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2023年12月9日土曜日

クールジャパン:道

 ■クールジャパン:道


NHKクールジャパン「道」の巻。


日本は周りが海だし、国土は狭くて山あいだし、欧米や中国のように広い陸地で陸路が発達した国と違って、あまり「道」には恵まれていなかった。

だけど日本の道が面白いという声が多いんですよ。


「高速道路」

首都高は1964年の東京五輪に向けて作られた20世紀・昭和のインフラ。

NYやボストンの高速道路をモデルにして作りました。

欧米の高速道路は都心の周囲を走るが、東京も大阪も街の真ん中を突っ切る。

摩天楼の中を飛ぶように走る。

20世紀・昭和の未来像を実現したもの。

日本橋はお江戸の水路の上に、昭和の道路を通した。

今度は景観を取り戻そう、地下に埋めよう、という動きになっています。

21世紀・令和にどんなインフラ、どんな道を作るのか、楽しみ。


「クラクション」

ぼくが若かった60年代からバブルのころまで、日本はアジア的に渋滞がひどくて、クラクションもうるさかった。

今かなり渋滞は改善されて、クラクションもさほど聞かない。

ドライバーがクールになってきたことと、渋滞を解消するテクノロジーが広がってきたこと、ソフトとハードの進化。

これからは、道にセンサーやカメラなどを埋め込んで、人工知能とデータでもっとハードをハイテク化していく。

インフラを技術で高度化していくのは日本のお家芸。

安全で、早く走れて、楽しい道を作っていってほしい。


「熊野古道」

欧州の聖地巡礼は石畳のイメージだけど、熊野は奥深い何もない田舎道の山道。

なのに、欧米で知名度の高い旅行誌「ロンリープラネット」で特集されるなど、常に高い評価を受けています。

熊野古道のある和歌山県田辺市では、外国人宿泊者が2011年の1200人から2018年には4万4千人まで35倍も増えました。

その要因はストーリーとヒストリー。

神様が住んでいるという物語と、1000年以上も、天皇も武士も庶民もずっと歩いてきたという歴史。

日本の始まりという神秘性と、でもみんな気軽に歩けるという庶民性、のミックスでもある。

この環境を維持することに地元のかたがたも大変な努力を払っています。大切にしてもらいたい。

2023年12月2日土曜日

学長くんガチョーン. カン・ハンナさん

■学長くんガチョーン. カン・ハンナさん




元数学オリンピック韓国代表。歌人。現代短歌新人賞などを受賞。コスメブランドの創業者。ホリプロ所属タレント。と、いろいろ天才なのだが、ぼくにとっては国際文化経済学者。著書「コンテンツ・ボーダレス」では巻末にぼくとの対談が掲載されています。横浜国立大学で博士論文を執筆中。いろいろ天才なのです。



◆力の入れ方

いろいろなことをやっている。会社を設立し、社員も雇っている。曜日ごとに自分自身で切り替える。番組をやる場合はタレント、研究のときは学者の顔。そうでないと自分自身の人生を全部まともにやれないかなとおもっている。曜日ごとに顔を変えたり、時間ごとに役割を決めたりする人生。


◆将来

いままで、やっていることがそれぞれ点に見えた人生だったが、一つの線になってきている。十年後の自分が明確に線として見える人間になれるのではないかと、自分も楽しみ。


◆学校

学校はプレッシャーの場。韓国にいたとき、競争社会の中で成績を出さないといけない・まともな人間として形をつくらないといけなかった。自分と戦っていた場所。いまも大学院へ通っていて、よいプレッシャーをもらっている。やらなきゃ、読まなきゃ、学ばなきゃという気持ちはとても大事。このプレッシャーと向き合うことによって、自分の人生がますます成長しているとおもう。

最初、学校は重く、プレッシャーで学校へ行きたくない日もあったが、いまは学校が好き。自分に良いプレッシャー・よい刺激をくれる場所。一生学校と付き合っていきたい。


◆キミたちへのメッセージ

わたしは一言で定義できない人間という生き方をしている。「コンテンツ・ボーダレス」という本でも述べているが、今の時代は一つの言葉では表現できない人間になっていくものなのかな、とおもっている。昔では公務員や学者など一つのことを極める生き方が大事だったが、いまは多様性や立体化していく自分の生き方が大事。あまりプレッシャーを感じずに、いろんな自分を吸収して、立体的な素敵な人になれたら、とおもう。

