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2019年7月1日月曜日

コンテンツ振興策、自民党にて。

■コンテンツ振興策、自民党にて。


自民党知財調査会コンテンツ小委に呼ばれ「コンテンツ振興の現状と課題」というテーマで話してまいりました。
甘利明会長、新藤義孝小委員長、大塚拓事務局長、古屋圭司議員、山口俊一議員、山際大志郎議員、伊藤信太郎議員、左藤章議員、牧原秀樹議員ほか。
共有しておきます。

1990年代から始まるコンテンツ政策は2000年代に高まりをみせました。かつては国内重視・産業振興策でしたが、国内の少子化や世界的なIT化を踏まえ、海外展開・ネット展開重視へと転換してきています。ただ期待とは裏腹に、国内コンテンツ市場は横ばいです。

海外展開では、2013年にクールジャパン機構が設置され、助成金J-LOPなどの措置もあり、資金面での政策ツールが充実。かつては国内市場で食えていたため、ゲームやアニメを除きコンテンツ業界はさほど海外に熱心ではなかったが、この政権に入りかなり変化が見られます。

海外市場は5年で26%拡大。2020年には2兆円超えが見込まれます。
映像コンテンツは5年で500事業者が新規に海外展開に取り組み、政府が支援した法人の海外売上は2000億円近く増加しています。

2011年あたりからの5年間をみると、アニメは2.9倍、ゲームは3.6倍。
映画は額は小さいが2.8倍。テレビなどの放送は4.4倍。海外の売上が伸びました。
これは大変な変化であり、政策の成果があったと評価してよいでしょう。

ただし日本のコンテンツ売上は海外市場全体の2.5%で、まだ伸びしろが見込まれます。
さらに、訪日外国人の多くがポップカルチャーに期待して来日しており、アウトバウンドからインバウンドへの対応(たとえば多言語対応するとか、聖地巡礼コースを増やすとか)その強化も重要になります。

もう一つの柱であるネット展開は成功しているとは言えません。
日本全体がIT対応でアメリカに敗北しました。それはコンテンツも同様です。
ネットワーク配信は2008年の9.5%から26.0%まで拡大したが、マンガ40%、アニメ15%、音楽8%、動画4%と分野により差が大きい状況です。

マンガ、アニメ、ゲーム、音楽ともに、海賊版事業者や海外のネット巨人が脅威となっています。 
マンガは海賊版が依然頭の痛い状況。
アニメはテレビ事業でしたが、ネットフリックスやアマゾンが世界の映像市場を押さえようとしています。

ゲームも日本はテレビ向け事業でしたが、世界はネット事業に移行しました。日本も5Gの電波割当が決まりましたが、グーグルが5Gでのクラウド化を進めていて、構造変化が起きる可能性もあります。

音楽は日本はCDが70%のガラパゴスですが、世界は既にサブスクリプションが50%近くまで来ていて構造が全く違います。
ネットフリックス等はコンテンツ制作資金の提供や海外販路の拡大というチャンスをもたらす面もあるものの、事業基盤を握られ、ユーザのデータをみな持っていかれる恐れもあります。

これに対し、
マンガは海賊版対策、
アニメはテレビとネットを融合した戦略、
ゲームはeスポーツのような新産業の拡大策、
音楽はネット配信の著作権処理の円滑化
といった個別の対策が考えられます。

同時に、ジャンル横断でまとまった対策、たとえばアップルやグーグルに対し全コンテンツとして交渉力を発揮するとか、ファッションや食べ物など他の分野と連携してビジネスを拡大するといった対応が必要となります。

重要なのは、ネットやスマホの次のステージがコンテンツにも来ているということ。
流通は5Gとクラウドに移り、デバイス・視聴はIoTやVRなど多様な環境となります。
コンテンツビジネスは、AI+データ主導による広告・販売戦略が主流となり、ブロックチェーンによる管理も広がることが想定されます。

