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2013年4月25日木曜日

18年ぶりにミュンヘンに来ました。

■18年ぶりにミュンヘンに来ました。


ミュンヘンサッポロミルウォーキー、本場の味、サッポロビール。71年のサッポロ冬季五輪、72年のミュンヘン五輪、そのころよく見かけたCM。
ミルウォーキーてのはどこか知らないが、とりあえずビールはこの3つの町で作ってるっぽいと思った小学生は、しかし、サッポロの冬は浅間山荘の寒々しい映像とダブり、72年には日本人によるテルアビブ空港乱射事件もあり、ミュンヘン五輪は平泳ぎ田口の金メダルが泳法違反かどうかよりも17人が死亡したテロが記憶に刻み込まれ、三国同盟なんて単語を学校で習い始めた二つの国が、同じころにオリンピックを開きながら、戦争の後のゴタゴタから抜け出せずに怖ろしい事件を引き起こしているという印象を持っていました。

18年ぶりにミュンヘンに来ました。ナチの本拠地であり、第二次世界大戦を誘引した対独宥和政策「ミュンヘン会議」の会場であります。大量の血を流す舞台装置であります。前回の訪問は、95年の元日、ぼくがパリで暮らしているころ。クルマで東欧を旅行した帰り道、朝にオーストリアを発って、昼どきにたどり着いて休憩、またブッ飛ばして、休みもせず夜半にパリに着きました。合計で1500キロぐらいあるかな。30代前半というのは、やたらな体力と気力があったもんです。今はもうできません。
市街に入って白ソーセージでも食おうかと思ったが、マルクを持ち合わせていなかったので、市庁舎の壁についていた自動両替機に1万円札を差し込んだところ、機械に紙幣が消えたのに、ウンともスンとも言わず何も出てこない。このヤローって叫んで両替機をドツいても、周りに誰もおらず、よしミュンヘン市に1万円貸しや、と涙をまつげにためてトホホに去ってから18年。誰にどうマルクを返してもらっていいかわからないままです。

しっとりと落ち着いたこの町は、ドイツ・ルネサンスの中心です。レーベンブロイを擁し、飲んで歌って食う町です。豊かな文化の代表は、バイエルン・ミュンヘン。別件バウアー、ルンメニゲ、ケルト・ミュラー、オリバー・カーンであります。一方、ベルリン、ハンブルクに次ぐドイツ3位の大都市であり、BMW(自動車)、シーメンス(電機)、アリアンス(保険)が本社を置く近代産業都市です。建物も、伝統建築とガラス張りのモダンな様式が溶け合っています。地方都市のうるわしいモデルです。
今回の訪問はデジタルえほんとデジタルサイネージの業務だったのですが、町を歩くと、伝統とモダンの融和がことさらに胸に迫りました。両者が実に心地よいバランスで共存している。ちょっと点検してみましょう。


国際青少年図書館。
ドイツの民話集、

グリム童話に登場するような中世の邸です。
世界えほん博物館と呼び直したい、

素敵な絵本のディスプレイです。
 





紙の表現に対する愛情にあふれた部屋の窓からは、
静かでしっとりとした池を漂う
白鳥と鴨の群れが見えます。







 



子ども博物館。
建築、金属加工、木工、造形、

さまざまなもの作りを体験できます。
 





 

 
欧州、特にドイツには
こういう無料の施設が充実しています。
いつもワークショップが開かれていて。
日本にも欲しいですね。







おもちゃ博物館。
旧市庁舎の脇にある、おとぎのくに。
古今のおもちゃたち。
どれも欲しい!
 







むかしの教室のミニチュアがありました。
デジタル教育のコミュニティで、

教育だけが150年前と
スタイルも手法も変わっていないではないか、
とよく議論するのですが、
まさにその証拠と言っていいモデルです。

 

ドイツ博物館。
メッサーシュミットに代表される軍事技術や、自動車、家電、通信などドイツの近代技術を誇ること以上に、それを生み出してきた人々の仕事、例えばライト兄弟の発明に至るオットー・リリエンタールの挑戦であるとか、飛行船ツェッペリンや気球の歴史など、木や紙や水や火や金属を愛し、手を動かし、汗をかく黙々とした職人国家ドイツの気合いを受け取りました。

 

 

これらに対し、
モダンなミュンヘン。
それを代表するのはBMW本社に隣接する
BMW博物館です。







ミュンヘン五輪のころ、タミヤのプラモデルでBMW製のサイドカーを何台も組み立てたものですが
(写真はニュルンベルクのおもちゃ博物館でみかけた模型です)、







それら歴史的なデザインを一挙におがめるのは、
BMWファンならずとも、
工業デザインに興味がある人には垂涎。






 

 

いいなぁ、このフォルム。
そうだ、仕事しごと。
デジタルサイネージもチェックしなければ。
 


モダンピナコテーク入口のマルチ画面。



 







中央駅切符売り場のタッチパネル、日本語です。 http://t.co/slGvTfi2  
中央駅ホームも多画面展開です。
欧州の駅はこの表示法がスタンダードになりました。






駅構内もマルチスクリーン。
3年前にフランクフルトでサイネージを探し回ったのと打って変わり、
あちこちから画面が飛び込んできます。






 
でもやはり圧巻はBMW。








バイクはマルチ画面で案内。
 











ロールスロイスは大画面映像で
高級感を表現。








ミニは十数台のディスプレイと
LEDでポップに表現。








 
ニュルンベルクにも足を伸ばしました。
 

第二次大戦で9割がた破壊され、
再建された町。
ミュンヘン的ドイツを断罪した

ニュルンベルク裁判が開かれた町です。

 





おもちゃの町でもあります。 
おもちゃ博物館には、
持って帰りたいオブジェがあふれています。
マインツやハイデルベルクに似た

気高さが、屋外にも、屋内にも漂います。

つらい時期を耐え、再建した後の、やさしいまなざし。
 


 

 

おもちゃ博物館では
フラフープ人形のパフォーマンスを見せる
サイネージ。
 




最後に、ミュンヘンのKroneサーカス。 
宙を舞い、巨球を操り、怪力を見せ、音楽が奏でられ、象や虎が演技する。
平和で、愉快で、きらびやかな、祝祭。
しかし、道化がのぞかせる陰、猛獣使いに漂う闇は、欧州大陸が負ってきた悲しみを映し出す鏡でもあります。
 


この複雑な町。またいつか。

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