2023年11月25日土曜日

クールジャパン:笑顔

 ■クールジャパン:笑顔




NHKクールジャパン「笑顔」の巻。


「へんな笑顔」

よっぱらいの笑顔がクールという指摘は驚きました。

自然な笑顔が少ない、ということなのかもしれない。

日本には「笑い」に対する表現が、実に沢山ある。

「愛想笑い」ニコッ「照れ笑い」ウフッ

「空笑い」に「作り笑い」ニヤッ

「含み笑い」に「忍び笑い」ムフフ

「せせら笑い」イヒヒ、 などなど。

これだけの言葉があるということは、それだけの笑いを意識して使い分けているということ。

でも、そのニュアンスが伝わるのは日本人同士であって、外国人からは「不自然な笑顔」と見られてしまい、誤解も生む。

外国人の方には「今の笑いの意味は伝わってないかもな」と思いながらコミュニケーションを取ることも必要かもしれません。


「笑顔教室」

笑顔を学ぶ。真面目な日本人ぽい。

口の形を練習しましたが、メールの顔文字も、日本のは目の形で笑いを表す。

欧米のは口の形で表す。

日本人は口の形で笑うのが苦手なのかな。

笑いって、感情表現で、嬉しさ、快感、気持ちよさといった感情を表情に出したモノ。

とすると、派手な感情表現を好まない日本人は本来、苦手なものかもしれない。

こうして笑い方を練習し、使い慣れない筋肉をトレーニングする。自然な笑顔を手にしてゆく。

外国人にとっては、先に感情があって、そこに笑顔が付いてくるけど、日本人にとっての笑顔は、普段抑えている感情を表に出す水先案内ってことなんですかね。


「笑顔カレンダー」

笑顔は強い。そして笑顔は伝播する。

これはまさに、そんな効果が最大限に引き出されたもの。

カレンダーに載っている笑顔は、多かれ少なかれ震災によって被害や影響を受けている人で、辛い思いもしながら、それでも笑顔を浮かべる強い人たち。

そんな笑顔を毎日見ながら、また今日も笑顔で頑張ろうと力をいただく。

このカレンダーは、そんな笑顔の製造装置です。



明治時代、小泉八雲ラフカディオ・ハーンに「日本の微笑」という文章があります。

日本人は西洋人に理解できない微笑みをする。それは作法、しきたり、礼節だ、という。

日本人がつらい時も微笑むのは他者への思いやり、というようなことを書いています。

100年以上たっても変わらないのでしょう。

微笑んでストレスを減らして、人に力を与えるのは、コロナでつらい今よけいに大事と感じました。

2023年11月21日火曜日

2030年のiUは?

■2030年のiUは?


2030年のiUは? という質問をいただきました。あと6年後のことです。

iU設立に向け書いたブログ「デジタル超学校」から6年たちました。

構想3年、開学3年です。


「「デジタル超学校」を妄想してみた。」2017.4

https://ichiyanakamura.blogspot.com/2017/04/blog-post_6.html

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デジタル分野の技術を軸とする文理融合の国際的な教育・研究機関であり、既存の大学や研究機関の枠を取り払い、最先端の人材が集いつつ、教員も研究者も学生も、産業界からの参加者も一体となって、具体的なサービスや商品の実装からビジネスや産業の創成までを手がけていく環境を造ります。

1 技術主導の教育と研究と実装。

2 デジタルに特化した教育・研究。

3 重点領域の実装。

4 文理融合。

5 バーチャル☓リアル。

6 リアルプロジェクト主体。

7 世界最高級の教育レベル。

8 学生はハイレベル研究員。

9 多様性。

10 国家戦略特区の活用。

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これにどこまで近づけたでしょう。

その6年を振り返りつつ、これからの6年を展望します。

 


2024年春、iUは初の卒業生を出します。

いわゆる「完成年度」を迎えます。

でも全く未完成。まだまだ作っている最中です。

何を作っているのか。

 

「情報」(ICT)と「経営」(ビジネス)で「イノベーション」を起こすプロ(専門職)を生む大学。

「ソーシャル、クリエイティブ、フロンティア」の3領域開拓をミッションとする。

「変化を楽しみ、自ら学び、革新を創造する」を理念とする。

「全員起業」。「目標就職率ゼロ」。

いや、たいてい失敗する。失敗から学ぶ、「失敗大学」。

産学連携プロジェクト1st。連携企業1000社のコミュニティ。

客員教授1000人、学生より教授のほうが多い大学。

 

