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2023年1月1日日曜日

反省、2022年。展望、2023年。

 ■反省、2022年。展望、2023年。

賀正 ガチョーン

2010年から続けておりますとおり、新年を始めるに当たって、旧年を振り返ります。

コロナという人類とウィルスとの戦争がやまぬ中、ウクライナで局地の争いが始まり、史上初めてデジタルが主戦場の戦争となりました。2つの戦後が見えません。

2020年に離陸したぼくらの2大プロジェクト、iUとCiPは戦火をくぐり、今年1.0の完成を迎えます。iU、CiP、インキュベーションの3本柱で説明します。







1  iU

「iU」を2020年4月に開学し、ぼくが学長に就きました。

 https://www.i-u.ac.jp/

 情報ICTと経営ビジネスでイノベーション革新を起こす専門職プロを育てる大学。

 世界初「全員起業」。全員が起業に成功して、「就職率ゼロ」を目指します。ただ、学生のうちに一度は失敗して学べる「失敗大学」でもあります。

 教員の8割は企業出身。ICT、通信、放送、メーカーなどさまざま。連携企業は500社、客員教授は700名。1000社・1000名に増やします。学生より教授が多い大学です。


 校歌は「少年ナイフ」が作りました。世界一パンクな校歌です。

 "Let's Go iU " by Shonen Knife

 https://www.youtube.com/watch?v=Bwe_zUKU4Yg&feature=youtu.be


 「学長くん」によるオンライン講義、ウクレレ漫談、今日のヒトコトなどYouTube、twitter、インスタグラム、tiktok、ブログなどで毎日配信しています。

 https://www.youtube.com/iUCHANNEL

 https://linktr.ee/iuchannel


 突撃インタビュー「学長くんガチョーン」はYOYOKAさん、Dr.ハインリッヒ、隈研吾さん、伊藤穰一さん、いとうまい子さん、佐渡裕さん、ウスビ・サコさん、猪子寿之さんら50名を越えました。

 https://www.youtube.com/playlist?list=PLH8Gwsx7Tg9Va6Zp13gr--3WCOOAuTseO


 マンガ「学長くんガチョーン」もスタート。

   第1話「パンクな大学 できました。」
   https://bit.ly/3qAAoh0

   第2話「超ヒマ社会がくる」

   https://bit.ly/3JpBao6

   第3話「ジャパンは クールか?」

   https://bit.ly/3MJqMZ7


 中国語の発信も始めてまーす

 https://www.bilibili.com/video/BV1Te4y1z7Qr/?spm_id_from=333.337.search-card.all.click



1) B Lab

 iUの研究所、おもしろい未来をみんなでつくるラボ、B Lab。Beyond, Borderless, Breakthroughの頭文字をとった「B Lab」。

 世界の大学・研究所、地域、人材をつなぎ、人々の得意技や知見を融合させ、技術、サービス、コンテンツ、ビジネス、社会を生みだす参加型プラットフォームです。

 https://blaboratory.org/


2) メディアラボ:BSよしもと

 墨田区のiUキャンパス内に映像スタジオ「すみだメディアラボ」を設置、BSよしもととしてスタート。iUのコンセプトをパクった「全番組起業」の地方創生放送局。連携していきます。大学をメディア化する「iUメディアプロジェクト」をここから起こしてまいります。

 https://bsy.co.jp/


3) 超人スポーツ
 身体と技術を融合させ、人機一体の新しいスポーツを開発する「超人スポーツ」。稲見昌彦さんとぼくが共同代表であった社団法人「超人スポーツ協会」を発展させ、B Labに機能を移管させます。

 http://superhuman-sports.org/


4) eスポーツ

 経済産業省+日本eスポーツ連合JeSU「eスポーツを活性化させるための方策に関する検討会」の座長を務め、その報告に沿って「超eスポーツ学校」などのアクションを起こしています。JeSUの特別顧問にぼくが就任し、業界との連携も深めてまいります。

 http://ichiyanakamura.blogspot.com/2020/10/e.html


5) 京都大学 防災研究所

 京都大学の特任教授は、思修館(総合生存学館)から防災研究所に所属を移しました。土佐尚子特定教授のラボにて防災アート&テクノロジーを担当します。京大軽音楽部卒として、あれこれつないでまいります。慶應義塾大学メディアデザイン研究科KMDの特別招聘教授も続けます。

 https://www.dpri.kyoto-u.ac.jp/


6) 国際公共経済学会

 ベルギーに本部を置き世界13ヶ国に支部のあるCIRIECの日本支部として1985年に設立された学会の会長を務めます。アカデミズムに貢献してまいります。今年末、iUにて大会を開催します。

