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2018年7月30日月曜日

知財戦略ビジョンと知財計画2018




■知財戦略ビジョンと知財計画2018

首相官邸にて安倍首相以下閣僚が並ぶ知財戦略本部が開かれ、知財戦略ビジョンと知財計画2018が決定されました。

ぼくは知財本部の検証評価企画委員会の座長として参加しました。

知財戦略ビジョンは2013年版に続く第2回となります。
前回はデジタル化からスマート化への移行をにらんだものでしたが、今回はSociety5.0、AIとIoTを主眼に据えています。
SDGs:少子高齢化、環境エネルギー等の社会問題も背景としています。

ビジョンは「価値デザイン社会」を標榜し、知財は独占・交換・保護から共有へと位置が動くことを説きます。

そして、1.脱平均とチャレンジ、2.分散と融合、3.共感・貢献経済を切り口として、価値創造人材育成、SDGsの知的資産プラットフォーム、次世代コンテンツ創造・活用、クールジャパン外国人集積などに取り組むこととしています。

ビジョン調査会はYahoo!安宅和人さん、ATカーニー梅澤高明さん、魔法使い落合陽一さん、冨山和彦さん、カドカワ川上量生さん、ロフトワーク林千晶さんらが参加し、従来の政府委員会にないタブー無視の論議を進めたことが最大の意義でした。
調査会は継続し、ビジョンの見直しも行います。

知財計画2018は知財戦略ビジョンも踏まえて検証評価企画委員会でとりまとめたものです。
主要事項は下記。
1.人材育成
   知財・クールジャパン人材育成
2.挑戦創造促進
   コンテンツクリエイションエコシステム
   海賊版対策強化
3.新分野デザイン
   データ・AI等新情報剤の戦略強化
   著作権システム構築

ぼくのチェックポイントを4点挙げますと、

1)「知財・クールジャパン人材育成」に「専門職大学制度の運用」が掲げられたこと。
企業連携を重視するプロフェッショナル大学の制度が始まります。
ぼくが設立を進めるi大もその一つ。活かしましょう。

2)「コンテンツクリエイションエコシステム」に「eスポーツの発展のための環境整備」が掲げられたこと。
ようやく日本でもeスポーツが本格離陸時期を迎えるに当たり、政府がその意義を認め、発展のために取り組むと位置づけたことは大きい。

3)海賊版サイト対策強化策を明記したこと。
有識者・関係府省の検討の場を設け、権利者・事業者等とも連携しつつ、正規版等の流通の在り方を含む海賊版対策について、法制度整備や論点の検討等を含む今後の対策の在り方や方向性を総合的に検討する、としています。

海賊版サイト対策は4月にブロッキング等に関する緊急措置を政府決定し、それが賛否の議論を巻き起こしました。問題の海賊版サイトは見られなくなるとともに、収入源の広告対策も進むなど事態は大きく変わっており、問題のブロッキングも行われてはいません。その上で次なる対策に乗り出すという状況です。

4)ブロックチェーンを活用した著作物の管理・利益配分の仕組みの構築のための検討を行うと記したこと。
著作物の流通・利用は著作権法制度に偏重してきた政策が、テクノロジー主導に変わるかもしれない。重要な一里塚です。


官邸での会議でぼくは3点コメントしました。

1)この国会で、ネット時代に対応した著作権法やデジタル教科書を制度化する学校教育法の改正が成立するなど、知財計画で記載した事項が実行に移されています。コンテンツの海外展開も成果を上げています。

2)海賊版サイトに関しても、4月の緊急対策の決定後、問題のサイトは見られなくなる一方、国民の問題意識も高まりました。早急にタスクフォースを立ち上げて、さらなる対策に向かいたいと考えます。

3)しかし、Society5.0やSDGsなどの新しいテーマは知財戦略の変更も求めます。知財政策とIT政策の連携もますます重要になっています。今回とりまとめたビジョンを踏まえて、政策のバージョンアップをお願い致します。