既にネット広告がテレビ広告を上回る規模に成長していて、しかもネット広告の8割はターゲティング広告。
つまりユーザのデータを使ってAIで管理する世界。既にAIとデータの世界に入っています。
5Gやパブリックビューイングなどの環境整備、AIやブロックチェーンの実証実験などの対策も求められます。

海賊版対策にも携わりましたが、海賊版は知財戦略(著作権)とIT戦略(通信の秘密)、いずれも憲法が保障する権利で、それらの間の調整が重要課題。
それは複数の官庁をまたぐ問題でもありました。同様に、知財・コンテンツとIT・テクノロジーを巡る政策案件は増大すると予測されます。

経団連がデジタルトランスフォーメーションを進めるための情報経済社会省を提案していますが、そろそろ行政組織のあり方も検討する時期が来ていると考えます。

民間でいま進んでいる事例として、CiPというプロジェクトを紹介しておきます。
コンテンツの集積拠点を東京・港区竹芝に作る構想です。
東京都の持つ土地を再開発して、2020年夏、東京オリンピック前に街開き予定。
コンテンツ、放送、通信、IT、大学等50企業・団体が集結しています。

国家戦略特区として電波、ロボット等規制緩和の導入を検討。
慶應義塾大学、スタンフォード大学なども入居し、産学連携と人材育成を進めます。
街開きは来年だが、既にコンテンツ+テクノロジーのプロジェクトを展開中です。

CiPは先行事例ですが、このような構想は羽田や大阪など他地域にもあり、そうした地域の連携を進めハブ化したい。
韓国はソウルにコンテンツ集積拠点を国のカネで整備・運営しているが、日本は民間で進めているのです。
オリパラや万博などのチャンスをつかみとっていきたい。

報告は以上。
議員のみなさまから、eスポーツ、聖地巡礼、海賊版、CiP、iU、アーカイブ、プラットフォーム対策などご質問をいただきました。 
党としてコンテンツ戦略をまとめるそうです。
よろしくお願い致します。

2019年6月27日木曜日

教育情報化推進法が成立しました。

■教育情報化推進法が成立しました。
 「学校教育の情報化の推進に関する法律」(教育情報化推進法)が国会にて可決・成立しました。
 昨年、政府が提出した学校教育法等の改正により、「デジタル教科書」の制度化が実現しました。
 そして今回の法律は、自治体が推進計画を策定・実施する等の総合的な施策により、学校教育情報化が大きく進展するもう一つのエンジンです。

 めでたし、めでたし。
 
 以下のような内容です。
○国の責務(4条):学校教育情報化施策を総合的かつ計画的に策定・実施 
○地方公共団体の責務(5条)
○学校教育情報化推進計画(8条):文科大臣が総務・経産大臣と協議し公表
○都道府県学校教育情報化推進計画等(9条):都道府県、市町村は定め公表する努力
○デジタル教材等の開発及び普及の促進 (10条)
○教科書に係る制度の見直し(11条):検定等の制度を検討・措置、不断の見直し
○教職員の資質の向上(14条)
○情報通信技術の活用のための環境整備(15条)
○調査研究等の推進(19条)

 デジタル教科書やプログラミングと言っても、PCやネットがなく、そもそも使えない。
 早くEdTechに行きたいがまだ遠い。
 国は年1800億円の予算を措置しているものの、地方交付税措置で、自治体が他の用途に流用している。
 それを教育分野に振り向けるエンジンが弱かった。

 デジタル教科書も制度化されるものの、紙の教科書を前提とする仕組であり、授業時間の半分までしか使えないとする規制も導入されます。
 これら法律・ガイドラインを見直し、利用を促進すべき。
 推進法11条も、教科書制度を見直すとしています。
 現場の裁量で前に進めるよう仕組みを整えてもらいたい。

 この法律は、与野党の超党派国会議員による「教育におけるICT利活用促進をめざす議員連盟」が策定したものです。
 2015年2月に発足、会長 遠藤利明衆議院議員、事務局長 石橋通宏参議院議員のほか与野党の大臣経験者はじめ83名が参加しています。

