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2018年6月28日木曜日

「世にも奇妙なニッポンのお笑い」

■「世にも奇妙なニッポンのお笑い」

チャド・マレーン著「世にも奇妙なニッポンのお笑い」。
映画「火花」などのすばらしい字幕をつけられ、京都国際映画祭のパーティーでも通訳を務めてくださったチャドさんの泣き笑い奮闘記の中に、深いエンタメ論が描かれます。おすすめ。

チャップリン、ロイド、キートン、ローレル&ハーディー、アボット&コステロ、モンティ・パイソンらと対比される日本の芸人がエンタツ・アチャコ、酒井くにお・とおる、いとしこいし、野性爆弾くっきーだったりするところに、チャドさんの本気のお笑い愛が読み取れます。

日本と海外の笑いの違いは「ツッコミの存在」とチャドさん。
ツッコミは常識人・観客の代弁者で、それはみんなの常識が一致していることが前提。
欧米は宗教・人種が多様で成り立ちにくいといいます。

同時に、だから欧米では政治・宗教などの社会派ネタが大衆に受ける。
それを狙う手っ取り早い笑いを高尚なものとする日本の知識人にチャドさんはダメ出し。
同意します。
ぼくも日本の笑いのほうがうんと高水準だと思う。
けれどそれは大衆の笑い水準の高さの反映なので、あまりおおっぴらに言えません。

関西では今宮戎神社など聖なる場所で漫才が行われる。漫才のルーツが祝福芸だから、というチャドさん。
なるほど、欧米の協会やモスクでお笑いステージなんてちょっと想像できませんね。

チャドさんの極貧時代、月給225円。
TVの貧乏対決でなんなく優勝。
オーストラリアからお笑い目指して来日して、えらいヒドい目に遭わせてたんですね、日本は。
ごめんなさいね。
でもおもろい。

チャドさん、ぼんちおさむ師匠に弟子入りしてたんですね。
タイヘイ一門だ、とおっしゃる。
タイヘイトリオ、レツゴー三匹、ザ・ぼんち、太平サブロー・シロー、ジミー大西に連なるわけです。
無茶苦茶な一門ですね。

イーロン・マスクさんが くまだまさしさんの大ファンで会いに来る、という記述があります。
ホンマですか。
マスクさん。
ぼくも鼻の左の穴に風船入れて右の穴で縦笛吹いたり、ケツでクラッカー鳴らしたりしたら、来てくださいますか。

お笑いはアニメよりうんとファン層が厚く、ポテンシャルがあるが、言葉の壁がある。だからNSCで英語講師を務めている。とチャドさん。
すばらしい。
ぼくもお笑いに国際競争力があると考えます。
が、処方箋がまだ見当たらない。
英語力をつけさせる、というアクションを起こしているのはカッコいい。

チャドさんにi大の英語の先生になってほしい。
i大で学ぶ諸君に英語は必須ですが、英語「を」学んでほしいのではなく、英語「で」コミュニケーションを取ることを学んでほしい。
マジでお願いしようと思います。

チャド・マレーン、すべらない話「最近気づいた事」

2018年6月25日月曜日

AI時代の教育を考えよう

■AI時代の教育を考えよう

デジタル教科書教材協議会DiTTシンポジウム「AI時代の教育を考える」@霞が関。
AI時代における教育とは。
日本を代表する研究者とビジネス界のかたがたが意見交換を行いました。

AI研究の総本山リーダー3名。
乾健太郎 理化学研究所AIPセンター自然言語理解チームリーダー
・東北大教授
佐伯宜昭 情報通信研究機構NICT AIS副研究開発推進センター長
高村大也 産業技術総合研究所 AIRC知識情報研究チーム長
・東工大教授
理研は文科省系、NICTは総務省系、産総研は経産省系です。

理研・東北大の乾さんは、言葉が解るAIを作ることで教育にも貢献したいと言います。
思考力・判断力・表現力を養うには添削によるフィードバックが重要で、AIが自動添削や採点を行うことにより生徒の書く機会を増やせる。
授業や宿題の支援なら数年の間には使えるものになる、とのことです。

