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2023年9月30日土曜日

クールジャパン:雪

 ■クールジャパン:雪


NHKクールジャパン「雪」の巻。


日本の国土のおよそ半分は豪雪地帯。

特に人が住んでいる地域にこれだけたくさんの雪が降る国は珍しい。

だからこそ、雪と共に生きる文化や工夫がたくさんあります。


「大都会」

日本は世界有数の豪雪国だが、狭い国なので避けて暮らすわけにはいかない。

長い所では11月から4月まで半年間も雪が降る。

雪に閉ざされる時期をいかに快適に、いかに楽しく暮らすか、そのために古くから知恵や工夫を続けてきました。

雪合戦にかまくら。雪と遊んできました。

都会でも雪を楽しむ文化は古くからあります。たとえば雪見。

江戸名所図会という本に、深川の富岡八幡宮の高級料理屋で雪見の宴をする様子が描かれています。

そうした雪を楽しむ文化が外国人にとって他にはない雪国・日本の魅力になっているのではないでしょうか。


「除雪隊」

除雪を極める。日本らしい。

青森空港のホワイトインパルスだけでなく、秋田空港では 雪戦隊なまはげ という除雪隊、

北海道の旭川空港にも除雪隊があって、ほとんどが地元の農家が行う。冬場の大切な収入源になっているんです。

ホワイトインパルスでは見学ツアーも開催していて多くの人がその技を見るために訪れています。

地域の活性化にも貢献しています。

除雪も極めれば新たな雇用と観光を生んで、厳しい豪雪を利点に変えることができるんですよ。


「和紙」

紙や布を白くする。野菜を甘くする。

どっぷり雪と暮らしていないと発見できない知恵と工夫です。

厳しい雪との長いつきあいの中で生まれてきたものです。

以前も紹介した「りせつ」もそのひとつ。

雪を貯蔵に利用したり、冷蔵エネルギーにしたり、観光や地域おこしにつかう。

雪に親しんでいるんです。

日本の雪にはまだまだ可能性が埋まっているのではないでしょうか。


雪国っていうのはつらくて暗いイメージでしたが、それを逆手に取って、面白くて、仕事にもなる、明るい方向に変わってきた気がします。

雪の持つ力をもっと発掘できるんじゃないかと思いました。

2023年9月26日火曜日

祇園祭、歩きました。

■祇園祭、歩きました。 


山鉾巡行、蟷螂山のお供です。

カマキリの手ぬぐいやTシャツをデザインした

tupera tupera 亀山さんと一緒に歩きました。

60を過ぎて初めて、観る側から見せる側に参加。

コンチキチンどした。




40度はある。5時間。スルーのフルラウンド。

四条から河原町から御池、道の真ん中を往く。

数万のカメラ砲列を浴び続けるのも初めて。

目当ては後ろのカマキリなので緊張せんでもええんですが。

なんとか、完歩しました。





23基の山鉾。巨大な鉾もあれば小さな山もあります。

軍艦や駆逐艦、巡視艇のような船団と乗組員たち。

ゆっくり、ゆっくり。

整然と行進し、四条河原町や河原町御池を左に旋回し巡行する。

その指揮命令と現場応戦は、マネジメントの勉強になりました。

歩いてみて、初めてわかる。




最後に広い御池から細い新町に入ってからの帰路で、

地元のみなさんが両側にあふれ出て、

歓声と拍手で熱烈にねぎらわはった。

えもいえず感動しました。

1200年のこの祭りは、公家のもんでも寺社のもんでもなく、

町衆のもんなんやね。

おおきに。




2023年9月19日火曜日

台湾、6年ぶり。

■台湾、6年ぶり。


6年ぶりの台湾。

明新科技大学とiUの提携だん。

TSMC本社のすぐ近く@新竹市です。

卒業式に呼ばれ、それから調印しました。

卒業生の多くが半導体産業へ進むそうです。





明新科技大学は世界で初めて半導体学部を作ったとか。

シリコンバレーに住む人々は、日本の家は安いと驚きます。

40レーンのボウリング場を持っているほうがスゲーと思いました。




もう一つの目的地、C-LAB@台北。

1938年に日本軍が作った軍用施設、7haの広大な地はその後空軍司令部となり、「台北の六本木に当たる」(文化省)好立地。

旧防衛庁・現ミッドタウンのようなものですね。

ここを文化省が引き取って、イノベーションの場とするという台湾の文化創造拠点づくり。

2020年にオープンしました。




6年前に吉本興業・大崎会長+スペースシャワー清水会長と訪れた際は工事前でした。

今、現代文化の拠点として展示やワークショップなどが行われています。

ポンピドーセンターにある仏国立音響音楽研究所(IRCAM)と手掛けた音響実験室も。

 

「台湾・文科省の拠点づくり」

http://ichiyanakamura.blogspot.com/2017/11/blog-post_30.html

 

 



Taipei Urban Intelligence Center.

台北市役所の地下660㎡の空間にあるビッグデータセンター。

交通や公衆衛生、空気の質など3000種類のデータが分析されています。

ノーアポ凸、失敗。

すごすご

https://tuic.gov.taipei/en/about

 




ところで。

訪れた高校に、iUの学生募集ポスターを発見しました。

もうちょっと おもしろくしたほうがいいかなぁ。

 


その隣に、軍の案内ポスターがありました。

高校の先生が「兵役が4ヶ月から1年に伸びたんだよね」

ぼそっと言いました。

緊張してるよなぁ。ポスターおもしろくしてる場合じゃないかなぁ。

 



