■ Kids 教育情報化のメリット
産業界にしろ行政などの公的分野にしろ、情報化・デジタル化の必要性や重要性が語られて久しい。梅棹忠夫氏が「情報産業論」を発表したのが1963年、アルビン・トフラー氏が「第三の波」を著したのが1980年のことです。
効率性を高め、生産性や創造性を増し、知識やコミュニケーションを豊かにする。どの国においても、社会の各方面で情報化の効用が認知され、特にこの10年はICTが日用品化して、ごく自然に利用されるようになりました。
しかし、その例外が教育分野です。「いったい情報化やデジタル化にはどういうメリットがあるのか?」といった議論が続けられている分野は他にはもうありません。ひょっとするとそれはもう日本だけの特殊は光景なのかもしれません。それほどまでに教育の問題は複雑であり、繊細であり、重要ということなのでしょう。
では、教育の情報化にはどういうメリットがあるのでしょうか。授業や学習がどのように変わるというのでしょうか。
第一に、コンテンツやアプリケーションがデジタル化することでもたらされるメリットがあります。
・ わかりやすくなる。
映像や音声が使えたり、文字を大きくしたり小さくしたりすることもできる。実物の写真をカメラで撮り込んで見せたり、自然の様子を動画で示したりできる。
・楽しくなる。
アニメを用いたりゲーム的な教材にしたり、紙ではできない工夫が盛り込める。これにより学習意欲が向上する。
・ くりかえせる。
反復タイプの学習にはコンピュータが最適。「反復を伴う英語、算数、漢字学習からデジタル化するのがよい」(藤原和博東京学芸大学客員教授)。「ニンテンドーDSを使った百ます計算で効果を上げている」(陰山英男立命館大学教授)。
・ 創作、表現がしやすい。
絵を描いたり、音楽を奏でたり、プレゼン資料を作ったりすることができる。コンピュータは電子計算機として反復タイプの利用に威力を発揮するとともに、オーディオ・ビジュアル機として映像・音声・文字による創造・表現活動に力を示す。
第二に、情報端末とネットワークがもたらすメリット、「つながる」ことの効用があります。効用としては、こちらのほうがより大きいでしょう。
・共有できる。
先生や生徒が互いにつながることで、黒板を見るだけでなく手元の端末でも情報を共有しながら学べる。子どもたち同士が教え合い、学び合う協働的な学習が促進される。
・ 世界の知識を得られる。
どこに住んでいても、世界の、最新の情報にネットでアクセスできる。地域の格差なく最先端の知識を得ることができる。
・ 世界とコミュニケーションできる。
先生や生徒同士だけでなく、保護者、地域の方々とも連絡できるほか、他の学校ともつながって授業を行える。地球の裏側の子どもたちともコミュニケーションできる。
・ どこでも学べる。
モバイル端末なら教室の中だけでなく、図書室でも校庭でも、調べたり書き込んだりできる。持ち帰れるなら、家でも宿題をしたり友だちとやりとりしたりできる。
・ 個別に対応できる。
先生のパソコンでは生徒たちの学習状況が一覧で把握できるので、それぞれの進度、理解度に応じた指導がしやすくなる。学習履歴を活用することもできるため、教材も生徒たちの状況に応じて個別に違うものを与えることができる。














