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2025年6月4日水曜日

経産省エンタメ・クリエイティブ「100のアクション」

■経産省エンタメ・クリエイティブ「100のアクション」


経産省エンタメ・クリエイティブ産業政策研究会。

このたび中間とりまとめがなされました。

https://00m.in/OWhut

 

ぼくが座長を務めます。委員は河島伸子同志社大学教授、齋藤精一アブストラクトエンジン代表取締役、栗田宏俊講談社取締役、中山淳雄Re entertainment社長、村松俊亮ソニー・ミュージックエンタテインメント社長、桃井信彦バンダイナムコホールディングス取締役。

そして、ゲーム、アニメ、マンガ、音楽、映画・映像、デザイン、アート、ファッション、スポーツといった10ジャンルの専門委員計80名ばかりが世界市場開拓に必要な「アクション」を出し合ったのが特徴です。議論の時期は過ぎた。アクションが必要です。

 

ゲームでは宇田川南欧バンダイナムコエンターテインメント社長、岡村信悟DeNA社長、杉野行雄セガ代表取締役、辻󠄀本春弘カプコン社長、早川英樹コナミデジタルエンターテインメント社長。アニメは落越友則 アニプレックス専務、竹崎忠トムス・エンタテインメント社長、石川和子日本動画協会理事長。

マンガは沢辺伸政小学館常務取締役、野間省伸講談社社長、瓶子吉久集英社常務取締役。音楽は猪野丈也エイベックス・ミュージック・クリエイティヴ社長、辻野学ソニー・ミュージックレーベルズ社長、中川悠介アソビシステム代表取締役、中西正樹アミューズ社長、金井文幸日本音楽制作者連盟専務理事、長井延裕コンサートプロモーターズ協会常務理事、中井秀範日本音楽事業者協会専務理事。

映画は中村英明ソニーPCL社長、本多利彦U-NEXT COO、吉村文雄東映社長、島谷能成東宝会長。アートは大林剛郎 大林組会長、福武總一郎ベネッセホールディングス名誉顧問。

などなど、オールジャパンの意見を承りました。役所も経産省だけでなく、内閣官房、内閣府、公正取引委員会、総務省、外務省、文化庁が参加。網羅した、かんじです。

 



[はじめに]

「日本のコンテンツ産業の海外売上は2023年で約5.8兆円と、半導体産業や鉄鋼産業の輸出額を超え、自動車産業に次ぐ規模であり、基幹産業として位置付けられている。」

「産業全体としての生産性・収益性を高め、新たなIPコンテンツを創出し、グローバルマーケットの獲得に向けた競争力強化を官民が連携して戦略的に取り組むことが必要不可欠である。」

 

だが「8つの不足」がある。

①海外で「魅せる」機会②国内で「魅せる」「作る」拠点③クリエイターの働く環境の改善、スキル向上と収入増の好循環④「収入ギャップ」の解消⑤新規技術・コンテンツの取込み⑥海外勢との戦略的提携⑦海賊版対策・正規版転換⑧総合的な支援体制。

 



これを踏まえて、「10分野100のアクション」をとりまとめました。

アニメ、ゲーム、マンガ、音楽、映画などジャンルごとに、主に政府がすべきアクションを明らかにしたものです。

それぞれ固有の施策が提示されているのですが、ジャンル横断のテーマもたくさんあります。

メインテーマである海外展開の共通アクションは、海賊版対策やJETROの抜本的強化。海賊版は政府の総合対策が稼働していて、さらに国際執行の強化や正規版の流通がポイントとして指摘されています。これに対し、後者JETROはこのところ政府でも産業界でも議論が盛んになっている「司令塔機能」に関するもの。韓国のコンテンツ振興院KOCCAのような強力なエンジンを持ちたいという声に対する一つの現実解です。これは議論もアクションもどう収めていけばよいか悩ましい案件なので、引き続きのテーマになります。

 

他には、「多角的IP展開、マーチャンダイジング」。ゲーム、アニメ、マンガ、音楽、デザイン、スポーツに共通しています。ジャンルをまたいで連携し、商品化や二次利用などで市場を広げる。コンテンツの売上よりマーチャンダイズのほうが規模はうんと大きいので、それを戦略的に狙う。

 