NICT佐伯さん。RとLの発音を聞き分けるなどのリスニング力向上策や自動翻訳、SNSでのやりとりなど教育向け対話AIも開発可能だが、学習データ、人材、予算が必要となるので、研究成果を積極活用してもらいたいとのことです。

産総研・東工大の高村さん。AIは誤り検出・訂正、問題・教材作成、自動解説生成などに応用できそうで、英作文の自動訂正などの自動化もなされており、他教科への広がりも考えられるといいます。
そのためには大量のデータが必要であり、検証も重要なので、教育現場・学習者の協力を求めました。

AI研究者にとって、教育分野は自動車、製造、金融などの産業分野に比べ、研究のプライオリティが低いように見えます。
学校現場との距離やデータ不足などの理由はあるでしょう。
ただ、ITやデジタルの利用面で教育分野が劣後したのと同様の状況がAIでも起こりつつある。
教育側が認識すべき事態です。

保守的な教育人は、教育にAIは不要、ビッグデータは不要、と言いそうです(現に言ってる人もいます)。
少し前までITは不要、デジタル教科書は不要と言われていたのと同様です。
それで日本の教育情報化は途上国レベルにとどまり、子どもたちの環境が劣後している。
繰り返したくありません。


そしてAI教育に先端的な取り組みを見せる3社の代表。
加藤理啓 Classi株式会社 代表取締役副社長
小宮山利恵子 リクルート次世代教育研究院 院長
本庄勝  KDDI総合研究所 教育・医療ICTグループ研究主査

ソフトバンクがベネッセとのジョイントで設立した学習支援クラウド「Classi」は2100校で導入されています。
AIが人の能力を超えるシンギュラリティの時代を生きる世代を想定し、希望を持って、未知の状況に対応できる力を育んでほしい、と加藤さんはサービスの世界観を示します。

AIの教育利用にはデータが不足しているという指摘とともに、加藤さんは、AIが失敗をうまく回避させてしまうことで学習効果につながらないという課題を示しました。
現場での効果を検証しながらサービスを提供すべき、という姿勢です。

国内42万人、海外で300万人に広がる「スタディサプリ」を提供するリクルートの小宮山院長は、東大の松尾豊研究室と共同で、ネットワーク型カリキュラムや学習者の「つまずき予防」を研究しているとのこと。
東京学芸大学とも教育AIの共同研究を行っているそうです。

KDDI総研本庄主査は、AIが人と人のインタフェースという認識のもと、アクティブ・ラーニング、英語スピーキングテスト、自主性を引き出す「うながし学」の研究開発を行っていると言います。
企業側はそれなりに取り組んでいることがわかりました。


これらを踏まえ、これからの教育におけるAIの可能性や課題について活発な意見交換が行われました。
学習活動に関わるデータ収集に関しては、全国的に行われている調査データの開放と流通、教員の基準やスキル、個人情報保護などの課題が挙げられました。

また、AIという言葉の定義を明確化して共通認識を作り、AIにできることとできないことを整理すべきという意見も挙がりました。
その上で、アダプティブラーニング以外の領域への導入や、子どもたちをどう育てたいかという教育のあるべき姿に基づき、技術の開発を進めるべきとの指摘もありました。

「学校という限られたコミュニティだけではなく、産官学で連携し、研究者にとっても技術革新が促されるような魅力的な研究分野になるよう、オープンイノベーションを推進してほしい」という期待の声も多く聞かれました。

教育分野のIT利用で乗り遅れた日本は、AIにも乗り遅れる可能性が高いが、そうなると取り返しがつきません。
DiTTとしてWGを設置し、様々なセクターと実証実験や提言などに繋げていきたい。
ぼくはこう発言し、シンポジウムを締めくくりました。

ここからは、アクションです。よろしくどうぞ。

2018年6月21日木曜日

第2回 超人スポーツゲームズ

■第2回 超人スポーツゲームズ
超人スポーツゲームズ@國學院大學。
4競技の協議会と5つの体験会を開催しました。
稲見昌彦超スポ協会共同代表とごあいさつ。
技術と文化と身体の融合。オリンピックに出場する人もパラリンピックに出る人も超人。
でも、ぼくもわたしも超人になりたい、超人になれるよ。



