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2010年5月27日木曜日

ユーザーイノベーション政策?

■Buenos ユーザーイノベーション政策?

 知財本部競争力強化・国際標準化専門調査会。特許に関する話題が多くを占めています。同じ知財でも、コンテンツ調査会では著作権問題が主役。特許と著作権とでは基本的な考え方も制度の建て付けも全く異なり、ぼくは特許は門外漢なので専門家に議論を委ねています。
 ただ同時に、「ユーザーイノベーション」を巡る論議が活発になってきており、これについてはコンテンツと共通する部分が多いため、積極的に対応しているところです。

 前回の会議で妹尾堅一郎会長がユーザーイノベーションのタイプを以下のように整理されました。
1) ユーザ先導型、あるいはベンダーとユーザの相互作用によるイノベーション
例 ページャが本来の使用形態から女子高生によってポケベルに進化
2) デモグラフィックイノベーション あるいは 2.0的イノベーション
例 Linax、Wikipediaなど—Webの世界での知の形成
3) アマチュア(あるいはセミプロやアドアマ等)が提案参画するもの
例 デザインや文芸等の世界のプロ・アマの垣根を越えた提案による知財創出
4) 特定領域に関心のある集団の需要に応じたビジネス展開
例 レゴブロックを特定建築家の作品に仕立てて販売
 そのうえで、海外政府がこれらに注目して政策支援を始めているとの指摘も踏まえ、従来の大企業発の製品・サービスが先導するイノベーションとは異なるスタイルのイノベーションをいかに誘発するか、「日本人の・働く・大人の・男の」知の活用に加え「国内外の老若男女全ての人の」知をどう活用するか、という問題意識から、イノベーション特区などの提案がなされました。

 ぼくのコメントは以下のとおりです。
・ITは過去5年ほどユーザ主導。新しい動きはほとんどユーザから発生している。研究室で技術を開発する段階、企業オフィスでサービス・製品が生まれる段階を経て、ユーザが新しいものを創り出す段階に入った。これは「成熟」。
・コンテンツでは、クールジャパンのクールの源は芸術・ハイカルチャーの提供側ではなく、ポップな大衆文化の受容側。ユーザ層、ファン層が支える文化産業力。
・例えば、コミケをどう評価するか。プロ、アマ、読者のコミュニティ。これに対しコンテンツ調査会でも「著作権違反の巣窟」という議論があるのに対し、次代を担うクリエイターやトレンドを生む「増殖炉」という見方もある。後者の機能が強く認識されてきているのではないか。
・あるいは、ケータイ小説。文芸書の上位を独占する作品を素人、高校生が産み出している。その表現の場をモバイル企業が用意したというもの。
・さて、その上で悩ましいのは、「政策として何ができるのか」。フィールドや場とベースとなる技術を提供する、ということだろうか。つまり、妹尾会長が提示したように、特区というプラットフォームを提示するのがとりあえずの近道かもしれない。
・コンテンツ調査会も特区の設計を急いでいる。タテ割りのチマチマした特区を乱発しても効果がない。コンテンツ施策、特許施策、技術開発策などを包含したインパクトのある特区、ないしは広域区をテストベッドとして作ってよいのではないか。

 これもいざ政策となると悩ましいのですが、何かいいアウトプットが出ないものですかね。

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