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2017年9月28日木曜日

eスポーツ団体が統合・新設されます!

eスポーツ団体が統合・新設されます!

このたび、ゲーム関連5団体は、「eスポーツ団体の統合・新設」に向けた取り組みを開始することを発表しました。

eスポーツ3団体:JeSPAe‐sports促進機構、JeSFと、CESAJOGAによる新団体設立に向けた統一行動です。

大きな決断、大きな行動です。


5団体は、国際大会への選手団派遣や国産ゲームタイトルの供給などに向け、日本オリンピック委員会(JOC)への加盟を目途として、年内に新団体の設立を目指します。
この新団体は、ゲーム業界団体の協力を得てeスポーツ業界団体が統合を図るもので、世界に類を見ない取り組みとなります。

新団体は、プロライセンス発行等を行うことで、eスポーツ選手が日本及び世界で活躍できる環境の整備を進め、eスポーツ選手の地位向上に努めていくこととしています。

これにより、JOC加盟→IOC加盟を経て、2022年アジア大会への参加、そして五輪正式種目化が期待される2024年パリオリンピック参加の道が開かれます。
公式プロが認定されることで、景表法の賞金10万円規制も非適用となり、大きな資金が動くエンタメ産業の道も開かれます。

ぼくはJeSPA(日本eスポーツ協会)の理事として、日本をeスポーツ大国とすべく課題解決に取り組んできました。
その一つが団体統一でした。
分裂していた男子バスケット団体が五輪参加資格を失う騒動があったように、eスポーツも団体統一は大きな課題であり、難問でした。

しかし、海外でのeスポーツ熱の高まり、正規スポーツとしての認知の増進などを背景に、関係者が利害を超え、一致に向けて汗をかくこととなり、さまざまな調整を経て、このたびの発表に至ったものです。
関係者全員の英断に頭を下げます。

eスポーツ3団体とCESA(コンピュータエンターテインメント協会)、JOGA(日本オンラインゲーム協会)という2つのゲーム業界団体とが手を組むことも重要です。
ゲーム大国である日本の産業技術力をバックに、eスポーツの後進国から一気に先進国へと歩み始めたい。

なお、CESAは2年前にJASGA(ソーシャルゲーム協会)と合併した法人です。
ぼくはJASGAの事務局長を務めていましたが、吸収合併で強固な産業基盤が形成されると判断し、自分のクビを切った仕事です。
JASGACESAの合併

今回の件が進めばJeSPAは解散になるので、またぼくは自分のクビを切って前に進める仕事です。
いい仕事。ほとんど何もしてないんですけどね!

成就まで、みなさまのご理解とご支援をお願いいたします。

2017年9月25日月曜日

官僚は、どう生きるべきか。

■官僚は、どう生きるべきか。

加計問題は収まりを見せたのかと思いきや、解散・総選挙で、また蒸し返されそうな気配が漂います。
左右両面の見方が放り投げられたまま整理がされていませんが、ぼくは元官僚として、元官僚や現官僚のせめぎあいを眺めつつ、その生きざまに思いをいたしております。

前文科事務次官「行政が歪められた」発言に対し、元官僚の学者などが同意したり批判したりしていますが、際立って説得力と迫力があったのは加戸守行さんでした。
文科省の局長から知事へ転出した加戸さんと前川さんの、官僚トップ同士の対立には興味深いものがありました。

補佐・課長クラスが政治も交えせめぎ合う行政現場の実態を表舞台にさらし、岩盤と忖度という日本的なるものを巡り同じ役所の官僚トップOBがやりあった点で一級のエンタメでした。
でも次官経験者で前川さんの発言・行動を支持する人なんているんでしょうか。
局長・次官経験者の評価を聞きたいものです。

内閣人事局は政高官低の定着、政治による官僚支配の完成を意味します。
官僚は天下りがなくなり、権力も削がれ、いよいよ生きざまを問われます。
政治への転出は一つの有力な出口ですが、かつてのように次官・局長から議員になる道は減りました。
そこで若手官僚が民主党から大量進出したが失敗に終わりました。

