・ACPCの3団体。
準社員に
日本レコード協会(RIAJ)
日本音楽出版社協会(MPA)
日本芸能家実演家団体協議会・実演家著作隣接権センター(CPRA)
著作権情報集中処理機構(CDC)
日本音楽著作権協会(JASRAC)
レコチョク
NexTone。
音楽・実演系のかつてない勢揃い。

会長はスペースシャワー中井猛さん、理事長に関大・三浦文夫教授。
ぼくは顧問を務めます。
総会には音楽・コンテンツ業界を代表するみなさんにお集まりいただきました。
総務省・経産省の幹部にも。
CiPはこうしたプロジェクトを起こし、育て、社会実装する。
これからも続けます!

2019年9月16日月曜日

知財本部委員会、座長お役御免。

■知財本部委員会、座長お役御免。


このたび知財本部の「検証・評価・企画委員会」が廃止、「構想委員会」に移行することとなりました。
引き続き委員を務めますが、座長をおります。
座長を務めて10年が過ぎ、お役御免です。

10年前「技術力と並んで日本が強みを持つ文化力(表現力)は「クールジャパン」として世界から評価されているが、産業面でその潜在力を発揮しておらず、ソフトパワーを生かし切れていない。技術力(ものづくり力)と文化力(表現力)の総合力を活かす知財戦略を構成する。」なんて書いてます。

それまでの国内重視・産業振興を、海外重視・インフラ整備に転換することが主眼でした。

1.クールジャパン対策(海外展開)と2.デジタルネット対応(基盤整備)が2大柱となりました。

それは同時に、デジタル化からスマート化へとコンテンツ政策の軸を移す戦略でもありました。
PC+ネット+コンテンツから、スマホ+クラウド+ソーシャルメディア(プラットフォーム)へ。
ぼくの10年の前半はその政策に注力しました。

2013年にはその後10年の戦略として「知財政策ビジョン」を決定しました。
同年、角川歴彦KADOKAWA会長が勧めてくださり、コンテンツ政策やソフトパワー論について知財本部で議論していることを中心にまとめた「コンテンツと国家戦略」を上梓しました。


1. クールジャパン政策は推進会議が設けられ、対外戦術を練ることになりました。
ぼくは「ポップカルチャー分科会」の議長も務めました。
提言には「みんなが『参加』して情報を発信。政府主導ではなくて、みんな。」と書き込みました。政府の会議で政府主導を否定するものでした。

2013年にクールジャパン機構が設置され、助成金J-LOPなどの措置もあり、資金面での政策ツールが充実。
海外市場はこの5年で26%拡大、映像コンテンツは5年で500事業者が新規に海外展開に取り組み、政府が支援した法人の海外売上は2000億円近く増加しています。

2011年からの5年間で、アニメは2.9倍、ゲームは3.6倍。
映画は額は小さいが2.8倍。テレビなどの放送は4.4倍。
海外の売上が伸びました。
これは大変な変化であり、政策の成果があったと評価してよいでしょう。


2. ネット対応は成功していません。
日本全体がIT対応でアメリカに敗北しました。コンテンツも同様です。
ネットワーク配信はマンガ40%、アニメ15%、音楽8%、動画4%と分野により差が大きい状況です。
そして海賊版事業者や海外のネット巨人が脅威となっています。 

マンガはネット海賊版が頭の痛い状況。
アニメはネットフリックスなどが世界の市場を押さえようとしています。
ゲームもグーグルが5Gでのクラウド化を進めていて、構造変化が起きる可能性があります。
音楽は日本はCDが70%ですが、世界は既にサブスクリプションが50%近くで、構造が全く違います。

ただその間、ネット時代に対応するための著作権法の改正、デジタル教科書の制度化など、知財計画を踏まえて制度化に至ったものも多く、制度面での基盤整備は成果を上げました。



10年の後半、2015年からは、ネットやスマホの次のステージが重要テーマに。
流通は5Gとクラウドに移り、デバイス・視聴はIoTやVRなど多様な環境に。
そしてコンテンツビジネスは、AI+データ主導による広告・販売戦略が主流となる。
AI+データが中心テーマになりました。

