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2016年11月28日月曜日

政府のAI研究開発、これまでとはちょっと違う?

■政府のAI研究開発、これまでとはちょっと違う?

「3省AI研究開発に関する連携体制」というペーパーが手元にあります。
 総務省・文科省・経産省の3省が連携し、AIに関する基礎研究、応用研究、標準化、人材育成を進めるというのです。

 AIを核としたIoTの社会、ビジネスの「実装」に向けた研究開発・実証を行う。
 各分野でのビッグデータの集積と、センサーの量的・質的拡大=IoTを進める。
 そうあります。

 省庁連携をするということ。AI自体の研究にとどまらず、社会実装を進めるということ。
 字面が示す方向は、よさそうです。
 ですが、ホントに大丈夫なんでしょうか。

 安倍首相の掛け声により、「人工知能技術戦略会議」を設置し、一体的に進めるとのことです。
 安西祐一郎科学技術振興事業団(JST)理事長・元慶應義塾大学塾長が議長を務め、東大総長、阪大総長、理研など主要研究機関の理事長らが名を連ねます。ものものしいです。

 迫力はあるけど、大丈夫か、といういつもの心配がむくむく。

 新聞報道では、20以上の企業との共同開発を進めるため文科省が100億円を要求する、10年で1000億円規模となる、とされています。

 GoogleAppleら巨大企業が年間でそれぐらいの投資をかける分野に、なけなしの税金で立ち向かっていて大丈夫か、といういつもの心配がむくむく。

 第5世代コンピュータの開発は、10年で500億円かけて失敗したという忘れがたい経験もあります。


 しかし、今回の動きは、これまでとは違う。
 文科省研究振興局はじめ担当のかたがたに伺い、そう感じております。
 少し期待を抱かせるものがあります。理由を3点挙げます。

1 抜擢。
 2016年4月、理研に「革新知能統合研究センター」が置かれました。そのセンター長に、41歳の東大教授 杉山将さんをあてました。若手に任せる、という意思表示です。

 センターにはカーネギーメロン大学 金出武雄さん、国立情報学研究所(NII)喜連川優所長、川人光男ATR脳情報通信総研所長らチョ~重鎮を顧問に据えて睨みをきかせるとともに、杉山さんの下に3040代を中心に気鋭の研究者30名をずらりと配備。

 AIの研究センターには20代がほしいところですが、これまでこうした国策では50代・60代が主体だったのに比べれば、思い切った人事。政府の危機感が現れています。

2 連携。
 3省連携と聞くと、会議体を作って3代表の政務や官僚が握手して形だけ整えるのが常道。だが今回は文科・総務・経産省それぞれの傘下にある理研、情報通信研究機構(NICT)、産総研が連携するといいます。
 研究者がコミュニティを一つにしてくれれば、そして役所がそれを督励してくれれば、力が湧きます。

 かつて第5世代コンピュータ構想を通産省が進めていたころ、郵政省は自動翻訳電話開発構想を進め(ぼくが担当でした)、AI開発にしのぎを削る、というか、対抗していました。タテ割り弊害の典型です。競争に意味はありますが、国のやることじゃないし、そんな余裕もありません。

 今回は本気で手を組む、その姿勢は伝わります。

3 文系。
 JST「社会技術研究開発センター」に「人と情報のエコシステム」領域を定め、AIIoT、ビッグデータなどの技術がもたらす社会問題に取り組むそうです。慶應義塾大学 國領二郎さんが総括、土居範久さん、西垣通さん、松原仁さん、村上文洋さんら信頼の置けるかたがたが関わります。

 法律・制度、倫理・哲学、経済・雇用、教育などのテーマに取り組むとのこと。
 AIやロボットが人の仕事を奪う。あるいは事故を起こす。情報の流通が事件につながる。これら社会に漂う不安をどう解消し、あるいは措置していくのか。技術の進展に対し、社会が求めるものは何か。

 AIの開発と併せて進めるべきはこれら文系の知見の総動員です。AIの技術は世界共通でも、社会がどのように受容するかはすぐれてローカルな問題。他国がどうあれ日本が取り組むべき。文理融合で進めようという姿勢に、本気度を見ます。

 JSTのセンターに参加する西垣通さんが経済教室「人工知能の光と影」に、シンギュラリティ仮設や汎用AIなどは西洋の宗教的伝統=絶対神を背景とするものであり、日本が理想的AI像に追従する必要はないとしています。

「大切なのは、自我を持つ汎用AIといった幻を追わず、実用的な専用AIの精神にまい進すること」とも記しています。
 こうした視座を抱えておくことも大切でしょう。

 さて、政府のフォーメーションは揃ったと。問われるのは民間の番かもしれません。この領域、どれくらリスクを取り、コストをかけるのか。政府はやることはやったよ、と。

 もちろん、政府がすべきことはまだまだあります。
 AIIoTを使うに当っての規制緩和。ロボットやドローンがバンバン使えるようにすることです。
 そして官需による市場開拓。まず役所がAIIoTを業務に導入していくことです。

