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2010年2月28日日曜日

慶應デジタルキッズ -2

Kids 慶應デジタルキッズ-2

 ワークショップコレクション、今日までです@慶應義塾大学日吉キャンパス。
 http://www.wsc.or.jp/WSC.html



 さて、続き。
「タケシ学院」。
 フジテレビの人気サイト「少年タケシ」との共同で開催するワークショップ・シリーズです。
 第一回は「Webアニメをつくろう!」と題し、 人気のデジタルコミック作家陣が子供たちと一緒にウェブアニメを制作しました。
 「ミカンせいじん」の白佐木和馬さん、「西日暮里ブルース」のピョコタンさん、「3Bクラス! キャンパチ先生」のおおたまことさん。
 3名のトップ・クリエイターが講師となって、子どもたちとフラッシュアニメ作りに格闘。

 こちらはオリジナル・キャラクター作りに主眼が置かれたので、全く正体不明のキャラクターが登場、バートールー、ピヨピヨパーンチ!、カミナリおとしー!、ガーッ!、ハッハッハー、ボカーン、ドワー、ドワー、ドワドワドワー、完。といった作風です。
 これぞニッポンですな。
 「タケシ学院」は、その後シリーズとして展開され、これまで4回開催されています。

 「キッズ地域情報発信基地局」。
 子どもたちが地域で情報を創りだし、発信する活動を支援します。
 自分たちの住む地域の情報をブログやポッドキャスト、新聞などさまざまなメディアを駆使して発信していくものです。
 基地局は根津に置かれ、下町情緒あふれる街の文化資源を地元の子どもたちが紡ぎ出します。
 毎週木曜日16:1517:45開催。
 地域文化の理解、世代間交流による地域全体の活性化、安全・安心なコミュニティづくりを目標としています。
 また、ブログやポッドキャストといったインターネット上のコミュニケーションを通じて、子どもたちのICT 活用スキルと基本的な情報モラルの育成を目指します。
 ブログを使って、日本の小学生と海外の小学生が情報交換、文化交流を行う試みも実施します。
 (つづく)

2010年2月27日土曜日

慶應デジタルキッズ -1


Kids 慶應デジタルキッズ-1
 今日と明日、慶應義塾大学日吉キャンパスにて「ワークショップコレクション」を開催しています。
 内外80のワークショップが集結。世界最大級の子ども創作ワークショップイベントです。ぜひ。
 http://www.wsc.or.jp/WSC.html


 デジタルキッズでは、映像系と音楽系の2本を柱として、ポップでデジタルなワークショップを実施しています。簡単に過去の事例を紹介しましょう。
 キッズ映像制作プロジェクト「ガキネマ」。ネット上で映像を編集できるシステムを利用し、子どもたちがオリジナルの映像作品を作るワークショップです。

2010年2月24日水曜日

コンテンツ政策、10の目標と施策


■YouGo3.0  コンテンツ政策、10の目標と施策

 動きつつあるコンテンツ政策。
 私としての「10の目標」を改めて書き起こしておきます。

10の目標
 1.全番組がテレビ、PC、ケータイでアクセスできる。
     現在13%の地上放送二次利用比を2015年に50%に引き上げる。
 2.世界の国々で日本の全コンテンツがアクセスできる。
  現在2.5%の「国内市場に対する海外収入比」を2015年に10%に引き上げる。
3.紙、CDDVDを使わなくてすむ。
  現在39%の通信・放送流通比を2015年には75%に引き上げる。
4.どこにいても緊急情報に触れることができる。
  現在650億円のデジタルサイネージ市場を2015年に1兆円に引き上げる。
5.買い物は全てケータイでできる。
  現在1.5%の小売・サービス分野のEC化率を2015年に5%に引き上げる
6.大学、病院、役所の活動は全てオンラインで処理できる。
   現在3050%の教育、医療・福祉、行政サービスのICT利用率を
  2015年には60%に引き上げる。
7.ロボットが演じるドラマが実現する。
  世界を変える技術を開発する。
8.一流ポップクリエイター志願者は日本に留学する。
  海外からの留学生30万人のうち4.5万人が
  コンテンツについて学べる大学/大学院を整備する。
9.全国民がアニメ制作と作曲ができる。
  2015年には3割の小学生がアニメ制作・作曲ができるようにする。
10.結果、コンテンツ産業が拡大する。