2016年に次世代知財システム検討委員会、2017年には新情報財委員会が置かれ、それらの座長も務めました。
AI、3Dプリンティング、データベース。
そして、議論はAI知財の議論からデータに関する議論に移りました。 
世界をリードする議論だったと自負します。

しかし世界は実態が先行、GAFAやBATという巨大企業と、アメリカ、EU、中国ら強国が主導権を巡りせめぎあい。
日本はG20を本問題の調整場に据えるなど努力していますが、存在感は薄い。

政策面では官民データ活用推進基本法に基づくデータ活用とオープンデータ推進。
そして、PDS(パーソナルデータストア)、情報銀行、データ取引市場の整備。
これらアジェンダはIT本部が中心に推進しているもので、知財本部がサブ的な役割です。
知財政策とIT政策の連携です。


2018年は海賊版対策が注目を集めました。
これも知財とITの融合領域。
4月、ブロッキングに対する政府方針を巡り議論が高まり、対策会議を設置、ぼくが共同座長を務めたものの、審議は紛糾。
10月15日、ブロッキング法制化はまとまらず、対策会議は無期限延期になりました。

海賊版は知財戦略(著作権)とIT戦略(通信の秘密)、いずれも憲法が保障する権利の衝突で、それらの間の調整が重要課題。
それは知財本部、総務省、文化庁など複数の官庁をまたぐ問題でもありました。
同様に、知財・コンテンツとIT・テクノロジーを巡る政策案件は増大すると予測されます。


2019年は13年版に続く第2回目の知財戦略ビジョンを策定しました。
前回はデジタルからスマートへの移行をにらんだものでしたが、今回はSociety5.0、AIとIoTを主眼に据えています。SDGs:少子高齢化、環境エネルギー等の社会問題も背景としています。
担当10年を経て、また次のステージへの進展です。



ぼくが和服になったのも、知財本部が原因です。
「クールジャパン」の議題で、コンテンツにファッション、食、観光など他ジャンルを組み合わせようという議論に。
「だけどみんな洋服じゃね?」
て言ってしまったのです。
複数の委員から「じゃアンタ和服で仕切れ」と仕切られまして。
以来10年。

しばし一委員として和服で参加します。
なお、今後、知財会合は「チャタムハウスルール」でいくとの整理が示されました。
これは会議中の発言者を特定する情報は伏せる規則。
なので、ぼくが発言者名を引いて書いていた記事は今後はできなくなるかもしれません。
となると、ぼくの知財本部メモシリーズ、おしまいです。
閉店ガラガラ
(でもこのルール適用は再検討中だそうで、今後の取扱いにご注目ください。)

2019年9月12日木曜日

MITメディアラボというビジネスモデル

■MITメディアラボというビジネスモデル
伊藤穰一JoiさんがMITメディアラボの所長を辞任しました。ブラックな筋から資金をラボが受けたことが原因とされます。
世界のトップ機関の長を張る日本の星であり、ぼくらITやビジネス界の誇りであるだけに残念です。

ぼくは事案について詳しくは存じ上げません。
20年ほど前に客員教授をしていましたが、その後コミュニティから離れているため、本件を巡る現場の空気も吸っていません。
ただ、この騒動は、MITメディアラボがいかなる怪物的な存在かを、改めて思い起こさせました。

Joiさんに期待されていたのは集金です。ぼくが最も尊敬する人物の一人、わが師匠、メディアラボ設立者ニコラス・ネグロポンテさんの後の所長が長く続かなかったのは、その機能が弱まったからと見ています。

メディアラボはMITから半ば独立する形で世界中から資金を集めて設立されました。当時、調子のよかった日本が1/3の資金を拠出しました。ネグロポンテ師匠の集金力です。
集めた資金はラボにドンブリで入り、各教授に配分されます。その仕組みがラボの支柱です。