かつて総理は官僚出身者の席でした。
吉田岸池田佐藤福田大平中曽根。
しかし宮澤さん以降25年間、官僚首相はいなくなりました。
政が官を必要としなくなった、というより、政と官の役割分担が変わったのです。

小泉内閣はスタート時、官僚出身の大臣は森山(労働)、川口(通産)、村井(通産)、尾身(通産)、柳澤(大蔵)、片山(自治)、遠山(文部)、大木(外務)の8名。官僚内閣でした。
暴れん坊首相と官僚司令塔(飯島秘書官)のもと、官僚OB大臣が官僚を押さえることで小泉政権は推進力を保ちました。

現安倍政権は、大蔵2+通産1、その前は大蔵3。
最近では官僚大臣が多いほうではあります。
だがその行政力は、内閣人事局という「システム」で官邸が官僚を押さえたことに裏打ちされています。大臣を通じてというより、官邸が直接パワーを行使しています。

国政大臣の道が減った官僚は、首長の道を行きます。
現知事は、自治13、通産8、大蔵3、農水2,外務、運輸=28名。
気がつけば知事の6割が官僚上がりです。地方を官僚が押さえます。LGが押さえる構図。
(大井川さん(通産)、茨城県知事 当選おめでとうございます。)

官僚出身者が学者やシンクタンクに転身し、政策にコミットするパタンも増えました。ぼくもその一味。
それがいいことなのかどうか。外野の評論家が増えて面倒になっただけなのかもしれません。
外に出た官僚が再び政府に戻る道を増やすという主張もありますが、それもいいことなのかどうか。

政、学以外の道で活躍する人もいます。
村尾信尚さん:大蔵→NEWS ZERO、上山信一さん:運輸マッキンゼー、平田竹男さん:通産→Jリーグ、村上世彰さん:通産ファンド、小城武彦さん;通産→CCC、溝畑宏さん:自治大分トリニータ、岡村慎吾さん:総務→DeNAなど。改革者たちです。

こういうことも含め、次官経験者が政官のグランドデザインを議論してもらえないものでしょうか。

場は用意します。加計問題という獣医学部を一個作るかどうかなんてクソみたいなテーマではなく、官僚がどう生きるべきかのオープンな議論を、トップのかたがたに整理していただきたいものです。

2017年9月21日木曜日

2020Tokyoに向け民放は

2020Tokyoに向け民放は

 民放連ネットデジタル研究会。民放のキー局・ローカル局が参加し、ネット・デジタル対応を練る場です。ぼくが座長を務め、これまで6年間続けてきました。

 6年目の報告をまとめるに当たり巻頭言をしたためたので、貼っておきます。放送局の幹部向けのものなので、マイルドにしてあります。

――――――――――――――――
 現在、総務省情報通信審議会に「放送コンテンツの製作・流通の促進等に関する検討委員会」が置かれ、放送・ネット同時送信が焦点になっている。通信・放送融合の政策論が始まった1992年の郵政省・電気通信審議会以来25年を経て、放送とネットとの関わりが成熟したことを示す。

 私が座長を務める知財本部にて、さきごろ映画の振興をテーマとする会議が開かれ、吉本興業がNetflixと制作した「火花」が190か国に配信され、その後NHK地上波でオンエアされていることが話題となった。

 米IT企業の資金で作った「映画」級のコンテンツが「ネット」配信され、それが「放送」番組となる。従来のビジネスモデルも、通信・放送の前後関係も、制作手法も、全てが既に覆っている。場面は切り替わった。


 昨年のレポートの巻頭で私は、放送局が自らのビジョンに立って多様な路線を取り始めたと総括した。民放公式テレビポータル「TVer」のスタート、ソーシャルサービスとの連動、ライブ配信、プラットフォームへのコンテンツ提供、Vlowマルチメディア放送や「モアテレビ」の始動など、各社それぞれの意思により、さまざまな戦略を繰り出している。

 参加各局のレポートを読み、「「テレビからITへ」の展開、「放送からITへ」の攻めとも言えよう。放送局がITを使いこなす意思が明確となってきた。」と結論づけた。

 今年の報告ではそうした多様な路線は定着し、ビジネスが本番に向かったことが伺える。ネット配信やそのビジネスモデルに関する各局の取組がちりばめられている。そのリアリティーを確認していただきたい。