 そこまで本気度を見せていただければ、自然に動き始めるでしょう。

2016年11月24日木曜日

東京おもちゃショー2016

■東京おもちゃショー2016
東京おもちゃショー2016。
今年は超かけあしでした。いつも楽しみなトヨタのモデル。

昨年までのメモはこちらに。
「東京おもちゃショー2015」  

日本おもちゃ大賞2016。ぼくがピクッと来たものを挙げます。

エデュケーショナル部門。
パイロットインキ「スイスイおえかき めざせ!どうぶつはかせ おえかきどうぶつずかん」。おえかきしながら動物のことを学ぶ。隠れている動物を探す。


エデュケーショナル部門。
アイアップ「マナー魚(フィッシュ)」。
おさかなの食べ方をパズル遊びで身につける。
このあたりはアナログなやさしい知育おもちゃです。


エデュケーショナル部門。
アガツマ「マイフレンドテディ」。
さて、しかしやはりITやアプリが今年も強い。
50の質問に答えることでその個だけのオリジナルな内容をおしゃべりする。専用アプリでいろんなことばが学べる。


コミュニケーション部門、大賞。
バンダイ「Tamagotchi m!x 6種」。
他のたまごっちや専用筐体との通信で遊びの輪が広がる。たまごっちもITです。

「「死ななくなった」と話題のたまごっち、最新機種は死ぬ仕様へ」


イノベイティブ部門、大賞。
タカラトミー「プラレール スマホで運転!ダブルカメラドクターイエロー」。
運転士カメラ、車掌カメラで捉えた映像がスマホに転送。風景を見ながら運転。
だよねぇ。

これね。
「これが究極? スマホで運転するプラレールは何がスゴいか」


ボーイズ部門。
ハピネット「エアーブレード 360」。
上昇、下降、旋回をスティックでコントロール。
これ、買う。

エアーブレード。これね。


さて、ここから圧巻のシー・シー・ピー3連発。ドローンドローンドローン。
コミュニケーション部門。
「ラジオコントロール オートホバリングドローンカメラ」。
初心者でも簡単に宙返り飛行撮影。進化してるね!


イノベイティブ部門。
「ラジオコントロール ナノドローンカメラ」。
カメラ付き超小型ドローン。

これ。


そして、ハイターゲット部門、大賞。
「赤外線コントロール潜水艦 サブマリナーカメラ」。
昨年シーシービーは同部門で超小型ヘリで大賞を取りました。今年は潜水艦!
これも買おうかなぁ。

あ、盆栽 見逃した。
「最新おもちゃが勢ぞろい! 「東京おもちゃショー2016」ブースまとめ」

少子化で行方が危惧されている業界ですが、このところ好調。
大人向けに市場を開拓している点が他産業の参考になります。
そして決め手はIT。スマホ連動、通信機能、AI、そしてドローンが新しい世界を築いています。

今後は海外展開が課題となります。IT海外はコンテンツ業界とも共通したテーマ。ヨコ連携して進めていただきたい。
「少子化でもおもちゃが売れるワケ」


  (また来年)

2016年11月21日月曜日

デジタル教科書の位置づけはどうなる?

デジタル教科書の位置づけはどうなる?

 デジタル教科書教材協議会 DiTTシンポジウム「デジタル教科書の位置づけはどうなる?~2020年導入実現に向けて」@慶應義塾大学三田キャンパス。
 文科省検討会堀田座長、総務省御厩課長らと。

 文科省の検討会がデジタル教科書の制度化を進めるという方向になった、文科省もそのつもりになったのは、DiTTとしても大きな成果です。6年前の運動開始時にはあり得ないと言われていたことです。紙の教科書と同程度の範囲で導入するという整理は、現時点では妥当な落とし所だと考えます。

 ただ、文科省の報告書がデジタルの無償配布を困難と結論づけているのは考えものです。紙の教科書と同様にタダにすべきです。これは文科省というより財務省を攻める案件。教育予算を厚くするよう、民間としても声を高めていきたい。教育情報化を推進する超党派の議員連盟でも同じ声が上がっていますから、そちらからも押していきたいところです。

 教科書の制度化と合わせ、デジタル教科書の制作に関する著作権の整理も必須です。文化審議会での議論が始まりましたので、教科書の制度化と著作権制度の整備のタイミングを合わせるべく、結論を急いでもらうよう、プレッシャーをかけましょう。

 
 一方、端末やネットなどの環境整備も気になります。総務省御厩課長は、おカネのない自治体が教育情報化に力を入れている一方、財政力の最も高い自治体でデジタル教育が進んでいないといいます。財政力の問題ではなく、首長の意識の問題ですよね。