年2回開かれるスポンサー会議では、世界中の出資者がラボの成果を厳しく叩き、教授たちは競争にさらされ、プレッシャーを受け続けます。評判が低いと、クビです。
ただ、スポンサーの多くは知財などの直接の研究成果を求めるというより、ラボのスポンサーであるというブランド・コミュニティに魅力を感じていました。

ぼくは2003年、メディアラボの研究内容やビジネスモデルを記録した「デジタルのおもちゃ箱」を上梓しました。

「序 ユビキタスを超えて」にその概略を記しています。

「1章 顔と顔」にラボの研究内容を、

「4章 研究とビジネス」にラボのビジネスモデルを描きました。

今も構造はさほど変わっていないはずです。


この組織のトップに、学位を持たない初の外国人、それも日本人を据えました(その後Joiさんは慶應義塾大学から政策・メディア博士の学位を授与され、ぼくの後輩となりました)。
そのニュースには、さすがパンクなネグロポンテ師匠、さすがメディアラボ、拍手を贈りました。

同時にぼくは、この西海岸とは異なる東海岸のエリート臭ぷんぷんとエスタブリッシュ色りんりんのアウェイ地には、10人ほど身内を引き連れて乗り込まないと即死だぜ、と感じていました。
(メディアラボは多国籍と言いつつ、ぼくがいた頃は半分ぐらいユダヤ人でした。いや、みなさん国籍は違うんですけどね。)

でもJoiさんは単身乗り込み成果を上げました。沈んでいたメディアラボの発信力も高まったと見受けます。ITやスマートの時代に本場は西海岸に移り、AIやIoTの時代が来るに及んで、改めて存在感を増しているように見えます。

そこには、それだけのリスクが潜んでいました。

受け取ってはいけない相手から資金を受け取っていた、とされます。

これに対しネグロポンテ師は騒動さなかの9月4日、メディアラボ会議で「時計を巻き戻せたとしてもなお、私は『受け取れ』と言うでしょう」と発言したそうです。

そして、メディアラボがいかにして「授業料を徴収せず、人々に給料を全額支払い、研究者が知的財産を保持できる場所」となったかを語ったそうです。

記事を拝読する限りでは、ネグロポンテ師らしいと感じました。

ぼくがラボに所属していた時も、教授会で、大手タバコ会社からの研究資金を受け入れるかどうかで悶着がありました。当時のネグロポンテ所長は断固「受け入れろ」でした。政府の軍事予算も当然受け入れる。

逆にアカデミズムとして受け入れない線をどこで引くのか。引けるのか。引いてよいのか。
ショッカーからの受け入れも辞さない、そんな姿勢でした。
この点がMITの鬼っ子メディアラボの凄みであり、今回の騒動を引き起こした遠因でもありましょう。

(騒動の肝はその後、資金を受け取っていたことよりも、それを隠していたことに移ったとされ、ネグロポンテ師が現在どうお考えかは存じません。報道される彼の発言は、隠蔽を報じたThe New Yorker記事の前のものです。

35年まばゆい光を放ってきたメディアラボはここで傷を負い、その威信を取り戻すのは難問と見受けます。
MITやメディアラボにとどまらず、学術機関のあり方にも議論が及ぶことでしょう。
元となったスキャンダル自体、まだどこまで政治的な闇に連なっていくのかも予測できません。
ラボのかつての同僚たちに、早く笑顔を取り戻してもらいたいものです。





他方、ぼくは、そのメディアラボの産学連携ビジネスモデルは世界的な発明品と考え、日本でも展開できないものか、以来20年格闘してきました。

今も慶應義塾大学の大学院で仕組み作りを模索しています。まだできていません。
日本ではアメリカ型の寄付金による大学運営は難しく、(政府など公的資金に頼るほかは)企業との共同研究を広げるのが現実的です。
そのためには、まずメディアラボのようなプロのビジネス集団を編成する必要があります。

当時メディアラボは、教員30名に対し営業・法務・広報などスタッフは60名でした。(今もそんなものかな?)
それだけのプロがいてできるモデルです。
日本のように教員が研究・教育や校務、営業まで引き受けるスタイルでは太刀打ちできません。

