■Net IT復興円卓会議-2 復旧
4月13日の「IT復興円卓会議」。テーマ2について、これも松村太郎さん(@taromatsumura)がtsudaってくれた内容を軸に再現します。
中村:2つめのテーマは、これから1年、どう復旧するか。
まずは被災地やその近くの方に聞いてみたい。
いわきテレワークセンター 会田和子さん:いわきは地震に強い街というイメージだったが、今回の地震は誰も想像していなかった。東京の企業のバックオフィスを、と提案してきた。今回は津波、原発、風評被害、物流停止、農産物出荷停止、水産業もずいぶんやられた。
原発30km圏内に入っているのではないか、と思われているが、放射線は未だ入ってきていない。しかし30km、80kmから待避して欲しいという報道もあった。
震災発生時、まず社員の安全確認と業務継続を考えていたが、1週間安否確認に取られたが幸い無事だった。業務再開可能かと思われたが、放射線量の問題で在宅ワークも圏外に避難し、働き手がいなくなってしまった。オフィスが安全かどうか私が証明しなければならなくなった。
Twitter、Facebook、テレビもあったが、実際は信用できない、という状況だった。やはり人だ、と。普段からお世話になっている方々にご意見をもらった。やはり鬱のような状況に陥っていると考えて頂きたい。1週間後はできても1年後、10年後まで考えられない。
4月11日の震度6がなければ、かなり元気に思っていたが、ここでまたくじけた。うちの市長もくじけて停滞ムード。
横手市Yokotter細谷さん:横手市は人口10万人、少子高齢化先進地域。収入が少なく、パケホーダイも厳しい、PC所持も困難。農業中心の街だが雪害で大打撃を行っている。30年後、秋田の人口は30%減ると見られている。100年後に、何を残したいのか、と考えNPOを立ち上げた。
Twitterで町おこしをしている。 #yokote は共感を軸とした小社会を形成しつつある。共感と多様性を要する社会になっていくのではないか。全国の街が共有していくことが理想。
震災時の横手市。市民の要望で携帯充電設備設置、行政・ラジオ・Twitterが連携。横手情報発信が安否情報の補助に。道路情報の提供も行った。リアルにつながった狭い場だからこそ、自分の発言に責任を負いながら情報を受信選択し、発信もする。ローカルメディア=場。
役に立たなかった物=停電で無線LAN、テレビ、電話、メール、PC、Twitterなど。未来に向けて=地方でのWiMAXなどの高速回線、スマートフォンで完結するクラウドベースのサービス、個人に責任が課せられることへの理解、ICT教育、近所づきあいの復活を。
中村:ITの復旧状況はどうなっているのか。
慶應・菊池さん:通信の復旧状況。3月11日の基地局停波から、4月7日までに無線、固定ともに9割の復旧。放送は東北六県の半数の中継局が停電のため停波、7%の世帯に影響。受信側の共同アンテナの損壊などが続出。地デジ完全移行を岩手、宮城、福島で延期。
中村:行政府・立法府の対応は。
総務省・谷脇康彦さん:まずは無線端末機器を現地に送ることにした。前年度の残り予算17億円を集め、全体で1600台送った。衛星携帯電話は全体で1160台以上、有効に機能している。ラジオも有効。総務省、メーカーも現地に送っている。衛星インターネットでの活用もしている。
被災地の地デジ対策、無線も足りていないため、23年度予算を振り替えており、補正予算も組む。地方自治体のイントラネット復旧も補正で。ただ被災地の状況把握ができていない。もう一度復興できるのか、という確認もする。最も地域のニーズにあった予算を考えていく。
民主党・藤末健三さん:立法府では補正予算。もう一つは大きなビジョンで復旧から復興、新生をどうするか、という議論はこれから。個人的に自民・民主で勉強会を作り、管首相に提案していく。
民主党・高井崇志さん:これまでの間、情報がうまく伝わらなかった。最初から「助けあいジャパン」などを整備しておく必要を感じた。政府として、きちんと作っておいて、いつでも立ち上げられるようにしておくことが大切だと思った。
中村:打撃を受けた通信業界は必死の取組。4月1日、入社式で各社代表がメッセージを発している。NTTドコモ山田社長は、インフラ回復を最優先事項にあげて、新入社員にも被災地に赴くという考えを表明。KDDIの田中社長は、ユーザのライフラインが使えない状況になったことを悔しいとする一方、サービスを絶え間なく届けることが使命だとした。SB孫さんは、技術部門だけでなく社員から志願者を募って被災地に向かい復旧に取り組んでいることを説明。