 これに関し、総務省は学校のネット整備に「電波利用料」を使う方針で、来年から3年かけて推進するとの意向を表明しました。地デジ整備に使われていた資金が浮きますから、ぜひ学校インフラ整備に使ってもらいたい。DiTTとしてもパブコメで求めた事項です。実現すればすばらしい。

 総務省は学校のネット整備はwifiだけでなくセルラーの利用も検討するとの意向も表明しました。これも大きい。格安スマホ、MVNO、さらに放送の電波も使って教育ネット環境を整備してほしい。・・総務省、仕事してます。

 ただ、学校のクラウド化は、民間の提供体制は整ってきたものの、問題は学校・自治体の利用側の「不安」。このためには、経産省やIPAにも出張ってもらい、安全対策・セキュリティ対策を強化してもらいたい。


 このほどプログラミング教育の必修化が進んだことも成果です。これも文科省の別の会議座長を務めた堀田先生が、プログラマー育成策ではなく、みんなのICTを使う力と位置づけてくれたことが大きい。プログラミング「を」ではなく、プログラミング「で」学ぶ、を進めましょう。

 デジタル教科書、1人1台端末、学校ネット化を掲げて始まったDiTTの目標も、ようやく着地点が見えてきました。もちろん、その制度化や予算化はこれからですし、定着には時間もかかりますが、まずは成果を総括する時期かと思います。

 同時に、クラウド、ソーシャルメディア、ビッグデータの教育利用をどう進めるのか、著作権処理をどう円滑化するか、プログラミング教育をどう進めるかという、積み残しもあります。DiTTの新しい対応策を練りたいと思います。

 さらに、IoTAI、ドローンやロボティクスといった、次なる教育ビジョンが求められます。教育情報化ビジネスの国際展開もテーマになります。これらのビジョン作りにも移りたいと思います。


 引き続き、よろしく。

2016年11月19日土曜日

デジタルサイネージジャパン2016

■デジタルサイネージジャパン2016
 デジタルサイネージジャパン。

 DSJ2016、実行委員長として開幕ごあいさつ。
 DSは街にしみだすデジタルとして元来IoTでした。それが4K8K、スマホ、SNS、AIと融合していきます。2020に向けた世界先端のサイネージの姿をごらんください!

入口のDSCエリアでは「デジタルサイネージ2020」発売中です。
この1冊で全てがわかります。
事務局おつかれさま!


PDCが8Kの写真から自動でCG動画を生成するシステム。
早くも8Kはコンテンツ制作の時期に入りました。


パナソニック。
ミラノサローネ2016に出展した「KUKAN」。
でけえ。


E3。
LED透明タッチパネルディスプレイ。


IMP。
インタラクティブマネキン。


三友。
裸眼4K3Dシステム。
既存の3Dコンテンツを再生できます。


ASUKA NET。
大型の空中サイネージ。
反射型です。


ニューフォリア。
総務省の進めるおもてなしサイネージ。
文字+音声の多言語システム。
オペレータとのやりとりも自動翻訳されます。


マル協モアテレビ。
スマホ・タブレット+wifiでTVが見られる。
その画面で直接webにも飛べる。
手元デバイスで見る+触る。
テレビとネットがコンテンツレベルでも直結する仕組み。


TBS。
IPDCエリア放送。
中日クラウンズでホワイトスペースを利用して実証実験。
各ホールの情報や選手のデータを手元のタブレットに表示。


デジタルサイネージアワード2016。
43作品に応募いただきました。
世界最先端のサイネージが集結しました。
今年も審査委員長を務めました。


グランプリ、クリエイティブ部門、広告部門
イメージソース上海「Glico Happy Pocky Faces」
1344個のポッキーの箱にモーターをつけて、ユーザーの顔の映像をリアルタイムに表示する巨大ディスプレイ。


グリコはトリプル受賞でした。
石巻のメーカーが作ったサイネージを上海で展開。
デジタルのディスプレイではないが、デジタル。
ロケーションは海外だが、日本が海外に進出するモデル。
このインパクトが最多得票につながりました。
Glico Happy Pocky Faces。


技術・ハード部門
NTT IT、ソニーマーケティング「HTML5 web-basedサイネージ」。
テレビをLANにつなげばSTB不要のサイネージに。
今後のDS普及のカギを握る技術です。


技術・ハード部門、クリエイティブ部門
安川電機・乃村工藝社「ロボティクスサイネージ」。
7軸産業用ロボットを8台使い、46インチの液晶をもたせ、ロボット同士が協調・連動して空間を演出。産業ロボットとエンタメの結合。