 http://ciriec.com/


7) デジタル政策フォーラム

 産学官によるプラットフォーム「デジタル政策フォーラム」を発足させました。経済社会、技術などデジタルに関する横断的なテーマをオンライン・オフラインでオープンに議論・提言していくコミュニティ。広く知恵を連結して、論じ、アクションを起こします。

 https://www.digitalpolicyforum.jp/



2  CiP
 
 デジタル・コンテンツ産業集積拠点を作る「CiP」。Pop &Tech 特区CiP。社団法人「CiP協議会」が企画する第一号「東京ポートシティ竹芝」が2020年に街開きしました。
 通信、放送、IT、音楽、アニメ、ゲーム、お笑い、広告、商社、VC、学校など50社・団体が参加し、内閣官房、内閣府、デジタル庁、総務省、経産省など政府とも連携しています。

 産学プロジェクトを走らせます。起業支援も進めています。愛知県はじめ横展開を進めるほか、韓国政府・コンテンツ振興院、スペイン・カタルーニャ州など海外との連携も強化します。

 https://cipcipcip.org/


1) ちょっと先のおもしろい未来:ちょもろー!

 ポップとテックをギュッと詰めたショウケースイベント「ちょっと先のおもしろい未来」英語名Change Tomorrow を開催します。略してちょもろー。Chomorrow。2022年10月、コロナ中に開催した第2回は3万人の来場。SXSWやアルスエレクトロニカを凌ぐイベントに成長させたいと考えています。

 https://change-tomorrow.tokyo/


2) CiPファンド

「CiPファンド」を設立し、起業支援をしています。資金の出し手と起業家とのマッチング基盤が整います。政府・クールジャパン機構とも連携しています。既に8件に出資を実行しました。

 https://cipfund.jp/


3) Artist Commons

  アーティストに固有のIDを付与し、コンテンツやグッズ、ライブ等の情報を展開しやすいようにするプロジェクト「Artist Commons」を音楽業界と進めています。CiPをベースに展開、法人化しました。経済産業省の支援を得ています。

 https://acoms.jp/


4) City Tech

 竹芝に先端技術を実装する「City Tech委員会」。ロボット、AI,IoT、5G、8K、ドローン、モビリティ、情報銀行など、まるごと実装します。既に多数のロボット、センサー、AI、サイネージが稼働し、世界トップのスマート地区となっています。

 https://citytech.jp/


5) 世界オタク研究所

 国際オタクイベント協会IOEAと連携して設立した研究所。世界のオタク研究者による総本山です。経産省の支援を得て進めています。

 https://w-o-i.org/


6) Station Ai

 愛知県が計画する巨大インキュベーション施設「Station Ai」の設立に関わっており、竹芝モデルの横展開を進めます。

 https://stationai.co.jp/



3 インキュベーション

 iU、CiP以外のキッズ、ポップ、ネット各プロジェクトも継続します。それらがインキュベーション活動となり、また新プロジェクトがうまれていきます。


1) キッズ


① 超教育協会

 教育とテクノロジーの融合を進める団体です。IT、ソフトウェア、コンテンツなど30を超えるデジタル系の業界団体オールスターです。傘下の加盟企業は8000社。経団連、新経連、日本IT団体連盟、内閣府も参加しています。教育IT化の規制撤廃・緩和、家庭のIT環境整備などの課題に取り組むとともに、AI・データ利用など超教育の推進に向け対応を強化します。

 http://lot.or.jp/


② デジタルキッズ

 CANVAS石戸理事長率いるデジタルキッズ。ワークショックコレクション、国際デジタルえほんフェアも開催してまいります。吉本興業とNTTが教育コンテンツなどを発信する事業「ラフ&ピース マザー」との連携も強化します。

 http://canvas.ws/


③  情報リテラシー

 青少年ネット安全・安心政策が新段階を迎えています。政府会議の主査を務めながら対応を進化させます。安心ネットづくり促進協議会では代表理事を務めます。

 https://www.good-net.jp/


2) ポップ


① 京都国際映画祭 

 吉本興業が主導する「映画もアートもその他もぜんぶ」のイベント、実行委員長を務めています。京都の街を広く使い、映画人もアーティストも芸人も学生も子どもも観光客も参加する、他のどこにもない祭典にしていきます。本年、10周年です。

 http://kiff.kyoto.jp/


② NHKクールジャパン

 日本のクールを発信しつづける番組、18年目です。BSを代表する長寿番組になりました。2022年は「ゲーム」「魔改造」「フェス」「縄文」「レトロ」の巻に参加しました。

 http://www6.nhk.or.jp/cooljapan/


③ ご意見番

 吉本興業、スペースシャワーネットワークの社外取締役を務めています。内閣府(知財戦略)、総務省(白書、リテラシー)、文化庁(著作権)の委員として政策対応も続けます。