デパ地下をのぞいて、

WIRED CAFEをのぞいて、

王将 台北店をのぞいて、

会食に向かいました。

いい店でした。が、台湾のかたが、

「王将のほうが高級店なんだ」

と言ってました。

へえ





食べ過ぎです。

飲み過ぎです。

ウィスキーのストレート勝負の次は、

58度コーリャン酒の勝負です。

からだ鍛えて、また来ます。




2023年9月16日土曜日

クールジャパン:学校行事

 ■クールジャパン:学校行事 


NHKクールジャパン「学校行事」の巻。


これまでこの番組でも、生徒が自分で掃除したり給食当番をしたり、部活に熱心だったり、日本の学校の独特さを取り上げてきたが、行事もかなり独特でおもしろい。


「始業式」

春休み、夏休み、冬休み、が開けたら始業式。

学校がおおやけで、休みはわたくしごとで、その公私のけじめをつける。けじめを大事にする。

特に海外と違うのは夏休み。

世界の多くは9月入学で、学年が切り替わるから宿題もなくて長い。

4月入学の日本は、夏休みは学年の途中。だから宿題もある。

しかも自由研究って、自由だとネタも考えるから難しくて、親も巻き込まれて大変。

実験道具とか工作器具とかの自由研究セットなんて商品もたくさん出ていて、ビジネスにもなっています。


「修学旅行」

行き先を自分で選ぶ、バラバラに行動する、タブレットを使う。

修学旅行も進化していますね。

日本が高度成長期に入る前は、庶民は所得が低くて、なかなか家族旅行に行く機会もなかった。

修学旅行でみんなが見聞を広めることが基本的な目的だった。

豊かになって、海外も含めて旅行に行く家も増えた。

だけど修学旅行はなくならない。

親の世代の共通体験があるから。

学生時代にみんなといっしょに昼夜を過ごして体験したことが身になっている、と評価している。

部活もそうですが、こういう科目の勉強以外の活動が大事な教育として位置づけられています。


「体育祭」

60年続いていて、5000人もやってくる地元の名物。

それを手作りで行う。すばらしい。頭が下がります。

しかも本番だけじゃなくて、練習の時から採点・評価する。

つまり一発のパフォーマンスだけじゃなくて、成長する過程を重視する、という「教育」。

集団で価値観を共有するとか、協力することの大事さを学ぶとか、目的はいろいろあるけど、楽しみながらやることに価値がある。

そんな意義が評価されて、国際協力機構JICAには20以上の国から運動会を開く手助けをしてほしいと要請が来ているんです。

日本の運動会、世界に広がっていくかもしれない。


実は学校の「行事」って、やらなくてもいいことなんです。

学校に義務付けられているわけではなくて、いわば自主的にやっているもの。

そういう教育を大事にしているってこと。だから日本の先生は大変。

おつかれさまでございます。

2023年9月12日火曜日

中山淳雄さん「エンタメビジネス全史」。

中山淳雄さん「エンタメビジネス全史」。


興行、映画、音楽、出版、マンガ、テレビ、アニメ、ゲーム、スポーツ。

9章にわたりコアな史実を縦横に記す産業論、社会論、文化論。

これぞコンテンツとメディアの教科書。

あるようで、なかった。新しい。濃い。そして、おもしろい。

名著です。

 

中山淳雄さんの著書は10年前からブログに書評を書いてきました。


「ソーシャルゲームだけがなぜ儲かるのか」