ぼくが開学準備中のiUは、そのモデルへの再チャレンジです。
産学連携を進めるモデルをゼロベースで作りたい。教員は8割が産業界出身で、スタッフの層を厚くし、連携する企業のかたがたとともに研究・教育内容を作り上げていく。
そのような設計をしています。

しかし今後、「メディアラボのような大学を作りたい」は、いびつなイメージを抱かせかねません。異なるモデルを自ら提示する必要があります。

同時に今回、日本の大学も、反社チェックや倫理コンプラのコストが上場企業以上に求められることになりました。(iUは吉本興業の反社チェック力に頼ろうと思います。)

今回の件を自分ごとととらえ、対応を考えます。

2019年9月9日月曜日

札幌でもワークショップコレクション!

■札幌でもワークショップコレクション!
「みんわらウィーク」@札幌。
おつかれさまでした。

みんわらウィークでは、ワークショップコレクションも開催。
ワーコレの全国展開を進める橋頭堡です。


ジャルジャルさん+まりんんさんのワークショップ。
ぜいたく!

超人スポーツから「スケルトニクス」参戦!
札幌にようこそ。

SDGsも大事なポイント。
次長課長・河本準一、アキナ、パンサー、EXIT、ハイキングウォーキング、ゆりやんレトリィバァ、すっちー・酒井藍、NMB48らがSDGsを唱えて2km練り歩きました。



47都道府県住みます芸人によるソーシャルアクションも大切な出しもの。
芸人プロデュースによる深海魚のふりかけ「駿河湾のキセキ」500円。
コレおいしいんです。
(あ、このひと芸人さんじゃなくて、ぼくと仲のいいよしもと社員です。)





「みんわらウィーク」だけでなく、
JRCANVASの「遊びと学びの研究所・こども科学展」も開催しました。

札幌駅にて。
ワークショップの全国展開、広げています!
札幌駅の1Fコンコースにしつらえた会場では、ワークショップを開催。
「ものづくりを通して、みんなの身の回りにあるテクノロジーのひみつをまなぼう!」
夏休みの親子連れにたくさんお越しいただきました。
ありがとう!

おなじみ、コマ撮りアニメ。
タブレットで。
背景とアイテムをえらんで、
ぱらぱらまんがをつくるようにアニメーションをつくってみよう!

デジタルえほんアワードの作品も持ち込んだよ!


先日、中央大学でイベントを開催したプログラミングロボット「ozobot」、
ここでもやってます!

新宿の吉本興業本社でのワークショップコレクションでも人気だったストローを使った工作・造形。
アナログリアルの手触り感は、これからも強いです。

ねじで組合せていく工作・造形。
この魅力をデジタルが超えるのは、いつか。



ついでに札幌青少年科学館に寄ってきました。
テレビ番組を作ろうコーナー。
サンフランシスコのクリエイティビティミュージアムにもあるやつですねー。

自分の温度をみる。
サンフランシスコのエキスポラトリアムにあるやつですねー。

PCコーナー。
サンノゼのTechミュージアムにもあるやつですねー。

ロボットを体験しよう。
立ち上がる、歩く、見る、考える。
それってどういうことなのか。
ロボットと一緒に考えます。

野球が禁止されていた中学で、野球やりたいヤツが集まって化学部を結成し、野球ばかりしていた。
でも化学の学習も強いられたためぼくは元素記号を覚えた。
水素ヘリウムリチウムベリリウムホウ素炭素窒素と、最後までベタで覚えた。
水兵リーベ云々という覚え方を後で知って、衝撃を受けた。

水素ヘリウムリチウムベリリウムホウ素炭素窒素というベタで覚えた元素表を、高校に入るや化学の試験では直前に必死で机に書いて、それを見つつ試験に臨んだ。
化学は得意だった。
あれはカンニングに該当するのだろうか。

水素ヘリウムリチウムベリリウムホウ素炭素窒素というベタで覚えた元素表、札幌にて暗唱すると、80番の水銀ぐらいまで言えたぞ。

ああ、何の役にも立たない!