 それに先立ち、菊池尚人氏がこの20年のメディア変遷を踏まえ、20年後のメディア展望を描いている。そして内山隆氏は放送のネット配信が欧米に遅れている状況をにらみ、それらの動向・展望と政策論議を整理している。出色の寄稿、ぜひお読みいただきたい。


 さて、昨年、私は2点、留意点を指摘した。

 一点は「テレビ」を問い直す局面だということ。番組がスマホやタブレットでも、世界どのエリアでも視聴できるようになり、いわゆる「オールIP」も視野に入ってくるということだ。

 もう一点はスマートの次の世界、「脱スマート」とでも呼ぶべき段階が現れたことだ。IoTやAIに代表される状況だ。

 この一年で、早くもこれらは俄然、本格的な段階に突入した。AbemaTVはじめスマホ向け映像サービスが普及し、若い世代が急速に映像も「スマホファースト」に移りつつある。そして政府はAI/IoTの開発を成長戦略の重要課題と位置づけ、第4次産業革命・Society5.0と称して、それら新技術の普及に力を入れている。

 これらの大波が放送界を襲うのは、25年前の通信・放送融合よりも高速であろう。デジタル基盤が既に整っているのだから。


 今回のプロジェクトでは、6回にわたりゲストと討論した。これまた刺激的だった。SpotifyやFreewheelのかたにお越しいただき、海外の音楽・映像配信のヤバさを再認識すると同時に、radikoやdTVの状況から、ネットとの連動が定着したことを確認した。AbemaTVには、融合ビジネスで放送局の役割が不可欠であることを指摘してもらった。

 私がショックを受けたのは2点。まず、LINE LIVEが「若いユーザは映像をタテ画面でしか見ない」と報告したことだ。スマホファーストにシフトする中で、映像はヨコからタテにシフトするのか。すると、3:4だの9:16だのヨコ文化でやってきたテレビの映像はどう作ればよいのか。これは4Kや8Kへの対応をしのぐ大きなテーマになりはしまいか。

 もう一点は、米国で「オールIP」の動きが現実に始まったという報告だ。放送のシステムがまるごとネットのクラウドに移行することを意味する。25年前、「いずれそうなるかもしれない」だった通信・放送融合が本番を迎え、次の「いずれそうなるかもしれない」がもう目前に迫ってきた、ということだ。

 五輪中継のgorin.jpにも報告をいただいた。次の五輪、2020Tokyoでは、これらが全て本格化する。スマホファーストや4K8Kは無論、オールIP、VR・AR、IoT・AI、それら新技術が放送との関わりに決着をつけ、日本が世界のショウケースとなるはずだ。


 号砲は鳴りっぱなしである。備えはよいだろうか。

2017年9月18日月曜日

ロッキング・オンの時代

■ロッキング・オンの時代
橘川幸夫さん著「ロッキング・オンの時代」、読みました。

KMD1期生の浅田博士にご紹介いただき、CGM発展のための運動をご一緒しようとお話した際、ご当人からいただいた書。
72年創刊。むさぼり読んだクチです。渋谷陽一さんらと創刊に当たったレジェンドが振り返るあの時代。強烈に面白い。

編集部は個性を携えた異形の士たちの危うい同居であった。ぼくの一世代上の、学生運動には少し遅れた、だけどギラついたエネルギーが残る70年代前半。その対象としての、みんなが参加を許された表現としての、煮えたぎるロック。

ロッキング・オンは、その時代、そのジャンルに、行き場のなかった連中、読者=参加者が、手に余る熱を放り込むコミュニティ、今でいうCGMでした。ぼくは大学に入るのが79年なので、70年代前半は子どもでしたが、当時の匂いは共有しています。

橘川さんはジャニス、ジミヘン、GFR、ボウイ、ブライアン・フェリーと来たのだが、その後登場したパンクは「音楽の内部の出来事ではなくて、これまでのロックというフレームを超えようとするものとしての衝撃」と記している。同意します。

橘川さんは1981年にロッキング・オンを辞めたとあります。それは恐らくパンクとも直接の関わりがあったのでしょう。ぼくは煮詰まったロックを転覆する運動としてのパンクから本格的に音楽にのめり込み、それは以後ぼくの活動の基軸をなしますが、橘川さんもその時点で転換されたのではと。