 
 そして、そのための政策メニュー案です。

10の施策
1. 新しいメディアの開発・整備
 デジタルサイネージ、IPDCなど新しいメディアの開発・整備を推進する。
   ホワイトスペースの活用、IP放送の実施、放送型通信の実現等を図る。
 2.クロスメディア流通環境の整備
 権利情報データベースの整備、映像版JASRACの創設を推進する。
 NTTの放送進出の規制緩和やNHKオンデマンドの制約緩和を図る。
 3.パブリックチャンネルの整備
   市民、アーティスト、プロダクションなどが発信するメディア環境を拡充する。
 4.海外向けメディアの確保
 海外のテレビ等のチャンネルや放送枠の確保を支援する。
 ポップファンサイトの数カ国語への翻訳を支援する。
 5.文化政策対話の推進
 海賊版対策を強化する。
 コンテンツ輸入規制、文化規制等の残る国に対する政治対話を拡大する。
 6.創造性教育の推進
 デジタル教科書の普及、創作・表現教育の強化を図る。
 国際プロデューサーの育成、コンテンツ系国際的大学院の拡充を図る。
 7.公共分野の情報化推進
 教育、医療、行政の情報化を推進する。
 8.ハードからソフトへの資金環流
   録音録画補償金の見直し、電波利用料の活用等の措置を検討する。
 9.Yokoso Popキャンペーンの実施
   観光などコンテンツと他分野との連動を図り総合的な情報発信を行う。
 10.文化省の設立
   政策の縦割りの弊害を除去する。
   
 このあたり、政府がプラン形成するまでに、ブログやtwitterなどでたくさんのかたがたと意見をたたかわせていこうと思います。

2010年2月22日月曜日

コンテンツ政策、その論点整理


■YouGo3.0 コンテンツ政策、その論点整理

 各省庁のコンテンツ政策が動いています。文化審議会著作権分科会では前政権から引き続き著作権制度に関する議論がなされ、総務省も経産省もコンテンツ検討チームをスタート。知財本部もコンテンツ専門調査会を立ち上げました。
 あちこちで同様の議論がされていて、しかも私は文化審議会では2つの小委員会に参加、総務省では主査代理、知財本部では会長を務めていて目が回るため、まずはこのタテワリ構造を直すことからか!と思いつつ、だけどその前に成長戦略を描く仕事を片付けなければと走り回っています。
 ただ、あちこちでまだ論点がバラバラになっていることは問題。論点を整理することが必要です。そこで以下のような整理を提案しているところです。

1. コンテンツ政策は、知財立国を目指す産業振興だけでなく、国民利用者側に立ったより厚みのある産業・文化・社会政策とすべきではないか。

2. 下記のような状況の変化にかんがみ、幅広い範囲のコンテンツに関する世界的視野に立った政策が求められるのではないか。
 1) 工業社会から知識価値社会へ(情報=コンテンツの重要性が増大している)
 2) 企業・政府から個人中心へ (個人の生む情報の価値が高まっている)
 3) 村・国からグローバルへ  (世界規模の情報流通が進んでいる)

3. 下記のような短期・中期・長期の産業・利用・文化教育政策の検討が必要ではないか。
 1) 短期・産業政策   国際競争力のあるコンテンツ産業の形成・発展
 2) 中期/利用政策     ユビキタスなコンテンツ利用の確保
 3) 長期/文化教育政策 コンテンツ創造力・表現力の向上

4. 従来のコンテンツ政策は、
 「プロが、国内の、マスメディア向けに、東京で作る、エンタテイメント作品を、流通させる」
 ことに重点が置かれていたが、上記にかんがみ、
「みんなが、世界の、全メディア向けに、地方で作る、医療・教育・行政等を含む全ての情報を、生産させる」
 ことに移行すべきではないか。

5. コンテンツの定義も
「プロがマスメディア向けに作るエンタテイメント作品」から
「みんなが全メディア向けに作る全ての情報」へと拡大するとともに、
 政策範囲も
「コンテンツ向け政策(エンタテイメント産業振興、著作権制度見直しなど)」だけでなく、
「ネットワーク・プラットフォーム政策(新メディア開発、電波開放、教育・医療情報化など)」  
 にも拡げるべきではないか。

6. 重点領域も、
「マスメディアから新メディア(インターネット、デジタルサイネージなど)」、
「国内市場から国際市場(輸出対策)」、
「既存コンテンツから新コンテンツ(CGMSNSのコンテンツ、  産業情報・公共情報など)」、
「流通・ハコから生産・ヒト(教育など)」
 に振り向けていくべきではないか。