「先端・デジタル技術の活用」(マンガ、音楽、映画)も挙げられています。日本のエンタメはデジタル対応が遅れ、海外プラットフォームに頼らざるを得ないなど、デジタル敗戦の典型的な面がありました。ここ5年でその面がぐっと進み既にデジタルが主領域になっていますし、海外展開も配信がメインです。だが次々に技術は進展します。取り分けAIの対応は最重要案件。力が入ります。

 

そして何よりほぼ全ジャンルに関連するのが「人材確保・育成」です。取り分けこの分野、日本にはクリエイターは質量ともに育っているが、それを世界でビジネスにするマネジメント、プロデュースの人材が足りないことがかねてから指摘されています。人材問題は政策を論ずると必ずテーマとなり、対策が必要と書かれているものの、具体策に至ったためしが少ない。時間がかかり、成果が見えづらいせいもあります。

日本の大学にはエンタメ国際マネジメント育成コースは見当たらない。なのでぼくは自分の仕事として取り組みます。LAに本拠を置きハリウッドと直結するMBA、アリゾナ州立大学Thuderbird校を日本に誘致し、iUと連携して日本校を設置することとします。エンタメ・クリエイティブ産業や経産省とも手を組んで進めます。

 

その土台として、PPP:PopPowerProjectも開始しています。エンタメ・クリエイティブ産業を包含するコミュニティを形成して、経産省はじめ関係省庁にも参加いただき、こうした取り組みをあれこれ繰り出してまいります。

https://poppowerproject.com/

本研究会の中間とりまとめを民間サイドとしても活きたものにしていきたく。

よろしくどうぞ。

2025年6月2日月曜日

学長くんガチョーン. 杉山恒太郎さん

■学長くんガチョーン. 杉山恒太郎さん


クリエイティブのレジェンド。ピッカピカの一年生は、新人・杉山さんがカメラ担いで一人撮ったテクノロジー・ヌーベルバーグなのです。一回り年上ですが、シーモア・パパート、ブニュエル、ランボー、伊丹十三、共通の話題ばかりで、いい酒のんだり、いい飯くったり、ゴルフ連れてってもらったり、薫陶を受けています。

 

◆創造的破壊

創造的破壊は常にクリエイティブの原点。それに挑戦しないとものづくりに喜びを得ることはできない。

ただ、破壊を目指しているわけではない。誰よりも新しいことがしたい、というのが結果的に創造的破壊になる。人のやってないことをやりたい、というのはクリエイティブの基本の基本。しかし、それはやり始めたときにとても稚拙にみえてしまう。みたこともないことをやるから、なにをやっているんだ、とみられる一瞬を覚悟して新しいことをやる。

 

東京でのイベントで、篠田正浩監督に気になったもの・感動したものは?と聞いたらサントリーローヤル「ランボー」とピカピカの一年生を選んだ。

ベースに流れているのは創造的破壊。

 

◆広告はビジネス

表現という意味ではアートも広告も一緒。しかし、広告は目的があるビジネス。

制作の動機が、内なるものがあり、表現しないと死んでしまう、魂の救済がほしいというのはアート。

我々はクライアントから動機をもらって、オーダーが来て初めて始まる。内側にアーティストのような動機がない。クライアントがきっかけを作るため、いろんな玉が投げられてくる。最終的にクライアントに喜んでもらうために作っている。クライアントが気づいてない気づきをしてあげる。それがサービス。

 

◆サントリーローヤル「ランボー」

サントリーには佐治敬三さんの「酒を売るな、文化を売れ」というのが息づいている。当時はそれがもっと濃く息づいていた。

 

企画は左脳で追いかけて行っている。

アルコールのCMでは酔っているシーンを絶対出してはいけない。欧米では飲むシーンもだめ。それくらいアルコールに対してはシビア。

高いウイスキーはうまいな、酔いが違うなというのを表したかった。

このCMのテーマは「酔いの違い」。しかし、酔いという言葉を使うこともシーンを出すこともしてはいけないため「陶酔」という言葉に置き換えた。

陶酔をしている人は誰だろう→たぶん芸術家→芸術家の中でお金にはならないが最高の陶酔をしているのは詩人だろう、と追っかけている。King of 詩人はランボー。

ここまで出てくると、こんどは自分の経験の中から世界観をどうつくろうか、と。

ゴダール「気狂いピエロ」最後のシーンはランボーの「永遠」だったな、とか。そしてCMはDOORSのジャケットがすごくヒントになっている。

 