ソフトバンク嶋聡さん:衛星基地局と発電機をワンセットにしてセットするように、ネットワーク本部以外の社員も入れて活動している。避難所の生の声が届いていて、並みの状況じゃない。民間、政治、行政も一緒にすべき、と考え孫とともに官邸に行った。
官邸では、西日本で避難民を受け入れようといったりした。避難民の方と我々の思いのズレも明らかになってきた。避難民は近いところに避難したい、という声を宮城県知事から聞いた。心と心をつなぐネットワークインフラにしなければならないとつくづく思った。
埼玉県に双葉町があるが、古い高校に避難している。また次のところに移転することを考えているが、町長の懸念は市民がバラバラになること。行政情報も届かなくなってしまう。それをつなぐための具体策として電子回覧板をやろうかと考えている。どこに行ってもふるさととつながる。新しい電子行政の姿かも知れない。インフラとして心と心のケアにも力を入れたい。
マイクロソフト伊藤さん:主に4つの被災者支援をしている。MSNでの情報提供、クラウドを活用してつながりにくいウェブサイトのサポート、メールや掲示板での被災者情報共有の支援・被災地パートナーと組んだソリューション提供、被災地の復旧復興支援をしているNPOの支援。
学びは3つ。クラウドが新サービスの立ち上げ、拡張などに有効である点。村上さんが触れた文科省のモニタリングサイトはMSがサポートして1日でできた。被災地を離れて生活する方の支援もできる。
2点目。被災者、支援者もITリテラシーにばらつきがあり、ITができる人への負担が集中しないような教育が必要になっている。3つ目は、被災地のIT企業に中心となった現地のICTの確立。雇用の面でも重要。電気の問題。在宅勤務などの働き方の見直しなども可能になるが、抜本的な対策が必要になる。
アマゾン渡辺広美さん:ITネイティブとハイブリッドな話と事例を紹介。地震以降、支援サイトをクラウドでサポートさせて頂いた。短期の話だが、復興、新生に向けてクラウドの活用は当然あると思う。Eコマースの会社なので、音楽や壁紙の購入費用を義援金にするグローバルな活動を行う。
泥臭い話とITの融合。支援物資の需給ギャップがある。現地と電話で確認し、欲しいモノリストを作り、全国の方から支援を受ける。先ほどチェーンソーが届いた、という写真が届いたが、こういう活動が必要になる。
さとなおさん:助けあいジャパン。僕は阪神の被災者だが、正しい情報が届いていないことが問題だった。ソーシャルだけでは難しいため、政府、NPO/NGO、既存メディアからの情報を総合する場。民に管が情報を提供するカタチにこだわっている。
集まった情報はAPIで公開している。ボランティア100人が集まり制作・運用。提供先はYahoo、goo、sinsai.infoなど。政府・省庁が出している情報が分かりにくいため、それをまとめてRSS化。ケータイ、翻訳、など100名体制。
震災の翌日に政府筋に提案して作った。阪神の反省から立ち上げたため、都市の中の物資ニーズを解決しようと思っていたが、広域災害で情報が入ってこないという事態に直面。今は情報を取りに行くことに注力。
被災者はネットを使っておらず、機材なども活用していなかった。これを整備することなどが反省点。ソーシャルメディアでみんなが当事者意識を持てた点が重要。また現地物産の予約購入などのEC活用、ブランド復興のIT利用などを考えている。
今後のテーマとして、初動を早くする。海外緊急対応サイトなどを持ち、リテラシーの啓蒙活動などを継続させていかなければならない
多摩大学・会津泉さん:それぞれの方が、自分の主体でベストエフォートをしていて、これが連携に向かっているのが現状。しかしそれで十分か?というのが問題。ズレがあるのは仕方ないのだが、縮める努力をしなければベストにはならない。
こちらから何かするのはよいが、被災地が主体。こちらはお手伝いする側であって、そういう体制ができていない。我々の中で呼びかけてプロボノプラットホームを作り、誰がどう使っているのか分からない。検証していない。相手の役に立っているのかを検証する仕組みを。
前へ進めるために、検証・反省の仕組みを作る。被災地に行ってない方は、現地に行って、立ちすくんでみることが大切。ICTであれもこれもできず、課題が増している状況。やることはやるつもりなので誤解のなきよう。ただ基礎を固めていかなければならない。