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2024年6月29日土曜日

学長くんガチョーン. シーラ・クリフさん

 ■学長くんガチョーン. シーラ・クリフさん




着物研究家、シーラさん。イギリスから来て、古着に魅せられ、着物の道へ。派手に見えるかもしれないが、計算され散らかさない色使い、帽子・バッグ・手袋など英国貴族風コーティネイトなど、外人なんちゃって和服とは対極の、着物の価値を引き出してなおかつ新しい自由をデザインする、そのスタイルに魅せられて、インタビュー。見習います!!



◆着物との出会い

古いものが好き。日本に来て、はじめは食器や器を見に骨董市へ行った。ファッションや服がもともと好きで、何なのかわからないけれど美しい布がたくさんかけてあり気になった。それは大正や昭和の古い着物だった。

ある日真っ赤なものを買った。この赤はすごい!とおもって。友人に赤い着物を買ったと報告したら、これは下着(襦袢)だと言われた。色・質感・楽しい、面白い模様がたくさんあり、洋服とは全然違うよさを感じた。


◆コーディネートのこだわり

色合わせを大切にしている。全部統一することもあるが、色を3つに絞るときれいにまとまった印象になる。みんなシーラの着物は派手だというが、着物を一緒に見ると全然派手でなく逆に地味。小物で遊んで華やかにする。

2001年に着物の展示をイギリスで行った際、色・柄の研究をしているマンチェスター大学の先生がいらっしゃった。世の中に色と柄がなくなっているといっていた。21年前。いまはもっと色と柄がなくなっている。ユニクロや無印がその証拠。いろんな授業でこの話をするとみんな自分の服をみる。色・柄を着ていない。ほとんど紺・黒・ベージュ・クリーム。洋服が制服みたいになっていて、なかなか表現がしにくい。


◆着物とルール

着物のルールがかたくなったのは、戦後着物が立派になりすぎた。着方を習うのであれば着付け教室へ行くしかない。教えやすいように方法をつくり、統一させてしまった。それによりみんなが同じ様に着物を着るようになった。白い襟、白い足袋、襟を何cm出すなど。ルールが伝統だと思っている。そんな昔の伝統ではない。もともとはみんな自由だった。


◆海外で着物

着物でマンチェスターで歩くと、みんな振り向かない。サリーの人、ターバンの人色んな人がすでにいる。


◆男性の着物

ヨーロッパのスーツのように仕事着になった。スーツのみたいにあまり表現しない。襦袢や裏にすべて模様を集める。もう少し、おしゃれに自由に色や柄を着られればいいとおもう。裏だけでなく、表でも。


◆着物の未来

1985年くらいのピークからずっと産業が小さくなっている。しかし、着る人の数はふえている。すごくいい。これからもっと増えていくとおもう。授業でも興味がある学生が多い。若い日本人は、着物は素敵で着たいとおもっている。ただ今まで縁がない。


◆大学

イギリスの大学は日本と異なり、3年間。1年目から自分の勉強したいことをする。基礎科目はあまりない。

日本の大学は、必ず授業は教室で90分という点が問題だとおもう。ある科目は30分で習えるものもあれば、1日集中した方がいいものもある。しかし内容と関係なく、90分15回と決まっている。枠が決まっていて、そこにはめていく。


◆キミたちへのメッセージ

ずっと前から着物の本を書きたいと思っていて、この夢を追っていて捨てられなかった。最初は出版社からNo thank you.着物の本は売れない、と言っていた。しょうがない。博士をとって、そこからまた当たってみるということにした。この夢を持ち、実現するまで20年以上かかった。

だから、これをやりたいという夢があれば、捨てないで、頑張って、根強く、追って、一歩。続けてください。

2024年6月25日火曜日

「クリエイティブ・ジャパン戦略」書評

■「クリエイティブ・ジャパン戦略」書評


本書は、アートやコンテンツなどクリエイティブ産業を活性化する文化経済政策を分析し、展望する。私も参加した東大・未来ビジョン研究センターの研究会によるアウトプットだ。

 


座長の河島伸子さんは「クールジャパン政策」が2000年代に始まったものの、その後変遷を遂げ、焦点が定まらず、政策としての本気さに欠けるという。米韓と比して、文化産業の国際プレゼンスが低いという認識である。クールジャパンは三原龍太郎さんが指摘するように、米ダグラス・マッグレイ氏の2002年論文が嚆矢となった文化経済ブームだが、政策としては成功していないという問題意識だ。