2020年、東京オリンピック・パラリンピックと並ぶ超スポ世界大会を開きたいと思っています。
そのための競技の開発と選手の育成に向けた号砲、それが超人スポーツゲームズ。
今回が第2回。
ホップからステップへ。
そして2020にジャンプします。



「HADO」。
HMD、腕にセンサーを装着し、ARとモーションセンシングで「かめはめ波」対戦。
フィールドを動き回り、味方と連携してバトル。
現実に手足を動かしながらバーチャルな世界で闘います。
ハウステンボスなど10か国25店舗で展開され、どんどん増えているとのことby meleap福田社長。



「サイバーボッチャ」。
ジャックボール(目標球)の白いボールに向かって6個のボールを投げ合い、多くのボールをジャックボールに近づける。
ボッチャをテクノロジーで拡張し、クールに輝く体験を生み出します。



サイバーボッチャは1→10の商品。
澤邊社長はこれを世界展開する意向です。
お年寄りも子どもも楽しめる朝のスポーツ、そしてクラブカルチャーにも合う夜のスポーツ。



「ゴーンボール」。
体重移動で操縦する電動スクータHoverTraxをベースに、座って両手でアクセル、ブレーキ、回転できるようにした「ゴーン」を操縦し、衝突し合って、ゴーンの足元にある3個のボールを落とす。



ゴーン、初めて乗ってみたんですが、前後左右、急発進・急回転、すぐさま自在に操縦できて、楽しい! 
けどぶつけるの怖い! 
東大vs慶應。



「バブルジャンパー」。
ばねでできた西洋竹馬を足につけてジャンプ力を強化し、弾力性のある透明な球体を上半身に被って、ぶつかり合う超人相撲。
HADOと並ぶ超スポの老舗ですが、元はハッカソンで生まれたスポーツです。



前回の模様はこちらに。
「超人スポーツゲームズ」



ウルトラスーパーヒューマンスポーツ共創プロジェクト。
TechCultureでこれまでに20を超える人機一帯のスポーツを生み出してきた超スポ。
今回、さまざまなSF作品に見られる世界観と超人性をテーマに、スポーツ庁の開発調査の一環として、4種の新スポーツを共創しました。
その発表会です。



卵を奪う人間と龍が追いかけ合うという競技。
黄色い龍のかぶりものがやたら重く、競技を終えるとアゴがかっくんかっくん致しました。
かっくん系。



「シャルパンティエの玉入れ」。
20個の球を投げ入れるだけなのですが、その球がランダムに軽かったり激重だったりして、見た目と重さの錯覚を抱きつつ正確に投げるのが、なかなかに難しい。
ぼくは20球中5球でした。
日本ベンチャースポーツ連盟篠原代表が開発なさいました。



「パチっとモンスター」。
キリン、マシマシ!呪文を叫んで動物を動かす。
音声認識で反射神経を競います。
声で闘う、アリですね。
音の大小や高低で競うのもアリかも。
騒がしいスポーツとなります。



「バブルジャンパー・ゼロ」。
二人のバブルジャンパーがつながって速さを競う、二人三脚。
超スポから派生した二次創作としての超スポも生まれてきています。



体験会も開催されました。
これは「HADOカート」。
対戦形式のARモータースポーツ。
ヘッドマウントディスプレイ、モーションセンサーを装着してモビリティを操作しながら、現実世界を背景にバーチャルな魔法を撃ち合います。



HADOカート。
乗り物を操縦して敵を撃つという、戦闘機ゲームなどで憧れた世界の実現です。
カートも昨年に比べずいぶんクールになりました。



小型モータを手綱さばきで操作する人機一体の競走競技「キャリオット」もスマートになりました。
3歳から80歳まで、車いすの方、知的障碍者を含めみんなが参加できるスポーツです。



