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2019年8月19日月曜日

「ねじれの国、日本。」を乱暴に読んでみた

■「ねじれの国、日本。」を乱暴に読んでみた

堀井憲一郎さん著「ホリイのずんずん調査 かつて誰も調べなかった100の謎」。
1995年から2011年まで週刊文春に連載されたコラム。
最初は読み飛ばしていたが、だんだんくだらなさが気になり、真っ先に読むようになり、次第に憧れるようになり、中高の先輩だと気がついた、その抜粋本です。

食べてみる、外に出て調べる、スポーツを測る、テレビを数える。
寿司を1カン2カンと数えるのは平成に始まった。
1983年から2009年までの雑誌を総ざらいして調べた結果だという。
馬鹿げた調査パワーだ。

つゆだくが許せないからと、並を頼んだのにつゆだくが出る牛丼店を148日連続で食べ歩く。
チョコボール1021箱で金のエンゼルは1枚だった。
東海道五十三次を歩いてみた。
7年で1万席の落語を聞いてかからなかったネタ。
上沼恵美子のほら話を全部並べる。 
くだらない。

この堀井先輩の角度と筆致は鏡とするものです。
そして、「ひよっこ」がスゴいドラマであることを気づかせてくれたかたであり、
「50年間、朝ドラを見てきた私が断言したい「『ひよっこ』はスゴい」」

高校の歴史出身高校に何があったかを教えてくれる存在でもあります。
「1971年、京都で起きた高校紛争の記録~左翼運動はなぜ衰退したか」

その堀井憲一郎さん著「ねじれの国、日本。」を読みました。
いつもの角度と筆致でありながら、日本の国家観をざくざく切って曼荼羅っぽく示す熱量の高い本で、精緻でないぶん難解な、そして刺激的な作品でした。
誤読を怖れず、自分用にメモしておきます。

日本はウチ向けには言葉にしない思念を示し、外向けには虚構を示す。ねじれ。
思念とは同調すること。日本は地政学的にも自然的にも元気で、暴力を内包する。
虚構とは日本という国家、仏教を抜き去った神道、偶像としての天皇。
それらは7世紀の中国に、19世紀のナショナリズムに、対抗して作った。

建国記念日は何の日か。
(正解は神武天皇の即位日)
知らなければ日本人で、ぺらぺらしゃべったら敵国スパイ。
教育をしていないし、説明するつもりもない。
国民にはウソとわかるサインを出しつつ、世界にはそう説明する。ねじれ。
アメリカ独立記念日やフランス革命記念日は教えるのに。

7世紀、律令国家を世界(中国)に宣言。
聖徳太子から天智・天武天皇、中国向けに日本という国号を決めた。
唐という巨大な中央政権が建った危機感。
独自の共同体として。
海と山があり、狭い平野に密集して住む。 
左側ばかり見ていた。

昭和17年、開戦から半年の連勝に知識人は「近代の超克」に高揚し、国民も興奮した。
明治以来、西洋から無理を強いられた近代への恨み。
西洋の近代を敗戦でより大きく受け入れるハメとなった。
日本は大きく変わったというウソのスローガンで戦前と戦後を切った。

日本はいつも大陸の王朝に向いている。
古来、野蛮で元気。半島をまたいで攻め込む厄介者。秀吉も日中戦争も。
逆はない(元は世界史上の奇態とみる)。

中国は何度も王朝が変わったが日本はずっと日本。
中国も朝鮮も日本が怖い。
中国はいろんな民族が暴力で王朝を建てる続けた「ステージ」であり、日本も秀吉や陸軍がエントリーした。

日本が攻め込んでも背後(右側)から突かれない。
逆に日本に左から攻めるのは困難で、コストに合わない。
すると右側からペリーが大砲を鳴らしたからビックリした。

神様は善意とも正邪とも関係なく、ただ在る。
願いは五穀豊穣=生活安定のみの、未開で原始的。
教義も理論もない。共同体。
世界宗教は原始共同体を壊していったが、日本は枠組みを壊さず、仏教も儒教も取り入れキャッチアップした。
言語化することなく同調するのが民族的な基調。

