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2012年4月3日火曜日

韓国の教育情報化に驚いた。


■韓国の教育情報化に驚いた。
 先週のデジタル教科書教材協議会で、趙章恩さんに韓国事情をプレゼンしてもらいました。
 その話が衝撃的。これほど日本が後進的だと思ったことはありません。
 デジタル教科書の計画は日本より6年早く、デジタルネイティブを想定した教育環境が設計されています。デジタルの是非を議論している日本とは異なり、デジタルが当たり前という認識が現場にも定着しています。
 その背景として、「教育とITで生きる」という韓国の明確な国民・産業界の意識があり、教育とITに資源を集中投下している実態もあります。先生はIT利用で評価が左右され、教材作りにも熱心。日本の現場から聞こえる声とは異なります。
 そして何より、政治リーダーシップの違い。教育をはじめ国全体のIT化を強力に進める決断と、断固推進する実行力。国家管理色の強かった韓国が法律も変えて、デジタル教科書が現場主導で生まれる仕組みも揃えています。
 日本は内側からは変われないのでしょうか。97年の韓国IMF危機のような国難にぶつかる必要があるのでしょうか。いや3/11の国難で教育クラウド化の必要性は明確となったのに、未だ議論が交錯する状況ではいかんともしがたいのでしょうか。

 断片的ですが、趙さんの話をメモします。  →はぼくのコメントです。

■教育情報化
・デジタル教科書は2014年に小中学校、2015年に高校で全面利用の計画。
  →日本は2020年目標。差が開く。
・端末はどれでもよく、個人が買う方向。PC、スマホ、タブレット、スマートテレビ、全デバイスから利用可能に。
  →端末論議を脱却、クラウド+コンテンツ論に。進んでる。
・全学校でクラウド環境を整える。2012年に1Gbps、2020年に10Gbpsを達成する。5年間で政府が5389億ウォン、民間が37兆6000億ウォンをかけて推進。
  →どこが大事か、わかってる。
・紙とデジタルは当面併存。
  →でもどうやら早期移行をイメージしているようだ。
・SMART教育を標榜:Self Directed, Motivated, Adaptive, Resource Free, Technology Embedded
  →うまいね。
・授業では、柔軟体操、端末+電子黒板の利用、PPT使っての発表、が定番。
  →授業スタイルも開発されてきている。
・実証実験ではタブレット+キーボード+入力ペンの組み合わせ。3年生でPPT使っての発表は当たり前。
  →進んでるなぁ。
・推進の目的:学生一人ひとりに合わせた教育、所得格差による教育格差をなくす、カバンを軽くする、評価・指導の記録・可視化。
  →格差是正やカバン軽量化は日本ではあまり聞かない論議。
・韓国の子どもはモニターのほうが紙より字を読みやすくなってきている。デジタル読解力がOECD1位(日本は4位)。デジタルが当然。
  →デジタルネイティブのことをきちんと見ているからこその教育情報化。
・「教科書法」が改訂され、校長が認めればデジタルも教科書として扱われるようになった。
  →日本は法律上「紙」しか認められていない。まして校長が認めれば、など・・

■産業界の対応
・eラーニングの利用率は2010年で小中高の74%。夜10時以降の営業を法律で禁止された塾が注力。初等教育から生涯学習まで利用されている。
  →リアルの制約をデジタルが補っているんだ。
・サムソンのスマホ、タブレット、スマートテレビは教育が主軸。そのCMは「教育のために必要」。
  →日本のメーカや通信会社でそんなCMあった?
・ITの経済における比重が高く、デジタル教育も輸出産業と認識。デジタル教科書を既に輸出しつつある。
  →その世界市場を日本も押さえに行かないと。
・紙の教科書会社は全アプリ化を進めているほか、通信会社と連携し教科書・参考書を月3000円でスマホ利用できるサービスも提供。
  →日本も通信会社がここに大きな投資をしなければ市場が立ち上がらないのでは。

■教育熱
・「幸せは成績順にやってくる」という言葉が定着している。
  →うわ~っ!
・入試競争が激しい+少子化で、食べる以外のコストは教育にかける。「38度線」で出世は見切りをつけ、40歳定年が普通。再教育にもコストをかける。
  →そもそもの教育熱の高さがデジタルに結びついている。
・教員能力評価制度を2010年に導入。同僚教師・専門家・学生・保護者も評価する。ITを使わない先生の評価は下がる。
  →この厳しさがエンジン。
・ほぼ全員の教師が当然のようにオリジナル教材を作る。日本の先生が「教材作りが大変」というのを韓国の先生が聞いたら「ふざけるな」と怒るだろう。
  →これに日本の先生がどう答えるか、聞いてみたい。
・デジタルネイティブ世代に合わせた教育で教師世代の差を克服することに教師は熱心に取り組んでいて、「先生がITを使わない」という日本の議論は不思議。
  →ううむ