関係閣僚からは、データ流通環境の整備、海賊版対策の強化、新著作権法制度の運用といった重要ポイントが指摘されました。
データ流通や海賊版対策など知財問題は省庁横断で対応するテーマが満載。内閣を挙げての取り組みを願います。


2018年7月26日木曜日

クールジャパン:食堂と家庭料理

■クールジャパン:食堂と家庭料理


 NHKクールジャパン「食堂」の巻。

 日本ほど世界のレストランがある国はあるまい。これほどフランスやイタリアの国旗が下がってる国もあるまい。ミシュラン星の数は東京はパリの3倍以上。そこにはいろんなヒミツがあります。

「コミュニケーション」
 日本のレストランは店と客のコミュニケーションやエンターテイメントを大事にしています。すし屋のカウンターはすし職人と客が最もコミュニケーションとりやすい距離を計算して板の幅が決められています。

「調理を見せる」
 3大日本料理、スシ、てんぷら、そば、コレぜんぶ立ち食い屋台で、客の目の前で作るスタイルがルーツ。どんな素材でどう作っているか、客を信用させる効果もあります。米フライドチキンのチェーン店も調理の様子を見せる店を日本だけにオープンさせたことが話題になりました。

「チェーン店」
 日本人はチェーン店にどこで食べても変わらない味を期待する。徹底したセントラルキッチンのシステムで味を統一します。チェーン店はどの国にもあるが、ファーストフードだけでなくて複雑な料理も多い和食やイタリア料理のようないろんな料理も可能にした努力と工夫が日本の特徴。

「レストラン雑誌」
 江戸時代からお伊勢参りのときは食堂のガイドブックがありました。昔からガイドブックの情報を信じているんです。ネットで誰でも気軽に書き込めるコメントも役立つが、逆にプロが取材して本に載せる、という情報の信用性も値打ちが出てきて、それがガイドブックの人気を支えています。



 「家庭料理」の巻。

 景気が悪いせいか、ウチごはんがブームになっている。これも長い歴史の中で発展してきたもの。お店で食べる和食は世界中で人気だが、おうちで食べる料理がホントにクールなのかな、と思いつつ提案したテーマ。

「豊かなスーパー」
 日本の家庭は鎌倉時代から一汁三菜。もともとバラエティに富んでいました。そして、世界のものを取り入れる。流通システムの進化で新しい食材もどんどん入ってきました。さらに、みんなが料理を作る。それを支える、スーパーのキメ細かいサービス。まさにクールジャパン。

「レシピ投稿サイト」
 コレが人気になるのは日本ならでは。ばんごはん何?って日本の主婦ほど悩んでる国はありません。しかも日本はネット使いでは世界トップ。一人当たり情報発信量は世界一。みんなで情報を出し合って、しかも一工夫加えて、自分で作る。とても日本的です。

「学校の調理実習」

 調理は食材を選ぶ、切り刻む、組み合わせる、もてなす、片付ける。マルチタスクで、大変。自分の国の文化や材料がどう作られているか、そして当たり前と思ってるけど親はどれだけ苦労しているか、それを理解する。ふだん気づかないことが、学ぶことで発見できるんでしょう。

2018年7月23日月曜日

「3つのゼロの世界」とは

■「3つのゼロの世界」とは

ムハマド・ユヌス著「3つのゼロの世界」。
貧困、失業、CO2排出の3つゼロの新経済。
資本主義の問題はシステムが利益追求という唯一の目的しか認めていないことだが、貧困と失業と環境破壊をなくすことを目標にビジネスを設計すれば問題は劇的に軽減できるとします。
資本主義に別の選択肢を提示する書です。

ノーベル平和賞を受賞したユヌスさんの「グラミン銀行」は、信頼だけに基いて年25億ドルを900万人の貧しい女性に貸し付けています。
返済率は99%。
貧困者に起業家能力を発揮させる仕組み。
従来の銀行は豊かな人が所有し経営するが、グラミン銀行は顧客でもある貧しい女性が経営するそうです。

