■10年後の情報通信インフラ (前編)
成田悠輔さんも登壇する予定。
ネットワーク、インフラについて話すのは久しぶり。
ですが前日になって主催者から中止の連絡がありました。
事情があるのね。
もったいないので、話す予定だったことをかいつまんで記しておきます。
ネットワーク、インフラについて話すのは久しぶり。
5Gの後を担うインフラをデザインする時期。AIやweb3という新しいニーズに応えること、コロナという大事件後の社会を設計することなど、大きな課題もある。
通信自由化の80年代、政府は高度情報社会を目指した。
世界中の人が映像をリアルタイムに共有し、相互理解で世界平和を目指す。
2001年9月11日、NYの早朝テロを日本は晩のニュースでリアルタイム視聴した。
高度情報社会は到来したが、結果はテロとイラク戦争だった。
10年後、2011年3月11日、日本では震災があった。
赤坂にいたぼくはTVとネットで届く被災地の映像で全てを把握し現場に飛んだ。
降り立って受けた衝撃は、映像ではなく、ニオイだった。
潮が全てを連れ去り、照る陽が放っていた。
画面では把握できなかった。
デジタルは、何も伝えていなかった。
10年後、2021年。東京に五輪が来た。
ラジオのベルリン、テレビの東京、ネットのロンドンを経て、次の東京は新メディアテクノロジー、全てのショウケースとなる。
8K5GVRARロボットIoTデータAIブロックチェーンの五輪になる。
はずだった。
がコロナで1年延長。それでも無観客で、その威力を発揮できなかった。
明けて2022年、ウクライナという戦争が始まった。
サイバー攻撃、フェイクニュース、ドローン攻撃、デジタル金融制裁。
バーチャルのデジタルが主戦場になった初の戦争。
コロナとウクライナ。人類にとって2つの戦争が終わった後、必要なデジタルの基盤、インフラとはどのようなものか。
1869年の電報以来、逓信省・国が整備し、戦後、公社が担当した。
1985年、民間の競争でインフラを整備する方針に切り替わった。
FAXや1G携帯電話など新メディアが開発され、衛星などインフラ多様化がみられた。
電話を安くし、テレビを何chも見られるようにすることが政策の柱だった。アナログの時代。
90年代、マルチメディア。デジタル時代の始まり。2Gの始まり。
2000年代、ブロードバンド。3G。
全てがデジタルデータとなって流れる。ネットで料金は定額になり電話代を気にしなくなった。
テレビも地デジが始まった。みんなデジタルになった。
このあたりで日本は国際競争に破れ影が薄くなる。
2010年代、スマート。スマホ、クラウド、ソーシャル。
デバイスはスマホやサイネージなどマルチに、ネットはクラウドになり、サービスはコンテンツにソーシャルが加わった。
4Gと光ファイバーがインフラの中心となった。
光ファイバーへの置き換えが進み、日本のブロードバンドは世界有数、固定系ブロードバンドにしめる光ファイバの割合は世界トップクラス。
一体で整備されていった4Gのインフラ整備もトップ級。地デジ整備も終了。
インフラ政策は成功した。
社会経済の通信への依存度が飛躍的にたかまった。
そして2020年代。だがそこで日本はデジタル敗戦を認識した。
インフラはよかったが、それを利用する経済・社会側は、その力を活かせないできた。
それがこの20年で起きたこと。
ぼくは通信自由化、ニューメディア、マルチメディア、ネットの政策を官僚として手掛けたが、通信・放送融合も仕掛けた。30年前。インフラは整備されたが、放送はうまく使えていない。
2021年のネット広告費が4媒体を上回った。テレビラジオ新聞雑誌が4媒体とひとくくりになった、ことがニュースだ。
英国BBC・民放が行っているように、オールIPで、クラウドにコンテンツを乗せ、電波・ケーブル、あらゆる通信放送ネットワークで、テレビ・スマホ・PC、あらゆるデバイスに送る。その上でデータビジネスを展開する。これがメディアの未来像だろう。
総務省の音頭で、NHKとNTT、スカパーやソニーなどが連携して4K8Kの映像を配信する技術を開発する「映像配信高度化機構」を作り理事長を務めた。4K8Kも放送より通信が先行する。
W杯、全中継したのはアベマTV。IT企業と放送局の合弁が、TVという名前のネット配信。乗り切った。通信放送融合は完了した。
密がコロナを招いたからといって人類が数千年の都市文明を捨て、田園に向かうことはあるまい。依然、集積を求める。だがオンライン率は高止まりする。
都市に住みコミュニケーションと移動の自由を確保する。そのニューノーマルはコロナ前より素敵な世界となる。これに通信インフラは応えたい。
コロナで明らかになったのがデジタル敗戦。25年の無策が表面化した。30年で競争力は首位から34位まで落ちた。没落。
IT利用の弱みは医療教育行政=公共と経営者。医者先生役人と社長がネックだった。
いずれも昭和の勝ち組。世界に冠たる医療や経営。成功体験がデジタルで根こそぎ変わることを拒んだ。
政府の一般会計100兆円、特別会計250兆円、合計350兆円。地方自治体の歳出100兆円。計450兆円。ほとんどアナログ。
ぜんぶで500兆円。1%でもDXしたら5兆円市場になる。それくらいすぐ行くでしょう。
インフラ整備は進んだが、それで敗戦している。
過去に学ばなければ二の舞。そこはまずFAXなくしてから話しようよ。
そこで生まれたデジタル庁。がんばってね。
80年代のニューメディア 1Gの時代。
90年代のマルチメディア 2Gの時代。
2000年代のスマート化 3Gから4Gの時代。を経て、
2020年から超スマート、ウェアラブル、IoTとAIの時代が来た。
5Gの時代でもある。
その後ろでAIが働く。機械が人の能力を超えていく、人類が立ち入ったことのない時代。
通信でいう5G、第5世代は、これまでの1.0から、次の2.0にようやく差し掛かる、ということ。
のろしや手旗に始まって、電話、そしてモバイルの1Gから4Gまで、ずっとパーソンパーソンのオーディオビジュアルだった。
5GはマシンマシンのIoTでAIというデータの時代に入る。
その大転換であるという認識が必要。
5Gの特徴は超高速(100倍)、超低遅延(10倍)、超連結(同時連結10倍)。
今まだ超高速が及ぼすスマート文脈での話題が多い。だが超低遅延などがIoTで産業全般を変革する機能が本質。
クラウドeスポーツ、道路管理、ロボット制御、生体認証決済、フィンテック、AI教育、遠隔手術。広がる。
5Gが最も有効に活用できる分野は軍事ではないか。
イラク戦争では既にウェアラブルをまとったアメリカ兵士が戦場で活躍していた。
ウクライナはサイバー攻撃やドローン攻撃などデジタルが主戦場になった初の戦争。
通信インフラが国の存亡を左右するリアリティをいま人類は共有している。
(後編につづく)




























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