■IT先進国
・韓国は国民の45%がスマホ利用(日本2012.3で23%)。40-50代の主婦向けスマホ、タブレットも販売。先生も使って当たり前。
  →日本もPCより「スマホ使お」アプローチが有効かも。
・韓国は新聞の信頼度が低い一方、SNSの信頼度が高く、教育情報もSNSで入手。
  →日本は逆にデジタルへの信頼度が低いから・・。
・韓国は低所得者層にPC、NETを無料で利用させている。
  →これは日本でも導入すべき政策。
・医療情報化も進展。処方箋などもスマホでもらい、アプリに記録が残るシステム。
  →これも日本は見習うべき。
・教育だけでなく、生活、医療、国の「スマート化」が進められている。教育はその中の一つという位置づけ。
  →日本こそパブリック分野でのIT利用が遅れており、同時並行で教化すべき。
・97年の経済危機で「ITでしか生きられない」という覚悟が浸透したことと、大統領制に基づく政治リーダーシップが原動力。
  →日本も覚悟と政治が必要。
・成績を含む個人情報をクラウドに置くことに教師からの反対もあったが、有無を言わさず「押し倒した」。
  →日本にも押し倒し力が欲しい。

4 件のコメント:

  1. 中村先生、先日はお世話になりました。(昨年DITTの事務室を訪問しお話しなどいただきました)KERISのチョウ圭福です。個人的な考えてあり、答えにならないと思いますが、4点だけ自分の考え(⇒)を書いてみます。
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    ・デジタル教科書は2014年に小中学校、2015年に高校で全面利用の計画。
      →日本は2020年目標。差が開く。
    ⇒全面利用の意味は「切り替え」ではありません。また、デジタル教科書コンテンツをどのデバイスでも利用でき、それを学校あるいは教師が必要により選択して活用できる環境を整えることを「目標とする」こととしてご理解していただきたい。

    ・韓国の子どもはモニターのほうが紙より字を読みやすくなってきている。デジタル読解力がOECD1位(日本は4位)。デジタルが当然。
      →デジタルネイティブのことをきちんと見ているからこその教育情報化。
      ⇒PISA2009のDRAが1位であったことで「紙よりモニターの方が字を読みやすい」と関連付けるのは適切ではないと思います。

    ・eラーニングの利用率は2010年で小中高の74%。夜10時以降の営業を法律で禁止された塾が注力。初等教育から生涯学習まで利用されている。
      →リアルの制約をデジタルが補っているんだ。
      ⇒夜10時以降の営業禁止の法律とeラーニングと結びつけるのは適切ではない。

    ・ほぼ全員の教師が当然のようにオリジナル教材を作る。日本の先生が「教材作りが大変」というのを韓国の先生が聞いたら「ふざけるな」と怒るだろう。
      →これに日本の先生がどう答えるか、聞いてみたい。
      ⇒単純比較は難しい上、誤解を生む可能性が高い。

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  2. ・医療情報化も進展。処方箋などもスマホでもらい、アプリに記録が残るシステム。
    ・成績を含む個人情報をクラウドに置くことに教師からの反対もあったが、有無を言わさず「押し倒した」。
    ⇒セキュリティは大丈夫なのでしょうか。少なくとも押し倒すものではない気がしますが。

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  3. 教育学で韓国から学ぶことなんてないわ、、、

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  4. 韓国のSMART Internationalの会議 に、EPUB制定関係者(IDPF EPUB WG/国際化サブグループリーダ)として招待され、講演する機会がありました。台湾のEPUB Asia-Pacific Summit でも同様です。日本でのデジタル教育について発言を求められるのですが、何も言えなくて困っています。

    私も、韓国の取り組みはすごいと思います。いまの受験教育には問題があるかもしれませんが、韓国に今後付いて行くのは大変だと思います。技術のことしか書いていませんが、私がSMART Internationalに参加した時のtweetです。 電子書籍(EPUB)とe ラーニングを連携させようという点において、韓国はほかの誰よりも進んだ意識で取り組んでいると思います。

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