3) ネット


① デジタルサイネージ
 「デジタルサイネージコンソーシアム」設立16年。理事長を務めます。

 http://www.digital-signage.jp/


② オープンデータ
 オープンデータ対策を進めます。DSA「一般社団法人データ社会推進協議会」の顧問として、普及啓発に努めています。

  https://data-society-alliance.org/


③ ネット炎上
 ネット炎上対策を講ずるプロジェクト。理事長を務める社団法人「デジタルリスク協会」とともに、事例調査、啓発教育などの活動を進めています。

 https://newmediarisk.org/


④ 理研AIPセンター

 AI研究開発の日本の総本山、理研AIPセンター。コーディネイターに就任し、AI研究と社会経済をつなぎます。iU B Labとの共同研究「みんなの校歌プロジェクト」はじめ あれこれ仕掛けてまいります。

 https://aip.riken.jp/?lang=ja


⑤ ご意見番

 民放連デジタルネット研究会、京都府メタバース会議、京丹後市最高デジタル責任者(CDO)その他を通じ、デジタル化の底上げを図ります。

2022年12月27日火曜日

長寿企業こそSDGsのS。

■長寿企業こそSDGsのS。




郵便局1871年、MIT1861年、スタンフォード1891年、慶応1868年。

ぼくは150年級の老舗を渡り歩いてきました。偶然です。

で、iUというベンチャーを立ち上げ、150年後を想定し、実装しています。必然です。





故郷の京都で過ごす時間も増え、うろつくのは、

創業200年の漬物屋、300年の団扇屋、400年の手ぬぐい屋、500年のそば屋、1000年の茶店。

150年など青い。100年なぞ子どもです。




老舗経営、長寿企業が気になります。

横澤利昌編著「老舗企業の研究」

田中真澄「百年以上続いている会社はどこが違うのか?」

塩見哲「京都老舗経営に学ぶ 企業継続の秘訣」

松岡憲司「京都からみた、日本の老舗、世界の老舗」

その他論文やらこのところ読み漁っています。

いくつか抽出。





100年続く会社を「老舗」として、日本には3万ないし5万社あるとされます。

ダントツ世界一。うち上場企業が532社。

200年企業は3000社強。世界の56%を占める。2位独800、3位蘭200。

1000年企業が16社。独7、英4、伊2、仏1。

長寿は日本の超特徴です。





老舗のうち、

年商1億円未満の中小は41.5%で最多だが老舗出現率は1.69%で最低。

500億円以上の大企業は1.7%で最少だが老舗出現率は15.1%で最高。

業種は小売卸売が45.5%、製造が25.1%。

酒造、旅館が多く、不動産への転業も多数。

出現率1位は京都府4.73%。




際立った特徴は、ファミリービジネスであること。

そもそも日本は事業所の99%、従業員の86%がファミリービジネスに従事し、上場企業の53%が家族経営の国。

老舗のほとんども同族経営です。

経営学は効率的な統治のため所有経営分離を求めるが、それとは違う路線が日本にはあります。



逆にファミリービジネスには、内部管理の効率性、意思決定の迅速さ、長期利益重視というメリットがある。

知人からの低コストによる資金調達や企業モチベーションの高さという点も改めて認識されています。


相山豊さんらの研究は、過去40年間をみると同族経営の業績が非同族を上回ることを示します。

そして「婿養子」という中国にも韓国にもない仕組みが武器として使われ、婿養子経営が同族経営や非同族経営よりも高い業績を見せている。

京都の商家では女の子が生まれると「ええ婿とれる」と喜ぶと聞きます。




もう一つの特徴は、「道」。

商売繁盛よりも商人道を重視する。

質素倹約・誠信義仁という倫理規定を明文化する。

8割の老舗が家訓を持つそうです。

宗教色の薄い社会システムにあって、キリスト教的な慈善=欧米型フィランソロピーでもない経営を維持してきました。


西洋の経営学が説く利益、売上、株主、スピード、シェアという言葉と違い、顧客第一、本業重視、品質本位、理念維持という教えが貫かれます。

石田梅岩の正直勤勉倹約、近江商人の売・買・世間「三方よし」もその礎。

そして社員との一体・家族化、地域との共生、文化芸術へのパトロン志向も強い。


とはいえ、長寿の条件は、進取の気性、革新であるとする点も研究は共通しています。

「老舗企業の研究」は老舗の因子をこうまとめます。

1.求心力:結束(従業員と経営)、堅実(外部資金導入と投資)