ただ、橘川さんは、「パンクムーブメントのように、一人ひとりが日常の中で言いたいことを表現する参加型メディアを目指した」ともあります。ぼくはパンクからデジタルへと領分を変えましたが、追い求めている世界はずっと同じ、民主化だと思いました。

石子順造、つげ義春、真崎守、竹宮恵子、岡崎京子・・マンガ分野の登場人物がぼくには刺さる名前ばかり。ロック趣味とマンガ趣味が地続きなんですね、それはぼくのような後進にとっても同じです。

テレビマンユニオン村木良彦さんが「兄貴分」として登場しました。ぼくも20代のころ、村木さんの塾に官僚としてただ一人参加していて、いつも大いに叱られていました。橘川さんとぼくは棲息する場は全く違いましたが、同じようなところに出入りしていたんですね。


お目にかかった際、橘川さんは「未来学」の再興に言及されました。ぼくは今こそ未来学が必要だと考えています。子どもの世代が未来を展望していない。それは大人の責任。新・未来学をともに追求してみたいと思いました。

2017年9月14日木曜日

ポップ&テックのショウケースをTokyoに

■ポップ&テックのショウケースをTokyoに

サロンCiP@慶應三田キャンパス。
世界のコンテンツとテクノロジーの動向として、自称GLOCOMの境真良さんがCES(ラスベガス)、WMC(バルセロナ)、CeBIT(ハノーバー)について話し、AOIproNTTなどからSXSWの報告をいただきました。

境さんの話。
CESの目玉は一昨年はNetflix、昨年はクルマ、今年はAlexaMWCは5GIoTCeBITはドローンが目立った。
世界的に大きく動いている、ということですね。

SXSWは展示会というより、勉強会とネットワーキングが本質、という説明がありました。なるほど、その機能は日本ではあまりクローズアップされていません。

NTT木下さんから、Cyber Teleportation Tokyoの紹介をいただきました。
スゴいよね。このライブ技術。
この後開かれた「ニコニコ超会議」でも超歌舞伎「花街詞合鏡」で存分に魅せてもらいました。

このシンポ、ぼくは沖縄国際映画祭から戻ってきた足で参加し、週末はニコニコ超会議で超スポです。どちらもポップ&テックの融合した参加型イベント。

SXSWとかCESとかWMCとかCeBITなどを通じ、テクノロジーとエンタメが融合しているようですが、テックとポップを融合したイベントこそ東京でやらなきゃですよね。

もちろん、ポップでテックで参加型のイベントは、ニコニコ超会議、東京おもちゃショー、東京ゲームショーなどいろいろあるのですが、もっと集積することでパワーを発揮できると思うんです。海外にない、もっとスゴいものをお見せできると思うんです。東京なら毎日やってていいと思うんです。

テック&ポップ特区のCiPが仕掛けていきたい。

境さんは、日本が大市場であることを前提にイベントをする時代は終わり、海外と連結して発信することを強調。山口さんは、日本はタテ割りでたこつぼになりがちだから、外国人の目でみて、ゆるく大雑把に連結させるのがよいと指摘。同意します。それ、やりましょう。

その後、経産省コンテンツ海外流通基盤整備事業JACCの報告会となりました。
VIPO市井事務局長、角川アスキー総研三村さん、SYNC MUSIC後藤事務局長、アーティストコモンズ菊池さんから報告。

JACCは、映画、テレビ番組、アニメ、キャラ、音楽、ゲーム、マンガの一括検索機能をもつデータベースを構築するものです。音楽部門はぼくらのSync Musicが担当しています。

コンテンツ海外展開の基盤整備。地味だが大きな意味のある政策です。既に178か国からアクセスがあったとか。その分析により、海外市場の動向や展望も得られそう。国のコンテンツ政策は、こうしたインフラ整備に力を入れるのがいい。


