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2012年6月29日金曜日

パリ、サイネージめぐり


■パリ、サイネージめぐり
ポスターの町、紙文化のパリも、サイネージが増えてきました。
サイネージはパリを変えるのか。パリはパリのままでいてほしいのですが、さあ、どう受け止めましょう。写真メモです。

メトロもサムソンが普及。 
YouTube映像を流しています。
効果不明。 






これもメトロ、大型ディスプレイ。
イギリス観光案内。 





モネが描いたサンラザール駅。
イタリア国鉄のホームサイネージに似たデザインです。
コンテンツは実用的なもの。






ユニクロ旗艦店もしつらえが派手に。 






プランタンのディスプレイLED
がんばった、感じです。 





改装後のオルセー美術館。
密やかに、タッチパネルがありました。





去年はなかった、ノートルダム寺院の「お静かに」サイネージ。
たくさん置いてあったけど、大きすぎます。




空港サイネージもかなり増えました。 






空港、サムソンやLDだけじゃない、SHARPタテ6面ディスプレイ。





ベルサイユ宮殿にもサイネージ登場。






ところで、ベルサイユ宮殿の便所、手を洗った後ガ〜ッてやるやつ、dyson製でしたた。

2012年6月27日水曜日

コンプガチャ通達、要するに反対。

コンプガチャ通達、要するに反対。
 我が人生において、消費者庁という役所と接点ができるとは思いもしとらなんだ、です。
 でもどうやら関わらざるを得ない事態。
 コンプガチャのことですわ。
 消費者庁が71日からコンプガチャを禁止する、ついてはパブコメを求むときた。ぼくは個人として初めてパブコメに自分の意見を提出しました。
 消費者庁は、景品表示法第2条の「景品類」の定義に基づき、内閣総理大臣の告示でその種類を指定して、その提供を禁止する権限を有しています。今回は、その告示を解釈する「通達」を改正し、コンプガチャを含めることにより、コンプガチャを禁止しようとすることにしました。
 本来、通達というのは行政機関の内部指令であり、官庁がやろうと思えばいつでも出せる文書なんですが、世間が騒いだからか、パブコメにかけることになったようです。
 
 業界に問題はあります。自覚もあります。だから事前に水面下で消費者庁と話しつつ、自主規制で健全化を図ろうと動いていました。DeNAGREEのように裁判を起こすほど熾烈な競合関係にありながら、業界の危機に対応して、連携する動きを見せていました。しかし消費者庁は規制の導入に動きました。業界の中には一方的な抜き打ちという見方もあります。
 消費者庁と、経産省、総務省らのスタンスの違いも見えました。健全化への要請と、成長産業への期待との対立です。この問題に関心を持つ国会議員から消費者庁の行動への疑問も聞こえます。
 実はこの法律は、公正取引委員会が所管していたものが2009年に消費者庁に移管されたのですが、「独立」行政委員会から政府本体に入ってきたという点が重要でして、公取DNAが霞ヶ関ムラに入ったのに公取DNAのまま行動を取ったと映ります。
 政策論としては、成長産業を支援・育成するベクトルと、健全・安心を確保するベクトルとを調整することがポイントです。後者に関心が集まりすぎ、前者が無視されている状況なのですが、知財本部で「海外展開とネットワーク」の2本柱の成長戦略を担当する身としては、ソーシャル・コンテンツの国際競争力には大いに期待しているのです。何とか折り合いをつけてほしい。

 業界としては、コンプガチャ規制やむなし、ということのようです。もちろん、規制される前に、まずい点は修正し、対応すべきは速やかに対応すべきです。
 一方、そもそも景表法が禁止する「絵合わせ」は、子どもがハマりやい、本来の商品より景品が中心になってしまっている、という点が問題だが、コンプガチャのユーザは大人であり、景品は商品そのものではないかという正面からの批判もあります。これは業界からは正面切っていいにくい。
 「コンプガチャ規制は政策として誤っている」(田中辰男さん)
  http://ascii.jp/elem/000/000/701/701017/index-3.html