安川電機・乃村工藝社コンビは「メカトロニクス・ウォール」でも技術・ハード部門を受賞しました。


インタラクティブ部門、ロケーション部門
楽天「DYNAMITE BOAT RACE Inning」
楽天イーグルスの試合の4回ウラ、大型ビジョンでボートレースを展開。
観客はスマホ連打で選手を加速。
参加型インタラクティブです。


インタラクティブ部門、広告部門
電通「デスノートパーソナライズドサイネージ」
ドラマ開始に合わせて渋谷駅のサイネージをジャック。
顔認識で似顔絵を描いたり占いをしたり。
ドラマの主人公とパーソナルな体験を楽しめます。


ロケーション部門
JR東「E235系車内デジタルサイネージ」
デジタルサイネージ電車。
トレインチャンネル17インチ、窓上21.5インチ3、サイドチャンネル21.5インチ。

デジタルサイネージアワード2016、受賞作品、こちらに。


ダブル・トリプル受賞が目立ちましたが、中味は多様です。
大画面の参加型、メカやロボティクスを使ったモデル、球場や電車という公共空間を使うもの、HTML5で簡単に伝送できるもの。
2020に向けて広がっていくモデルが現れてきました。

日本を世界一のサイネージ大国にすべく、広げましょう。

2016年11月17日木曜日

デジタル教科書教材協議会DiTTの成果

■デジタル教科書教材協議会DiTTの成果

 デジタル教科書教材協議会DiTTがパワーアップすることを述べたばかりですが、
これまでの成果をまとめておきます。これまで6年の活動のうち、当初2年間の成果とその後のものに分けておきます。

1 当初2年間の運動と成果
 ビジョンや提言などを相次いで発出するなどの運動を進めた結果、政府は教育情報化を推進する姿勢を明確にし、政府方針として打ち出されました。

1) アクションプランとビジョン
 2010年の設立間もなく、アクションプラン、ビジョンを公表しました。
「1)どこに住んでいても世界中の知識に触れる機会、2)創造力、表現力、コミュニケーション力を育む最高の環境、3)友人、先生、家庭とつながる手段を早急に整備する。」

2) 提言2012
 2012年4月「DiTT政策提言2012」を発出。デジタル教科書実現のための制度改正、デジタル教科書普及のための財政措置、教育の情報化総合計画の策定・実行の3点を提案しました。

3) デジタル教科書法案
 法案検討WGを設置し、同年6月、法案の概要を策定、公表しました。学校教育法、教科書の発行に関する臨時措置法、著作権法の3法を改正することなどを盛り込みましだ。

4) 教育情報化推進ステイトメント
 同年6月、制度改正、予算確保、計画の策定と実行の3点を唱えるステイトメントを公表。学界・有識者、民間代表に加え、50の自治体の首長が賛同の声を寄せました。


成果1:2010年政府方針への反映
 当初の動きを受け、政府はIT戦略・知財戦略の双方に政策の方針を明記しました。

新たな情報通信技術戦略(IT戦略) 2010.5.11
 「文部科学省は、2010年度中に教育の情報化の基本方針を策定し・・・デジタル教科書・教材などの教育コンテンツの充実・・を推進する。」

② 知的財産推進計画2010  2010.5.21
 「教育コンテンツのデジタル化(中期):デジタル教科書・教材を始めとする教育コンテンツの充実を進める。 担当府省  文部科学省、総務省」

成果2:知財計画2012での方針明確化
 一連の運動が政府の政策にも反映され、2012年5月29日には政府・知財本部会合にて、下記制度方針が「知財計画」として決定をみました。

「児童生徒1人1台の情報端末によるデジタル教材の活用を始めとする教育の情報化の本格展 開を目指して義務教育段階における実証研究を進めるとともに、実証研究などの状況を踏まえつつ、デジタル教科書・教材の位置付け及びこれらに関連する教科書検定制度といった教科書に関する制度の在り方と併せて著作権制度上の課題を検討する。(総務省、文部科学省)」


2 その他の活動と成果
 啓発活動の強化、自治体や学校との連携を深めるとともに、提言を続けることにより、民間、地域、学校現場での取組が本格化したことに加え、デジタル教科書の制度化や推進法案の策定など制度面でも実態を伴う進展をみせることとなりました。

1) 啓発活動:シンポジウム
 設立時より計20回のシンポジウムを開催。
 主な登壇者(肩書は当時):原口一博総務大臣、鈴木寛文部科学副大臣、遠藤利明衆議院議員、石橋通宏参議院議員、小宮山宏 元東大学長、長尾真 元京大総長、安西祐一郎 元慶應義塾長、孫正義ソフトバンク社長、樋口泰行マイクロソフト社長、田原総一朗氏、夏野剛氏、上月正博文部科学省大臣官房審議官、南俊行総務省政策統括官、倉田箕面市長、西川荒川区長、樋渡武雄市長、市原つくば市長、吉村備前市長