2.継承力:後継者教育、創業者一族の意向、地域志向

3.イノベーション力(変革志向、顧客志向)





100年超えの老舗は、敗戦・占領、体制変更、災害を生き抜いた組織です。

疫病やデジタル革命など激動を生き抜く抗体を持ち得る。

サステナブル。SDGsのS。

第一に自らがSであるべきで、企業30年説のアメリカには説得力がありません。


日本は社員・地域と共生し、サステナブルに生きる企業を最も量産する立場をこそSDGs的なるものとしてプレイアップするのがよい。

他国にとって学びになるクールジャパンは長寿企業・老舗経営だと思います。

2022年12月20日火曜日

三条市立大学、スゲえ

■三条市立大学、スゲえ


三条市立大学@新潟県三条市に伺いました。

国定勇人衆議院議員/前三条市長のご紹介で。

アハメド・シャハリアル学長と懇談しました。

ものづくりの町の、産学連携で人材を育成する、強力な新設公立大学。

よくぞ創られました。





地元企業100社超と連携し、全員インターン。

研磨、溶接、非破壊検査、3D印刷など先端機器を学生たちが使い倒し、腕を磨く。

物理・化学の素材開発も担い、ものづくりの町のR&D機能を引き受ける。

論文型の研究はせず、開発と実践の中で学生が育ち、地元企業の役に立つ。

コンセプト、明確。パンク!




寄付も集まってきていて、奨学金も出している。

学生は男子が多い。そして隣には看護医療系専門学校も併設されていて、そちらは女子が中心。んで学食は共用で、どうしても混じり合う。

開学してまだ2年目なのに岸田首相も見学に来ていました。

設計がうまい。






開学に当たり最も苦労したのは「文科省対応」。

あはは。おんなじですね。

新しいコンセプトの学校を作ろうとすると、前例がなくて引っかかる。

文科省の、日本の、ワクを超えた新しい大学院を共同で作りません?

てな企みを、設計していくことになりましたー。




国定議員(役所の後輩)からいただいたSUWADAの爪切り。

「木村拓哉さんやオバマさんも使ってます」

どうもありがとう。

帰って調べたら、めっちゃ高いやん!

どうもありがとう。

2022年12月13日火曜日

クリエイターへの還元策!?

■クリエイターへの還元策!?


文化審議会著作権分科会基本問題小委員会。

今年の議論が始まりました。

クリエイターへの適切な対価還元策について、

・私的録音録画補償金へのブルーレイディスクレコーダーの追加

・新たな対価還元策

・社会的な理解

どう考える?がお題。


コメントしました。


2005年の補償金を巡る対立や2008年のダビング10を巡る調整に関わった記憶からみて、ブルーレイの指定に折り合いがつくとすれば、ネット化の進展はじめコンテンツ流通構造の変化や日本の機器産業の立ち位置の変化など多くのことを物語る。

新たな対価還元策はその変化を踏まえた次元のものとする必要。


その際、ポイントが2つある。


1) 還元というのは、どこからの還元なのか。

これまでは機器製造からの還元を議論してきた。それが

・PFなどネット事業者 なのか

・スマホユーザなどの電波利用者

・広く一般つまり納税者

そのイメージによって取りうる選択肢も異なる。


2) どの程度の還元が妥当なのか。

本来コンテンツに来るべき対価が遺失している、その市場の失敗が理由なのであれば、量的にいくらで、どこに遺失利益が流れているのか、コンテンツの外部経済/波及効果がどの程度なのがデータで示されて、政策が立案されるべき。

調査とアカデミックな分析が必要。


関連して、「社会的な理解」は極めて重要。

かつてソフトとハード、コンテンツと機器の産業は睦まじい関係だった。

機器メーカがレコード会社を持ったり映像会社を経営したりしていた。

いつしか対立するようになり、今日に至る。

気がつけば米IT企業が市場を握っている。


これは関連産業の経営戦略の問題であるだけでなく、役所を超えた国家産業政策の問題でもある。

そしてコンテンツの生産や消費をどう大切なものとして扱うのかという教育問題でもあろうと思う。 

これを機に何らか大きな問題提起をしてみたい。