文化政策・産業政策を二元の軸と見た場合、米国は民間主導の産業政策、韓国は国家主導の産業政策、そしてフランスが国家主導の文化政策に重心を置く。それぞれが独自のプレゼンスを発揮する。これに対し、日本の政策ポジションはどうか、という問いでもあろう。

 

 

一方、実はこのところ日本のコンテンツ業界は元気だ。2022年の市場規模は前年比4.5%増で過去最高、長年の課題だったデジタルシフトと海外シフトも進んでいる。ポケモン、キティ、アンパンマンなど世界IP収入トップ25の半分が日本発だ。

スーパーマリオの映画が世界アニメ興収史上2位を叩き出し、YOASOBI「アイドル」がBillboardのグローバル・チャート1位を獲得、「君たちはどう生きるか」、「ゴジラ-1.0」がアカデミー賞を受賞するなど、アニメ、ゲーム、映像、音楽の各ジャンルが気を吐いている。

 

 

コンテンツ政策は内閣府知財本部、文化庁、経産省が連携し、成果を上げていると言えよう。特にここ数年は文化庁が「文化経済」を標榜するというかつてない姿勢をみせ、文化政策と産業政策の融合を図った。

しかし「クールジャパン」となると、コンテンツやアートに、食、工芸、観光などクリエイティブ産業とは言いにくいジャンルもぶらさがり、政策対象が不明瞭となったうえ、国交省、農水省、外務省など関係者も増え、それが政策の評価を難しくさせている。

コンテンツは全産業の触媒となる「中間財」と政府・知財本部は整理する反面、ここ数年、コンテンツ政策とクールジャパン政策とは乖離していて、その融合が改めて課題となっている。

 

 

これに関し、小田切未来さんは「文化を起点とした省」と「文化経済政策のドゥータンク」の創設を提言する。前者は私も「文化省」を希求するところであり、民間ドゥータンクは自らデジタル政策フォーラムを形成するなど活動していることでもあって、共鳴する政策である。

また、水野祐さんが企業のアート支出を促進する法制度を提案し、鷲尾和彦さんがパリの「15分都市」やバルセロナの「デジタル・シティ計画」など都市論を唱えるなど、魅力的なアイディアもてんこ盛り。

だから生稲史彦さん(最終章執筆者)が「クールジャパンからクリエイティブジャパンへ」と総括するとおり、これまでの政策を総括したうえで、コンテンツ政策とクールジャパンとを融合した新しい文化産業政策=クリエイティブ・ジャパン戦略を構築することと、その政策プライオリティを上げることが求められる。

 

 

本書が積み残したのは、このところ急激に進化・普及しつつあるAIへの対応だ。AIはコンテンツを爆発的に生成し、関連産業を塗り替える可能性がある。期待に胸が膨らむ一方、危機感を表明するむきもある。規制色の明確な欧州、チャンスとみる米国、それらをサミットの場で調整する日本。改めて政策のポジションが問われている。これは次なるクリエイティブ・ジャパン戦略の行方を左右する。本書をベースとして、次の議論へと向かいたい。