2020に向けて、こうしたインフラ整備も進みます。地味なインフラの上に、賑やかなポップ&テックのショウケースを作る。セットで進めたいです。

2017年9月11日月曜日

京都国際映画祭2016

■京都国際映画祭2016
歴史と文化を備えながら、最先端への挑戦をやめることのない京都。日本の映画のふるさと京都。この地で開かれる京都国際映画祭、第3回。実行委員長を務めました。


映画祭でありますが、タダの映画祭ではありません。「映画もアートもその他もぜんぶ」。ぜんぶのお祭りです。今回のテーマは「京都上ル上ル」。
(パーティー司会はロザン+チャド・マレーン。)


京都の街もぜんぶ使います。オープニングは世界遺産・国宝、二条城。西本願寺、大覚寺、京都市役所、京都国立博物館、立誠小学校、能楽堂、藤井大丸、イオン、ぜんぶ。






今くるよ師匠、坂田利夫師匠らと記者会見。
(こちらの司会は藤井隆さん木村祐一さんでした。)


そして、このイベント、最大の特徴は、みんなに参加してもらうこと。映画のひとも、アートのひとも、行政も産業界も、学生はんも子どもらも、おおぜいの芸人さんも、みんなが参加して、みんなが作る祭りです。
(文枝師匠、きよし師匠、篠田正浩監督、名取裕子さん、内田裕也さんらと乾杯)

「『京都国際映画祭』が開幕 世界遺産・二条城でオープニングセレモニー」

「京都国際映画祭2016が二条城で開幕!アンバサダー名取裕子「世界中に注目してほしい」

「京都国際映画祭が開幕」

「篠田正浩氏「こんなに京都に縁があるとは」」

「小津安二郎の本邦初公開作品も!京都国際映画祭が開幕」

「ジャイアント馬場さん、京都市役所前に」

慶應の学生はけしからん!とぼくはロケンローラーにめっちゃ叱られました。
「〈速報〉内田裕也やっぱり暴走フライデーに都知事に怒り」


京都国際映画祭、ルポつづき。アート編。
今年も木屋町の立誠小学校跡地をアート展示に使わせてもらいました。


目玉は蛭子能収さんの「えびすリアリズム」。大型作品やマンガの原画、18禁モノのマンガなど。


Netflix「火花」で徳永の相方を見事に務めた井下好井の好井まさおさんが教室で火花を解説してくれてました。
(とろサーモン村田さんの話も聞きたいな)


キティちゃんは、何でもやる。その姿勢、勉強になります。


市役所前広場の目玉は、永井英男「へそで投げろ」。全長7mのジャイアント馬場がクルマをバックドロップ。
門川市長いわく「市長室から観るのが一番ええアングルやで、有料で入れたる」。
木村祐一さんいわく「馬場さん現役のころバックドロップしてへんかったで」。


藤井大丸の中はシャンプーハットこいちゃんのシュールな作品がたくさん並べられていました。


藤井大丸の正面玄関には、Chocomooさんの期間限定らくがき「エントランス・マジック」。


平安神宮のそば、京都伝統産業ふれあい館のガラスは、中島麦さんのらくがきです。


明和電機「ヒゲ博士とナンセンス★マシーン」などを展示してくれた西本願寺の前には、Yottaさんの「金時」。石焼き芋のデコカー。想像力とコミュニケーションが路上にあった「あの頃」を問う。


イオンモールKYOTOは渡辺直美展。インスタの女王、海外でも人気を博する渡辺さんの世界観。長蛇の列です。

カッコいいんです、渡辺さん。
「渡辺直美「彼氏はいますか?」に回答 「口が滑って」赤裸々告白」


イオンモール桂川では、映画ギャグパネル展。本格的に作り込まれたパネルのバカバカしさ。
たくさんのお客様にお越しいただき、感激。


ネタとしていちばんグッと来たのはコレでした。


映画祭連携企画として、建仁寺で開催中のアーティスト・土佐尚子京大教授の展示とコラボしてみました。
京都は学生比が日本一高い都市。来年は大学との連携を広げたい。みなさん、よろしゅう。


吉本興業とアマゾンが組んで、小説やマンガの原作を発掘し、Amazonでの出版や映像化という出口を用意するプロジェクトの会見が開かれました。「原作力」がエンタメ界のパワーの源。そのための仕組み作りは重要な意味を持つ。さて、どうなるでしょう。