 これに対し、私が提出した意見は、そうした規制の内容が適切かどうか、「景品類」に当たるのかどうか、に関するものもありますが、その前に下記の2点を指摘しました。

1 恣意性について
 本件基準改正がパブコメに諮られた点は評価するが、本来こうした国民の権利義務を変更するものは行政内指針である「通達」の範囲を超えており、少なくとも告示改正を要すると考える。本来は法律に基づき政省令レベルとすべきではないか。
 本件改正は業界が自主規制を進める中で持ち出されたものであり、業界からは「不意打ち」との声も聞く。行政の恣意性と不透明性は厳に避けるべきところ、消費者庁の内部文書で重要な規制が左右されるのは、社会経済に不安定をもたらし、日本市場に対する投資家の信頼も下げる。
(少なくとも国民の耳目を集める本件改正が事務レベルだけでなく閣僚の決裁を経る手続となっているかどうかも疑問のあるところである。)
 公正取引委員会から所管が移った消費者庁に適した行政スタイルを検討するのがよいと考える。

2 国際性について
 諸外国で敷かれていない規制を国内に適用する場合、特にオンラインに関するものの場合、海外の事業者が海外サーバで行うケースが増大し、消費者保護の観点からも、産業政策の観点からも効果が薄くなる(場合によっては逆効果となる)のではないか。国際的な観点からの整合性が求められるのではないか。

 特に1番を問題視しておりまして、こういうのはヤメ官じゃないと言わないかもしれないなと思ったわけです。ぼくは役人時代、多くの通達に携わりました。地方の支局に対する指示ですが、手続としては係員が起案し、課長や担当局長のハンコを取れば、あとは官房総務課の補佐が決裁しておしまいです。
 つまり通達は、省内の文書として担当局レベルで出せるものであって、公の目に触れることもなく(今回のパブコメは例外措置だと思います)、大臣はおろか政務3役にも事務次官にも知らされずに出される性格のものです。
 国民(企業を含む)の権利義務に変更を加え、罰則もかかるような規制を今どきこうした手法で行うのは適切ではない。まして政治主導を標榜する民主党政権らしくないでしょう。
 役所の1部局の胸先三寸で産業界の行方が大きく左右されるということでは、投資家は日本市場を信用しません。コンプガチャ規制やむなし、だとしても、同時にこの際、政府もこうした手法を見直すのがよいと思います。

2012年6月25日月曜日

IT復興円卓会議「総括」-7/10


IT復興円卓会議「総括」-7/10

 IT復興円卓会議「総括」第7回。岩手県大槌町碇川豊町長、ミクシィ小泉文明さん、福島県南相馬市桜井勝延市長、ニワンゴ杉本誠司さん、高井崇民主党衆議院議員、総務省谷脇康彦官房企画課長、フォアキャスト・コミュニケーションズ田村和人さん、池田信夫さん、夏野剛さん、松原聡さん、菊池尚人さんとぼく。

—テーマ③:情報プラットフォームの構築
インフラ以外のコンテンツやソーシャルサービスをどう構築していくのかということをお聞きしたい。電子行政やネット選挙などが上がるだろうか。(中村)
ネット選挙はもちろんあると思う。被災地に対して救援物資の需要と供給がマッチしていないという状況を見た。例えば、助け合いジャパンというサイトがあったが、こういう震災はいつ発生するかわからないので、事前に構築していく必要があると思っている。(高井)
これまでは地域への権限移譲の話をしてきたが、一方で今まで住んでいた街はこれからも住んでいくのかという問題については地方だけで決められる問題ではない。豪雪の雪下ろしの大変さがニュースになっているが、同じように津波も確率的には何十年、何百年後に必ず来てしまう。ではそこに住むのか、住まないほうがいいのかという議論は全く行われていない。この議論も言いづらいかもしれないが、全く言われていない。(夏野)
それは権限移譲ということであれば、その地域の方が勝手に選択しろということにならないか。(菊池)
ドライなことをいえばお金のことになる。今のうちに移住させるコストと被害にあってから救助するコストは誰が負担するのかという問題になると思う。(夏野)
限界集落の問題はあると思う。生活の維持としてどれだけの人が集まって住んでいる所なら多くのサービスが成り立つのかという話である。高齢化によって、こうした集落が壊れかけているところに災害が来た。この後、どう復旧/ 復興するのかということは問題提起をしないといけないだろう。(松原)
また、ICT活用で2億円のコストという話があった。共通化すると安くなるということはあるだろうが、クラウドなんかも自治体それぞれが進めていく中で、総務省が2つ原則を置いていて民間中心の競争と技術中立と言われている。自治体が個別に導入するとバラバラになってしまうし、共通化させるとすぐ陳腐化してしまうだろう。その辺を総務省はどのように考えているのか。(谷脇)
自治体のクラウド化は是非やっていくべきだと思っている。2つ視点があると思うが、一つに標準化してしまうとイノベーションが止まってしまう。他方で、自由でいいというと今度はベンダーロックインになってしまう。実際にやっていく上でバランスをどう考えるかを議論していく必要がある。将来的には各自治体が個別にクラウドを広げて、東と西で一つの大きなサーバーを作ってランニングコストを下げるといったことを考えても良いと思う。(谷脇)
もう一つのテーマで通信放送融合というテーマがあった。そこについてはどうか。特にコンテンツの配信は民放では急には難しいかもしれないが、NHKは義務化しても良いのではないか。(中村)
ある程度、著作権フリーな形で公開しても良いと思う。しかし今のNHKは今までの自分たちの公共放送という枠組みに囚われてしまっている。また民放の団体がそれを阻害している。(池田)
放送法の改正や民放の反対さえクリアすれば、NHKとしてはやりたいと思っている。(高井)

