■通信の世紀
大野哲弥さん著「通信の世紀 情報技術と国家戦略の150年史」読む。
通信主権とインフラ整備を巡る明治からの攻防。
国家間の熾烈な政治・軍事闘争と、国内の通信産業に関する政官民の暗闘。
これを読むと、今のGAFA対策が幼稚に見えてしまいます。
近代以降、情報・通信が国家の重要な政治案件で、日本も首相・大臣らによる高次な政治判断の連続であったことは、2013年刊行の有山輝雄さん「情報覇権と帝国日本」にも丁寧に描かれています。
いずれも通信ヲタク必読。
http://ichiyanakamura.blogspot.com/2014/05/blog-post_26.html
国内・電電公社、国際・KDDの独占時代にぼくは通信官僚となりました。
電話自動化という技術的エポックの中、KDD事件という疑獄が発生、通信自由化に一直線に進む。
その後、通信開放を巡る米英との攻防、NTT再編、規制緩和へ。
自分の仕事史としても懐かしい。
大野さんは、90年代末のNTT再編と規制緩和に関し、技術進歩と市場変化に当事者能力を欠いた「郵政省の行政の破綻」、という厳しい見方をとります。
中の人だったぼくは、純粋な行政の進化と受け止めていましたが、その後待ち受けた省庁再編=郵政省解体からみるに、大野さんの見方が正統なのかな。
だけどそんな100年の攻防を続けた戦場は、インターネットでがらりと変わりました。
日本のキャリアは国産となり、AT&T、BT、ボーダフォンも撤退。
しかし通信の主役は上のレイヤに移り、GAFAが主導します。
海底ケーブルもGoogle、Amazon、マイクロソフトが握ろうとしています。
電気通信事業法がgmailなど海外サービスを対象とするようにしたのはようやく昨年のことで、インターネット前の国際攻防を知る身としては、帝国主義下の清国を見るようでした。
EUに先駆けてもらい、米国との間を取って生きる。これが今後数十年の処し方なのかな。
「ぼくは100年前に生まれても、逓信官僚を目指したと思います。」
7年前「情報覇権と帝国日本」読後感ブログの最後にそう記しました。
今も変わりません。その分野に入って、政策起業してみたいです。






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