詳しくはこちら。会見中、麒麟・田村さんが一発屋ならぬ「一冊屋」と呼ばれていました。一冊でも当てたらええやんね。
「よしもとが原作発掘に一役」




海外プレスから突っ込まれたのは、国際性。京都でのイベントは放っといても国際的になるんですが、だからぼくも一段強い国際性の発揮が課題だと思ってます。ただ、通常の映画祭のような業界的発信ではなく、海外みんなの参加型にしたい。知恵ください。


第3回の柱は?とのCNN質問。映画もアートもその他も「ぜんぶ」、京都の東西南北「ぜんぶ」、そして「みんな」の参加型。この3点を定着させたこと、と回答。すると、everything、everywhere、everyoneの拡散はコアを薄めるのでは?との質問。うむ。


コアは「京都を表現すること」と回答。古典文化から先端技術までの「ぜんぶ」性、世界遺産や市役所でポップアートとギャグを見せる「ぜんぶ」性、貴族と町衆の参加型文化、まだ内外に示しきれていないまるごとの京都を示したい。

で、クロージングは阿部寛さん。
「『京都国際映画祭2016』が閉幕 阿部寛が三船敏郎賞を受賞「これからも映画とともに」」

「阿部寛 三船敏郎賞を受賞 「これをバネに」とさらなる飛躍誓う」

死者も出さず犯罪者も出さず、無事閉会。おおきにありがとさん。

今年もよろしゅうに。
「京都国際映画祭2016」に関する記事

2017年9月7日木曜日

「「強すぎる自民党」の病理」

■「「強すぎる自民党」の病理」
池田信夫さん著「「強すぎる自民党」の病理」。読むのに時間がかかりました。面白くて。
戦後の政治史観には同意する指摘が多々あり、ピックアップしつつコメントします。
◯は池田さんの指摘です。

◯自民党は一貫したポピュリズムの党であり、初期は農民の党だったが、公共事業・バラマキ福祉の利益誘導システムを作った。

  当初、官僚出身=イデオロギーvs党人=リアリズムという対立項があったが、後者が自民党の本質であり、その代表が田中角栄だと思います。
「田中角栄というシステム」

◯「農地改革と財閥解体で資本家がいなくなったため、個人の預金を低利で集めた銀行が資本を供給し、サラリーマン社長が経営する日本型資本主義が成立した」

  江戸時代から武士より農商に有利な「逆身分」社会構造だったと池田さんは言います。戦後さらにそれを逆進させた。その社会主義的な格差なき成長は、大蔵省がグランドデザインを描き、GHQに実行させたものです。

◯ドッジラインもシャウプ勧告も大蔵省がアメリカを利用した。軍と内務省がGHQに解体され、大蔵省が行政をコントロールした。

  コミック・モーニングに連載していた「疾風の勇人」が参考になります。

◯サラリーマンは労組でなく企業に帰属意識を持ち、企業一家として自民党の支持基盤となった。社会保障を拡大し、「社民の「福祉国家」という看板は、自民党に奪われてしまった」。

  これが自民党のリアリズム政治。地域に張り付いて、目の前の支持層を取り込んでいった蓄積が今の姿だと考えます。

◯小沢一郎「日本改造計画」は小さな政府を求めた。竹中平蔵ら当時の学問的コンセンサスだった。小さな政府は小泉ー竹中ラインが進めたが、小沢氏はその後迷走し、左派となり、大きな政府を目指した。安倍首相も大きな政府を目指している。

  日本改造計画、情報通信の部分はぼく執筆しました。当時は役所もその新構想に思いを寄せていたのです。それはおおむね実現しましたが、実現したのは小沢さんではありませんでした。今また大きな構想が求められています。