2012年6月22日金曜日

18年前のスパイ in Paris


18年前のスパイ in Paris
 18年前、パリでスパイをしていた頃、衆議院逓信委の議員団を接待する仕事(?)がありました。自民党から共産党まで一緒に引き連れて飲み食いするすさまじい仕事(?)でした。そのとき、自民党の先生がたと朝まで飲んでたシャンゼリゼの店に今います。
 このコラムは夜中に書いているから誰も読んでないと思うので言いますが、当時、官官接待で筆舌に尽くしがたい体力を使ってました。バブル崩壊直後とはいえまだ霞ヶ関不祥事露呈前、おおっぴらにはできないけどお金もちょいと使える時代で、パリ駐在員は年間500件を超える日本からのお客様の相手をしていました。朝・昼・晩フルコース3連チャンを数日続けるなんて芸当であります。
 このころのことは、同じ活動をしていたアメリカ人たちがスパイ罪で国外追放になったり、大蔵省不祥事発覚のネタがパリから発信されたり、けっこうヤバい話がたくさんあるんですが、ホントまだヤバいんで、いずれ。

 朝まで飲んでた話題は小選挙区制導入の是非。先生方が大声で怒鳴っていたのを訳もわからずなだめていました。もう夜が明ける。6:00ですよ。8:30にはフランステレコムのアポを入れてますよ。心配になったぼくが議員に告げると「おっ、まだ2時間も寝られるな」という答え。この人たちと同僚になりたくないと思いました。
 その議員が言ったことを今も覚えています。「おれたちは毎日毎日、一瞬一瞬、目の前の案件を決断していく。その決断に、命をかけるんだ。」そうか、そういう仕事なんだな。役人はじわじわと議論を重ね、煮詰めていくが、大いなる決断はしない。それを政治家がやってるんだ。ということに気がついたんです。今の政権に、これを踏襲してもらいたい。「熟議より決議」。
 さて、その自民党議員、その後大臣まで務めながら現在不遇、に先日、赤坂のモツ焼屋で遭遇しました。カウンターで一人、遠くをみつめて、大量の燗酒を無言であおっていました。かける言葉がありません。もう一人の議員はその後、自殺。立候補するひとはエラいと思います。

 パリには毎年来ています。でも今回はいつもと違います。次男と一緒にいるのです。18年前、彼はパリで生まれました。正確には隣町のヌイイ市の病院。ヌイイ市長だったサルコジさんのもとに出生届を出しました。パリ市長はシラク。ミッテラン政権末期でした。生まれた病院、家、町を、ぼくの足腰が立つうちに見せておこうと思いまして。
 だから、18年ぶりに訪れたところもあります。ヌイイ市の病院、観光客があふれているので敬遠していたルーブル、モンパルナスのガレット街など。もちろん、毎年きっちり訪れる食堂にも行きました。「子ウシの頭のくにゅくにゅしたもの」を食わせるレストラン、牛の腎臓とカエルを食わせるビストロや、絶品鴨ラーメンの中華屋など。
 この町は変わりません。建物たたずまいは100年以上ほぼ同じ。18年前と違うと言えば、ミッテラン図書館と日仏文化会館ができたことぐらいかな。カフェやTABACの看板もそのままで、銀行もケッセデパルニュやクレディアグリコルなど同じロゴが安心感を誘います。
 だって東京といえば、六本木ヒルズや東京ミッドランド、丸ビルや山王パークタワー、渋谷マークシティ、新しいカルチェが続々と生まれています。銀行の看板は、第一勧銀、興銀、長銀、三和、富士・・どれも残っちゃいません。