国の根幹に関わる言説を「ねじる」。それによって安定する。
鎖国はきちんとねじった200余年。ねじったままでいい。

地政学的・自然的に有利な条件の下、ずっと一まとまりだった共同体が、実体をぼやかして国の姿をまといつつ、フィクションを編み出して対外的に格好をつける。
そんなことが書いてあります。
たぶん。

とすれば、戦争も動乱もなかった平成は、そのねじれを維持し固めた30年だったのでしょう。

令和はどうでしょう。堀井さんが令和をどう読むのか、聞いてみたいです。

2019年8月15日木曜日

シェアリングエコノミー、第二次報告書とりまとめ

■シェアリングエコノミー、第二次報告書とりまとめ

ぼくが参加した内閣官房「シェアリングエコノミー検討会議」が第二次報告書をまとめました。

2年前の中間報告は、
1) 自主的ルールによる安全性・信頼性の確保
2) グレーゾーン解消に向けた取組
3) 自治体等による先行的なベストプラクティスの構築・共有
を柱としていました。
「シェアリングエコノミー中間報告」

その後の動きとしては、以下が挙げられます。
1) 政府相談窓口の開設:シェアリングエコノミー促進室
2) 認証制度の構築・運用:21サービスがマークを取得
3) 自治体での導入事例の創出:シェア・ニッポン100の作成

取組の成果としては、以下が挙げられます。
1) サービスの普及:認知度が1年で11.8%増加し42.4%に
2) 市場規模の拡大:2016年度で503億円、2021年度には1071億円に

推進方策として、以下を三位一体で取り組むこととしています。
1) プラットフォーマーによる取引等への関与の充実
2) 提供者・利用者が安全性・信頼性を判断するための仕掛けの整備
3) 社会実装・国際展開の支援

その上で「シェアリングエコノミー推進加速化アクションプラン」として、
1) モデルガイドラインの改定、認証基準のアップデート
2) 消費者向け指針(シェアリングエコノミーの歩き方)、レビューに関する国際標準への準拠、信用を可視化する仕掛けの検討
3) 地域での活用100事例の創出
等を掲げています。

具体化に向け今後検討を深めていく事項として下記を記し、
1) 紛争解決機能のスマート化
2) 「認証シェアワーカー制度(仮称)」の創設
併せて、中間報告で示したシ ェアリングエコノミー・モデルガイドラインをバージョンアップしています。

会議にてぼくは3点コメントしました。
1)利用面の不安を取り除くこと、空気を換えること最重要だが、実に難しい。
改元、五輪、万博という弾みに合わせた施策を打つことが効果的。
ただし、時間がかかる。時間をかける、という認識と覚悟が大事。持続する、続ける、という政策決定が重みを持つ。

2)市場規模は500億円。これを経済政策と位置づけると政策の優先度が高まらない。
消費者利便を高め満足度を上げるという社会・文化政策の位置づけが重要。
これをどう測定してエビデンスベースの政策論に持ち込むのか。
そこはアカデミアの出番であり、そうした問いかけを学に投げかけたい。

3)東京港区竹芝に、AI・ロボットはじめ先端技術を集積して実装する特区を建設していて、オリンピック直前に街開き。イベントも行う。
その地域が生むデータを管理・利用する情報銀行の設計を始めたところ。
技術実装都市と情報銀行がシェアエコに役立つように準備してまいりたい。

会議ではライドシェアについて記載するか否かで委員と政府との緊迫したやりとりがありました。
規制を巡ってはまだ突破できない壁もありますが、事態は好転しています。
令和の時間をたっぷり使い、前進しましょう。

2019年8月12日月曜日

札幌・東京・神戸・福岡をつなごう! 078Kobe2019にて

■札幌・東京・神戸・福岡をつなごう! 078Kobe2019にて

パパヤパヤパヤ神戸泣いてどうなるのか。
078Kobe。
神戸の魅力や活力を発信するための複合型+参加型+都市型フェスティバル。
第一回は3.7万人、昨年は7.5万人が参加。
今回は第3回。育ってきています。