7. 目標も、
「全番組がテレビ、PC、ケータイでアクセスできるようになる」、
「世界の国々で日本の全コンテンツがアクセスできるようになる」、
「大学、病院、役所の活動は全てオンラインで処理できるようになる」、
「全国民がアニメ制作と作曲ができるようになる」
 といった、利用者からみてわかりやすいゴールと数値目標を持つのがよいのではないか。

8. 具体策として、これに向けて必要な
 「ネットワーク環境整備」、「著作権処理スキーム整備」、「輸出促進」、「産業・教育・医療・行政情報化」、「技術開発」、「コンテンツ創造拠点整備」、「コンテンツ創造力向上」等の具体策を提案、整理、優先順位付けするのがよいのではないか。

9. そのうえで、学界、産業界、利用者等にも意見を求め、政策の試案を作成するのがよいのではないか。

2010年2月19日金曜日

創造ワークショップ

Kids 創造ワークショップ
 小学生たちと、よくアニメ教室を開催しています。大学のキャンパスに数十名の子どもが集い、ねんどを使ったアニメーションを作るというやつです。
 ストーリーを作る。キャラクターを描く。ねんどをこねる。コマ撮りする。パソコンで編集する。音声を入れる。そして作品をブロードバンドで世界に見せる。ポップでキュートな短編が生まれていく。鼻歌まじりに絵コンテを切り、初めて触れる編集ソフトをマニュアル抜きで使いこなす。そして大人が舌を巻く出来栄えの作品。日ごろテレビやゲームで鍛えていることがうかがえます。

2010年2月17日水曜日

コンテンツ取引市場 -3

Pop コンテンツ取引市場 -3



 既にこうした取組を待つまでもなく放送局は個別に取り組んでいます。NHKやフジテレビは、時間帯や分野別に番組の企画募集を行っています。NHKでは、30-45分程度の番組を、予算も明示して公募しており、採用された企画はオンエアもなされています。フジテレビも同様に土曜プレミアムや金曜プレステージなどの番組をウェブサイトで募集しています。単純に言えば、取引市場はこうした個別の取組が集合するイメージです。

 IPマルチキャスト、ブロードバンド放送、ケータイ放送のコンテンツも、これに準じて制作、取引が進められます。市場は需要が形成する。新しいコンテンツの買い手は、こうした新しいメディア。通信会社がどこまで積極的に市場形成を図るか。どこまでリスクやコストを負担しようとするか。市場成立の成否は、実はここにかかっています。

 コンテンツ取引を希望する者がいつでも必要な情報が得られ、購入できる市場を形成する。この核は、コンテンツの評価に要する情報を収集、データベース化することです。データベースの内容と、それを構築する組織やその費用負担のあり方もポイントとなります。

 目に見えない無形資産であるコンテンツは、業界の部外者には評価が困難です。安心して取引ができない面があります。現状のままでは取引ボリュームの拡大が見込めない。十分な情報の開示、提供とともに、投資家保護にも資するための客観評価基準をどう作るかも大事な課題となります。
 データベースの形成、コンテンツの評価に必要な項目としては、

・作品情報(タイトル、ジャンル、脚本家、プロデューサー、監督、出演者、放送時間帯・・)
・類似作品情報:比較対象(作品情報、2次利用実績、DVD販売実績、キャラクターグッズ販売・・)
2次利用計画(販売計画、マネジメント体制、リスク分担表、資金調達計画、収支シミュレーション・・)
などがあります。当面、実験としては、これらの情報を誰がどこまで共有できるか、どのように透明な評価ができるかが問われます。

 取引市場は、日本の映像コンテンツの主役であるテレビ番組を念頭に設計が進められているのですが、より流通度の高い映画コンテンツを参考にすることが有益でしょう。
 映画は、劇場公開による興行収入のみでは赤字となるケースが多く、DVD化や放送などの二次利用で収益を確保するビジネスモデルが成立しています。一方、放送は、1回目のオンエア、再放送の広告収入などによって回収するのが一般的です。
 資金調達面でも、映画はコンテンツ単位で、製作委員会やSPC等の手法で外部資金を導入し、収益を分配します。放送コンテンツは、単体では収支がマイナスになるような公益性の高いものも多く、コンテンツ単位での利益分配が困難な面もあります。