 いつも行くパリど真ん中の商業施設「レアル」が工事中でした。その近くの食堂に入り、大量にタルタルステーキを食らいつつ、こういう生肉を食い続けることにフランス人は命をかけるだろうが、日本じゃ事故が起きたらすぐユッケ禁止とかになびいちゃう、そのビビリ感・縮こまり感はどうよ、ブツブツ言ってたら、「「モンキーズ」ボーカルのD・ジョーンズさん死去」という報が飛び込んできました。
 ぼくが作詞作曲した「Bye Bye」という曲が少年ナイフ2枚目の「山のアッちゃん。」に収録されています。これはモンキーズへのオマージュでした。ぼくにとってはモンキーズはビートルズよりも先に触れた西洋ポップス。
 テレビ番組「ザ・モンキーズ」が明治チョコバーのCM、ナレーション石坂浩二、あっウルトラQの声のひと、でオンエアされていたのが小学1-2年生のころ。少年ナイフに「チョコバー食べたいョの唄」というぼくがタイトルをつけた曲がありまして、これはスタイルカウンシルへのオマージュなのですが、チョコバー→モンキーズ→洋楽の潜在記憶がぼくらの世代にはあるのです。
 ザ・モンキーズには、モンキーズがパリのレアル周辺をホンダのバイク「モンキー」に乗ってグルグルする回があります。当時レアルは中央市場でしたが、71年に大型商業モールに改築されました。それも現在、大規模工事中。パリも、変わるのかな? 遠き哉60年代、であります。
 そのビデオ、どこかにあるかなあ。パリの映像アーカイブ「ビデオテーク」でチェックしてこようと思います。

2012年6月20日水曜日

フューチャースクール廃止の愚


■フューチャースクール廃止の愚

 613日、総務省の教育情報化事業「フューチャースクール推進事業」が行政事業レビューのいわゆる仕分けで「廃止」判定をくらいました。過去にも仕分けに会った教育情報化ですが、議論と実績を積んできて、さすがにもうなかろうと油断していたら、またも廃止ですと。
 教育情報化は民主党政権になってグッと動きだしました。2009年末に総務大臣がビジョンを発出して2015年の一人一台達成提案がなされ、2010年には知財計画とIT戦略の双方でデジタル教科書推進が明記されて閣議決定に持ち込まれました。これを受け、本家文科省は委員会を設置、2011年には教育情報化ビジョンを策定し、教育関係者を巻き込みながら推進体制が整ってきたのです。
 総務省はフューチャースクール、文科省は学びのイノベーションという実証研究事業を相互連携してスタートさせ、全国20の小中学校で実験が始まりました。総務省と文科省の担当課長はそれぞれエース級が人事交流して連携するというかつてない緊密な体制も敷かれました。ぼくは予算よりも人事をみて政府の本気を感じました。
 この取組は閣僚が総ぐるみで了解して進めてきたもの。民主党3人の首相にぼくは教育情報化推進を銘打つ知財計画案を持ち込み、3人ともに面前で確認をもらっています。

 ぼくが事務局長を務めるデジタル教科書教材協議会(DiTT)は、こうした政府の動きも受け、民間=産学として推進する態勢を作るために2010年に立ち上げたものです。国には国としての実験を進めてもらい、それではカバーできないことを民間としても進めようと、今13のプロジェクトを走らせています。
 産学が政官と手を組み、教育情報化に立ち後れた日本を何とかしようとなったのであります。もっと大事なのは、学校現場の先生ですよね。だから先生方のコミュニティも作ろうということで、TECというオンラインコミュニティも作り、議論を続けています。
 去る529日には、知財計画2012が策定されました。こういう記述があります。
「児童生徒11台の情報端末によるデジタル教材の活用を始めとする教育の情報化の本格展開を目指して義務教育段階における実証研究を進めるとともに、実証研究などの状況を踏まえつつ、デジタル教科書・教材の位置付け及びこれらに関連する教科書検定制度といった教科書に関する制度の在り方と併せて著作権制度上の課題を検討する。(総務省、文部科学省)」
 つい先日、首相以下全閣僚が出席する会議でこれを了承、政府として実証研究を推進することを確認するだけでなく、さらに制度問題にも切り込むことを決定したわけです。