複数のテーマを掲げたイベントです。
音楽・映画・IT・食・ファッション・キッズ・アニメの7ジャンル。
このラインアップを揃えられる国はそうありません。これがニッポンの強み。
そしてポップカルチャーにテクノロジーを掛け合わせている点がミソ。

昨年参加した模様はここに記してあります。
「078Kobe 2018」

「都市型フェスティバルの未来」というパネルに参加しました。
078実行委員長・藤井信忠神戸大学准教授
NoMaps廣瀬岳史事務局長
明星和楽松口健司実行委員長
ぼくはCiPのYouGoEx代表としてです。

078藤井さん。
「米オースティンのSXSWを参考にして開催したが、SXSWは30年であそこまで育った。078も30年続ける。」
「チャリティー音楽イベントが源流なので、全て無料にしている。」
骨があります。

福岡で10月に4日間開催される「明星和楽」。
「異種交創」を体現するムーブメントとして2011年より開催。
スポーツ、音楽、エンタメ、ビジネス。
「異種」な人々が交わる場であり、新しいモノ・コトを創り出す装置。
実行委員会を世代交代して壁を突破しているそうです。

10月、札幌の「No Maps」。
テクノロジーとアイディアでより良い社会を実現する。
学び、教える。表現、発表、体験。つながり、共創。
音楽、映画、テクノロジー、ピッチ。

で、ぼくの出番です。
以下、申し上げました。
オースティンのSXSWやリンツのアルスエレクトロニカなどテックやアートのイベントは、ポップさというかユルさが足りないし飯がマズい。
パリのJapanExpoはポップで飯ウマだが、テックが足りない。

そしてこういうイベントに共通しているのは、日本人が多いということ。出展も客も。
じゃあポップテック飯ウマイベントは日本でやればいい。
しかも、各地で開いて、それをつなぐポップテックイベント列島にすればいい。

ぼくはまず東京でポップ&テックの街づくりCiPを進めている。
港区・竹芝にデジタルとコンテンツの集積拠点を作る。
2020年、オリパラの前に街開き。
シリコンバレーとハリウッドを合体、だけど、ポップで、みんなが集う、日本にしかできない街。
すべての先端技術を実装します。

これはきっかけ。渋谷、羽田などにも構想がある。
羽田空港脇にイベントや研究開発を行う地域が開発されていて、ここも来年の7月に街開き。
そこと竹芝を直結して共同イベントを開いたり、ドローンで行き来できるようにしたりする。
ほかにも東京には似た構想があるので、みなデジタルでつなぎたい。

竹芝でポップテックイベントを開催する。
昨年2018年の夏、その第一弾として、YouGoExというイベントを開催した。
音楽オタクeスポーツ超スポキッズビジネステクノロジーを集結。
要するに078のパクリ。明星和楽、NoMapsのパクリ。
吉本芸人にもたくさんお越しいただきネット配信も行ってもらった。

2020年、来年の街開きに本格開催し、毎年実施する。
吉本興業のパワーも結集しつつ、慶応大学などアカデミアも参加し、ポップとテックの集結したものにしていきたい。
各地のイベントと連携して、ゆくゆくはSXSWを超えるものに育てたい。
日本が世界のポップテックイベントの本場になりたい。

幕張で6月に開催するデジタルサイネージジャパンは13万人が集うテック+コンテンツのイベントで、既にサイネージ業界では世界トップになった。
テック☓ポップ☓キッズのワークショップコレクションも2日で10万人が集まる世界最大の子ども創作イベントになった。

ぼくが実行委員長を務める京都国際映画祭も、アートやテックにつぎ込む。
ぼくが関わるイベントだけでもいろいろある。
そして078もその他も含め、こういう力を日本は持っているんだけど、総合力として世界に発揮していない。それをみんなでつながって発信したい。

藤井さんから質問「突破すべき壁は?」
YouGoExという名前は、タコ壺の壁を取っ払って融合させる趣旨。化学反応をこれから起こす。でもプロモーションを高めるネーミングはまだ悩み中。
078(神戸の市外局番)は抜群。
ウチもパクって東京03にしようかと思ったが、人力舎に文句言われそうなのでヤメた。