◆これからの広告

大量生産・大量消費の時代は終焉を迎えていることは間違いない。しかし広告は大量生産・大量消費のエンジンだった。

これからの世の中は中間層が世界的なレベルで消える。本来の広告の役割は世の中の中でかなりリアリティを失う。

ただ、限られた時間・限られたスペースで、ものごとを効率よく、好感を持って伝えていく技術は映画とも違う、テレビドラマとも違う、広告独特の表現技術がある。

対象パブリック、社会性と向き合いながら、広告表現をやることが広告にとって次の段階で救われるものがあるということは直感的にわかっている。

もう、売らんかな売らんかな売らんかなは空振りする。

 

昔は気の利いたダジャレを一発思いつくと、わっと子どもたちがそのダジャレをつかい、翌週コンビニの棚から商品が消えるくらい、テレビコマーシャルと消費は直結だった。

しかし、メディアがこれだけ多様化し、複雑化すると、そういうことはもう起きない。

そこで広告的なメッセージが世の中で納得させ、リアリティを持つのは今の社会に向き合っているなというのが重要。いまの世の中と向き合っているのはロック。いまの世の中と向き合っていないのはロックじゃない。考えてみれば同じこと。

 

◆これからやりたいこと

ものすごく単純なおもしろいコマーシャルを作りたい。

 

カンヌで5月に映画祭、6月に広告際。カンヌの合言葉は「for good」。社会のために。「for good」に触れてない広告はほとんど評価されない時代に入った。

 

その中でApple iPhone 14 CM 「R.I.P. Leon」。爬虫類を飼っているお金持ちが外出する際、ケアする人を雇った。その青年が水槽からイグアナを出した瞬間に死んでしまった。すごく困って、死んでしまったとメールを出した瞬間にイグアナが動き出した。爬虫類は仮死できる。このCMは思いがけないことを書いて、送信しても取り消すことができるサービスを伝えるもの。

フィルム部門でグランプリを取った。とてもシンプル。でも、あっけらかんとしておもしろい。映像のクオリティはとても高い。演出もおもしろい。慌てている青年のキャスティングもいい。とても明るい気持ちになった。

 

「for good」もいいが、単純に、でもすごく手の込んだ一発ギャグみたいなものをつくりたい。

 

◆学校

野球が好きだったり、暴れる子どもだった。4,5人子分を連れて自転車で駆け回っていたりもしたが、小学校―大学までずっと違和感ばかりで馴染めなかった。

なので、社会が学校。いままで出会わなかった変人などが先輩にいて、そういう人から、変人でも生きていける!充分にやっていける!と勇気をもらった。

 

◆キミたちへのメッセージ

自分のセンスを信じて。

社会に出ても少し違和感があったが、キミはキミのセンスを最後まで信じろ、と言われた。

今でもそう思っている。センスを信じて貫いてほしい。

2025年5月26日月曜日

クールジャパン:自転車

■クールジャパン:自転車



NHKクールジャパン「自転車」の巻。

 

健康志向もあるが、コロナで電車から乗り換える人も多くて、

自転車に乗る人は年々増えている。

自転車通行帯が設けられたり、シェアサイクルが増えたり、

この10年の間に日本の自転車事情はかなり変わってきている。

 

 

「専門店」

ママチャリや電動アシストなど種類が豊富というのは日本らしいが、

店が多くてサービスもよいというのも日本の特徴。

メンテをして丁寧に長く使うのは、この番組でも

家電や中古品で扱ってきたが、自転車も同じ。

外国人観光客も「ゆっくりコト消費」を求めるようになっているから、自転車はぴったり。

国土交通省でも「サイクル観光」と題して、

サイクリングロードの整備やサイクリングコースの創設などを進めている。

宿泊施設も含め、自転車の環境を整えることが

外国人にとって日本の魅力を高める有効な手段になりそう。

 

「人力アシストギア」

人間が漕いでこそ自転車という信念で、ハイテクに対抗する挑戦を、

13年かけて開発する。すごいひと。

日本の電動アシスト自転車の市場は、まだまだ成長すると言われている。

環境への配慮や都市部の混雑対策などから政府も電動の乗り物に前向き。

ただ電動アシスト付き自転車は、まだ値段も高くて、

バッテリーを使うので重たい。充電する電気代も気になる。

浜元さんのような工夫や製品は世界にも受け入れられるのではないか。

 