 そこで行われた仕分け。改善意見2、廃止意見4で、結論は「廃止」。怒りを通り越して笑ってしまいましたが、放っとくと本当に廃止になるという。ああ、冗談じゃないんだ。無視もできないので対策を立てますが、ひとまず仕分け会議での議論は「正論でも正統でもない」ので、 ひとまずそれをメモしておきます。

1 議論の内容
 下記が会議での主な指摘・質問。総務省は控えめに淡々と答えていましたが、自由な立場のぼくならこう答えるというのが→。
文科省の役割だ。 
 → そうだ、文科省が力を入れろ。だからといって総務省のインフラ整備予算を削るな。
指導法などを先に立てるべき。 
 →情報化教育は20年以上検討されているが、いつまで待つのか。100年か?
       電話は利用法を検討してから整備したんじゃないよ。
総務省11:文科省3。文科省が総務省に丸投げ。
 →そこが問題。文科省を33にすべきだ。
       でも、インフラの技術的な話は文科省ではできない。
       総務省のインフラチームをガサッと文科省に出向させていいなら別だが。
教員のコストカット効果は?
 →ある。ただし、情報化は教員のレベルアップ効果の方が大きい。
ICT支援員はいらなくなるのか?
 →いらなくなるよう推進すべき。事業を廃止したらICTが使えない状態が続くだけ。
国のパイロット事業より地方主導。
 →両方だ。今は国も地方も弱いんです。
一校6000万円。全国で2兆円。
 →スケールメリットでうんと安く済むが、国の未来への投資としては2兆円でも安い。
タテ割り排して全体プロジェクトを評価すべき。目的達成度は?
 →まだ事業途中です。
総務省は利用分野のサポート役になるべし。
 →教育・医療の情報化をIT政策側が訴え続けて十余年。
    利用分野が動かないなら引っ張るセクターがないと、結局どちらも動かない。

 で、廃止。要するに教育の観点を先に検討せよということと、文科省にやらせろという2点だが、ではこれを廃止して日本の教育情報化は進むのか?その分が文科省につくのか?ただでさえ他国に比べうんと遅れているのがもっと遅れるだけではないでしょうか。

2 正統性
 ところで、この廃止判定を出された方々は、どういう立場なのでしょうか。私、不勉強なせいか、画面を拝見しても存じ上げない方々でした(一人存じ上げていますが、恐らく廃止判定は出されていない)。周りに聞いても、知らないという。少なくとも、このテーマに関わっている産業界や学界の意見を代表しているわけではなさそうです。
 総務省・文科省も政権も推進で一致しています。自民党、公明党の議連などでも教育情報化を強く推進する意見を聞きます。政官ともに前向きです。財務省は予算を切りたがっているかもしれないが、であれば予算をつけなければいいし、教育情報化の閣議決定を阻止すればいい。
 このほか、本件に対し意見があるとすれば、現場の先生、保護者、子どもたち。しかしフューチャースクール事業のアンケート結果を見ても、先生たちや子どもたちの評判は悪くない。先生はICT導入で授業力がつき、子どもたちはICT利用で楽しく、わかりやすくなったと答えています。やめちまえ、という声は聞きません。
 ということは、この廃止判定の根拠は、個人の感想に基づくものなのでしょう。それが政・官・産・学・現場の意見を覆そうというからには、とてつもない正統性が必要です。そんな正統性を、誰が誰に与えたというのでしょう。

 これは仕分け人のかたがたが悪いのではありません。彼らはきちんと(一回とはいえ)フューチャースクールの現場に足を運び、こうした批判にさらされるリスクを負って真摯に自説を唱えておられます。悪いのは、仕組みです。検察のような裁判官と被告だけがいて、死刑判決を下す。東京裁判みたいなもんですな。
 幸か不幸か、この仕組みのもう一つの欠陥は、その仕分け結果を政権としてどう扱うかがハッキリしていないこと。この際、政権はこの欠陥を活かし、「決然と無視」することでしょう。
 仮にぼくが仕分け人だったら、こういう意見を出します。「結論:予算3倍増。理由:全小中学校を早期にフューチャースクールにするため。」

2012年6月18日月曜日

IT復興円卓会議「総括」-6/10


IT復興円卓会議「総括」-6/10

 IT復興円卓会議「総括」第6回。岩手県大槌町碇川豊町長、ミクシィ小泉文明さん、福島県南相馬市桜井勝延市長、ニワンゴ杉本誠司さん、高井崇民主党衆議院議員、総務省谷脇康彦官房企画課長、フォアキャスト・コミュニケーションズ田村和人さん、池田信夫さん、夏野剛さん、松原聡さん、菊池尚人さんとぼく。