2) 自治体との連携
 70の教育情報化ステイトメント賛同自治体とのコミュニテイMLを立ち上げ、情報交換。(週1回の事務局通信配信、ICT実態調査アンケート実施ほか)
 180のICT活用自治体のマッピングをWebへ公開。
 教育のICT化を検討している自治体へのトータルなサービス提案を公開。

3) 先導先生との連携
  全国の先駆的な学校の先生方の実践例を共有。

4) 2013年提言
 2013年6月には、下記の8提言を発出しました。
 1.教育情報化タスクフォースの設置、2.「デジタル教科書法」の策定、3. 教育情報化計画の前倒し、4. デジタル教育システム標準化、5.推進地域の全国配置、6.スーパーデジタル教員の支援、7.デジタル創造教育の拡充、8.教育情報化の予算措置

5) 教育情報化ステイトメント2014
 2014年12月、改めてステイトメントを発出し、下記5項目を提言しました。40の自治体首長をはじめ、国会議員、有識者など110名を超える方々からの賛同を得ました。
 1.「教育のIT化に向けた環境整備 4ヵ年計画」の実行、2.教員のICT活用指導力の向上に向けた取組の実施、3.教材流通のクラウド基盤とネットワークの整備、4.学校での安定した無線通信環境の確立、5.教育情報化を進めるための制度整備の実現

6) 教育情報化推進法の制定
 2015年6月、デジタル教科書の正規化から未来の教育の研究に至る総合的な措置を実現するための法制度として、「教育情報化推進法」を制定することを求める提言を発出しました。


成果1:超党派国会議員連盟の結成
 2013年から超党派の国会議員により続けられてきた勉強会が2015年2月「教育におけるICT利活用促進をめざす議員連盟」へと発展。会長 遠藤利明衆議院議員、事務局長 石橋通宏参議院議員。
 アドバイザーとして中村伊知哉、石戸奈々子が参加し、顧問に小宮山宏会長が就いており、その事務局をDiTTが務めています。

成果2:「デジタル教科書」の位置づけに関する検討会議
 2015年5月、文部科学省に「デジタル教科書の位置付けに関する検討会議」が設置され、DiTTとして意見開陳したほか、会議関係者らを交えたシンポジウムを開催して議論を深めました。会議での中間とりまとめでは、DiTTが掲げた方針と概ね同様の考え方が示されています。

成果3:電波利用料の活用
 DiTTは学校情報化を推進する財政的根拠として、年800億円規模の電波利用料から捻出することを提案してきました。総務省は2017年度予算措置及び制度措置としてこれを実現する準備を始めました。実現すればこれもDiTTによる成果の一つと数えていいでしょう。

成果4:議員立法の策定
 「教育情報化推進法の制定」の提言が超党派の国会議員連盟に汲み入れられ、2016年10月、議連として法案の制定に動く方針となりました。検討チームのアドバイザーとして中村伊知哉、石戸奈々子、菊池尚人らDiTT関係者が参加しています。


2016年11月16日水曜日

デジタル教科書教材協議会DiTTは、パワーアップすることにしました。

■デジタル教科書教材協議会DiTTは、パワーアップすることにしました。

 ぼくが専務理事を務めるデジタル教科書教材協議会(DiTT)は、2010年、日本で教育情報化が進まず後進国に甘んじている状況を懸念し、推進団体として設立しました。当時、政府もさほど力を入れていませんでした。

 しかし東大元学長の小宮山宏さんが会長となり、ぼくや石戸奈々子さんらが事務局を引き受けて民間有志企業が立ち上がり、長尾真 京大元総長や安西祐一郎 元慶應義塾長らの応援も得て、活動を進めました。会員は現在70社。民間企業はその後、本分野のビジネス対応に本腰を入れました。先進的に取り組む自治体の首長らとのタッグ、超党派の国会議員連盟の結成などの広がりも見せました。

 政府・知財計画でのデジタル教科書に関する記載、IT本部等での教育情報化推進の記載、2020年度の一人一台整備の政府決定、デジタル教科書の制度化、電波利用料の活用、プログラミング教育の必修化など、DiTTだけの成果とは言いませんが、提言してきたことが現実となってきており、この分野を先導してきたと自負しています。

 そしてこのたび、超党派議員連盟で「教育情報化推進法案」を策定することとなりました。民間サイドからはぼくらDiTT関係者が参加して作業をします。設立6年にして、国会、政府、自治体、学校現場、産業界への成果は現れたかと。

 ところが、それでも日本は後進国のままです。この分野の取組はOECD加盟国中、最低レベルと言ってよい。いよいよ動き始めたからこそ、この時期に一段の高みに持ち上げなければいけません。国会や政府が動いている中で、改めて民間サイドの姿勢が問われます。