2024年6月22日土曜日

クールジャパン:海の幸

 ■クールジャパン:海の幸




NHKクールジャパン「海の幸」の巻。


海の幸。いい言葉。Seafoodじゃなくて、SeaHappy。

神話の時代からあった言葉だそうです。

日本は海の国。寿司だけじゃない、海の幸せがたくさんある。

みなさんに幸せをお届けしたい。


「未利用魚」

形が悪いとか料理しにくいといった理由で相手にされなかった多くの魚が、漁獲高の低下もあって、ここにきてモテ始めた。

しかも、ナマ、煮る、焼く、あげる、いろんな料理法で楽しまれています。

なにせ、食べられる魚は日本近海で300種類ぐらいいるけど、流通しているは30種類ぐらい。

未知の物に挑戦するという、日本人の好奇心を満たしてくれる「新しい文化」が生まれている。今後の発展が楽しみ。


「ズワイガニ」

ズワイガニは海外にはまだ知られざるお宝。

カノウ、越前、タイザ。取れる場所によってブランドが違う。

それを旬の冬の間だけいただく。

日本人は特に海の幸に対して旬にこだわります。

目に青葉、山ホトトギス、初鰹。秋のサンマ、冬のブリ。

そんな旬の食材を、水揚げされる場所で、最高の鮮度でいただく、という贅沢。

観光で来られるみなさんにはまだまだ掘り起こせるお宝がありますよ。


「漁港」

賢いひとがいるんですね。釣り人にとっては、持って帰って無駄にしていた魚を、締めておいしく食べたり、通貨に替えたりできる。

漁師は絞め技を生かして仕事が広がる。

町にとっては、釣ってもらっておいしい魚が手に入るし、地域通貨でお金を落としてもらえる。

水揚げも増える。みんなハッピー海の幸。

この仕組み、全国に広がっていくといい。


2024年6月18日火曜日

民放連報告、デジタルとAIのはざまで

■民放連報告、デジタルとAIのはざまで

民放連デジタルネット研究会報告2024。

今年も巻頭言を寄稿しました。

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毎年ウェブで投票を行う「デジタル十大ニュース」。

2023年の結果は、以下のとおりでした。

1 Chat GPT !!!!!

2 YOASOBI「アイドル」Billboard1位

3 TwitterXになる

4 マリオ映画 世界アニメ興収史上2位

5 ハリウッドでAIストライキ

6 オープンAI アルトマン騒動

7 LINEYahoo!統合

8 戦争×フェイクニュース

9 しょうゆ差しなめ男

10 G7広島サミットからのAIプロセス


上位10件中(LINE-Yahoo!を国際と数えれば)9件が国際モノ。ボーダレスとなりました。純国産ネタは「しょうゆ差しなめ男」だけ。

そこに国産コンテンツが2件(アイドルとマリオ)食い込む快挙とみるか、日本のプレゼンスが落ちたとみるか。

 

そして2017年にAIスピーカーが入賞して以来、久しぶりのAIモノ登場にして、一気に5件がAI案件。AIが席巻した1年でした。私がここでChatGPTに巻頭言を書かせてから1年でもあります。

その間、 世界の慌てぶりたるや目を見張りました。政治的にも、AIを規制したい欧州とそれを嫌う米国の間で日本がサミットに場を設けてとりなす形。こちらは日本がプレゼンスを発揮しました。

AIとコンテンツを巡っては警戒論・慎重論も渦巻きます。AIが著作権を犯す恐れからの制度論もあります。

ただ、政府・知財本部でAIの委員会が作られたのは2016年、8年前のことで、今日のようなAIの登場を想定し、私が座長として海外に先駆けて2年ほどたっぷり議論しました。文化審議会の審議につながって著作権法が改正、世界で最もAI学習しやすい環境を整えたものです。

ところが登場すると身構える。NRIの調査によれば、生成AIを導入済みの日本企業は18%で、利用後進国です。世界一の通信インフラを持ちながらIT利用が劣後して、コロナで「デジタル敗戦」を認識した日本。次はAI敗戦でしょうか。

この点、半数近くの委員がAIについて触れているのは頼もしい。AI自動生成テロップシステムやAI☓NFTなど新しいプロジェクトも生まれているようです。アメリカで脚本家と俳優がストライキをする状況下、いかに日本の放送が取り込み、血肉としてチャンスに変えるかが問われます。

私は、コンテンツに対するAIの衝撃は、コンテンツの生産量が爆発的・無限に増えることと考えます。情報のほとんどがAIが生成するものになる。米ITプラットフォームがAI生成コンテンツを「AI生成」と表示すると言い始めています。すぐにそれをかいくぐるAIが現れるでしょうが、将来は逆に「ヒト生成」コンテンツが貴重品として表示されるのではないか。そんな時代を見据えて、コンテンツやビジネスのあり方を考える時期に来ています。

 


厄介なことに、デジタルとAIは同時進行です。デジタルから25年、AIから1年、うねり続きです。

ネット広告が4媒体を上回ったというのが昨年のトピックでした。この構図は、通信と放送の「融合」に反し、それらが対立する二元論です。それは通信側、ネット側が望んだものではなく、放送側が望んだ図です。放送が民と公とか、キーとローカルといった内部の二元論に執心している間に、壁を隔てた外部が成長した。

今回、日本テレビ手柴委員がレポートしたARMは、それに対する新しい回答に見えます。「放送とネットを広告セールスの領域で融合し、地上波でもネット広告と同様にリアルタイムなプログラマティック取引を実現すること、旧来の視聴率にプラスしてインプレッションの指標化をすること。」「民放が融合を前提としたビジネスモデルを組み立て、スポンサーのニーズを広く多様に吸収できるか、その試金石」。

これまで二元論とみていた世界がいよいよ融合し、自分たちの根幹であった広告も盤石でなくなる。NHKはネット配信を必須業務とし、NHKと民放による中継局の共同利用やネットによる放送波の代替など、制度・環境も改めて「融合」にドライブする。その中で、民放が自ら「融合」した市場を取りに行く構えが大事になります。

今回、ニュースのタテ型動画作成、課金プラットフォーム、VRなど新しい息吹も数多く描かれています。内山隆委員が解説するように、世界のメディア環境が激動する中に身を置き、次なる手を繰り出す。このプロジェクトに期待される姿勢が示されています。