 このように、映画と放送は、似ているようでいて、ビジネスモデルが大きく異なります。しかし最近、放送コンテンツは収益資産としての可能性が高まっていて、放送局も放送外収入の重要性が高まっています。資産評価の透明性向上、制作資金の外部からの導入といった要請もあります。映画的な方式を放送に導入する環境が整ってきているのです。取引市場トライアルは、映画モデルを通信・放送コンテンツに応用する実験でもあります。

 取引市場はまずは民間の実証実験として進めています。しかしこれが失敗し、コンテンツ流通が進まないようでは、新しいメディアがコンテンツ不足を訴えても説得力を持たなくなりますよね。規制論も再燃しかねない。注目の集まるところです。

2010年2月15日月曜日

コンテンツ取引市場 -2

Pop コンテンツ取引市場-2 

 国内のコンテンツ投資は、2000年ごろから急激に高まりを見せていました。ゲームファンド、音楽ファンド、映画ファンド、そしてお笑いファンドなどが続々と立ち上がっていました。コンテンツが投資対象として評価され、海外を含む外部からの資金が導入されて、制作・流通するようになっていました。しかし、放送番組向けのファンドはほとんどみられませんでした。放送番組だけは、外部資金が導入されず、二次利用も進まないことが問題視されるようになっていたのです。

 これは、金融・会計制度面での変化に促された面もあります。2004年に信託業法が改正されて知的財産権の信託が可能になり、金融機関以外の者も信託業を営めるようになったのです。 日本版SOX法の影響もあります。2008年度以降、金融商品取引法(旧証券取引法)が株式公開企業に適用されて、放送局にも透明で適正な業務プロセスの徹底、番組資産の評価・会計処理の在り方を求める圧力となり、保有コンテンツ価値の最大化を促し、二次利用や市場流通を促すことになるというわけです。

 アメリカにはシンジケーション市場が存在し、放送局間で競争入札による番組の取引が行われています。市場の規模は年間60-100億ドル。会計基準も存在し、番組制作費の一部を資産計上して、一定のルールに従って償却しています。かつては放送局に「フィンシン・ルール」と「プライムタイム・アクセス・ルール」というテレビ局の制作に制約をかける実質的なハード・ソフト分離規制があり、番組プロダクションの育成とハリウッド保護、そしてシンジケーション市場の育成を促す手段がとられていました。

 イギリスも1990年には放送局は放送時間の25%以上を独立制作番組に当てなければならないとする規制を放送法に盛り込みました。2006年には、番組の著作権は放送局ではなく制作者が保有すべきというガイドラインも定めています。
 韓国では、1991年に外注比率規制が導入され、独立プロダクションが急速に増加しました。規制当初は3%だった外注比率は2003年には30%以上に高まったそうです。2000年には韓国版プライムタイム・アクセス・ルールとも言える主視聴時間帯編成比率の義務化も断行されています。

 これに対し、いま日本で進められている取引市場の企画は、規制手段を導入する前に、民間主導で自発的・参加型トライアルを行おうとするソフトな政策論です。民間の取組で行政目的が達成されるのであれば、規制を敷く必要はないという思想です。

 そこで、新たな製作手法と評価手法を構築するため、まずは関係者の参加による実証実験を行い、効果を検証することにしています。放送事業者、番組制作者、著作権権利者、通信事業者、商社、金融、広告代理店などの参加によって進める方針です。

2010年2月13日土曜日

コンテンツ取引市場 -1

Pop コンテンツ取引市場-1
 地上放送番組のマルチユースが課題となって久しい。日本では、地上放送のドラマがインターネット配信される例は少ない。大半の番組が一次流通、つまり一度オンエアしたら完結して、再放送やネット配信などの二次利用がなされていない状況です。2006年の一次流通が87%(28,994億円)であるのに対し、マルチユースは13%(3,576億円)にとどまっています。
 映画では一次流通が26%(2,029億円)、マルチユース  74%(5,769億円)。音楽では一次流通33%(3,516億円)、マルチユース  67%(7,184億円)。60-70%がマルチユースとなっている映画・音楽ビジネスと放送とではずいぶんビジネスモデルが違います。