ソーシャルビジネスの利益率はほぼゼロだが社会的な見返りが大きく、経済的には自立する仕組み。
これは途上国だけの仕組みではなく、グラミン・アメリカは8万6千人に5.9億ドルを貸付け、99%を超える返済率を誇るといいます。


ユヌスさんは指摘します。

8人の超特権者が世界人口の下位半分より多くの富を所有する。こんな構造は持続不可能。
格差の拡大は社会不安をもたらした。
オキュパイ運動、ティーパーティー、アラブの春、ブレグジット、トランプ大統領選出、ヘイト・グループの台頭など今の政治問題の大半は格差問題。

ワシントン・ポストが「ミレニアル世代の過半数が資本主義を否定」と報じた。
18-29歳を対象にしたハーバード大の世論調査で、資本主義を支持42%、不支持51%。
若者がシステムに不満を抱いているのは世界的な傾向のようだ。
だが社会主義が崩壊した後、非資本主義の受け皿は見当たらない。


そして説きます。

ソーシャルビジネスとは、創造性を活かして人類の問題を持続可能なやり方で解決すること。
従来の不完全な経済システムへの選択肢が現れてきた。
これは、人間は生まれつき利己的という想定を取り除き、人間はみな生まれながらの起業家という前提に立つシステムだ。


80%以上のウガンダ人が生涯のどこかの時点でビジネスを始めるといいます。
小さな店を開いたりヤギを買ったりする、そんな仕事。
起業とはそういうことですよね。
むかしは脱サラで「屋台でも引くか」という生き方がありました。
いまぼくらは起業のハードルを上げてしまい、窮屈になっています。

ソーシャルビジネス+マイクロファイナンスは、起業のハードルを下げるとともに、資本主義とは別の持続的な経済システムを作り得ます。
それはフィンテックやシェアリングエコノミーとも相性がいいはずです。

ぼくはソーシャル+マイクロ+ITのモデルを作りたくなってきました。
新しいテクノロジー製品がまず貧困層に向けて発売され、それから徐々に富裕層の市場へも広がっていく、そんな例がないとユヌスさんは指摘します。
日本のケータイは女子高生がまず使いこなし、ビジネス層に広がっていきました。
テクノロジーとユーザの伝播という点で、日本はモデルになり得ます。


本書は技術で政府の効率性と透明性を高める提言も。

「ロボット工学や人工知能、重要データに人々がアクセスできるプラットフォーム・ネットワーク、よくデザインされたソフトウェア・アルゴリズムを官僚や役人の代わりに使うよう奨励すれば、より効率的で利用者に優しく、汚職のない政府が実現する」

最高ランクの役所が紙の決裁文書を改ざんしたことで国会が空転したわが国こそ、技術で政府の効率性と透明性を高めるチャンスではないかと思われるのであります。

ユーグレナ出雲さんは、1998年、学生のころにバングラディシュを訪れ、グラミン銀行でインターン、それを契機に東大の文3から農学部に転部、ミドリムシを研究して起業したそうです。起業時のホリエモンといい、その後の成毛さんといい、出雲さんは強烈な人たちのもとで育ったのですね。

「お金を稼ぐのは幸せだが、ほかの人を幸せにするのは、とてつもなく幸せだ」。
本書に登場するセリフです。
吉本興業の一行とドバイでユヌスさんに会ったときもそうおっしゃってました。

吉本興業は赤字こいてもイベントを打ち、大勢を爆笑させることに血道を上げる組織で、気が合うわけだと思いました。

2018年7月19日木曜日

クールジャパン:マナーと部活

■クールジャパン:マナーと部活


 NHKクールジャパン「マナー」の巻。

 マナーには世界共通の正解はありません。外国の皆さんには理解できずに、戸惑うこともあるでしょう。良し悪しじゃなくて、違い、なんですよね。で、「ヘン」だと思うマナーを挙げてもらいました。