◯官邸主導は小泉政権が進めた。法案の起案~閣議に至る関係省庁+与党の調整スキームは、江戸時代から変わらないボトムアップの統治システム。

  ぼくの役人生活は、9割がたそうした「調整」でした。起案、省内調整、研究会、審議会、マスコミ対策、法制局、他省庁折衝、閣議、与党調整、野党対策。

◯小泉政権は竹中=飯島ラインの名人芸で政権運営したが、官邸主導を制度化できず、後に続かなかった。「家」の自律性が高く、強いリーダーは拒否されてしまう。

  小泉モデルは強いリーダー+参謀のセットでした。参謀はいても、「強いリーダー」が天下を取るのが日本は難しい。

◯民主党政権は命令しても官僚が動かなかった。政治主導の幻想で政策が実現しなかった。政治主導のコアとなる公務員制度に無関心で、天下りを禁止する方針を出していた。

  民主党政権はリアリティーよりイデオロギーが優先しました。官僚OBの若い政治家が理念を実現しようとしました。しかしその多くは課長補佐クラスから転身したかたがたで、往年の自民・官僚派が次官・局長級から上がってきたのに比べ、霞が関への重みが足りませんでした。

◯安倍一強の原因は、官邸主導を実現した政治的イノベーションにある。「菅義偉官房長官が官僚を「直接統治」するシステム。」内閣人事局を通して霞が関幹部の人事を握り、実質的な政治任用にしたこと。

  現政権は重い番頭モデル。中曽根政権の後藤田官房長官、小渕政権の野中官房長官を想起させます。
「ぼく目線で野中広務回顧録を読んでみた」

◯「財政を再建する方法は社会保障の抜本改革しかない」今のまま放置して財政が破綻すると、年金の大幅カットやハイパーインフレなどの「ハードランディング」は避けられない。「財政再建は厚労省の解体から始まる」。

  最後に一点だけ政策論。ぼくもこの分野が最重要の政治課題と考えますが、動かそうという気配がありません。次、日本に政治の季節が来るのは、この件が破裂するか、国際紛争に巻き込まれるか、いずれかだと思います。



次は池田さんのポスト安倍・ポスト平成の話を伺いたいです。

2017年9月4日月曜日

京都。きらい、こわい、スキ。

■京都。きらい、こわい、スキ。

 井上章一さん「京都ぎらい」。
 筆者の出身地、右京区・嵯峨がかつての都・洛中から外れた「洛外」であることに対する鬱屈がねっちゃらねっちゃら塗り込められています。

 ぼくも修学院や山科ていう京都の洛外出身です。この本には山科の男から見合い話が来て落胆する洛中の女性が登場しはります。ぼくも洛中の女をがっかりさせることがあったんかもしれませんけど身に覚えはありません。筆者ほどの被差別感を被ったこともおません。

 それは元の(母の)実家が洛中の西陣で、平安京の大内裏、太閤さんの聚楽第の中やさかい、そこに心のよすがを求めていたからかもしれません。ところがこの本には、新町御池の人が「西陣ふぜいが生意気に」と言わはる場面もあります。こうなると今の御所以外はみな敗者いうことになります。おお、こわ。

 お寺さんの写真を使うのに納金が必要で、出版社は金銀苔石(金閣寺、銀閣寺、西芳寺、龍安寺)に一枚20万円を払うならわしがあるとされています。ぼくも同じ話を出版社のかたに聞いたことがあります。法的に争うてもお寺さんが勝つとは思えへんので使てまえばええんですが、お寺さんから「バチ当たる」言われたそうです。京都では法律よりバチのほうが怖い。おお、こわ。

 ほんでも、なんか、ちゃう。もっと芯の京都のこと、聞きたい。
 京都をネタにした本は無数にあります。
 これまでもいくつかメモしました。

◯梅棹忠夫の京都案内
 芸妓・舞妓は京都のブルジョワが金に糸目をつけずに念入りに育て上げた。
 市民はみんな比叡山にただのぼるためにのぼった。
 東京、大阪では「なんだ、学生か」とあしらわれても、京都へくれば「学生はん」。

◯梅棹忠夫先生の「京ことば」
 「してごらん」は「しとおみ」、「おいで」は「おいない」、「おくれ」は「おくない」。
 「おい、タバコくれ」といういいかたは、京都では絶対にありえない。
 「すんまへんけど、タバコおくれやす」となる。

◯松田道雄さんの京都追憶
 電車が日本で初めて走った町。初めて小学校ができた町。
 京の女は小便桶に「立ち小便」する。
 スカ屁した犯人を決めつける遊びがある。

◯加藤秀俊「メディアの発生」
 岡崎法勝寺にあった九重の塔は80m、義満が建てた相国寺の七重の塔は109m。
 現存する東寺五重塔は55m。
 南北朝~室町の京都は高層都市だった。