札幌NoMaps、神戸078、福岡 明星和楽。アルファベットと数字と漢字。
東京はカタカナがいいかなぁ。
10月に札幌と福岡、その頃までに名前を決めて、来年の078に内容をアナウンスできるようにして、7月に開催します。



福岡・松口さんが世代交代して突破したと言う。
それで気がついた。
ぼくが壁です。
なのでウチも若い世代に交代して、委ねます。
ではまた~
パパヤパヤパヤ
(高架下で豚足)

2019年8月8日木曜日

超大学でAIとIoTの前線を聞きました。

■超大学でAIとIoTの前線を聞きました。


超大学。
次世代リーダーを育成する先端テクノロジーの講義、ワークショップ、コミュニティを大学の壁を壊して提供するコースを超教育協会で開催しました。
慶應義塾大学三田キャンパスにて3日間。
若手経営者や大企業の役員候補など数十名が参加しました。

1日目の講義は東大・小宮山宏 元総長と東大・稲見昌彦教授。
2日目は、東大・松尾豊教授と東大・越塚登教授の講義。
3日目は隈研吾さん。
大学の壁を壊そうと考えているんですが、結果的に東大勢w
やっぱりコンテンツ持ってるもんねぇ。

その2日目、AIとIoTのお話。
松尾さん「人工知能の未来 -ディープラーニングの先にあるもの」
越塚さん「Society5.0に向けたIoT, AIの利活用及びデータ戦略」
いずれもアカデミックなテクノロジーに立脚しながら、ビジネスのリアリティを語る。
そして社会論・制度論に踏み込む。
客層に合った展開力、さすがです。

松尾さん「GAFAはじめメディアは広告の取り合いをしているが、まだ自動化・AIが入り込んでいない農業、建設、食は広告よりはるかに巨大。」
そのとおりです。
広告6兆。
農業9兆、建設50兆、食680兆。
教育20兆、医療30兆もでかいです。
まだ取れていません。

AIはネットの20年遅れで進んでいるという。
ネットだと1999年の状況。
ぼくが「インターネット自由を我等に」を著したのが1996年。
とすればAIはかなり見えてきた、「みんな」が踏み込む時期。
みんなの自覚はどうかな?

松尾さんは言う。
「これまでの世の中は人の認知の限界から、少数パラメータだけで扱えることをモデル化してきた。ディープラーニングで多数パラメータ系の分析・対応ができるようになる。」
つまりようやく人が認知の限界を自覚し、それを超える技術を使うようになるということですね。

そして、ディープラーニングは「深い関数を使った最小二乗法」だと断定する。
「深い関数」によって表現力が革命的に上がり、アルゴリズム的な挙動も含め表現できるんだと。
実にスッキリした説明で、わかった気にさせてくださるのが気持ちいい。

これに対し、越塚さんは「IoTはインターネットを軸にしつつ、AI、ロボット、ビーコン、データ、無線、サーバなどの技術群」だとします。「その全部だ」と。「多様で複雑な体系」だと。「だから大変」だと。
AIとIoTはセットで語られるが、真逆の性格なのかもしれませんね。

越塚さん「GAFAは世界のデータの0.1%しか持っていない。99.9%の分散したサイロ化された門外不出のデータがデータ流通上の課題。」
GAFAと同じビジネスをしようと考えるから危機感を持つが、すべきことは違うということですね。
それは松尾さんが指摘した、狙うべきビジネス領域の話と同根。

越塚さん「AI☓IoTビジネスは、地方が当前に解決すべき課題に対応すべき。ベンダーはビッグ☓困難な領域ばかり狙い3000万円以上の仕様を書いてGAFAに負けていくが、それより地方のスモール☓イージーの100万円仕事を掘り起こし、1788自治体に広げるのがいい。」
実体験に基づくリアリティがあります。