パラ陸上のレースで使われる車イスレーサーを未来型にデザインした1→10の「サイバーウィール」。
VRで2100年のTOKYOを走り抜けるエンターテイメント。
コースは5種類、距離は400m。
左右のタイヤについているハンドリムを回す速さによってVRの360度映像も疾走します。



渋谷の國學院大學で開催しました。
ありがとう長谷部区長。
ピョンチャンでメダルを獲った渋谷出身のモーグル原大智さんばりに、渋谷系ファッショナブルなスポーツを生みたい。
夜のクラブ系、DeNAやmixiなどゲーム系、J-POP密集の音楽系、いろんな渋谷系超スポが期待できます。
スクラブル交差点も使いたい!



2020年Tokyoは、VRAR、5G8K、AI IoT、BigData Blockchain、ぜんぶいっぺんに来るショウケース。
このTechの変革期に、Popをまぶして、身体を拡張する。
eスポーツもご一緒に、離陸を図りたい。

超スポを開発する人も、プレーに参加する人も、ともに作ってまいりましょう!

2018年6月18日月曜日

デジタルマンガキャンパスマッチ2017

■デジタルマンガキャンパスマッチ2017


「デジタルマンガキャンパスマッチ2017」表彰式。
マンガ家の卵がマンガ出版社に才能を見出してもらう大舞台です。
実行委員長を務めております。

国内・海外138校、1166作品が参加。
コミック雑誌51編集部が参加。

デジタルマンガキャンパスマッチ
2015年の模様です。



大賞は大利健真さん「本のむし」。
里中満智子先生
「心地よい作品。
 淡いパステルカラーが奏でるフルート独奏のよう。
 すでに自分のスタイルを持っているので、しばらくは気のすむまでこの描き方で新作にチャレンジし続けてほしい」。



ちばてつや特別賞、沼ノ内揮人「一振」。
ちばてつや先生
「タッチがいきいき、キャラクターもいきいき、コマの割り方も上手なので読みやすくて一気に読んでしまったよ」。



他にも優秀賞、奨励賞、そして協賛社による賞が授与されました。
大賞・特別賞以外の受賞者はみな女性でした。
これは「よしもとラフ&ピース賞」、札幌の高校生、兒玉侑さん。
副賞は沖縄国際映画祭ご招待です。
4月、沖縄で会おう!



受賞数が多い「優秀校」は2年連続で日本工学院専門学校。
海外の4校が参加したほか、受賞者には留学生も多くて、国際性も感じます。
中国ではスマホ配信で1話10~20億ダウンロードがざらで、1話1元の大変な市場になっているが、縦スクロールで、作り方も変化しているとか。
みんな、世界を目指そう!



司会はよしもとマンガ家芸人 高橋結希さん。
参加51編集部は、少年サンデー、ビッグコミックスピリッツ、ヤングジャンプ、マーガレット、good!アフタヌーンなど。
みんなをプロデビューさせてあげてください!



里中満智子先生の総評
「一つのパイを奪い合うのではなく、みんなで多くの種類のパイを作る世界。長くプロとしてやれるかは、どこまで描くことがスキか、これに尽きる。評価は読者が決める。新人もプロも関係ない世界。がんばりがいがありますよ。」



会場の市ヶ谷DNPの地下には東京アニメセンターがオープン。
マンガを描くワークショップも開かれています。
若い作家の卵と、学校と、マンガ出版社と、プロのマンガ家と、機材やソフトなどの関連企業とをクロスマッチングする大事なプログラム。
続けていきたい。

みなさまのご協力をお願い申し上げます。

2018年6月14日木曜日

オープンデータ、世界3位。

■オープンデータ、世界3位。

オープンデータ推進機構VLED利活用・普及委員会@赤坂。
主査を務めます。
内閣官房IT戦略室、総務省、経産省、国交省、農水省、経団連、NTT、KDDI、富士通、NEC、日立、IBM、マイクロソフト、電通、MRIなど。

オープンデータに関しては安倍首相が未来投資会議で「強力に推進する」と表明、2020年までを集中取組期間とするとのこと。
国会の施政方針演説では「行政データは公開・民間開放を原則とする」とまで踏み込みました。