 ぼくら民間アドバイザーも作業に加わって法案を作り国会提出、このたび成立に至ったものです。
 元はデジタル教科書教材協議会DiTT(現 超教育協会)が2015年6月、「教育情報化推進法の制定」を提言し、これを受けて2016年10月、議連として法案を制定する方針となったのが発端です。

 以来2年半、関係のみなさまの努力に頭が下がります。ぼくらグループが情報化推進の法律が必要と訴えたのが2005年(14年前)。
 そしてDiTTが2012年に「デジタル教科書法」を提言したものが2018年に政府提案の学校教育法改正で実現し、このたび「推進法」も議員提案で成立、目標が達成したわけです。

 今だから言いますけど、厄介なこともありました。
 当初、政治的に動くのが気に召さないのか、ぼくを筆頭に、議連に出席する者は某省のブラックリストに載せられ、業界のかたがたが協力を躊躇しました。
 官僚は1-2年で交代するがこっちは20年交代してないし、出禁は慣れてるんで無視して走りました。

 そんなことは、いっぱい、ありました。

 教育デジタル政策の優先度を高めたい。
 ここに資金や人材が投下されるように。
 だけど政府がそれじゃムリ。
 「官民データ活用基本法」も議員立法だが、有能な官僚と政治家が組み、ぐいぐいデータ政策を進めた結果、そのプライオリティは政権のトップ級に上りました。
 
 G20でのデータ論議を日本が主導しています。
 それを見るにつけ、なぜ教育デジタル政策はそうならないのか疑問でした。

 先に進みましょう。
 議連で意見を求められたぼくは、世界は2周先、AI時代の教育に進んでいることを指摘しました。
 このため民間として超教育協会を立ち上げ、産学連携体制を講ずる。
 BYODやクラウドなどインフラの整備、AIやブロックチェーンなど先端の開拓の双方が大事だと申し上げた次第です。

 光は射しています。
 文科省は部局も担当も変わって前向きとなり、クラウド利活用の促進を挙げるようになりました。
 自分の端末を持ち込んで勉強できるBYODにも道が開かれます。
 データ+AI利用の教育にも積極姿勢を見せています。
 これまでにない、政策転換だと言えます。

 そしてこの法案も最後は文科省が汗をかいて通ったという面もあります。
 感謝申し上げます。

 現政権のAI推し、経産省のEdTech推し、さらには最近、規制改革会議が教育情報化を論点に据えたことなど、政府全体の動きも力強くなってきました。
 子どもたちのため、政官産学で前進させたい。
 法律の成立をテコに、次、行ってみよう。

2019年6月24日月曜日

断食、してみた。

■断食、してみた。


断食道場に入門してきました。
伊豆高原、5日コース。
ひとりで。
誰もつきあってくれない。

5日まるごと飲まず食わず、というわけではなく、前半は酵母ジュースだけ、後半は粥や野菜の煮付けなどのわずかな補食を朝晩にいただきます。
とはいえ日頃、暴飲暴飲暴食の身を戒めるには強力です。
それなら家でもできるだろう? 
それは強者。
弱者は環境を変え、冷蔵庫もお菓子箱もない所に閉じ込められなければムリっ。

結論としては、だいじょうぶ。
直前に力石徹の番組を見たのが間違いで、道場に着いたときには腹ぎゅうぎゅう鳴ってましたが、その後さほどの飢餓感はなく、上機嫌に過ごしました。
合計3kg減。
そんなもんかな。
それよりも断食はデトックスや体質改善が一義で、その効果はにわかにはわからず。

空腹だとよく眠れます。
10時間ぐらい寝ていました。
で、頭は冴えます。
仕事しましたよ。
道場つったってぼくはヨガやらマッサージやらコース散策やらオプション的なものを一切拒否して個室に引きこもり、テレワークでうんと会議をこなし、レポートもどしどし仕上げました。
独りでできるデスクワークを持ち込むにはよいところ。