—テーマ②:災害に強いITインフラの整備
通信インフラ、ケーブル、携帯の話。クラウドやスマートグリッド、電源の話などがある。(中村、菊池)
特に議論をしていく上で、色々な問題点は整理されることが必要だと思う。特に復興における上でICTが何に役に立つのかという話をしていきたい。今回被災地で最も言われたのは携帯電話が繋がらないという問題であり、それに伴うバッテリーの話である。非常時にはキャリアの区別なくネットワークに繋げる仕組みや生き残ったものだけが繋がっていくネットワーク作りなどは国がやっていく必要があるだろう。(谷脇)
国の役割について、もうすこし議論したい。通信インフラは民間業者が各社相当の金額を費やして、バッテリーや基地局の増加などの設備投資にあたっている。今までだと、それぞれの設備投資はそれぞれのキャリアに委ねられていて、ユーザーに選択権を委ねていた。このあたり官民の役割分担は非常に難しいと思うが、谷脇さんはどのように考えられているのか。(松原)
国費全額で民間にやれということはない。民間が中心になるのだが、連携をどう作るかというのが国に求められるのではないか。(谷脇)
議論の整理ということで思いを伝えると、原発か震災かというより、次に起こるであろう大事に対してどうするのかということ、復旧か復興かというと復興に向けてということ、被災地単体ということよりも日本列島全体をどうしていくのかということについて考えていきたい。何がこれから大事なのか、そんなに大事な事は無いのかお聞きしたい。(中村)
災害に強いITインフラ整備ということだが、あの大震災の日に防災無線が一回しかならなかったという事実がある。災害時に強いインフラ整備として、アマチュア無線が大変活躍した現実があり、ラジオと共に今後の災害に強いインフラとして考えられるだろう。また電源が無いと使えないICTではあるが蓄電ということについては考えないといけない。(碇川さん)
被災地ではラジオ、防災無線、更には針金が役に立ったという声もある。一方でマスメディアやソーシャルの力も役に立ったという例があり、今後はこうしたメディアをハイブリットで揃えて活用するということが必要なのか(中村)
今の話に近いと思ったのだが、津波警報をどうやって知ったかという調査がある。40%を超える人が津波警報を知らなかった。知った人の53%の中での割合としては防災無線、ラジオと続きTVは停電のせいで9%となっている。こうした津波警報を知らないという情報空白を生まないことが次に求められる対策ではないか(田村)
ラジオは被災地で役に立ったという声は被災地でよく聞いた。どういったメディアが役に立つかというとリーチの広さと状況によって違うと思う。マスメディアは細かい地域の情報までは放送しない。コミュニティFMのような地域放送は避難所の情報等を放送できるというメリットはあるが、立ち上がり二時間がかかる。またTVのワンセグはやはり被災地の中では、バッテリーを気にして見なかったという人が多い。色々なフェーズを想定して、重層的なネットワークを考えていくことが必要だろう。(谷脇)

2012年6月14日木曜日

周波数オークション再考


■周波数オークション再考

 民主党議員の朝食会で、「周波数オークション=電波競売はぼくは賛成だが実現しないと思う」と発言したら、その後参加者からいくつも質問をいただきました。いつも同じことを申し上げているのですが、改めて発言趣旨を記します。

 電波競売を実現する法案の成立見込みが立ちません。民主が押しても野党が同意するインセンティブがないからです。業界も国民も支持しないからです。

 電波競売は90年代初頭、通信・放送融合、地デジと並ぶ政策タブーでしたが、後2者は推進に転じました。通信業界、メーカという政策スポンサー=メリットを受ける業界がいたからです。そしてそれがユーザ、国民にメリットがあることをストーリーにできたからです。

 競売にはスポンサーが見あたりません。今の「公平に払い下げる」方式を上回るメリットが業界になければ、さらにそのメリットを国民が享受できなければ、実現の構図が描けません。

 電波競売の唯一のスポンサーは、財務省。財政寄与への期待です。競売の収益は一般財源とすることが目されているのですが、全部国庫に吸い上げられるなら、総務省が本気の汗と涙を流して成立させるとは思えない。法案を通すには、担当官庁が野党各党をはいずり回って根回し・説得し、国会の場でも大臣らが答弁を続けなければならない。そのインセンティブが見えません。