2024年6月15日土曜日

学長くんガチョーン. 入山章栄さん

 ■学長くんガチョーン. 入山章栄さん




今いちばん有名な経営学者。ピッツバーグ大博士からニューヨーク州立大学助教授を経て早稲田ビジネススクールの教授。テレビにラジオに大活躍ながら企業経営にも携わるマルチ。で、いつも自然体でカッコいい。家族のおられるマニラに行ったと思ったら、フィリピン人のような髪型に変身されて、そんな好感度の上げ方があるのか!勉強になりました。


◆いま力を入れていること

しいていうなら家族。マニラに来たのは、妻の海外で働く夢を実現した。家族は基盤にある。

子どもたちが帰ってきたときにおかえりという人がいない。いっしょにご飯を食べながらくだらない話をするというのが大事でマニラに来ている。


◆野望

そろそろ早稲田をやめようかな、、やめる気は今のところないが、いま仕事の割合で大学関係の仕事は2割くらい。残りの8割の内の4割はラジオやテレビなどのメディアの仕事。残りは企業のアドバイザー。社外取締役などをやっている。真剣に。これらが混在している。

いまとてもおもしろいが、人間はエスカレートしていく。なので、もう1段おもしろいことをやりたい。早稲田も楽しいし、今すぐやめようといいことではないが、ずっとここいるという気持ちでやっているとおもしろいことが出来ない。もっとおもしろいことがないか、といつもおもっている。


◆学校

なんでも学校。学校の定義はあるとおもうが、学びの場という意味では、学校に先生みたいなののいるとするとみんな先生。人間は認知が狭い。世界は広い。人間は成功すると、自分の見ている世界が世界そのものだとおもう。自分が正しいとおもい学びを止める。

若いときに成功した起業家が、途中でうまくいかなくなったりする人が結構出てくるが、これはどこかで学びを止めているから。歴史上の偉人はほとんど大器晩成。人間は若い頃は失敗している方がよい。それがあるから人間は自分が見ている世界が狭いことをしり、認知を広げる=学習。学びを常に続けることが重要だと考えると、なんでも先生。

ラジオ番組を一緒にやっているのは元乃木坂46の20代後半の子。彼女が言っていることはわけがわからない。ラップなどを教えてもらって、聴いてみる。それも学びの一つ。


◆変化の習慣化・アウトプットの機会を設ける

日本に帰ってきたときは自分のことを誰も知らない。色んな方が声をかけてきたときに人見知りなので、緊張する。それでも頑張って飛び込んでしゃべってみる。そうすると、だんだん麻痺してくる。習慣化する。カチコチの日本企業は、変化は急に起こると思っている。

変化は習慣。変化をするためにちょっと自分と違う人や会ったことない人を捕まえてみる。変化ができる人や企業はそれが常態化している。

多くの人は怖いから変化をしない。小さいことでいいからやればいい。WiLの伊佐山元さんに、講義へ来てもらった際に、社会人大学院生から「伊佐山さんみたいになるには?」と聞かれた際に、「今日降りる駅を一個変えなよ。」と。降りる駅を一つ変えるくらいは怖くない。小さな変化はむしろ楽しい。それを繰り返すのが重要。毎日やっていると習慣化する。もっと遠くへもっと色んな人と、となる。結果的に10年前と比べると信じられないことをやっている。

一番日本でやっているのはサイバーエージェント。サイバーエージェントの大事にしている価値観は、変化の習慣化。だからウマ娘。が生まれた。変化が習慣化していないと出てこない。


習慣化した先で色んな人と話すが、アウトプットの機会を設けることが大事。ぼくは、アウトプットとインプットを同時に行っている。たとえば、対談の機会をいただいたときになるべく自分が会ったことない分野の人としゃべるようにする。まず自分のアウトプットをしないといけない。自分はこういうことをやっていて、計画的な視点はこうで、と。そうしないと、その人と話ができない。その人が知らない分野を教えてくれることがインプットとなる。アウトプットはインプットであり、インプットはアウトプット。好奇心を持ってやっていく。


いまはアウトプットの手段がとても増えている。YouTube、note、SNS…。知らないコミュニティに入って、自己紹介をすることもアウトプット。


◆キミたちへのメッセージ

文化放送で浜松町Innovation Culture Caféという番組をやっていて、iUの学生が最近手伝ってくれている。おもしろい。目標が就職率0。最高。iUのような組織が日本を変えていく。一番日本を変える進学パターンはN高出身iU進学なのではないかと周りの起業家がいい始めている。iUを楽しんで使い倒してほしい。