研究プラットフォームとして、おもしろい未来をみんなでつくるラボ「B Lab」を開設。

産学連携の研究プロジェクトが走り始めた。

情報発信基盤として、映像スタジオ「すみだMedia Lab」を開設。

BSよしもとが入居し、大学にテレビ局ができた。

教育、研究、メディアの3本柱を整える。

 

ここまでは、できました。iU1.0です。

 

できなかったこともあります。1.0の積み残し。

教育と研究、2点です。短期課題です。

教育は「多様性」。社会人や留学生などの確保が目標に達していません。

半分以上の学生が高校新卒以外でよい。

研究は「産学連携」。まだ本格化していません。

半分以上の収入が学費以外でよい。

 

課題をこなし、早くiU2.0に向かおう。

でも、1.0の間にガラリと風景が変わってしまいました。

予期せぬ環境変化が2点ありました。

DXとAIです。

コロナで日本はデジタル敗戦を認識し、DXの針が10年ほど前倒しになりました。

DX推進はiUの使命なので、よいことなのですが、世間が気づいたため、他の大学も一気にデジタルに力を入れ、がぜん大学間競争が激しくなりました。

 

そしてAIの爆発です。

もはや従来の教師はAIが担えます。

デジタルとの掛け合わせで、従来型の教育は不要になります。

10年後に世界の大学の半分が淘汰されるという説がありますが、もっと早いかも。

特に少子化が進む日本はヤバい。

それでもこれから必要となる大学でなければ。

iU自身が「変化を楽しみ、自ら学び、革新を創造」せねば、淘汰されます。

 

iU2.0は、DXとAIの時代に、世界で唯一の価値あるリアル+バーチャルの場を作ることです。

iU1.0で整えた、情報と経営でイノベーションを起こす教育と研究の基盤を維持しつつ、世界にない場を作り上げることが2.0の目標。

その目標年が2030年になります。

 

 

まず教育。

起業数/学生=起業率で世界一を目指します。失敗率も世界一。

学力ではなくコンピテンシーを重視します。コンピテンシートップ校。

年齢も国籍も、イケイケも陰キャも、多様なひとたちによる集まりで。

全授業AI利用はじめ、ロボット、メタバース、web3など技術は最速でまるごと実装。

 

参加型コミュニティにします。

クライアントたる学生が教育を設計する。「学生運動」部を作って大学当局とドンパチやる。

サークルや課外活動に単位を与えるなど、意義あることに打ち込めば卒業できるようにする。

例えばeスポーツコースは、eスポーツを学び、活動し、関連企業にインターンに行き、eスポーツで起業すれば卒業。

 

日本は飛び級が難しいけど、教授にはなれる。(iUには小学生の客員教授がいる!)

人生100年時代は、シニアが学び続ける時代。

日本はポップでおいしくて安全だから、世界からうんと来る。

みんな来て。

 

同時に、より高度な教育として、大学連携による国際的な博士号授与機構を作ります。

ただその前にiUとしては自ら大学院を作らず、海外の大学院をいくつも誘致し、大学院デパートを作る。いま米英仏の大学院と協議しています。

世界でもユニークなコミュニティを目指します。

 

そして研究。

iU2.0は研究を肉付けして太い柱にすることを主眼とします。

ソーシャル、クリエイティブ、フロンティアの3領域で、プロジェクトのデパートを作る。

プロジェクト専門の教授を多数アサインして、産学連携のフォーメーションを強化する。

2030年には、100本のプロジェクトが走り、その顔ぶれで世界に知られる存在になることが目標です。

 

いまiU/B Labでは、テクノロジーで身体を拡張する「超人スポーツ」、AIを用いた理研との共同研究「超校歌」などが走っています。

eスポーツ、web3、ニューロダイバーシティなどのプロジェクトも芽吹いています。

メディア、オタク、アート、地方創生などの領域にも力を入れます。

フード、ファッション、ヘルスなどにもウィングを広げたい。

 

一つのベンチマークは、MITメディアラボです。大学院+研究所だが、何より産学連携のプロジェクト群が世界に知られるゆえんです。

iUも産学連携プロジェクトでの教育+研究場となる。

だがアプローチは真逆。メディアラボのようなハイエンドでクローズドの機関ではなく、ユルくてオープンなコミュニティになりたい。

 

「おもしろい未来をみんなでつくるラボ」B Labのスピリッツを大切に育てます。

みんなが参加してつくるおもしろい場。

通常、大学が目指す「かしこい」「やくだつ」よりも、「おもしろい」を旨とします。

 

世界一おもしろい大学に、iUはなる。