■つきゆびエレジー
た行う段の「つ」。
つけめん ツナマヨ。
二大 好きな「つ」。
通勤電車 つきゆび。
二大 嫌いな「つ」。
このたび わたくし
つきゆび しました。
つきゆびは、青春。
球技にケンカ、茶飯事でした。
モノやヒトとの距離を取るのがまだ下手で、
しばし指を突くのです。
でも間を置かず治る。青春。
大人になるにつれ、機会が減って、
知らずしらず疎遠になっておりました。
右の薬指、コツン、ちょいと痛い。
ちょい痛なんで、放っておいた。
一月たっても引かず、じんじん痛みが増してきた。ヤバい。
久しぶりのつきゆびは、青春がとうに去り、
老人に至ったことを教えてくれています。
人生の悲哀を見つめさせる、つきゆび。
とはいえさほど支障はない。
右のクスリが不自由でも、
箸もペンもギターのピックも持てます。
ただ、右のクスリが不自由だと、
PCの「お段」が困ります。
なるほど普段こういう役に立っていたんだな君、
と教えてくれます。
見えないことを見えさせる、つきゆび。
一月たってなお痛むのは、くやしいです。
場末の、クリニックと称する つきゆび屋に行ってみた。
骨に異常はないものの、つきゆびだからと、
右手をグルグル巻にされました。
くやしいです。
いい機会とあきらめて、左手を使いましょう。
フォークでつけ麺。はみがき、ひげそり。ホッチキス。
あかん。
左ときちんと向き合ってこなかったつけで、
この歳になっても満足にできません。
貴様はまだ半人前だと教える、つきゆび。
右利きなのに、左で投げて、
3種の魔球を開発した
星飛雄馬さんは、本当にスゴいひとですよ。
手をどうしました?
つきゆびです。
この場合、つきゆびって、症状ですよね。
腹「いた」、頭「つう」、目「まい」みたいなものです。
でもつき指「いた」、つき指「つう」じゃない。
指はモノです。こぶ、はげ、虫歯、に近い。
行為でもない。ゆびつき とは言わない。
ついた指。
タレ目、出っ歯、に近い?
でも、つきは行為だけど、タレや出っは状態ですよね。
たらす、出すという故意の行為じゃないですよね。
へっぴり腰、に近いのかな。
屁を放る、は行為だもんね。
でもへっぴり腰は症状じゃない。
ただ、行為と言っても、自らの意思でもってついた指じゃない。
つきゆび、というより、つかれゆび、ですよね。
指の立場にしてみたら。
痛い目にあっているのに、加害者みたく責められていませんか。
毅然としていなさい。
症状なのに状態じゃなく、
行為を伴う名詞。
うむ、つきゆびはなかなか独特のポジションをしめている。
つきゆび屋でグルグルされた、ぼくがついた指をぢっとみて、そう考えました。







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