「見えなくなるまで見送る。」
 それがおもてなし。相手への思いやり。一期一会を大事にします。また会えるからとは思わないんです。その時々の出会いと別れを重くとらえて、その人への思いをしっかりと残すんです。

「座って足を組まないで揃える。」
 日本人は正座。あぐらのように足を前に組むのはラフ。大切な人には足を向けて寝られないという考えがあって、足の先やウラを相手に見せるのは失礼なんです。ま、正座がきちんとした座り方になったのは畳が登場した江戸時代なんですが。

「目上の人が揃うまで飲まない。」
 横並びの縦社会のけじめ。儒教の影響もあるんでしょう。そして、はじめに乾杯したり、おわりに一本締めしたりして、きちんとするんです。

「電車の中で携帯で話しちゃダメ。」
 電車って世間というか社会なんですね。公共空間では、みんなにアナウンスする音は大きくても気にならないんだが、プライベートな話が気になるんです。それを「おもいやり」のルールにしてるんでしょう。

 見えなくなるまで見送ったり、足をそろえたり、電車でケータイを控えたりって、ぜんぶ「おもいやり」と「おもてなし」ですよね。それが行き過ぎて不思議に見えることもあるけど、カワイイ不思議さじゃないですか。不思議で結構、だと思いました。



 「部活」の巻。

 ネットでは日本の部活を撮影した動画が人気で、ブカツって入れると各地の学校の動画が大量にヒットする。「キャプテン翼」とか「スラムダンク」とか「テニスの王子様」も「けいおん!」も、海外で人気のマンガやアニメにはブカツのお話が多いですからね。

「厳しい部活」
 日本の学校は勉強だけじゃなくて人間形成を重視する。友情とか団体行動とか、礼儀や挨拶、連携や鍛錬、っていうことを大切にする。ヨコの関係だけではなくて、タテの関係も学ぶ。勉強以外に、そんなことも教える日本の先生はホント大変です。

「まちおこし部活」
 地元愛なんです。お金儲けが目的じゃない。地域を何とかしたい。っていうモチベーションが原動力。学生たちも、過疎や高齢化に対する危機意識や地元への問題意識がある。それで地域の人達と触れ合う。活動を通じて町が好きになる。それがヒット商品を生んだりする。素敵。

「すもう生活」

 スポーツで学校をPRしたり、そのために越境入学を認めたりするのは、よく見られます。でもプロになってスポーツで食っていけるのはほんの一握り。プロになれなくても生きていけるように、先生たちは、勉強もさせて、人格も形成して、っていう教育をする。豊かなシステム。

2018年7月16日月曜日

よしもと☓eスポーツ!

■よしもとeスポーツ!

吉本興業eスポーツ事業記者会見@渋谷∞ホール。
吉本興業がeスポーツ事業に本格参入することを決定、その発表です。
司会は田村淳さんです。
冒頭、あいさつ致しました。

「eスポーツ、が新しい産業、新しい文化、新しいスポーツになります。
 世界市場は年32%成長をみせていて、プレイヤーは世界で1億人。
 2022年アジア大会で正式種目に採択されたので、
 2024年パリ五輪での正式種目化が期待されます。
 すると2020年東京五輪はプレ大会、ということになります。

 日本はゲーム大国だが、eスポーツ後進国。
 それがいよいよ本格的な離陸の時を迎えます。
 さきごろ、eスポーツの統一団体、日本eスポーツ連合が発足し、プロライセンスを発行することになりました。
 これで大きな大会が日本で開催されるようになり、海外にも日本代表を送れるようになります。

 本格的なスポーツビジネスとして成立する状況に国も注目していて、私が座長を務める政府・知財本部でも、国家戦略としてeスポーツの振興策を議論する予定です。

 スポーツマネジメントに熱心な吉本興業がeスポーツ企業としてチャンピオンフラグを取るとともに、6000人の芸人を抱える吉本が新しい楽しみ方・鑑賞法も開発してくれることを期待します。
 2018年は日本のeスポーツ元年。
 日本がeスポーツ大国に成長することを祈ります。」