越塚さん「AI・ロボットに仕事を奪ってもらい、生産性を上げてもらい、ぼくたちは楽になろう。」
御意。ぼくが「超ヒマ社会」を望むのと同趣旨。
「問題は分配だ。」
御意。AI・ロボットが働く超ヒマ社会の最大の課題は成長戦略ではなく分配戦略になります。

越塚さん「AIの長所はめげないこと。ストレスフルな仕事をやってもらおう。
・リストラ担当の人事部長
・クレーム対応の電話対応
・教師(モンスターペアレンツ対応)」
ですよね。仕事を奪ってもらおう。

越塚さん「ロボットにやってほしいこと。人に見られたくない、人にしてほしくない仕事。
・介護でお風呂に入れてもらう
・ウォシュレットにお尻洗ってもらう」
いろいろありますよね。仕事を奪ってもらおう。

という授業のご紹介は、今後も超大学を開くに当たり、ネタバレにならない程度のチョイ見です。
またやりましょう。

2019年8月5日月曜日

よしもと住みます芸人によるSDGsのいま

■よしもと住みます芸人によるSDGsのいま


「ユヌス・よしもとソーシャルアクション」の報告会が新宿・吉本興業にて開かれました。
ユヌス・よしもとソーシャルアクションというのは、吉本興業がノーベル平和賞ムハマド・ユヌス氏と連携し、社会問題をビジネスで解決していく取組み。

貧困、失業、環境破壊などさまざまな社会問題を、みんなに起業させ、仕事を作りながら解決していくものです。

全国47都道府県「住みます芸人」が各地の課題に光を当てて、楽しみながら解決する。
芸人がセンサーとなって課題をおもろく抽出しつつ、IT企業などとマッチングしていく手法で解きほぐす、という活動です。

2018年3月、そのキックオフを行いました。今回はその進捗を共有するものです。
「ユヌス・よしもとソーシャルアクションが始まります。」

全国から集まった住みます芸人にプレゼンしていただきました。
ぼくは南海キャンディーズ山里亮太さん、キクチウソツカナイさんとともにモデレーターを務めました。
山里さんが蒼井優さんと結婚会見を開く直前のこと。

代表6件の事例をメモしておきます。

山梨:移動詰め放題屋
 芸人が県内をクルマで巡り、詰め放題タイムセールを実施。山間部の買い物弱者に、市場への流通が難しい高齢農家の規格外品を届ける。高齢者と高齢者のマッチング。店がないところの高齢者と、売るのが難しい高齢者、その需要と供給を芸人がグルグルと面白く結ぶ。

岡山:渋川マリン水族館再生
 存続の危機にある玉野市の水族館をイベントなどの仕掛けで再生する。日本は世界で一番水族館が多い水族館大国で、隠れたクールジャパン。だけど「おもしろい」水族館はない。
 エクストラクター社の技術を使ってライブ配信、そしてクリエイター1万2千人を擁するフーモア(CiPファンドが出資しています)によるアートプロデュース。

栃木:お笑い介護レクリエーション
 芸人がレクリエーション介護士2級を取得して介護職員の負担を減らす。高齢化で介護のニーズはどんどん増える。問題は人材不足。リデル社の協力で、シニア向けSNS、スマホ教室も。芸人とスタートアップが手を合わせて楽しく解決。全国に広がるモデルになるか。

4. 京都:丹後野菜市と芸人ふぁーむファンクラブ
 ポケットマルシェのシステムを使い京丹後の農作物を都市で販売。農業体験もネットで販売する。農業で人と市場をマッチング。農地と都市の連結。体験も売る。コトおこし。これがポイント。

福岡:畳の世界発信
 畳屋ラッパーがいぐさを原料にした畳アメを製造。いぐさが製造の危機にあったこと、そして食べられることをぼくは知りませんでした。いぐさの味がすると言われて、アメをなめてみたが、そもそも いぐさの味 を知らないので、畳感は口に広がりませんでした。
 畳万博も開催するという。何をするのか気になる。むかしパリに住んでいたころ、フランス語でLe タタミと呼ばれた畳はファッショナブルな高級家具として人気がありました。海外にチャンスがあるのでは。