 これらは京都学派がお元気やったころの大御所による書で、60年安保前の文章もありますさかい、懐古に過ぎるかもしれません。その点、入江敦彦さんのシリーズは最近の空気を伝えてくれます。

 入江さんにお目にかかったことはありませんが、同い年で、同じあたりに生息していたようで、そやったそやったいうネタをようけ残したはるんです。「京都人だけが知っている」「やっぱり京都人だけが知っている」「イケズの構造」「怖いこわい京都」、2001年から07年までの4冊をまとめ斜め読みメモしてみまひょ。


 「河波忠兵衛はんのCM」(「墓のない人生は、はかない人生」)。寂しい「比叡山のお化け屋敷」(出口から入るとタダです)。深泥池の東、「狐坂のヘアピンカーブ」(入江さんの父上はクルマで下らはったそうですが、ぼくらはチャリで爆走してました)。あのころ、あのへんにおったもんにはピクピクくるネタです。

 出町柳「ふたば」の豆餅。「力餅食堂」や「大力食堂」の麺とメシ。そして一乗寺界隈の京都ラーメン、「天下一品」、「珍遊」、「天天有」。パッチギの街で、そんなんこってり食べて大きなりました。たこ焼きは「三個十円」でした。「人口密度に比べ数が異常に多い」銭湯都市で、夕方は岡八郎さん花紀京さんら京都花月のポスターが貼ってある風呂屋に通てました。

 街に出るようになりました。純喫茶「築地」ではバイトを断られました。ライブハウス「磔磔」には何度も出演させてもらいました。本屋都市を代表する河原町の「駸々堂書店」や「京都書院」は90年代にバタバタ倒れましたが、今も「恵文社一乗寺店」は「デザイン、建築、映画関係は他の書店を寄せつけない」ですし、「下鴨納涼古本まつり」は名作アニメ・四畳半神話大系の冒頭にも登場します。

 京都もんにはジュワっとくる固有名詞のパレードです。


 京都は、壊され続けてきました。平清盛木曽義仲源頼朝義経足利尊氏織田信長豊臣秀吉徳川家康新選組。「よそさん」から壊滅的な打撃を受けてきました。壊したり建てたりの1200年やったんどす。ずっと壊れてない奈良とは呼吸する息の濃さがちゃうんちゃうか、思います。

 「普請負け」いう言葉が出てきます。取り壊される家のたたりで、建て替えを機に没落していくこと。入江さんは、旅でよう帽子をなくさはるらしく、自分の身代りになってくれた感覚を持たはるそうです。ぼくも実家の普請負けを見てますし、モノなくした時に身代わりおおきに感を抱きます。

 こわれること、なくなること。消えること、終わること、死ぬこと。そないなこと、あんた平気やなぁ、冷たいなぁ、言われることあるんですが、その気構えが常や、いうんが京都人なんかもしれません。


 一方、「京都人だけが知っている」で、京都とロンドンとの親和性を説かはるんですが、確かにおっしゃるとおり、観光大使はデヴィッド・ボウイさんがよかったとは思いますけど、それはどうでっしゃろ。

 「イケズの構造」で、高慢、慇懃無礼、イヤミやとしてフランス人が京都人と似た嫌われ方をしていると指摘したはります。姉妹都市、パリのほうが似てるんと違いますかね。
 「そやねえ、そう思わはるんやったら、それでえんちゃう?」
 「こんな美味しいもん、勿体のうて食べられへんわ」
 「五百年もしたら値打ち出ますやろ」
 例示されてる、これぞ京都な物言いは、英語よりフランス語でしゃべったほうがイケズな気いしません?

 ところで、その本のイラストを洛外の巨匠、ひさうちみちおさんが描いておられます。
「うんこさんか。それはな、おならとおしっこには「お」がついてるのにうんこには「お」がついてないので代わりに「さん」がついてるわけや」

 本文と関係ないこのイラスト会話が一番おもろかった、いうのも一種のイケズですか。