政府・IT本部が行政保有データを棚卸ししたところ、統計データ955件のうち、46%がオープンデータとして公開、40%が一部オープンデータ化とのこと。

一方、自治体は2年後までに100%の取組を目標としているところ、昨年末でまだ17%(1788自治体中306)にとどまるとのことです。

総務省によれば、自治体によるオープンデータ取組の課題は、メリット・効果が不明62%、人的リソース不足48%。

自治体職員向けの研修、自治体と企業との仲介・相談を行っているとのことです。

給食の献立をスマホのアプリでシェアするサービスの紹介がありました。
おかあさんがスーパーで見て夕飯とかぶらないようにする。
なるほど、おかあさんが毎日スマホで見るオープンデータ。
ユーザ視線に立ったオープンデータ策が大切ですよね。

これに対し、お父さんがランチに何を食べたかは考慮されないのかという声、さらには女性出席者から、給食とかぶっても食え、という声もあり、難しさが露呈。

オープンデータは、簡単には行かない。

オープンデータ国際ランキングでは、OECD諸国中、2014年に14位だったものが2016年には3位に上昇。
1位韓国、2位フランス。

2012年に取り組み始めたころ世界一を目指そうとぶち上げましたが、少し見えてきましたね。

2018年6月11日月曜日

LIVE MUSIC HACKASONG2018

LIVE MUSIC HACKASONG2018
LIVE MUSIC HACKASONG 最終審査&授賞式@ビルボードライブ東京。
エアギター世界王者のダイノジ大地さんがモデレータです。
審査員長を務めました。

このハッカソン、CiP協議会とビルボードがご一緒して、テック&ポップを融合させたサービスと人材を発掘するものです。
ライブ体験を拡張する、というネタを掲げて、NTT西日本、Nest+Visual、レコチョク、1→10から技術提供をいただき、VR、3D、SNSなどのサービスが開発されました。

東大、早稲田、慶應、青学、お茶の水女子などなど多くの学生、そして若手の社会人が参加し、6チームを編成。
3か月かけてサービスを開発しました。
その最終プレゼン+審査会です。

審査員は音楽プロデューサー玉井健二さん、スペースシャワーネットワーク案納俊昭取締役、国際オタクイベント協会(IOEA)佐藤一毅代表、デジタル音楽ジャーナリストジェイ・コウガミさんとぼく。

1. SDM
 ライブVR中継システム。
 ハイレゾ、立体音響、振動を伝えます。
 NTT西日本の技術を利用。
 会場に出かけるのを超えるライブ体験を可能にするものです。
 すぐ実用化できそう。
 最優秀賞と会場賞をダブルで獲得しました。




2. familiear
 ライブ観客SNSでライブに行く人を増やす。
 みんなでリアルに集まって騒ぐ+ネットでつながるアイディア。
 完成度の高いアプリです。
 優秀賞。




3. マスラーサナ
 1→10の3Dスキャンシステムを使い、3Dデータとなった客がライブ映像に参加するシステム。
 KMDの学生が作りました。




4. Enjoy'n
 3Dスキャン画像でライブに乱入する仕組み。
 自分のアバターが踊って承認欲求を満たす。




5. 上海ブギ
 ステージで話す言葉をクラウド+AIでリアルタイム自動翻訳してスクリーンに表示。
 とても高い精度です。
 外タレのライブでも、インバウンド客向けにも使えますね。
 音声指示「ライトオン」で照明もコントロール。
 ボーカルの指示で他にもいろんな演出ができそう。




6. Beat Space
 ホロレンズのMRでライブ空間を演出。
 仮谷せいらさんのライブで実演しました。




こうして生まれたサービスを実用化・商用化することが肝心。
昨年の受賞者のサービスはCiPのライブイベントでも実際に使用したりて後押ししています。
会場には業界の大物もたくさんお越しいただいていました。
ぜひ光る玉を拾って磨いておカネかけてください。



