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2025年12月29日月曜日

リベンジで、北の果て。

■リベンジで、北の果て。


夏の真っ盛りの日記です。

でも

寒い~ きせつ~(天竺鼠)。

15、稚内。北の果て、宗谷岬。

35年の宿題を果たしに来た。

 



平成元年、登別郵便局長だったぼくに休みができて、

Festivaで道内一周を決め込んだ。

フラノ、クシロ、ネムロ、アバシリと渡り、

右手にオホーツクを見て北へ爆走中、

枝幸にてハンドルを誤り、畑へズドン、突っ込んだ。

担ぎ込まれた病院でムチ打ちの処方を受けて、

Festivaを遠路マツダの広島工場に送る手配をし、

代車で稚内の安宿にたどり着いた。

 



何しろ首をきっちり固定され、

左右を見るには体ごと向かねばならぬ

危うい運転のままひたすら南下、登別へ着いた。

稚内から何も食わず前方の景色しか見ていない。

ホッケもウニも利尻昆布もうまかったはずだ。

右側には利尻富士もそびえていたはずだ。

今回、リベンジである。我が失敗のひとつ。

 

 



羽織ハカマは西の方では坂本龍馬コスプレで通るが、

この界隈は間宮林蔵コスプレと名乗るのがよさそうだ。

 



礼文島の村は香深という。カフカと読む。

北緯45度は、ミラノやリヨンと同じだが、

カフカはずいぶん北の果て感がある。

カフカ出身のプラハは50度で、うんと北だが、

カフカのほうがずいぶん北の果て感がある。

ザムザが「変身」したのは結局 何虫だったのだろう。

カフカの山道ではたっぷり太った毛虫に大勢でくわした。

 



木がない。

ハマナスなど浜辺に咲く花と、

薄雪草(エーデルワイス)など高山植物とが混じり合う。

礼文島カフカを舞台にした映画「北のカナリアたち」は、

監督が阪本順治さん、撮影が木村大作さん。

京都国際映画祭で牧野省三賞を受賞したご両名です。

 



さて、リベンジは果たした。

さらば利尻。

2025年12月22日月曜日

NHK技研公開2025

NHK技研公開2025


NHK技研公開@砧。

気になるポイント4点。


その1、表現。

ARグラス、3Dディスプレイ、湾曲ディスプレイ。

視聴覚の拡張が著しい。

触覚・香りディスプレイも登場。

テレ・ビジョンを超えるテレ・メディアへの挑戦です。



 


その2、AI

放送局のもつ膨大なデータを用いたLLMの開発を打ち出します。

放送局の映像・音声・メタデータ・視聴データをフル活用して

AIをかませれば強いパワーを発揮できる。

自らLLMを開発しなくてもよい気がするが、

データベースの構築・活用がNHKの死命を決することは間違いない。

コンテンツを体系化して学習指導要領を連結する取組も紹介されていたが、

これもデータベースをAIで回すやりかたになるでしょう。

 



その3、融合。

Webベース放送メディア」

「伝送路によらないコンテンツ提供」

言葉を選んでいるが、通信・放送融合が本格化。

「クラウド放送局」のモデルも示されています。

画面タテヨコ変換でスマホも手中にする。

もう放送も通信もない。地上波も要らなくなるかもしれない。

コンテンツはIPでクラウドに、それをマルチネットワークで発信する。

得られるデータをAIで回す。

そんな世界のメディア企業に伍せるか。

 


その4、連携。

NHK技研の隠れた課題は社会実装。

研究成果をいかに実社会に活かすか。

それには共創とオープンイノベーション。

NTTとの共同の看板も掲げられていました。

閉じていた技研が変わり始めたようです。

実はかつて、NHK技研を核にして、メディア系の教育研究機関を糾合する構想を地下で練っていたことがあったのですが、あれやこれや事情があり立ち消えになりました。

再興したいなぁ。

2025年12月15日月曜日

中国出張後記

中国出張後記



ぶらり寄った学校ではAIが先生をしていた。

ぼくの仕事はもうこの国にはなさそうだ。


コンビニでも粗末な店でもWeChatペイかアリペイで払う。

一度も現金を見ることはなかった。


食べ物もスマホで美団や饿了么京東で注文する。

ドローンやロボットが宿の部屋まで運んでくる。


家から出ず快適な暮らし、を中国はコロナで得た。

道もエレベータもロボット対応にしつらえた。

日本は全然できていない。やらなくて済んでしまった。

 





あらしが来ていた。


DiDiで車を呼ぶ。

川になった道を船のように進む。

まだ自動運転ではない。だが電動車である。


ヒャッハーと運転手がザブザブ往く。

電動車は浸水して感電しないのか?