しかし、iUという名前に頼るとやばい。なにも知らない状態で入ってくる子はおもしろい。こういう組織は初期メンバーがおもしろい。


いまいる早稲田大学ビジネススクールのことも心配している。10年前に日本に帰って来たとき、社会人大学院は冬の時代。どちらかというと日本ビジネススクールは慶應。早稲田もやっているの?という感じだった。かつ、国内ビジネススクールに光が当たってなかった。そのときに入ってくる人はおかしい。おもしろい。未だに中がいい。

いまは人気が出て、とても優秀な方が入ってくる。早稲田ビジネススクールに入ることが目的となっている。心配しているのが、優秀なのだが真面目。学生に可能な限り変人を入れたいが真面目な子が増えている。

iUにはおもしろいことをやってほしい。いかにiUのブランドを破壊しながら親から反対される大学を目指す、最高です。


2024年6月11日火曜日

渡辺弘美さん「テックラッシュ戦記」。

■渡辺弘美さん「テックラッシュ戦記」。


経産省の官僚で、ぼくが経済産業研究所に招かれたとき担当としてお世話になった。

それからAmazonに転じての公共政策担当として15年の戦記。

すさまじい。

霞が関の中のひとだったからこそツボがわかり、企業益よりも公益が大きい仕事だからこそ成就していく。

日本企業にもデジタル系の公共政策担当・ロビイストはいるけれど、ここまで政府に食い込み成果を上げた人はいないんじゃないか。

 

デジタル市場競争会議の取引透明化法(公取、経産省、内閣官房)。電波法の技適証明緩和措置(総務省)。eコマースの課税(財務省)。EUの販売規制(外務省)。プラットフォーム消費者保護(消費者庁)。金融機関のクラウド利用(金融庁)。電子書籍の出版権(文化庁)。


国会対策もある。自民党だけでも経済産業部会、総務部会、情報通信調査会、競争政策調査会などなど。ブラッセルの外交チームやアメリカ・カナダなど国際対応もある。


そうだったのか。ぼくもいくつか関わった案件があるが、その裏側にぜんぶ渡辺さんがいたのね。

 


ロビイングに関し、私益を貪るマフィア的な見方があるけれど、この記録を読めば、官僚や野党議員よりも広範で重要な公益を追求する面があることが理解されよう。


しかもその担い手がアメリカのIT企業である点も大事。ぼくらは役人や日本企業や学者や和製メディアより、外資ロビイストを頼ったほうが自分たちにとって話が進むこともあり得るということ。


最後に、「日本の競争力低下は政府の失敗ではなく企業の経営の問題」とする冷静な分析が重たく響きます。


渡辺さん、戦い、おつかれさまでした。

2024年6月8日土曜日

クールジャパン:レトロ

 ■クールジャパン:レトロ




NHKクールジャパン「レトロ」の巻。


「レトロツーリズム」という言葉が生まれたほど、観光でもビジネスでも、レトロ」がキーワード。

「昭和レトロ」や「平成レトロ」という言葉をメディアで聞かない日はないほどです。


「昭和と平成」

昭和と平成のレトロ。

昭和は高度成長期、ものづくり日本の、貧しくても明るい未来を見ていたころをなつかしむ。だからモノが多め。

平成はバブルのころの、豊かになった日本の、オシャレでカワイイものをなつかしむ。ファッションが多め。

みているものに違いがあるが、つい20年前のものがレトロになるという、流行のスパンが短くなっていることに驚きます。

80年代のファッションはブランド思考で高価なものが主役。

しかし現代のファッションは新商品を短いスパンで安い価格で大量生産する「ファストファッション」がメイン。

流行のスパンが短くなっている要因の1つではないでしょうか。


「昭和グラス」

昭和レトロは以前からあったが、かつてのレトロはわれわれ昭和のおやじが主役の懐古趣味でした。

いまのレトロは女子高生が主役で、若い世代が新しい文化、カワイイ文化として発見している。

となると、今後も若い世代が古い文化を新しくてカワイイものとして発見していってくれるのかもしれません。


「家電修理」

昭和イコール アナログで、手作りで手触り感のあるモノが多かった。だから手で直せる。

この番組の「中古の巻」でも取り上げたが、日本はこわれないモノが多くて大事に使います。

いいモノを作って、大事に使って、それをまた直して使う。手触りとこだわり。

このこだわりが若い世代にも受け継がれていくのか、気になるところです。


戦後の昭和から平成にかけてをレトロという美しい言葉でめでる クールだというわけだが、それはずっと平和でいい時代だったってこと。

令和もレトロ、よかったね、って言われるようになるといいな。