こちらにもレポート。
「最新技術を使った新たなライブの楽しみ方とは? 【LIVE HACKASONG】最終審査&表彰式レポート」

2018年6月7日木曜日

通信・放送融合2.0

■通信・放送融合2.0
規制改革会議投資WGに呼ばれ、放送改革に関する議論をしてまいりました。
ぼくは「通信・放送融合2.0」と題しプレゼンしました。
その概略を共有しておきます。

2006年総務省「竹中懇」で通信放送法制度の抜本見直しが論議されました。
当時ぼくは、通信放送は縦横に入り組んだ約10本の規制法があったのに対し、コンテンツ・サービス・ネットワークのレイヤ別に規制を再編して情報通信法という1本に集約する提案を行いました。

抜本見直しのときにしかできない規制緩和、特に電波の規制緩和を行うのが趣旨でした。
これにより、通信放送横断のサービス提供、放送のハード・ソフト分離の選択肢や通信放送の両用免許などを実現しよう、というものでした。

その後、議論・調整を経て、法律が4本に整理され、2011年に施行されました。
ハード・ソフト分離や両用免許など世界に先駆けて法律上の枠組みが整いました。
しかし、その後これが実事業として適用されるケースは乏しい状況が続いています。実態として進んだとは言えません。

その間、放送は地デジを整備しました。
地デジの目的は以下の3点ありました。

1) きれい:高精細化
 これはHD化で達成しました。

2) べんり:高機能化。
 しかし、デジタル=コンピュータの高機能メリットを活かす役割はスマホ+ネット=通信が担いました。

3) 電波の土地区画整理
 デジタルのUHF帯への引っ越しは完了しました。一方、空いたV帯の更地化・再開発は、Vlowは新サービス=マルチメディア放送が始まったが、VhighはNOTTVで一旦頓挫、その間の公共利用空間は未整備です。

つまり地デジはまだ完成途上なのです。

通信・放送融合の現状はどうか。
映像サービスの主な展開は、1)融合、2)スマホ、3)大画面。
通信放送融合サービスの展開、スマホ1st、4K8KのサイネージやPV、の3方向です。

1)融合サービスとしての放送局の取組例、「radiko」は大阪のラジオ局がNTTと組み、ぼくら慶應大学との産学実験として始まり、全国に広がったものです。

地デジの電波を通信に使う取組として、放送の電波にIPを乗せるIPDCを普及させるコンソーシアム「IPDCフォーラム」を2009年から主催しています。
TFMグループがIPDCを使い、V-low周波数帯にてマルチメディア放送として実サービス「i-dio」を2016年から提供。放送波を使った通信的サービスの始まりです。

2)主戦場はスマホに移行しました。
主要デバイスがTVからスマホに移るスマホファーストが顕著になっています。Abamaのように放送局がIT企業と連携した例もありますが、例外的。多くは通信側が進めるサービスです。

昨年から、NetflixやAmazonなど海外のOTTと呼ばれるネット配信が本格化しています。
コンテンツ制作に巨額の資金を投じ、テレビ中心の業界構造が変わる兆しが現れています。
吉本興業の「火花」が世界190か国に配信され、その後NHK地上波でオンエアされたのが典型です。

3)4K8Kの超高精細で大画面のディスプレイが町に展開されるデジタルサイネージやパブリックビューイング。
「デジタルサイネージコンソーシアム」設立から10年、ビジネスとして本格化してまいりました。

全国に4K8Kのパブリックビューイング場を作る「映像配信高度化機構」も昨年立ち上がりました。総務省、NHK、NTTらと協働し、2020年には100ヶ所を整備する計画です。
4K8Kは通信が先行です。


海外事例も3点押さえておく必要があります。

1)オールIP、オールクラウド
 アマゾンはAMSクラウドインフラの上にプラットフォームを作り、マルチネットワーク・マルチデバイスへの配信システムを構築。既に世界の多くの放送局が利用を開始しています。放送システムを全部クラウドシステムに移管することを検討する放送局もあります。

2)イギリスのプラットフォーム
 BBCと民放事業者がYouViewやFreeviewPlayといった共通プラットフォームを構成しています。NetflixやAmazonなどアメリカのOTTへの対抗策でもあります。