じゃ、また来るね。

2019年9月5日木曜日

民放連ネットデジタル戦略2019

■民放連ネットデジタル戦略2019

民放連ネットデジタル研究会。座長を務めます。
本年度も報告がまとまり、巻頭言をしたためました。

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昨年の巻頭言は、「生臭い政治の風が吹いている」と書き出した。放送の規制や電波制度を見直す政権の方針に疑問を呈するものだった。議論はその後正常化し、落ち着いたところで、NHKの常時同時ネット配信に道を開く放送法改正が成立した。新しい幕が開く。

NHKに対する懸念の声も聞く一方、BBCの同時配信は2008年開始という点からみれば、海外のデジタル・ネット対応は12年ほど厚い経験を持つ。その間、国内では通信・放送融合の法体系が用意され、地デジの整備も完成したが、デジタル・ネットは通信が主導してきた。

スマホファーストが如実となる一方、GoogleやAppleのスマートテレビに次いで、NetflixやAmazonが映像配信を本格化している。幕が開いたとたん、次の風が吹き込む。内山隆委員のレポートがそのあたりの状況と、広告・VoDビジネスについて掘り下げている。

どうする。そこで本プロジェクトのメンバーでイギリスを調査してきた。われわれが見たものは、BBCと民放が協働して、アメリカに対抗する姿だった。共通プラットフォームBritBoxを作るとともに、視聴者のデータを放送局が使えるようコミュニティを形成する。

さらに、BBC・民放ともに電波やケーブルの配信=ハードを外部委託しており、受託するRed Bee Mediaが全ての放送局のコンテンツをIPベース、つまり通信のクラウド環境でソフトウェア管理するシステムを実装しているのには驚いた。

クラウドにコンテンツを乗せ、電波、ケーブル、あらゆるネットワークで、テレビ、スマホ、PC、あらゆるデバイスに送る。これが通信・放送融合の未来像だろう。BBCがあと17年で地上波を返上するという噂も流れていた。

菊池尚人座長代理が書くように、放送局が免許を持ちながらハードを(しかも外資に)委託するという「イギリス的な法の運用」は、次に民間が政府に投げ込むインハイの球ではなかろうか。これも菊池さんが書くように、イギリスの放送関係者がみな楽観的で自信に満ちていたのは、こうした対応の裏付けがあるからであろう。

放送法改正に関し国会に参考人として呼ばれた私は、これらを踏まえ問題提起を試みた。
日本もイギリスのようにNHKと民放が連携した基盤整備の戦略を持てないか。テレビ版radikoのような同時配信プラットフォームを作る。IP クラウド対応やデータ利用促進を進めるための連携基盤を構築する。

放送局の共同プラットフォームを形成して、プロモーションを高める。IPのクラウドベースを用意して、多様な伝送路で多様なデバイスに展開するとともに、コストを格段に下げる。視聴履歴のビッグデータをAIも回して視聴行動を導く。この基盤を作れないものか。

さらに、ネット配信を促進するための課題として、著作権処理の円滑化が挙げられる。放送と通信では著作権の位置づけが異なるため権利処理が複雑となる。これを改善するには制度改正も必要になる可能性もあるが、まずは民間の努力が重要。これも前進できないか。

その答えをこのレポートに描いたわけではない。が、各局の対応はみな未来志向である。
ネット同時配信(フジテレビジョン、日本テレビ放送網、テレビ東京)、スマホファースト(TBSラジオ、エフエム東京、東京メトロポリタンテレビジョン、毎日放送)、VR配信(北海道テレビ放送、テレビ朝日、RKB毎日放送)。現場は挑戦を続けている。

先ごろ幕張で開催された展示会Connected Media Tokyo 2019でも、スマホからテレビに視聴を誘導するスマホファーストの仕組み、個人の視聴データをコントロールするシステムなどが展示されていた。私が国会で問題提起などしなくても、現場は動いている、と恥じ入った次第だ。