「はらへった」は死語なのでしょうか。
ぼくが子どもの頃は日常語でした。
宇野誠一郎さんの名曲「ちびっこ怪獣ヤダモン」(1967年)は「はらへった」で終わります。
「おどるポンポコリン」(1990年)ピーヒャラピお腹がへったよ、あたりが最後かなぁ。さくらももこ世代。
思えば、いつも腹ペコで、いつも元気だったんだよな。

戦時中から戦後はこの道場の補食みたいな日々だったんだろうか。
とすればぼくはサバイブできそう。
敵国の捕虜になっても、仮病で重労働さえ免れれば、機嫌よく熟睡する。
かつてパリでスパイをしていたころの、朝昼晩3食フルコースで接待する日々のほうが吐くほどつらかった。

驚いたのが、ぽつんと置いてあるAI+IoTマッサージチェア。
身体を測り、こりや疲れに合わせAIが最適なリズムでもんでくれる。
肩、背中、腕、腰、ふくらはぎ。
血圧・体重・脈拍をウェアラブルに測定し、LTEの先にいるAIドクターがチェックしてくれる。
日本のマッサージチェアはそこまで進化していたのか!

NHKクールジャパンで、自国に持ち帰りたいものを聞いたところ「マッサージチェア」と答えた外国人がいました。
なぜ?ツボを細かく探知してもみほぐしてくれるテクノロジーと、インテリアとしても優れるデザインの合体、と答えました。
ニッポンをよく見ている。ボーカロイドというテクノロジーと、可愛いキャラのデザインが合体した初音ミクと同様、テックとポップの総合が日本の強みです。

マッサージチェア、5年しばりで月々定額制。
ケータイ端末なのです。
そこまで進化する必要があるのか?という気もしつつ、5GとビッグデータのAIでまだまだ行きそう。
ほしくなってきた。
この道場はこれを契約させるためのケータイショップだったのか?

ほかにもたくさんマシンがありまして。
ウォーターベッドの上にのってくねくねするやつとか、足とお腹と頭に輪っかを乗せて磁気っぽいものを浴びるやつとか、背中に通したヒモがブルブル激しく動いてもんでるっぽいやつ(日本最古の健康機械とのこと)とか、
効いているのか、いないのか、判然としませんが、そこそこ楽しく。

その部屋に流れるBGMに、聞き覚えのあるメロディー。
そうだNHK朝ドラ「心はいつもラムネ色」のOPだ。
あれはぼくが社会人になった年だから35年前、主人公のモデルは漫才作家の秋田實さん、吉本興業創設者の吉本せいさんも登場した。
物忘れ激しく、この人だれだっけ?を連発しているぼくが35年ぶりの曲をたちどころに特定できたのも、頭が冴えてるってことなのかな。

AIやロボットが仕事の大半をしてくれる「超ヒマ社会」が来る。2030年ごろかなあ。
そのとき、何をするだろう。
エンタメ、スポーツ、食事、恋愛、勉強。実は断食道場に(周りの反対を押し切り)飛び込んだのは、スポッと超ヒマな状況に身をおいたらどんな心持ちかを探るのが狙いでした。

案の定、超ヒマは忙しい。
ヒマならヒマで、やるこたぁしこたま現れる。
電波の届かない電波特区を作って世間と隔絶しなければ難しいですな。

2019年6月20日木曜日

VRイベント「LAVAL VIRTUAL」、また来たよ!