 仮にですよ、財務と総務がウラで握って、一般財源とIT財源に山分け、半分ばかり総務省にくれてやる、フフフ、じゃあやるか、となったとましょう。だとしても、業界や国民がコスト負担をすんなり受ける気がしない。

 電波競売のコストを通信業界がケータイ利用者に転化する「可能性」があるとすると、それは消費税のようなもの。2兆円が転化されたら消費税1%値上げと同じ負担、という議論が国民にまだ共有されていない。その説明責任も総務省が負うことになる。どうも命張って進めるようには見えないんです。

 電波競売のコストは競争状況下では料金上昇を招かないとの経済論議も聞きます。でも現実は、コスト増を数年で回収すべく株主・債権者から圧力がかかるわけで、本来もっと下がっていい料金が4社の寡占業界で高止まりするということにならないでしょうか。通信会社の話を聞けば聞くほど、その可能性が強いことを感じます。

 電波競売の一般財源化は、成長分野であるITから資金を吸い上げて、福祉など低成長分野へ再分配する施策。民主党的ではあります。大きな政府という意味でも、財務省主導という面でも。しかし、「成長戦略」からは外れるものです。

 電波競売を国民に納得させるには、目に見えるメリットを提示したいところです。ポルトガルが収益をデジタル教科書の配布に回したように。あるいは、これをやるから消費税上げを抑える、という具合に。

 あるいは、こじ開けるなら、電波参入を目論む外資によるガイアツでしょう。それはアリかもしれません。日本は電波の外資規制を(放送局を除き)撤廃しました。アメリカや中国のカネ持ち企業が参入するために求めるのであれば、とてもわかりやすい。

 でもそれだともめますよね。通信・放送分野でもめたら、昔は金丸さん小渕さん野中さんらに頼んで裁定してもらったものです。勢いのあったモトローラが移動体通信で日本市場を強引にこじ開けようとした時には、小沢一郎さんが特使として交渉に当たりました。が、今それを持ちかける大物政治家もいないし・・。

 つまり電波競売は、アカデミックな視点では推奨されるものであっても、与野党、霞ヶ関内、産業界、ユーザの支持というリアリティーが見えず、このまますんなり進みそうにはないという趣旨でした。

2012年6月11日月曜日

IT復興円卓会議「総括」-5/10


IT復興円卓会議「総括」-5/10

 IT復興円卓会議「総括」第5回。岩手県大槌町碇川豊町長、ミクシィ小泉文明さん、福島県南相馬市桜井勝延市長、ニワンゴ杉本誠司さん、高井崇民主党衆議院議員、総務省谷脇康彦官房企画課長、フォアキャスト・コミュニケーションズ田村和人さん、池田信夫さん、夏野剛さん、松原聡さん、菊池尚人さんとぼく。

【今後なすべきこと】

今日出てきた内容や意見を通じて、今後の復興に向けて大きなテーマになるのではないかというものを5つほど挙げさせていただいた。1つ目が地域の再生。被災地の主体性を生かした地域再生。2つ目が災害に強いITインフラ。3つ目がプラットフォーム。情報プラットフォームの話。4つ目が先ほどから議論になっている情報公開。5つ目が民間活力をどのように活かすか。となっている。この5つを実現していくのに必要なものを皆さんに伺って議論を深め、メッセージにしていきたいと思う。(中村)

—テーマ①:被災地の主体性を活かした地域再生

今の5つは少し曖昧な感じがする。主体性というか権限移譲というのが良いのではないか。(夏野)
学会連携震災プロジェクトというのをやっているのだが、被災地主体ということの難しさを知った。例えばもう一度鉄道を復旧させるのかどうかなどである。鉄道復旧の金を無料バスに回したほうが良いのではないか。被災地の自治体の規模が小さい中で、大きな絵を書きづらくなっている。被災地主体というのをどのように進めるかということを碇川さんにまず、伺ってみたい。(松原)