静岡:深海魚ふりかけ
 沼津の水族館は世界初の深海生物の水族館。それをふりかけにして食べる。おいしい。ふりかけはアメリカでは魔法の粉と呼ばれ、サラダやフライドポテトなどにも使われています。そして深海魚はキャラが立ってるから、キャラも作って、おもしろくプロデュースできそう。

スタートから一年、少しずつ形が見えてきました。
報告会の冒頭、ユヌスさんが「おもしろいアクションで社会を変える」とおっしゃいました。各地で奮闘する芸人たちが社会を変えてくれるのか? 
みなさま、応援のほど、よろしく。

2019年8月1日木曜日

「EU新著作権指令の意義」メモ

■「EU新著作権指令の意義」メモ

ジュリスト6月号の鼎談「EU新著作権指令の意義」by東洋大学生貝直人さん、京都大学曽我部真裕さん、弁護士中川隆太郎さん。
インターネット上の著作権強化を掲げるEU指令について、得にプラットフォーム政策、リンク税、フィルタリング条項に関し議論しています。
重要なので引用メモ。


リンク税と呼ばれるプレス隣接権は、新聞社や報道機関にオンライン利用に特化した著作隣接権を付与するもの。
曽我部さんは「プラットフォーム事業者にいってしまっている広告収入を、一定程度、報道機関の側に取り戻すというような仕掛けは絶対に必要」と指摘します。

同時に「Googleは以前からデジタルニュースイノベーション基金というのをやっていまして、基金を積んで、いろいろな報道のプロジェクトに資金を提供するという形で支えている」と指摘。
言論やコンテンツを支える仕組みは、著作権のような制度か、企業やビジネスの仕組みか。重要な論点。

生貝さん「アメリカでも(略)インターネット上の情報流通はできるだけ自由にして、補償金のような形で対価を還元する仕組みに大きくシフトする提案がなされています」。

日本もそろそろ(ようやく)ネット配信の権利を補償金に移行する仕組みの議論が始まりそうです。

生貝さん「真のフェイクニュース対策は、質の低い、偽の情報を消去していくというよりは、質の高い、正にプレス出版物などの信頼できる情報が、インターネット上で健全に豊富に流通できる環境をどのように作るかだ」。
同意します。


もう一つの論点、フィルタリング条項。
EUでは電子商取引指令で一定要件下でプロバイダの侵害責任を免責する条項が置かれていたのに対し、ユーザがアップロードした違法コンテンツについて、プラットフォーマーが侵害主体になるように加盟国法で定めることが義務付けられています。

生貝さんはこの背景にバリューギャップ問題があるとします。
コンテンツ利用に関し巨大プラットフォーマーばかりが巨大な利益を得ていて、クリエイターたちに利益分配されていないという問題意識。
そしてEU委員会はほぼ全てのプラットフォーム規制に関し共同規制的なアプローチを取っていると指摘します。

日本でも海賊版対策で議論になったが、「プラットフォーマーが権利侵害コンテンツのフィルタリングなどを広く行うようになると救済や公正性、あるいはアルゴリズムに関する一定の透明性の確保というのがどうしても不可欠になってくる」。(生貝さん)


また、指令には権利制限も導入されているといいます。
拡張集中権利管理制度によって文化遺産機関がアウトオブコマース作品のライセンスを得やすくして電子利用を促す措置などです。
これも日本のデジタルアーカイブ戦略に参考となります。

生貝さんが「著作権法の民法特別法的なアプローチに加え、だんだんと事業者規制的アプローチの性質すらも帯び始めている」と指摘し鼎談を締めています。
知財本部で著作権法と競争法を結合した議論を行う、ないし文化審議会に競争法の専門家を投入するといった工夫が必要になってきていますね。

2019年7月29日月曜日

東大で「超ヒマ社会」を語ってきました。

■東大で「超ヒマ社会」を語ってきました。

東大五月祭「教育フォーラム」。
隂山英男さん、工藤勇一麹町中学校長、鈴木寛さんと登壇しました。
法学部のこの教室で立ち見まで出る1000人の動員は戦後初という声。
教育関係者はとにかく熱くてマジメです。