■VRイベント「LAVAL VIRTUAL」、また来たよ!
世界最大のVRイベント「LAVAL VIRTUAL」。
フランス、LAVAL。
パリからTGVで2時間、人口5万人の落ち着いたロワールの町。
ノルマンディーとブルターニュの結節点。
カマンベールの宝庫です。
日本でもみかける「PRESIDENT」はここで作ってるそうで。

この小さな町に、1万人の参加者が集います。
8,000㎡の会場いっぱいに、240の出展者。20年続く、名門イベントです。
参加者の60%がフランスで、その多くが地元のかたがた、20%が欧州、残りはその他の国々から。
地域と国際のバランスがいい具合です。
一般参加日には、大勢の親子連れが押し寄せます。

自治体、スポンサー、研究者、ベンチャー企業、学生、そして一般参加者のバランスがいい。
運営は非営利で、地元自治体、スポンサー、参加者の入場料からの収入でまかなう。
公益と商業のバランスも勉強になります。

LAVAL市が運営し、スポンサーには国鉄、通信、電力、農林中金、通信などインフラ企業が並びます。
VRという先端技術が町づくり行政に意味を持つだけでなく、多様な分野に溶け込むインフラという意識が見えます。


ジャック・シラク大統領時代に、この地域の知事も務めた産業大臣がデジタル技術での町おこしを図ったのがスタートだそうです。このイベントを開催するだけでなく、VR関連の企業や研究所、大学機関などを誘致し、それを育てていったといいます。

立ち上げに際しては日本の岐阜を参考にしたそうです。
梶原知事時代のソフトピアジャパンやIAMASのことですね。
今度は日本がLAVALを都市づくりの参考にしたい。
ポップテック特区CiPとも連携できないか、相談を持ちかけてみます。
(ここはアンリ・ルソーの生家だそうです。)

日本からの展示が多数。
これは神奈川工科大学山崎研究室。


風がふいてくるやつ。
東京電機大学松浦研究室。

もちろん慶應義塾大学KMDもがんばっています。
ウソをつくと鼻が伸びるピノキオシステム。

これもKMDの学生。
視線で操作するVR。

これもKMDの学生。
超福祉展でも展示した楽器。

これはKMDを卒業して、音楽とビジュアルをシンクロさせるアプリを商用化しようとしている兄ちゃん。

でもそれより、立教の中高が部活で「防災VR」を展示していました。
ウソつくと鼻が伸びるとか作ってる大学院よりイケてなくね?



てことで、また。
左上から時計回りに、焼き豚足、仔牛の腎臓、タルタルステーキ、ブルターニュのガレット。

2019年6月17日月曜日

ワークショップコレクションinよしもと!

■ワークショップコレクションinよしもと!

ワークショップコレクションinよしもと。
慶應義塾大学や九州大学でのワーコレに芸人が参加したり、京都国際映画祭でミニ版を開催したりとこれまでもいろいろ吉本☓ワーコレはありましたが、吉本ベースでの本格開催は初めて。
これから始まります。

小学校の跡地である吉本興業 新宿本社にて開催しました。
プログラミングや映像制作、アニメ制作、工作や漫才作り。
18ワークショップが集合しました。

くまだまさしさんはワークショップの常連。
必ず親子の空気を持っていきます。
吉本興業には6000人の芸人がいまして、その全員がコミュニケーションの達人。
実にワークショップとの相性がいい。

ロバート山本さんの「むちゃぶりかみしばい」。
紙芝居作りです。
アートで名を成したり、芥川賞を受賞したり、音楽をヒットさせたり、絵本や映画を作ったり。
芸人はお笑い以外のマルチな才能を花開かせています。

田畑藤本「楽しい算数」。
東大工学部卒と立命館大経営学部卒、ベンチャー起業したほうがええんちゃうかと思うコンビ。
コミュニケーション力だけでなく、創造力と表現力を育むのがワークショップ。
それを吉本が提供するって、おもしろいですよね。

iUの客員教授もお願いしているチャドマレーンさん「英語で楽しもう」。
実は吉本興業は真剣に教育企業になろうとしているのです。
沖縄でエンタメ学校を経営することに加え、エチャイナ・メディア・キャピタルと上海に学校を設立することも決定、iUとも連携します。

漫才ワークショップ。
2002年にCANVASを設立する際、漫才ワークショップができないかと吉本興業に相談しました。
コンビでどついてコミュニケーション、それで人を笑わせる。
最高の日本型創作・表現ワークショップになると考えたのです。
根づいてきて、とてもうれしい。