http://ichiyanakamura.blogspot.com/2013/02/blog-post.html


「オタク経済圏創世記」

http://ichiyanakamura.blogspot.com/2020/03/blog-post_12.html


「推しエコノミー」

http://ichiyanakamura.blogspot.com/2022/10/blog-post_17.html


それらをまた超えてきた。





コンテンツという言葉が生まれて30年になります。

映画、音楽などの表現ビジネスがデジタルで融合することを展望しての造語です。

(ぼくが役所で初めて政策に取り組んだ時は「メディアソフト」と命名したが米国から来た言葉に負けた)。

それを横断する書は電通メディア白書などごくわずかでした。

 

ふんだんなデータ、研究、文献を踏まえつつ、コンテンツとメディアの現在過去未来を分析するのはアカデミックですが、中山さんの真骨頂は、リクルート、DeNA、デロイト、バンナム、ブシロードと国内外にわたるビジネス実績があること。学者にはできないリアリティに裏打ちされています。

 

ピクンなポイント

・興行:日本はアマも機会が豊富な演劇大国


・映画:テレビ後の空白にピンク映画が人材を育成

    興行の半分以上を国産で占めるのは日中韓印のみ


・出版:他国より相対的に大きいローカル市場

    取次流通、委託販売、再販制の産業構造がいま逆に効いている


・テレビ:田中角栄が新聞・テレビの資本再編と全国化を荒業で仕切った


・音楽:技術変化に脆弱で100年間で何度も業界が潰れてきた

    人種、世代など対立が音楽を生んだ

    ソニーはCBS買収を相談から20分で決裁した

    CDは掛け算、ライブは足し算、ストリーミングは再び掛け算

 

・マンガ:マンガ家のハードワークで他国の3倍速、1/10の価格で量産

     手塚は人材はじめ産業基盤を作ったから神

     鳥嶋和彦は堀井雄二、鳥山明、坂口博信を引き込んだ

     デジタル移行が本格化したのはこの2

     ブームが去り06年以降再びアニメ・マンガが海外で急成長

 

・アニメ:世界で見られるアニメの1/4は日本作

     配信で海外市場が10年で2千億から1兆円に成長

     マンガに立脚し表現の制約がなかったから大人向けアニメが成立

     徳間康快、氏家齊一郎という旦那がジブリを育てた

     テレビ局を入れなかった鬼滅が新モデルを作った

 

・ゲーム:任天堂山内溥はトランプ、ナムコ中村雅哉は回転木馬、

     セガ中山隼雄はジュークボックス

     ポケモンは累計13兆円、うち7割は商品化ビジネス

     90年代SEGAは米国ではトップブランドで任天堂は子供向け時代遅れ

     iモードは小市場に留まったがソシャゲは大市場となった

 

・スポーツ:マスだがローカルなので国内メディアに左右され成長しない

      ビジネス人員が不足し成長力が乏しい


・総論:団塊世代がエンタメを育てZ世代まで産業エンジンを回したがもう終わる

    海外展開に必要なのは製品よりマーケティングだがその能力が低い

 

おもしろそうでしょ。

ぼくは改めて中山さんに弟子入りをお願いしつつ、

iU超客員教授へのご就任をお願いしました。