 そこでこのたびDiTTは、当初の理念に立ち戻って、その機能を強化し、推進力を高めるため、任意団体から一般社団法人へと歩を進めることとしました。11月10日に開催された理事会で決定しました。

 これによりDiTTはまず、国・自治体・現場などと連携して進めてきた調査研究や提言等の活動を強化します。

 さらに、以下のような新機能を構築することを検討しています。

プログラミング教育の推進
  政府はプログラミング教育等を推進するため、「官民コンソーシアム」を形成することを求めています。DiTTはプログラミング教育のプラットフォームを形成しているNPO「CANVAS」と連携し、官民コンソーシアムに名乗りを上げて、その中核を担います。
  近くDiTT内にWGを設けます。
  
  参考:CANVASの「プログラミング教育普及プロジェクト」
     http://csforall.jp/

②「教育情報化評価機構」の設立
  教育情報化に関する政府の予算措置その他の施策について、検証・評価する高次の有識者・専門家からなる第三者機関的な組織を形成します。予算執行の是非やその成果、制度改正、自治体の対応等について幅広く評価することとします。
  早急に設置する予定です。

③ 教材著作権処理スキームの構築
  デジタル教科書に関する著作権制度について文化審議会での議論が始まっていますが、その帰趨に関わらず、デジタルの教科書・教材に関する著作権は処理を円滑化する民間のスキームが求められます。教科書・教材業界、権利者及び利用者との関係を調整する仕組みを構築します。
  これもDiTT内にWGを設けます。

④ 青少年のネット利用リテラシー教育の強化
  学校教育の情報化が進展することは、青少年のネット利用の安全・安心対策を高めることを必要とします。その活動を進めている内閣府、総務省、経産省、文科省、警察庁及び関係団体・業界と連携し、対策を講じてまいります。
 
 他にもすべきこと、やったほうがいいこと、いろいろありましょう。広くアイディアを求めたいところです。

 DiTTの社団化は、理事会決定したといっても総会マターであり、その決議を経るまでは正式決定ではありません。決定に至るまで、議論を高めつつ、オープンに情報を発してまいります。

 そこで、この件を議論するための臨時シンポジウム「教育情報化推進団体の在り方について」を開催することとなりました。
 11/26(土)、午前10:0011:00KMDフォーラム(慶應義塾大学三田キャンパス)の場で、
教育情報化を推進する組織の在り方について会議を開きます。超党派の国会議員連盟の遠藤利明会長もお見えです。席に限りはありますが、ぜひお越しください。

2016年11月15日火曜日

超人スポーツ1周年

■超人スポーツ1周年
 超人スポーツ協会設立から1年。記念シンポを慶應義塾大学三田キャンパスで開催しました。
 技術の導入で誰もが超人になれるスポーツの開発・普及を進めています。
 これまで100クリエイター、10競技、1万人体験者を生んできました。

 2016年の方針は三本柱です。
1. 産業創出(開発者支援)
2. 文化創出(競技者支援)
3. 研究創出(研究者支援)
 創ります。

 産業創出としては、超スポの公認競技やクリエイターの認定、デジタル特区「CiP」での超スポ特区の設置を考えています。今年の目玉として「超人スポーツゲームス」を開催することを企画しています。

 パネル討論には、横浜スタジアム岡村社長、為末大さん、早稲田大学スポーツ科学学術院間野教授に参加いただきました。産業界、スポーツ界、学術界。暦本純一・稲見昌彦の両東大教授とぼくの共同3代表も登壇しました。

 岡村さんは総務省の後輩でもあるんですが、横浜という場の活用を提案。協会としてもスタジアムで超スポが暴れることを夢見ております。

 為末さんは身体とゲームの融合に期待を示しました。世界級のアスリートが技術にオープンな姿勢を見せてくれるのはとても心強い。ぼくらとは言葉の重みが違います。

 間野さんはレガシーの重要性を説きます。そしてオリパラでスポーツ産業を5兆円から15兆円に3倍増させるという政府方針を提示しました。

 産業3倍増となると、プロスポーツを活性化するだけでなく、より多くの人がスポーツを楽しむ、スポーツする楽しみを広げる努力が欠かせませんね。そのためにどうすればいいでしょう。

 スポーツ・クリエイターを生む。
 どこでもスポーツできるユビキタスな環境を作る。
 技術をどんどん取り込む。
 パネラーから指摘された方策は、人と環境と技術という、箱モノではないソフトな提案でした。

