■コンテンツは成功、クールジャパンはまだ
クールジャパン機構に関する批判がXでぼくにも及んでいまして、ぼくは機構の運営に携わっていないので経緯など不明なことが多いものの、それが「コンテンツ政策」への非難につながるのを懸念しています。
コンテンツは成功、クールジャパンはまだ、がぼくの評価です。
2010年当時、国内コンテンツ市場は縮小し、海外売上も減っていました。
世界市場は伸びているのに。
海外展開も遅れ、5年で映画は1割、ゲーム2割、放送3割の減少でした。
当時すでに業界が海外にシフトしていたというわけではありません。
第2次安倍政権で政府は機構やJLOPや海賊版対策など色んな手を講じつつ、海外+デジタルへのシフトを鮮明にしました。
コンテンツ海外展開への支援が明確となった後、5年間で海外市場は3割弱拡大。
アニメは3.6倍、映画は4.3倍、放送は4.3倍を見せました。
新規に海外展開に取り組む企業も増えました。
その後 海外市場+ネット市場は伸び、海外売上は自動車に次ぐ2位の地位を占めるようになりました。
全て政策の帰結とは決して申しませんが、政策の効果もあったんじゃないですかね。
政府はコンテンツを成長産業から基幹産業へと呼び方を変え、戦略17分野に組み込み、首相はAI・半導体・コンテンツと唱えるまでになりました。
しかし。コンテンツは主要国が産業支援を四半世紀以上続け、日本のコンテンツ予算は米仏韓の1/5~1/15という規模です。
まずそれらと戦える規模に産業政策を強化せよ、が産業界の意見で、ぼくらPPPも年1千億円予算を提言しています。
コンテンツが国の戦略領域と認知された今がラストチャンスで、これを逃して劣勢になる危険のほうをぼくは重視しています。
なお、コンテンツ政策とクールジャパン政策は分かれています。クールジャパンは食、観光、化粧品なども対象とする広い政策です。ぼくはこれを進める「クールジャパン官民連携プラットフォーム」のメンバーではありません。
コンテンツ政策は特に海外展開の面で成功したと考えます。一方、クールジャパン政策の成果はまだ判然としません。両者を分けて評価したいところです。
ぼくは知財本部クールジャパン政策の議論ではコンテンツ政策との連動強化と、過去の政策の検証を主張しています。今後も求めていきます。