吉本は「よしもとデトネイター」を結成し、フィリピンを拠点に選手を育成して、Dota2部門で世界一を目指すそうです。
オーバーウォッチ部門「よしもとエンカウント」、シャドウバース部門「よしもとリバレント」、ポッ拳部門「よしもとエクストラクター」も結成します。

ゲーム実況・配信、ゲームイベント実施も。
盛り上げるよしもとのゲーム芸人。
井上さん(次長課長)、藤田さん(トータルテンボス)、菅さん(パンサー)、池田さん(しずる)。

次長課長・井上さん「井上聡のごきげんよう、ゲームです」を出版、自称プロ。
トータルテンボス藤田さんも劇場の空き時間ずっとゲームしているとか。
パンサー菅さんは冠番組「それゆけゲームパンサー」を持つ。
しずる池田さんは「ブレイブフロンティア」でゲーム実況。

よしもとクリエイティブエイジェンシー所属のプロゲーマーも誕生。
芸人と違って契約があるそうですw
ジョビンさん、西澤祐太郎さん(裏切りマンキーコング)、小池龍馬さん。
ストリートファイターVでジョビンさんvsゲーム芸人対戦しましたが、プロはさすがの腕前。

よしもとGAMINGプロ選抜大会を開き、上位入賞者を期間限定でプロ契約、
夏に開催される世界最大の格闘ゲーム祭典「evo」@ラスベガスに送り出す予定です。
ケチな吉本がホンマかいな?という声多数。
ホンマかいな!という意気込みでお願いします。

詳しい記事がこちらに。
「吉本興業がeスポーツ事業に進出!プロチーム運営や実況配信、イベント、大会の実施など多角的な活動を発表」

2018年7月12日木曜日

クールジャパン:ハイテク生活

■クールジャパン:ハイテク生活

 NHK「クールジャパン」。
 日本のクールを外国人が叩く12年目の長寿番組は、マンガ・アニメ・ゲーム、ファッションや食べ物だけじゃなく、エッそれもクール?というジャンルに広がりを見せ、まだまだネタが続きます。

 ここんとこぼくが出演した巻は、例えば、そうじ。マナー。船。刃物。うま味。忍者。ハイテク生活。部活。ネコ・・・
 そうねクールだね、というのもあれば、なんでクール?ってのもあるでしょう。
 でも外国人と話すと、なるほど、と思わせる見方が寄せられます。

 これに対し彼らにもわかってもらえるようにぼくはコメントするんですが、それが伝わっているかどうか自信はありません。
・・・ピックアップしてみましょう。



 まずは「ハイテク生活」の巻。

 しばらく海外旅行して帰ってくると、日本って便利だよなぁって思うことがたくさんある。もちろん外国人には、もっとびっくりすることがあるようです。

「おサイフケータイ」
 ぼくも朝起きて帰ってくるまで、乗り物も買い物もおサイフケータイだけで済ますことが多い。
 世界中で使われているICカードも、電車の自動改札機も、発明したのは日本だが、スゴいのは、それをインフラとして整備してること。

 鉄道会社をいくつも乗り継いでも、ピッとやれば、運賃を瞬間的に計算して、改札のあっち側からもこっち側からも行き来して、扉を開けたり締めたりする。それを0.2秒ごとに、朝から晩までず~っとやり続ける。これってとんでもない技術だが、それを全ての駅に配備してるから便利に使えるんですよね。

「回転しない回転寿司」
 回転寿司にしてもカラオケにしても、日本のハイテクが海外に広がっていった例ですが、既に確立された技術でもまだ突き詰めて研究するのが日本らしいところで、でも追求していったら寿司が回らなくなったってお話。