 ゲーム普及期の高橋名人のようなヒーローが欲しい。超スポ名人。
 プロ化して稼げるように、超プロスポーツも欲しい。

 すべきことが少し見えてきました。

2016年11月14日月曜日

2020 Pop & Tech、KMDフォーラムへどうぞ

■2020 Pop & Tech、KMDフォーラムへどうぞ
 11月26日(土)、慶應義塾大学三田キャンパスで、「KMDフォーラム」を開催します。
 ぼくが所属する大学院・慶應メディアデザイン(KMD)のフェス。ぼくが今年の当番です。
 テーマは「2020年、ポップ&テック」。ポップ、テクノロジー、教育、ビジネス、スポーツ、デザインなどの最先端の人物を招きつつ、2020を問います。

 KMDの研究・教育内容を展示するのはもちろんですが、ぼくはそれ以上に、大学の「プラットフォーム力」をデザインしてみたい。産官学その他いろんな人が参加して、みんなで創るイベントです。
 
 お越しいただく主なかたがた:
 ライゾマ斎藤精一さん、シン・ゴジラ樋口さん、ガンダム富野由悠季さん、水口哲也さん、谷田光晴さん、初音ミク伊藤さん、ホリプロ社長堀さん、吉田沙保里さん、遠藤利明前オリンピック大臣、伊藤達也衆議院議員、福田峰之衆議院議員、吉本興業木本公敏さん、サニーサイドアップ次原悦子さん、森川亮さん、夏野剛さん、ヒップランド櫻井洋一さん、大石征裕さん。
 
 トータルテンボス、タケト、デッカちゃん、大西ライオン、イシバシハザマ、もう中学生、
はんにゃ、おかずクラブ。
 筑波大学落合陽一さん、スタンフォード大学櫛田健児さん、政策大学院大学牧兼充さん、東京大学稲見昌彦さん、一橋大学石倉洋子さん。稲蔭正彦、岸博幸、石戸奈々子、古川享らKMD教員も。
 内閣官房、内閣府、総務省、経産省、文科省代表。マンガ家、起業家、子どもたち、学者、学生、ドローンパイロット、着ぐるみ軍団、着物集団、ロリータ集団など。

 キャンパス中の校舎・ホール・教室で様々なイベントを開催します。
 各イベントへの申込はこちらで受け付けています。よろしく!

 特別企画「2020ぼくらの開会式」。
 2020年に行われる開会式を事前に実施しちゃいます。五輪関係者らを招いてのプレゼンテーションです。西校舎で午後開催です。

 幕開けは「Digital Light Paint SUMOve」。ドローンとデジタル技術で「光のアート」を描くライブパフォーマンス。
 ライゾマ齋藤さん、水口哲也さん、落合陽一さん、谷田光晴さんによる「デジタル技術が描く2020年未来の表現」、スポーツ、お笑い、エンタテインメントを問う「プロダクション編」、世界で活躍するアーティストと未来を創る政治家とが「音楽編」。他にもいろいろ魅せます。

 「ワークショップコレクションミニ」も開きます。子どもたちの創造力・表現力を刺激する世界最大級のこども創作イベント「ワークショップコレクション」のミニ版です。

 「よしもと芸人×デジタルキッズワークショップ「ハンパねぇ!Ototoでビックリ楽器を作って演奏会!」。トータルテンボス、タケト、デッカちゃん、大西ライオン、イシバシハザマ、もう中学生、はんにゃ。よしもと芸人7組が参加し、あらゆるものを楽器に出来る電子工作キット「Ototo」を使って小学生と一緒にオリジナルの楽器作りに挑戦します!事前予約制。

 乙女電芸部、コモジラ研究所、KMDなどによる3Dプリンターを使った新しいモノづくりやロボットのプログラミングなど、全て当日受付で楽しめるワークショップも開催します。

 南校舎では超人スポーツ「暗黒武道会」。
 吉田沙保里さん、おかずクラブ、東京大学稲見昌彦さんらが、meleap 社の開発したAR超人スポーツ「HADO」で力を超えた超異種格闘技戦を展開します。

 北館では「KMD&CiPビジネスコンテスト」。大学生~20代の若き起業家からビジネスプランを大募集!それを森川亮さん、夏野剛さん、古川享さんらが叩く!
 DiTTシンポジウム「ICT活用と授業づくり~新学習指導要領を見据えて」や「LIVE MUSIC HACKASONG スピンオフイベント ~ライブ×テクノロジーの近未来」、スタンフォード大学共催「IT政策研究会~シリコンバレーと政治と政策」、「コンテンツビジネスパートナーズフォーラム~コンテンツビジネスの海外展開」も開催します。

 東館ではKMDの9リアルプロジェクト、インタラクティブデモです。CeativeIndustry、CREATO、EmbodiedMedia、geist、GlobalEducation、NetworkMedia、OIKOS、PLAY、SuperhumanSports。

 会場には20台のデジタルサイネージを設置し、V-Lowの放送波を使った通信サービス実験を行うほか、世界の国々をイメージして着物をつくるKIMONO PROJECTから数十着のおねえさまがたがお越しになり、数百体の着ぐるみ・コスプレ軍団がそれに対抗する模様。


 スポンサーはTBS、CANVAS、シミズオクト、Dlife、CiP協議会、融合研究所、デジタルサイネージコンソーシアム、ニューフォリア、110。みなさまのおかげです。まだまだ協賛受付中です!よろしく! 

