■京都の平熱
一乗寺の恵文社にぽつんと置いてあった。
読んでへんエラいこっちゃ。
あわてて買うてつけ麺「恵那く」に持ち込んで喰い読み。
祇園、岡崎、京大、下鴨、西陣、島原。東西南北ぐるり。
深い文化哲学ながら鷲田節が炸裂しています。
鷲田先生、阪大総長のとき初めて会いました。
ネット安全の協会を率いていただくお願いで。
中高大の後輩ですと挨拶したら「小学校どこ?」
京都人だけがやる小学校対戦。
御所に近いほうが勝ち。
ぼく修学院なんでほぼ勝ち目あらへんやん。
全共闘が百万遍の路上で火炎瓶を投げて機動隊と対峙した、と書いたあります。
小学生のころチャリで見物に行きました。人生で唯一、火だるまのひとを見ました。
京大の西部講堂で先生が「ロックコンサートを最初にした」、と書いたあります。
そうか。西部の先輩でもいらっしゃいましたか。
さてそんな「平熱」を、他の人ではさばけない筆致で描かはります。
ピグマリオンの人工美学、として、日本初のマネキン、ワコールの身体改造と
舞妓のしつらえにDX東寺(過激なストリップ小屋です)とを並置する。
その文脈に「河原町のジュリー」を登場させます。
鷲田節やなぁ。
京セラ、オムロン、ムラタ、堀場、島津、任天堂、ワコール。
京都企業の特徴は1.ベンチャー、2.伝統工業の技術移転、3.精密工業 と整理します。
そして「DX東寺の機械式空中ゴンドラの精巧さ」と結論づけます。
鷲田節やなぁ。
そのゴンドラ、読者ほとんど見たことおませんで。先生。
京都人のきわもの好きとして、歌舞伎を生んだ地がグループサウンズ(ザ・タイガース)やフォークソング(フォーククルセダーズ)を生んだ、その陸続きを説きます。
舞妓の足し算、修行僧の引き算というファッションが代表する異形の両極が入れ子構造になり「奥」を形作る。きわものの幅も京都です。
祇園甲部、舞妓さんの学校。
舞踏科、長唄科、小唄科、浄瑠璃科、笛科、華道科、絵画科というカリキュラム。
京都の「奥」ですね。
そんな奥、のぞいてみたいわぁ。
(実は、祇園の教えを受けられる学校づくりをこっそり企画しています。それはまたいずれ。)
西の海でとれる魚で京都まで運んで生きてるのは鱧だけ、食材が貧しかった、と京料理を斜に眺めはります。
一方、力餅食堂に大力食堂。しっぽく、にしんそば、たぬき。町なかの飯屋はショウケースにきなことあんこのおはぎが必ずある。山本まんぼのべた焼に天下一品本店。B級愛がほとばしります。
京都は「さてん」の町。
進々堂、らんぶる、築地、六曜社、しあんくれーる、蝶類図鑑・・。
登場する店ぼくもぜんぶ行ってる。けど、京都のさてんでは誰かと会った記憶はない。
先生の言うとおり「独りっきりになるための場所」だから。
はて、東京では、独りっきりになるための場所ってあるかな?
もちろん、京ことばにもひとことあります。
おうどんやさん。お豆さん。おいなりさん。おひさん。
お・・さん、とつけるしきたり。
京都ですな。
お父さんが言わはる、と家族にも敬語的な表現を使う、という京都の特徴も。
これについては、梅棹忠夫さんは「町民の無階層、市民対等意識」と分析します。
松田道雄さんは「第三者の行動の客体化、三人称単数のsと同様」とします。
京都の大家がみな気にする表現なのですな。
ついでに、梅棹さん、松田さん、そして加藤秀俊さんの京都本を推薦しときます。
「梅棹忠夫先生の「京ことば」」
http://ichiyanakamura.blogspot.com/2013/03/blog-post_18.html
「梅棹忠夫の京都案内」
http://ichiyanakamura.blogspot.com/search/?q=%E6%A2%85%E6%A3%B9%E5%BF%A0%E5%A4%AB
「松田道雄さんの京都追憶」
http://ichiyanakamura.blogspot.com/2013/03/blog-post_25.html
「メディアの発生」






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