昨年の巻頭言は、融合2.0へ突入するいま必要なのは「その先を描くビジョンを自ら示すこと」と閉めた。だが、既に新しい幕が開いたいま、もはや必要なのはビジョンではなく、改めてこれら現場による一つ一つのアクションかもしれない、と思い直している。
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参考:直近3年の巻頭言。

2018「民放ネットデジタル会議 2017」

2017「2020Tokyoに向け民放は」

2016「スマートテレビから5年、民放はいま」

2019年9月2日月曜日

大阪でワークショップコレクションやで!

■大阪でワークショップコレクションやで!

ワークショップコレクションin福島区。
意外にも大阪でワーコレ初開催@福嶋区民センター。
CANVAS吉本興業福嶋区役所で実現しました。
福島区の大谷区長は元・吉本興業の社員でしてね!

光るサプライズカードをつくろう。
ハンダづけしなくても電子回路が書けるペンAglCとLEDをつないで、光るカードをつくる。
上海からの視察団が、これビジネスにならないかとガッツリ見学していました。
ワーコレのアジア展開、進めたく存じます。

コマドリアニメをつくろう。
鉄板のアニメづくり。
iPadアプリkamakomaで以前よりうんとラクに作れるようになりました。
でも、何のマニュアルも説明も指導もないのに、初めて触る子どもたちがこともなげにどんどんアニメを作っていく姿にビックリしました。
これもプログラミングです。


お絵かきロボットをつくろう。
コップとペン、消しゴムとモーター。
自分だけのロボットが動き回ってお絵かきをする。
工作+アートの実に優れたワークショップで、これも鉄板です。

ozobotの走る街をつくろう。
紙とペンで命令できる小さなロボットozobot。
先日ぼくも中央大学でのイベントに参加したデバイス。
プログラミング入門に効果的です。
iUでも導入したく相談中。

新喜劇ワークショップ。
ボケて、ツッコんで、コケろ!
諸見里さんの滑舌をイジれ!
本場、大阪ならではのお笑いワークショップ。
うらやましい!
全国、そして世界に広げたい!

よしもと芸人による工作ワークショップ。
キャプテンザコによるバルーンアート。
ワーコレに欠かせない出し物になりました。

よしもとタレントによるオリジナルワークショップ。
もりやすバンバンビガロの誰でも簡単トランプマジック。

忍者と侍に学ぶ時代劇体験。
あるばとろすによるチャンバラと手裏剣投げ。
紙切りワークショップや折り紙ワークショップも開催されました。
吉本芸人、さすが多才。

デジタルえほんで広がるせかい展。
世界中から集めたデジタルえほんの秀作。
大阪の子も、さわって、あそんで、学んで!

超人スポーツからは「スケルトニクス」が参戦。
キミも 超人に なろう

超人スポーツから「シシーフォックス」も参戦。
大玉をころがしてレースします。
けっこう疲れるんです、コレ。
前回、大阪万博記念公園で開いた超人スポーツEXPOにも参加してました。

その万博記念公園では、炎天下、よしもととFM COCOROの音楽+映像フェス「summer of love」が開催されていました。
ウッドストック50周年イベント。
音楽・映像フェス、超人スポーツEXPO、ワークショップコレクション。
11月にはたむらけんじ+月亭方正が野外イベント「大阪パフェ」を開催するとか。

大阪城公園の「クールジャパンパーク」では、
土屋敏男さんプロデュース、川田十夢さん、カヤック柳澤さん 
with 吉本興業の「NO BORDER」を公演中。
自分のキャラが舞台に登場して繰り広げる全く新種のエンタメです。

客席にいたTT兄弟チョコレートプラネットさんと共演しました。
2025年万博に向け、大阪が躍動し始めました。
新しい+おもしろいエンタメを作り続けよう!


ボクがひとりで踊る版。

ボクがミキと踊る版。
https://twitter.com/ichiyanakamura/status/1162884313207021568