2016年11月10日木曜日

ローマのフェリーニ

■ローマのフェリーニ

 フェリーニやローマを語るほどぼくは熟成していませんが、休み、ジュリエッタ・マシーナと住んだマルグッタ通りに立ち寄ったので、しばしメモしてみることにしました


フェリーニが「アマルコルド」で描いた故郷リミニを離れ、ローマに来たのは17歳、ムッソリーニ政権下。
ロッセリーニ「無防備都市」のシナリオから映画界に入ってのは必然だった。
その空気は「フェリーニのローマ」がここトラステヴェレ界隈の猥雑なシーンで見事に描いています。

 ムッソリーニが遺した一つ、チネチッタ撮影所はフェリーニのためにあるようなものです。5年前にぼくが初めて訪れたときの興奮をここに書き留めています。
「魂のチネチッタ」


「フェリーニのローマ」が示すのは、混沌と自由。
戦時下の混乱も、72年当時のヒッピーや疾駆するオートバイ、あるいは司祭たちの珍妙で絢爛なファッションショーも同じローマ。
古代のフレスコ画が、発掘されたとたん現代の外気で消えていくシーンは、危うい美へのオマージュであります。


「甘い生活」。
ヘリコプターがキリスト像を吊るす冒頭も、サン・ピエトロ大聖堂の階段をシルヴィアとマルチェロが登るシーンも、現代と古代の混沌を象徴しています。
(大聖堂を訪れたら、25年に1度開くとされる「聖なる門」が開いていました。くぐったぼくは全ての罪が許されるそうです。)


倦怠と退廃。華やかな女性を求めても届かない。
一方のよりどころとした知的エリートの教授は家族を巻き添えに自殺する。
救われない。救われない。
「甘い生活」が描くローマは「私の想像上の町」だとフェリーニは言います。
ヴェネト通りに遺る碑。


パーティーに疲れたマルチェロが砂浜で見るのは、醜い怪魚・エイの死骸。
乱痴気と絶望の先にあるもの。
対岸で叫ぶ美少女の声は届かず、マルチェロは「チャオ」と背を向ける。
ローマ郊外、オスティア海岸。
いまここは輝くリゾートです。


同じくオスティア海岸で、同じくマストロヤンニ扮するグイドは、「8 1/2」でルンバを踊る怪女サラギーナに「チャオ」と別れを告げられます。
少年期との美しく哀しい決別。
映画史にギラギラと輝く砂浜。


自己を投影した「8 1/2」。
タイトル名はそれまで撮った作品の数だそうですが、構想はオスティアに向かう車を運転しながら練ったとか。
撮影は現場で、直感による即興が多かったとか。
ヌーヴェルヴァーグだったのですね。


この海岸は「ソドムの市」撮影後にパゾリーニが殺されたことでも知られます。



 ウディ・アレンは映画上位に「8 1/2」と「アマルコルド」を挙げています。ブニュエル「ブルジョワジーの秘かな愉しみ」も。生前フェリーニも「ブルジョワジー」を絶賛していました。
(ぼくも洋画はフェリーニ、ゴダール、パゾリーニ、ブニュエルが上位に来ます。)
「女は二度生まれる」


人生はお祭りだ。」
環になって走る「8 1/2」のラストは、ゴダール「気狂いピエロ」フェルディナン爆死、溝口健二「山椒大夫」浜辺の長回しに並ぶ(ぼくの)3大ラスト名シーン。
ま、ピエロはミゾグチへのオマージュだそうですが。
いずれも浜辺です。


フェリーニは、そうした広場を大切に扱いますよね。
子猫を頭に乗せたアニタ・エグバーグが、誰もいないトレビの泉に入っていく。
「甘い生活」の名シーン。
聖なる広場を強烈な絵筆で描きました。


「フェリーニのローマ」でボクシングが繰り広げられるのはレンツィ公園。
こうしたふとした広場の点在がイタリアをイタリアたらしめています。


」を撮ったラツィオ州の、バーニョレッジョという村に来てみました。
ジェルソミーナやザンパノがここにいたのかな・・・・
それはわかりませんでしたが、


その向いにはチビタという天空の城が鎮座していました。
ラピュタのモデルだとか。




「8 1/2」の白い湯治場は、トスカーナ州、シエナの近く、キャンチャーノテルメ。
寂しい村でした。
女を派手に描き続けたフェリーニ。
実は静謐を求めたんじゃないかな。

そう、マルチェロやグイドのように。