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2011年5月6日金曜日

リアルプロジェクトとは

■Buenos  リアルプロジェクトとは

KMD学生向けに「リアルプロジェクト」に関するメッセージを書いておきます。
今年は震災のせいで授業スケジュールが変わり、こういうことを話す場がない(その責任はぼくとKMDにある。申し訳ない。)ので、ここに残しておきます。

・どのRP(リアルプロジェクト)を選ぶかで2年間が決まります。2年終わるころまだRPが立ち上がらずアタフタする学生がいるが、そういうRPを選んだキミが悪い。
・大学院というのは世の中がどういう方向に行くかを感じ取る場でもある。眼力を養うのがスキルより大事。そのスタート時で本気じゃないと、2年たってもゼロ成果となる。
(事例:MITのビジネススクール、eビジネスコースにいた連中が10年前のネットバブル崩壊後みな分散し、金融とかコンサルとかのコースに逃げたが、たぶん活躍できていまい。これからeか金かコかの見極めもしようとせずスキル磨いてもダメなんだよ。)

・RPの条件は2つ。プロジェクト=作ることが第一条件。リアル=スポンサーがいることが第二条件。
・RP第一条件。DもTもMもPも、作る。調査・分析・ウォッチは、ぼくらのプロジェクトではない。よそでやるといい。
・RP第二条件。スポンサーがいること、企業であれ政府であれ何であれ、そのプロジェクトに賛同し協働することを組織決定した社会的存在があること。

・RPを立ち上げるには外部の機関決定という高いハードルがあり、学生がそう簡単にできるものではありません。それができるくらいならたいていとうに就職できています。
・RPを立ち上げるのは教授の義務であり、責任です。通常、教授が企画し説得し調整し、それでやっと始まるものです。
・RPは担当教授がスポンサーに対し全責任を負います。学生は負いません。RPは学生が教授にプレゼンするものではなく、教授がスポンサーにプレゼンするものです。
・RPを選ぶというのは、「どの教授が」「どのスポンサーと」「何に取り組んでいるか」、この3点を見極めることです。

・RPの評価はスポンサーだけができます。リスクを取って機関決定しているからです。他の教員には評価権はありません。リスクを取っていませんから。
・ぼくはA教授やB教授のプロジェクトにリスクを負っていません。そのプロジェクトだめじゃんというツッコミはいくらでもできますが、そのツッコミは無意味です。
・ツッコミに意味があるのは、そのプロジェクトにリスクを負って機関決定している組織ないし個人だけです。担当教授は、そこに耳を傾ける義務があります。
(事例:MITメディアラボのスポンサー会議は真剣そのもので、それは大金を払っているスポンサーが教授陣の業績を叩く場だからです。学生が発表していても責任は教授にあり、スポンサーの意向で教授がクビになることもあります。)
(事例:KMDのクラスター会議のような内輪向けの場はメディアラボにはありませんでした。だって学生の評価は担当教授が行うものだし、プロジェクトの評価はスポンサーが行うものだからです。)

・KMD学生の発表にぼくがいつも「スポンサーはどこでどういう評価だ」としか聞かないのはそういうわけです。
・スポンサーへの説明責任を認識していないプロジェクトはリアルではなく、内輪のお遊びです。
・ぼくのプロジェクトの学生が発表するものを他の教授が○×つけるというのは、ぼくに対する評価であり、たとえ○つけられてもうれしくないし×つけられてもso what?です。
・たとえばスポンサーたちがぼくのチームと共同でA技術を採択して進めているものをぼく以外のKMDがB技術を推奨した場合、so what?です。スポンサーたちは社運をかけ世界情勢を見極めつつ判断しカネと人材を出しているの対しKMDは何も出さないからです。
・ぼくの学生がぼくの代理で発表している案件に対し他の教員から批判が出たら、答える責任はスポンサーを代弁すべきぼくにあります。
・学生諸君は授業料払ってリスク取ってるから、発言権があります。教授陣にはありません。ここは明確にしておくべき。
(事例:MITメディアラボの学生はみな授業料免除で逆に給料をもらってるから発言権がない。)
・KMDの会議で学生がRPについて発表し教授が評価するような場があるけど、あれはあくまで「教育」の場(プレゼンのお稽古と言ってもいい)であり、RPの評価の場ではありません。

・いやスポンサーでなくても「学会」が評価してくれる、という反論がありますが、一般のアカデミックな大学院ならそれをゴールにしてもいいでしょうけど、KMDは違います。
・リアルプロジェクトを学会が評価できないのは、学会はそれに対しリスクを負っていないからです。
(事例:MITでさえ、学内でウケてるものを外に持ち出しても歯が立ちませんでしたよ。ウケるのはシーグラフみたいな学会ばかりで。当時、日本メーカはけんもほろろ。だって、世界企業は、世界で闘ってますから。)
・ぼくは学会は大事だと思わないが、学会が大事だと思うなら、自分で学会を作る。それがKMDのスピリットだとぼくは思います。

・以上の見解はぼくの個人意見であり、多くのKMD関係者が違う意見である(のではなかろうかと思う)ことを申し添えます。

1 件のコメント:

  1. うーん、これをKMD全体でコミットできていたら・・「多くのKMD関係者が違う意見である(のではなかろうかと思う)ことを申し添えます。」って奥歯に物が挟まった感じが残念。あと、何事にも「作る」には本人の実力が一番必要という点が抜けている。大学院で「学ぶ」姿勢は大切だが、2年しか無い中で学ぶつもりでは手遅れで相当努力しないと作れない。これまでの人生で身につけてきた能力をRPで結実させる位の発想で望まないとダメですな。

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