ぼくの話はいつもの調子。
AIが働く超ヒマ社会はつくって楽しむしかないから、ぼくはスポーツと街と大学を作ってる。
超人スポーツとテック・ポップ特区CiPとiU。教育に関しては、創造・表現教育のCANVAS(幼児)、デジタル教科書(初中等)、KMD(大学院)と来て、ミッシングピースの大学(iU)に挑戦。

次いで登壇した麹町中学校・工藤校長が刺激的でした。
固定担任制を廃止し、中間・期末テストも廃止。
宿題もなし。校則もなし。ピアス・金髪OK。
生徒を自律させる。
革命ですな。
法令で禁止されていること以外は、できる。やれる。
公立校でやっている。できない理由はない。

工藤さんは言う。「子どもに手をかけるほど自律せず、自分がうまくいかないことを誰かのせいにする。あの先生は教え方が悪いと文句を言う。」
はい、大学院も同じです。
学校は教わる場所から、教え合う場所へ。先生は教える人から、ファシリテーターへ。

こうも言う。「働く時間を減らすのを「働き方改革」という。なのになぜ教育は勉強する時間を増やそうとするのか?勉強時間が多いほどいいのか?逆ではないか?」
ぼくは超ヒマ社会に向けて、働き方改革より遊び方改革を提唱していますが、学び方改革のほうが先かもね。



パネルで訊かれました。
「超ヒマ社会は格差社会では?」

超ヒマ社会はAIを使いこなす社会のこと。
使わなければ国内は平等かもしれんが、使いこなす米中に搾取されて国際格差の下に落ちるだけ。

1930年にケインズは近代化でヒマになり、ヒマつぶしが大事になると言った。
効率化・自動化でヒマは実現したが、そのせいで人類は忙しくなった。
超ヒマ社会も忙しくなる。
今以上にやりたいことをするから。格差は広がるので、成長戦略より分配戦略のほうが重要になる。
教育の分配が最重要。その受け皿を作らねば。

ここまでのIT時代はムーアの法則が支配してきた。
半導体の集積率が18か月で2倍になる法則の本質は、超高速ということよりも、未来が予見可能ということ。
しかしAI時代は予見不可能な変化が必至。
変化を楽しむ人だけが生き残る。
何を学んだらいいかも不明。
どんな変化にも対応できるような学び方を学ぶことが大事。

KMDの入学面接で、ある学生がMOOCsでハーバード、スタンフォード、シンガポール国立大学の教授による講座の修了証書を見せた。
そのリスト、東大の卒業証書より値打ちあるんじゃない?
大学の存在意義が問われる事態。
個別の学びはネットでできる。
学校は場としての価値をどう発揮するかです。

すずかんさんが「緊張とジレンマに向き合うコンピタンスが重要」と指摘しました。
その問題解決、米中は苦手。
中国は独裁で調整下手。
米国は裁判のジャッジ社会。
学校のもめごとも当人や親が協議せず先生のジャッジに委ねる。
ビューティフル・ハーモナイズ令和の日本のほうが協調での解決力がある。

交渉・協議は下手かもしれない。
でも歌い好き。
街で外国人に歌ってとリクエストしても拒否されるが日本人は歌う。
尖閣問題で日本鬼子(リーベングイズ)と非難する中国ネット民に対し日本鬼子(ひのもとおにこ)ちゃんというキャラで返した日本ネット民。
日本が強みとする問題解決力があるはず。

シンポの前日、小宮山宏 元東大総長に言われました。
「われわれの頃は量子力学も情報科学もなかった。
 そんなに勉強しなくてもよかった。ヒマだったんだよ。
 そんな時代のヤツらが偉そうにしているからダメなんだ。
 キミらが変えろよ。」

ぼくより下の世代に伝えねば。

大勢の学生が企画・準備し、千人を超える教育関係者を集め、熱く語るこのフォーラム。
10年以上続いています。
若い世代が変えてくれそう。
希望を抱きます。