■YouGo3.0 日本版FCCを考えるシンポ
11月19日、慶應義塾大学三田キャンパスで、日本版FCCを考えるシンポが開催されました。
登壇者は、ぼく、國領さん、岸さん、池田信夫さん、佐々木俊尚さん。司会は金さん。
ぼくは反対急先鋒なのでちょいと口数が多かったかもしれません。
いつもの繰り返しですけど、話した中味をメモっておきます。
・会場の意見を聞くと、どっちでもいいという意見が多い。そのとおり、このテーマは「どうでもいい」問題。急ぎ案件ではない。
・民主党政権が行うべきは3つ。融合と緩和とソフトパワー。だから、情報通信法の策定、電波の開放、コンテンツ流通促進を説いた政権indexはすばらしい。これを先にどんどんやってほしい。
・しかしその中に日本版FCCも書かれている。そんなの作ったら3つの政策は達成できない。独立させたら政権の言うことを聞かなくていいのだから。根本的な矛盾。
・この問題に関心があるのは、この問題で役人を辞めたから。12年前の橋本行革で通信放送独立委員会構想を政権が提示。郵政省で担当していたぼくは独立させたら危ないと考えて反対。結果、通信放送行政は政権の真ん中に置くという真逆の結論となり現総務省に落ち着いた。でも小役人が政権にたてついた責任もありぼくは辞職。以来こだわっている。
・今回、日本版FCC、原口大臣版FCC、ACCJのいう日本版Ofcomなど案が錯綜。その目的も、中立確保、透明性、利用行政シフト、事後規制、放送規制強化などバラバラ。
・懸念は3つ。官僚主導、規制強化、二重行政。
・官僚主導。独立とは官僚が好きにできるということ。危険。そしてなぜ通信だけそうするのか。いっそ道路も福祉も教育も独立させたらどうか。
・規制強化。FCCも仏CSAも英Ofcomも放送にきつい規制。規制専門組織を作ったら一生懸命規制するに決まってる。
・二重行政。振興と規制に分離すると、420人vs278人の組織。25年間の規制緩和で振興のほうが大きい。インフラ整備も青少年ネット安全も組織が分断されると、通信会社もユーザ団体も板挟みになって迷惑。
・FCC論者は、この懸念を払拭するとともに、それを上回るメリットを立証しなければ無責任。分離したらこの行政がこのように良くなるという事例を一つでもいいから教えてもらいたい。抽象論ばかりで誰からも具体論を聞いたことがない。
・そのせいか原口大臣も放送規制監視+許認可権ナシと言い換えている。これなら害は小さい。ただし過去25年の放送行政指導は35件、年平均1-2件だから、放送規制監視はあまり出番がない。
・Ofcomに至っては、イギリスの通信産業は失敗しているし、与野党ともデメリットを認めている。それを日本に輸入する理由を主張者は明らかにすべき。
・規制振興を分離すると行政が透明になるという主張があるが、理由不明。透明にしろというのは政治圧力で仕組みを作らなければムリ。独立したら不透明になる。人事院や日銀はどれほど透明なのか。上場企業は株主や証券会社や監査役の圧力で経営が透明だが、非上場子会社を作ったらそこは不透明になる。
・規制振興を全官庁で分離するというなら主張としてはまだわかる。文化庁の著作権行政と芸術振興、経産省の電力エネルギーと産業振興、厚労省の人材派遣規制と職業訓練支援とを分けて、つまり霞ヶ関の役所を倍増する、と主張すべき。
・それより会計検査院の権限強化を求めるのがよい。昨年の検査報告では2364億円の税金無駄遣いを指摘していて、それに実効性を持たせる方が事業仕分けのパフォーマンスより重要だ。フランスではENAの上位卒業生が会計検査院に進む理由を考えよう。
・あるいは総務庁の行政監査を独立させ、全ての官庁の仕事をチェックし勧告する権限を強化すればよい。原口大臣版FCCはそこに含まれる。
・あるいは電波オークションを導入して周波数割り当ての透明化を図るほうが組織独立より効果的。
・メディアの行政組織に問題があるとすると、分離論よりも、タテ割り。かつて郵政省の通産担当がぼくだったころ、通産省の郵政担当が岸さん。戦争の最前線。もめごとがあると殴り合うフリをしつつ二人で飲んでいた。そういう芸当は今の霞ヶ関にはみられない。
・知財本部、IT本部、文化庁、経産省のIT部門、総務省の通信放送部門を合体して「文化省」を作ろう。
・そして、やるなら、もう一度大幅な省庁再編を。地方省、教育労働省、農商務省、福祉省、環境資源省。それでコスト削減すればいい。
・いずれにしろ組織論は、融合と緩和とソフトパワー、この3つの仕事をしてからでいい。政策の優先順位を考えよう。



