「ハイテク家電」
 大型家電は一度買うと10年は使い、毎日使うものだから、最新のいいものを買いたがる。ただ、家計は主婦が握っているから、おかあさんを喜ばせるものじゃないといけない。エンタテイメントとおもてなし。便利だけじゃなくて、楽しい・面白い、が求められるのが特徴なんですね。

「自動運転車」
 ポイントは安全性で、開発側は「機械だから安全だ」と言うが、乗る側は「機械だから不安」。これを解決したい。安全は日本の得意技。新幹線が開業してから事故死が一回もないことがブランドになっているわけで、自動運転でも事故が起きない、という評判になれば認められるでしょう。


 自動運転は早く実現してくれればいいけど、それよりも、絶対に安全で、それに楽しくて面白くて、ずっと乗っていたい、というような日本的なクルマを作ってもらいたいです。

2018年7月9日月曜日

0泊3日、ドバイでユヌスさん

■0泊3日、ドバイでユヌスさん
2年ぶりのドバイ、よしもと御一行と0泊3日の強行軍。
快晴のバージカリファ、世界最高の建造物828m、あと20mで比叡山。


ノーベル平和賞受賞、グラミン銀行創始者、ムハマド・ユヌスさんとソーシャルビジネスの意見交換のため、日本とバングラデシュの間を取ってドバイで落ち合ったのです。
あんまり間ではありませんが。


2020年のドバイ万博には828mを超える新タワーを建てるんですと。
比叡山を超えるおつもりか。
世界一がお好きとはいえバチが当たりまするぞ。


ユヌスさんのソーシャルビジネスは、社会問題をサステナブルな「ビジネス」にする実装モデル。ぼくらはそれを、エンタテイメントやテクノロジーで解決できないかと考えるのです。

ちなみに2年前のドバイ訪問記。
「ドバイにはチキンカツカレーオムライスがあった。」


世界一大きいドバイモールにある世界一大きい水槽ですが、その上にましますLG製の巨大デジタルサイネージに目が奪われます。


ユヌスさん、日本は課題先進国でして、高齢化、少子化、所得格差、地域格差、自然災害などてんこ盛りで、それを楽しくテクノロジーでビジネス化できれば、新モデルになりませんかね。


2年前に比べてずいぶんとデジタルが増えて巨大になりました。


ユヌスさん「それら課題はドイツはじめ他の国々でも共通していて、それをグローバルに捉えることが大事。そして、教育にしろ創造力にしろ、解決策は目先のこととしてではなく、広い目的を持って対応すること。」


なかなかイケてるんです。


ユヌスさん「自分がもうかるのはハッピーだが、人をハッピーにするのは超ハッピー。そっちを目指したい。」


砂漠でバギーぶっとばしながら、考え中です。
ユヌスさんの言うのは"Think Big"ですね。

そのあたり今度またご指南ください。

2018年7月5日木曜日

「日本の15歳はなぜ学力が高いのか?」

■「日本の15歳はなぜ学力が高いのか?」

ルーシー・クレハン著「日本の15歳はなぜ学力が高いのか?」。
原題「賢い国:世界の教育力、成功の秘訣」。原題のほうがうんといい。
ロンドン貧困地区の女性中学教師が、OECD学力調査PISAの上位地である日本、フィンランド、シンガポール、上海、カナダに滞在して学校を観察、膨大な研究成果も踏まえての教育論です。

日本の学校に関しては、中学の理不尽な規制=我慢の重視や、学校が勉強だけでなく人格形成の場となっていることを注視。
班・学級など集団の責任が重く、個人指導もグループ内に多くが委ねられ、それが独創性を損ねていると指摘します。
教員の人事制度、母親の勉強への関与、塾の存在にも踏み込む分析です。

先生方が授業を視察・共有する、能力評価ではない研修・改良法としての「授業研究」に着目している点は鋭い。
海外の教員の修士号取得や免許更新に対応する自律システムです。
同時に、日本の先生方は米英に比べ時間にゆとりがあり、それは学級人数が「多い」からできる、という分析は新鮮でした。