—大槌町の復興に向けた取り組みと今後の課題
復興計画については12月に議決を経ている。40の事業があるが、自分たちがやりたいものが全てかというとそういう訳でもない。その中で動かなければいけない。壊滅的な被害からの立ち直りとしてもやることが非常に多い。ICTについても未来を見据えてやらなければならない。津波によってデータが流されたことが大変である。色々なことを進めていく中で、情報の整理というものが大切であることは認識している。行政システムの立ち上げ、情報共有サイトの設置などを行う必要がある。セキュリティや管理問題から自治体クラウドの必要性を感じ、第三次補正予算案の中にどうにか自治体クラウドをお願いした。また人手不足ということから、ICTに関わる人的サポートもお願いしている。安全性や費用対効果という面からも自治体クラウドは多くの自治体に手を挙げて欲しい。通常業務ですら厳しい現状の中でICTに関する整備は後回しにされがちであるが、情報の積み重ねサービスは日々蓄積していかないとならない。現状のICTシステムでは独自のシステムをベンダーさんに依頼して組み込んでいるためランニングコストが2億円程度になってしまう。全自治体が同一のシステム導入できればコストを下げることもできるだろう。(碇川)

地域に権限移譲をするべきという声と地域だけではないという声があるが、これはどう考えられるか(中村)
役割分担はあると思う。はっきりした上で権限移譲が必要だろう。全体が一緒になってやる一律性もあると思うが、そうでないこともあると思う。例えば教育。全てが一律である必要はないはずである。漁業に力を入れる町、教育に力を入れる町、高台移転に力を入れる町等々あって良いだろう。(夏野)
それを邪魔しているのが世論なのではないか。食品の規制値の問題もある。世の中は少しでも厳しくやれという声があるので、役所としては国民の言われたその通りにやるという動きがある。過剰コンプライアンスが世の中に蔓延っているのが今回の地震でさらに広がってしまっている。瓦礫の受け入れ問題もそうである。騒ぐ人がいたら役所の人がビビってしまう。この災害の多くはバーチャルな被害である。皆が客観的に情報を整理することをしないと、本来大したことない被害がこれから被災地をずっと苦しめることになる。(池田)
・権限移譲については、政権交代後ずっと進めてきた。今回の震災では国土交通省東北整備局が大きく活躍した。コレを受けてやはり地域主権ではないという声も出ている。話が戻ってしまうが、選挙の際に国民の是非を問う形にするべきではないか。(高井)

2012年6月7日木曜日

幸せな小国オランダ


■幸せな小国オランダ
  紺野登さんの「幸せな小国オランダの智慧」を読みました。
 3/11の震災後、駐日オランダ大使館は現場で合理的な判断を自ら行い避難しなかったといいます。現場+合理性が気質の一つだそうです。
 17世紀に黄金時代を迎えながら、イギリス、フランス、ドイツの台頭、それらとの敗戦、そしてアメリカの時代を迎え、国際的地位が下がる一方、いまなお輝きを保つ。その生き様を描いています。
 ピンときた点、いくつかメモします。

●ホフステードの「男性的文化指標」によれば、世界50国中最も男性的なのが日本だという。これは最初「?」だったが、どうやら男性的にたくましいということではなく、「現実主義、強者への共感、失敗否定」など、男性に象徴される気質を社会が色濃く持っているということなのですね。なんとなくわかる。

1953年の洪水後に計画されたダム事業は「1万年に1度」の洪水を想定して設計された。日本の建築基準法が想定する暴風基準は500年に1度だという。オランダは自然と共存することを覚悟しているが、日本は覚悟をしていないということです。「安心こそ安全の敵。」そのとおりです。

●「1619世紀初頭まで中国と印度は世界のGDP2/3を占めていた。」「米日が台頭した19~20世紀が特異という見方もできる。」中印の再台頭に日本はおののいているが、いわば回帰であり、国土・人口からみて必然なのかもしれません。オランダが小国になっていく過程で、苦しみながら得たのはどんな心の持ちようだったのでしょう。

1974CFクライフのオランダ代表がみせたトータルフットボールは、オランダ発のイノベーション。それが現在のFCバルセロナに受け継がれているという。

オランダを代表する企業、ユニリーバ、KLMオランダ航空、ING、ロイヤル・ダッチ・シェル、フィリップス、ハイネケン・・。ありますねぇ、広範囲にわたって。

オランダの農産物、輸出676億ドル、輸入397億ドル。純輸出279億ドルは世界最大。九州ほどの面積で世界最大の農業ビジネス国だということ。これは知りませんでした。

●17世紀の欧州の書物の過半数は、オランダで印刷・出版されたという。オランダ系ユダヤ人のピーター・ドラッカーのドラッカーはオランダ語で印刷人/プリンターを意味する。アナログのメディアを支えていたんですね・・。