3)アメリカの政策対応
 アメリカでは制度対応として電波オークションとネットワーク中立性が要注意です。FCCが2016年、テレビ局が使わなくなった電波を通信事業者に譲渡、テレビ局各社に合計105億ドル(1兆円)を支払いました。地方局の設備統合や携帯事業の設備投資を促すことが目的です。
 また、昨年末、FCCがネット中立性を廃止しました。AT&Tなどの通信会社がGoogleやAmazonなどへの競争優位を復活させ、産業構造に変化が起こり得ます。日本に波及すれば、NTTなどの通信会社が映像配信への勢いを増すことが想定されます。

放送側の課題は「非成長性」でしょう。
この20年、ネットとスマホで通信は大きく伸びました。トラフィックの増加もほとんどが通信です。
放送は1chの電波に1chのコンテンツを乗せて広告を取るビジネスから脱していません。
コンテンツ価値の拡大は通信メディアで実現する一方、電波を有効利用して価値を高める動きはほとんど見られません。

東京キー局の時価総額の総計は1.8兆円。一方、昨年度のNTTの営業利益が1.5兆円。1年の利益でほぼ全局を買収できるわけです。それだけの投資体力差がある中で、放送だけで成長戦略は描けません。効率化、集約、外部資金の獲得などの経営力が必要です。

個別には1)ビジネス面、2)技術面、3)制度面の課題が考えられます。

1) ビジネス面
 ネットとの向き合い方。同時配信がまだ行われず、広告費ビジネスからの脱却が見えない。視聴履歴の利用も進んでいない。著作権処理も課題のまま。ネットではビッグデータやAIの分野へと進化しているのに、です。

2) 技術面
 地上波の限界が露わになっています。1chのデジタル波を分割して1スロットを1セグに使う工夫はありましたが、それも下火。マルチデバイス向けの有効活用はできていません。次のトレンドである4K8Kは地上波に出番がありません。

3) 制度面
 融合サービスやハード・ソフト分離を可能とする法律はできたが、それを活用する例は乏しい。放送波で新聞などを配信する通信サービスや、IoT放送など新しいビジネスは想定はされるものの実態が発生していないので詳細の制度ができていません。
 同様に、放送に課せられた番組紀律、マスメディア集中排除、県域放送などの縛りを解くことも考えられるが、これは制度問題というより、それを望む事業者のニーズが乏しいと考えます。つまり制度問題というより、それ以前のビジネスの意志の問題かと。


方向性を示す事例として、1)TV版radiko、2)大阪チャンネル、3)FLATCASTの3件を挙げます。

1) TV版radiko
 IPベースで電波・ケーブルのマルチネットワーク展開し、編集・配信のコストを格段に下げる。放送局の共同プラットフォームを形成する。視聴履歴のビッグデータをAIも回して視聴行動を導く。

2) 大阪チャンネル
 昨年4月に吉本興業とNTTぷららがスタートしたスマホ向け配信サービス。主に吉本興業がからんだ大阪の地上波民放局の番組が配信されている。オリジナル作品も配信される。月400円の定額サービス。テレビのプラットフォームをプロダクションと通信会社が作っているというモデル。

3) FLATCAST
 光NWを活用した高品質映像の配信実証。放送映像を東京、大阪等からIpV6マルチキャストで4Kを含むマルチデバイスへ配信、ブロックチェーン等セキュアな技術も導入しています。慶應義塾大学 SFC研究所が主導し、放送事業者、通信事業者、広告会社、IT事業者等が協力しています。

これらに限りませんが、個別放送局では難しい大きなビジネスデザインが必要。通信会社や外資を含む技術実証と、必要な規制緩和が欲しい。ただ、技術面や制度面を動かす前に、これらを進める放送業界のマインドセットやアントレプレナーシップが欲しい。しかしこれは簡単なことではありません。


大きく業界やメディア構造が変わる融合2.0に対応する、2020年に向けて、改めてメディアのビジョンを描き、その上で必要な大胆な規制緩和の措置をデザインするのがよいと考えます。