「ケイリン部」

自転車競技は世界的な人気種目で、

特にヨーロッパではサッカーに並ぶ人気を誇る。

ただロードレースが中心で、日本発祥のトラック競技である

ケイリンが国際化して、オリンピック種目にもなったのはすばらしい。

そしてこの番組で特集したこともある部活。

ブカツももはや国際語になっている。

自転車競技部のある高校は全国にあって、

ケイリンに参加している学校もある。

個人競技と思われがちだが、仲間との励まし合いなど、チームの力が大事。

ケイリンとブカツ、クールジャパンな組み合わせ。




2025年5月21日水曜日

もう来ないぞ、ニコニコ超会議。

■もう来ないぞ、ニコニコ超会議。



ニコニコ超会議@幕張メッセ。

もう来ない。

と言いつつ今年も来てしまった。

横澤大輔Pと万博・大崎洋さんにくっついて回りました。

夏野さんひろゆきさん岸博幸さんにもごあいさつ。




 

企業系パビリオンは減っていて、草の根オタク系コミュニティが目立つ。

原点回帰で、超会議っぽい。

サステナブル、なかんじ。

ビジネスからユーザに振り、若返った。

ユーザの2500ブースはほぼ即完だそうで。

そして昨年、ニコ超は黒字化したそうで。

たいしたもんです。

 




ボカロと盆踊り。

大音量を出せるのもニコ超の魅力。

iUに大学初のボカロコースを作りたいので、

ニコニコ関係者と相談することにしました。

あちこちのスポットで音出しを自由にしたところ、

互いに音具合を調節して共存する自治が働いたとのこと。

いいコミュニティ、いい文化です。これもニコニコの力。

 




そしてN中高とZEN大学の学園祭。

N高生3万人中、1万人が来た!

それだけでニコ超の若返りもできたのね。

にしても自分の学校の学園祭がニコ超って、いいなぁ。

iUも混ぜてほしい。



さて、もう来ないぞ。

2025年5月19日月曜日

学長くんガチョーン. 古市雅子さん

■学長くんガチョーン. 古市雅子さん


北京大学で唯一、文系の日本人教員。大学から中国に渡ったチャレンジャーです。バルセロナで開いた「オタクサミット」でご一緒して以来、中国から見た日本を教えてもらっています。

 

◆北京大学で教員になるきっかけ

18歳で北京大学へ留学。学部・修士・博士と学んだ。修士・博士論文で満州映画について書いた。李香蘭、山口淑子さんへもインタビューした。その流れで映像文化を教えている。

 

◆なぜ北京へ

海外に憧れがあった。

文学部に行きたかった。自分が大学へ行く際、文学部以外で勉強している姿が想像できなかった。日本の大学の文学部だと、卒業し、秘書など所謂女性がやるような仕事につき、結婚して、子どもを産んでという人生になるのかなと先の先まで想像し、それなら海外へ行こうかな、と。

 

アメリカへは中学3年生のときに学校のシステムで一ヶ月短期留学をした。行ってみて、もうちょっとごはんがおいしいところへ行きたい、とおもった。

アジアの方がもしかしたら歴史も文化もあって楽しいのではないか、と中国へ。

 

北京には20年以上いる。

ずっと中国にいるかは決めていない。そのときそのときでやりたいところがやれるところにいられたらいい。

 

◆大学とは

学生としても教員としても、プラットフォーム。

やりたいことをやれる環境がある。自分になにもなくても、そこに行けば、人やプロジェクトなど、ある程度のリソースがある。なにかやりたい・興味があるときに手を伸ばせる場所にいろんなものがある。聞くこともできる。

そこでなにかをやる可能性を掴めるかもしれない。

 

◆キミたちへのメッセージ

海外に出るチャンスがあったら是非出てほしい。日本じゃないところへ一度は行ってみないと、価値観はいろいろある、いろんな人がいることがわからない。

中学・高校のときは学校が全てだ、と思ってしまうように、大学卒業後も日本にずっといると日本が全てだとおもってしまう。

いろいろな国へ行くと多様性があるのが世界だ、とわかる。

いまの自分を相対視・客観視できることで生きやすくなり、いろんな発想が出るようになる。自分の限界を越えられるひとつのきっかけとなる。