教育先進国とされるシンガポールは教育階級社会と競争圧迫の歪みが生じていること、フィンランドは未就学児には遊ばせるメリットを重視して勉強を「させない」ことなど、他地域の教育事情も日本に照らす意味で参考になります。

筆者は5地域の教育分析を母国・イギリスの教育に適用するに当たり、「何がうまくいくかわからない」と結論づけます。
教育はその地の歴史、文化、社会、政治などに依拠する部分も多く、唯一解はないことを認識しておくのは大切だとぼくも思います。
一方、幼児教育が重要、教師をしかと処遇すべき、といった提言にも同意します。

なお、この本には、PCやネットなどテクノロジーが学校教育にどのような役割を果たし、どう変化させつつあるのかについて記述がありませんでした。
いま世界の教育に最も影響を与えるのはITであり、その視点を外すことはできない。
これは教育関係者に改めてぜひその国際フィールド分析をしていただきたい。


2018年7月2日月曜日

そこはやっぱりセイロンでしょ。

■そこはやっぱりセイロンでしょ。
子どものころ近所にセイロンという薄暗い喫茶店があった。
たまに親に連れて行かれコーラなど頼む。
何か祝い事でもあるとメシを喰う。
オムライスである。
焼き飯をケチャップでこねて卵で巻く贅沢。
大人になればこういうものが喰える、と思った。


ほどなくしてセイロンはスリランカという国名に変わった。
スリランカという名を呼びつけぬまま、セイロン茶をたしなむ歳になった。
でも男の子が世界一カワイイなど断片的なモザイクのイメージしか抱いていなかった。

そうだ セイロン、行こう。


プアーン、パパン。
バリバリバリバリバリ。
安っぽいクラクションと軽いエンジン音。
小さなカラスたち。
腰をしゃなり振って歩くやせっぽちの猫。
年末ながら35度あるぞ。
耳元で叫ぶ物売り。
強い日差しと、濃い日陰。
死んだように横たわる犬。
アジアの純真。


どの公衆テレビもクリケットである。
スリランカ対インド戦。
暴動が起きはしまいか。
コルカタにインド版「巨人の星」、野球をクリケットにしたやつを見に行ったのが5年前の正月だ。
インドとスリランカ、仲良くケンカしな。


誰もオムライスなど喰っておらぬぞ、セイロン。
日に3食はカレーを喰うという。
宿の朝飯はチキン魚マトン野菜カニ芋の6種類。
どれも日本では激辛マークがつく。
普通のツアー客には無理ですな。
濃厚にして絶品。
巻いた細いビーフン、インディ・アーッパに浸していただきます。
うん、一生、朝はこれでええ。


いやスリランカは魚介だという。
インド洋のマグロを陸揚げしてまんま握るという。
このあたりでしか喰えんらしい。
魚市場では「カツーオ」「カンパーチ」と呼び声がかかる。
日本の商人が来ているのだな。
繁華街では年配は「コニチワ」と声をかけるが若い衆は「ニーハオ」と寄ってくる。


カワイイ男の子を観察しようと思えど視界に入るのは痩せさらばえたいかついおっさんばかりだ。
男がかいがいしく働いている。
包丁をとぐ。
肉をさばく。
果物を並べる。
重荷を背負う。
女ばかり働いて男がみんなボケ~っとしていたバリやモロッコとちょっと違う。


男子のスカート率が高い。
スカート(袴)者として心強い。
こちらのは色鮮やかで主張が強く元気がわく。
ロングもいればミニもいる。
腰ばかりジロジロ見ていると、メッチャ鋭く睨み返してくる。


スリーウィーラーと呼ばれるトゥクトゥクのタクシーには3種類ある。
1.メーターあり。
2.メーターなしぼったくり。
3.メーターありでも使わないぼったくり。
ぼったくりに気づいて飛び降りるスリリングなアトラクション。
イスタンブールやバンコクでは、メーター使ってのぼったくりに遭ったが、ここではあいにく出会わなかった。