不安でスマホに聞く。

AIが「車体と高電圧のバッテリーは完全に切り離されるため安全」と答える。

何もかもスマホで完結するが、ヒャッハーな運転手のほうが中華人民でよい。


道端でハスの実(苦い)を1個5元、アリペイでで売るおっさん。

地下道で服なら何でも直すから脱げというミシンのおっさん。

まいにち便民飲水点に水を汲むために外出するというおっさん。


お元気で。


 では帰国します。

2025年12月8日月曜日

重慶という宿題。

■重慶という宿題。


宿題として残していた重慶。ようやく。

3200万人。世界一の人口を擁する、北京、天津、上海と並ぶ、省と同格の4直轄市の一つ。

まずは、大きい。

 


1938年、南京が陥落し、国民党が首都を移転して臨時政府を置く。

日本軍は無差別爆撃をかけた。この地と人を破壊した。

その町のことが気になっていた。

解放から80年、空気の高まりが気になる。

抗日作戦の堡塁跡地に置かれる解放碑、十八梯地区に遺す巨大な防空壕跡には、カップルや夏休みの家族連れが自撮り棒で記念を映し続けている。

 



「南京照相館」。

中国全国展開に先駆けて先行上映されていた。

解説「南京大虐殺の時代を舞台に、戦時中、写真館に避難した民間人たちが、日本軍による残虐行為を暴露する危険を冒す物語」。

身構えた。虐殺に対する国際非難を受け切腹する陸軍将校に向け、殺される中国人主人公が言い放つ「友達ではない」という台詞が辛い後味を残す。

映画として悪くないが、もう一つ話題の「731」と合わせ、これら民族史の再確認がどういう反応を引き起こすだろう。

映画館には若い女子3人がキャッキャいるだけであった。

どう受け止めたか、スクリーンよりも彼女たちの表情のほうが気になった。



ジリジリ、気だるいセミの声がまとわりつく。

ジリジリ、38度の湿った空気がまとわりつく。

不快指数は世界最高級だという。

路地の市には牛豚羊兎に川魚、得体の知れぬ肉のようなもの、臓物や頭が並ぶ。

獣、香辛料、得体の知れぬものの匂いから免れない。

男と女が至近で怒鳴り合っている。どうやら、普通の会話のようだ。

目も、鼻も、耳も、刺激を受け続ける。

 



現地のひとに日常の暮らしをご案内いただいた。

朝は羊肉麺、昼はカエルとナマズの鍋、晩は牛の胃と羊の腸の火鍋であった。

三食激辛であった。麻辣のラーよりマーが強く、舌と胃とケツがずっと痺れる。

晩飯はいつも火鍋だという。

道端には火鍋の調味料が積まれて売られ、ソフトクリーム売りは唐辛子を乗せている。

 


同じものばかり食うわけではないという。

みたことのない細長いブドウや丸太いバナナもいただく。

みたことのない虫やみたことのある虫もいただく。

多様性、といいたげだ。

だが男どもはみな同じ角刈りで、左手にスマホをいじり肘をつき、猫背前かがみで椀に口を寄せて、くちゃくちゃ食べる画一性を有する。

その食べ方がおいしいのだろうけれど、慣れるまで溶け込む自信がない。

 


現金は姿を消し、注文も支払いもスマホで完結し、ロボットとサイネージが活躍する先進都市としてはNYロンパリも凌ぐうらはらに、今よりも派手だった道頓堀や新世界を、ひとまわり賑やかにした町並みは、奇怪な場末というか、未開の大都会というか、ぼくの目にはコルカタやカトマンズの仲間に映る。

 


赤、黄、青、緑。くるくると面が変わる。

ビエン、ビエン、ビエ~ン。変、変、変~。

という大声の歌が、真面目な伝統なのか、笑かそうとしているのか、腑に落ちない。

器に茶を注ぐ芸、アクロバティックな男女の掛け合い、紐の奇術、あでやかな舞踊など、小劇場で十指ほどの出し物を楽しんだ。

やんや、やんや。

驚いたのはカーテンコールでの勢揃い。

全員で4人だった!

 


茶でも。と入ったカフェで切手を売っている。いや、どうやら郵便局がカフェを開いているようだ。国営カフェ?共産党珈琲店?日本郵政が茶店を出したらぼくは間違いなく通うが。脇には郵便火鍋なるものもある。脇の郵便局員に聞くとウチがやってるとニヤニヤするが、ほんとかよ。もっと中国語を勉強しないとホントのところがわからん。


いや、わかった。ここは異国である。異界である。


こうして、残り少ない宿題の一つをぼくは果たしたのです。