2010年2月10日水曜日

ボストン美術館

Buenos ボストン美術館

 ボストン美術館。
 この美術館には、かつて毎週通っていました。
 ボストンに住んでいたころ。9年前になります。
 土曜の午後、子どものアート教室を見学していました。
 たまに自分も飛び入り参加していました。
 

2010年2月8日月曜日

アカデミズム、反省 -2


■Buenos アカデミズム、反省 -2

 


ぼくは政策屋です。政策は、実現して初めて政策となります。メディア融合法制にしろデジタル著作権にしろ、案文を書くのはたやすいけれど、それは政策ではなく、「アイデア」にすぎない。そのイマジンが政策にリアライズされるまでには、あと10倍のステップが要ります。
1)担当省庁の課長クラスまでの了解を得る

2)政府の研究会からゴーサインを得る

3)審議会から答申を得る

4)世論の支持を得る

5)担当大臣を説得する

6)内閣法制局の地獄の審査をパスする

7)政府他省庁の了解を得る

8)与野党の根回しを行う

9)国会審議を通過する

10)政令・省令を整備する
さあ、これでやっと政策です。

日本のアカデミズムは、「アイデア」を着想して発表したところで満足、おしまい。あとは誰かがやってくれて、そこに呼ばれて意見を述べて、さらに満足。
誰かがやってくれなければ、そいつを批判しておしまい。それでは何も動かない。はいつくばって泥をすするような10のステップに立ち入ることは下品である。
という考えが学問界にはあるのでしょう。頭は使うが、下半身は下僕の役目。しかし、こと政策領域の場合、この下半身ステップがほぼ全ての実体なのです。

政策だけではありません。技術もビジネスも同様です。YahooやGoogleはスタンフォードの学生が生みました。マイクロソフトやFacebookはハーバードの学生が生みました。
E-inkや100ドルラップトップはMITメディアラボがプロデュースしました。

では、日本の大学は何を生んだのか?

日本が生んだデジタル。ファミコン、Wii、iモード、着メロ、親指族、2ちゃんねる、ニコ動、mixi、モバゲー、ケータイ小説、初音ミク、コスプレ、痛車……。どれもこれもステキです。
しかし、いったい日本のアカデミズムは、そして政策は、これらに対していかほどの貢献をしたのでしょうか?

反省しなければ。08年、新しい大学院「KMD(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)」がスタートしました。ぼくはそこをベースにして、政策プロジェクトを立ち上げて、動きます。
いい政策を生み出しつつ、バカな政策を叩き潰します。分析や議論はそれが得意な他の方々にお任せし、私は自分のできることをやろうと思います。

(デジタルの手触り 十番勝負 番外編 改訂)

2010年2月6日土曜日

アカデミズム、反省 -1

Buenos アカデミズム、反省 -1
 政府を飛び出して11年。かつて日本政府は産学官のプラットフォーム機能を担っていました。民間に嫌われたり疎ましがられたりしながらも、政策、ビジネスモデル、技術、その他新しい公益トレンドを生み出す増殖炉として作用してきました。

 しかし、それが機能不全を起こしている。ダビング10や私的録音録画補償金の迷走、有害情報対策の混乱などを見るにつけ、霞が関のパワーダウンを感じます。しかし問題は、政府の機能低下にあるのではありません。それに代わるプラットフォームを社会として用意できていないことです。

 政府を出てから、マサチューセッツ工科大学(MIT)やスタンフォード大に身を置いて、米国の大学がそうしたプラットフォーム機能を担っている実態を体感しました。世界中から研究者を集め、超一流の学生を集め、企業や政府から資金を集め、アイデアや学説を技術やビジネス、政策に転換する。資本家、弁護士、マーケティングの専門家、デザイナーなども集い、新しい芽を樹木や森に育てるよう力を合わせる。

 MITメディアラボのスローガンに、「Imagine and Realize」というのがあります。ジョン前田の言葉です。ぼくはこれを座右の銘にしています。イマジン・アンド・リアライズ。想像して、創造せよ。頭で思い描いて、それを実現しろと。想像し、企画し、分析し、議論する。頭で考える。学者の得意技です。だが問題は、リアライズ。それをどう現実に転換するか。そこに力を入れないといけない。

 2006年、ぼくは慶應に参加し、各種の学会に参加したり、政府の委員会や審議会に参画したりするようになりました。そして、リアライズの点で、日本のアカデミズムが役に立っていないことにいらだちを覚えるようになりました。いや政府・民間も含めた社会全体の体力低下に焦りを感じています。