サスペンションという言葉はないのか。
トゥクトゥクも汽車も、乗るものみんな上下左右にびよんびよん跳ねるアトラクションである。
クラクションが泣き叫び、信号のない道を、かきわけて歩くのもまたアトラクションである。
ドッジボールはこういう場を生き抜く術を養う運動だったことを思い出した。


ポルトガル領マカオ、オランダ領バリ、イギリス領コルカタ。
いずれにも似ていてどことも違う。
ヒマラヤではあるが、中国・インドに囲まれ、イギリスの影響下にあり、仏教・ヒンズー教が共存するカトマンズに風情が近い。


征服されてきた島では、キプロスやマルタ。
非主流民族の集まりでは昆明。
ぼくが旅した先ともあれこれ重なる。
というか、そういう地ばかりに足が向くのですが。

そのあたりのぼくの旅日記、参考まで。
ハノイ
カトマンズ
昆明
コルカタ
バリ
シンガポール
マルタ
キプロス
ドバイ
バンコク
マカオ
メキシコシティ
キューバ


ポルトガル150年、オランダ150年、イギリス150年。
ちょうど同じぐらい占領されていた。
と見せかけて実は150年ずつ連中に投資させ、枯れたら旦那を取り替えた。
コーヒー畑が紅茶畑になり、クルマが左を走るのは、最後に占領した国の特権か。
緑は市内で赤は市外。
ポストの赤も英国風。


小乗仏教のシンハラ族が7割、印南ヒンズーのタミル族が2割。
ムスリムもカトリックも混じる。
内戦が終わったのが2009年、どうにか共存している。
シンハラがブッダを頂点にさまざまな神を認めているからだろうな。
大学の看板も文字が3種類並んでおる。


古都キャンディにある仏歯寺にはブッダの歯が祀られている。
ポルトガル占領時、奪われ粉砕されようというところ、支配者を欺いて守った歯だという。
コロンボの遷都にも歯は移さなかった。
京都から江戸に遷都したとき移さなかったもんてあるかな。


レレレのスカートおじさんがいるこのコロンボの寺にはブッダの髪が祀られているという。
どこ?
と聞くとおじさんが無造作にココだよと教えてくれた。
ガラスケースの中に毛のようなものがあった。
周りの誰に聞いても本物と言い張った。


1985年、コロンボから移転した首都、
スリジャヤワルダナプラコッテ。
未だ覚えようと思わない。
とはいえ移ったのはこの国会だけで、役所も裁判所もコロンボに残った。
官僚は移るのイヤだったのね。
トロピカル・モダニズムの第一人者、ジェフリー・バワの建築。


水上の国会、セキュリティ高し。
周りはな~んにもないからデモ放題ですな。
デモ特区にすればよろしい。
にしてもワシントンDCやブラジリアなど人工の首都建設を成功とみて移したのかなぁ。


中国「一帯一路」の海上ルートに当たる。
この地に中国は1600億円を投じ、25万人が暮らす港湾都市を作る。
夜明け前からおびただしい労務者が現場に向かい、突貫工事が続く。
内戦中に中国はスリランカに武器を提供、日本に替わり最大の援助国となった。
英国に次ぐ宗主国となるのか。


インドは巻き返す。
スリランカへの住宅支援を始めるとともに、アメリカとの軍事提携を深め、日本とも接近。
2018年に英仏を抜き世界5位の経済大国となるインドと、2023年には1位となる中国という大国に挟まれた島。
どう生き抜く。


NTTコムがスリランカテレコムの全保有株を売却したのが10年前。
本社前には巨大な電話のオブジェが屹立する。

何を守り、何を作る。

ぐるぐると見回って、思いました。
ぼくにはやっぱりセイロンと呼ぶのがしっくりくる。