ワークショップコレクションに欠かせない常連さんも出展。
原田博士の「ビスケット」によるプログラミングです。
今後、よしもとがワークショップを全国・海外展開するのと共同歩調が取れるといいですね。

竹芝CiPのイベントYouGoExでiUを紹介してくれた「ランパンプス」が子どもたちと大喜利を考えて、Pepperくんにインプット。
お笑い☓ロボット☓プログラミング。これはお得ですねぇ。
ちなみにPepperくんの中味ってよしもとロボット研究所が作ってるんですよ!

これもワーコレの常連、深沢アート研究所「こわしてつくって工夫する。せんたくばさみ山。」
大量の洗濯バサミを置いておけば、これだけ創造的で愉快なワークショップになる。
ということがわかっている、というところが深沢アートの凄み。

iPadアプリKOMAKOMAでのコマ撮りアニメ作り。本家CANVASが提供しています。
ところで。
吉本興業の出資を得て、NPO法人CANVASとは別に、株式会社CANVASを設立し、ワークショップの全国・海外展開を図ることになりました。よろしく!

これもおなじみデジタルえほんコーナー。
世界のデジタルえほんを体験できます。
日本をデジタルえほんの本場にするという目論見は、だいぶいい線きています。

わが慶應義塾大学KMDも参戦。
ぼくのゼミの渡慶次さんと小宮くん。

わが超人スポーツも参戦。
スケルトニクスvsバブルジャンパー。
よしもとは超スポにも力を入れています。


吉本興業・大崎会長は「よしもとはNPOでええ」と言います。
元来、大勢の芸人さんのコミュニティであり、人を笑わせて幸せにすることが本業。
Laugh & Peaceを社是に掲げる。
利益を追求する企業というより、公益に近いんですよね。
こうした活動との親和性が高いのです。
今後もよろしゅうに。

2019年6月13日木曜日

イギリスからみた日本のテレビ、その未来(後編)

■イギリスからみた日本のテレビ、その未来(後編)

民放連の英国調査、つづき。
プラットフォーム、IPクラウド化、データ利用。
10年後のテレビ局の構造を左右するこの3ポイントを探りました。

1.プラットフォーム
  ネット配信が根付いた英国だが、ビジネスの行方は。取り分けテレビ局が集うプラットフォームの可能性と、OTTとの競合関係はいかに。日本はラジオはラジコでプラットフォームができましたが、テレビはまだ。日本のテレビ局にとっても差し迫った課題と考えます。

かつてBBC+民放のネット配信「カンガルー」構想を英競争政策当局(日本の公取)がストップしました。しかし今、ネットフリックスなどOTT対抗策として、BBC+ITVによる「ブリットボックス」が推進されており、Ch4など他の放送局も合流する気配です。

2007年からBBCのiPlayerなどVODが始まり、民放も追従してきた。当初はYouTubeへの対抗策で、YouTubeが60%のシェアを占めていたが、今は8%にまで下がった。一方、2012年以降、ネットフリックスやアマゾンが参入、これに放送局がブリットボックスで対抗しようとしているのです。

一方、VirginMediaのようなケーブル会社は、有料テレビのチャンネルから、VODによるコンテンツ=サービスへとシフトし、その中でネットフリックスやアマゾンを取り込んでいく戦略。視聴者はキャリアを選ぶのではなくコンテンツを選ぶ。改めて「コンテンツ」戦略がクローズアップされています。

プラットフォームよりもコンテンツ・アグリゲータないしコンテンツ・ゲートウェイが重要になるという見立てです。米OTTはコンテンツ制作に大量の資金を投下し、コンテンツ囲い込み戦略に動いています。英国にも日本にも、脅威に映ります。

ネットフリックスは日本アニメにも力を入れてますもんね。ただ、これに対し日本の放送局からは、そうして制作するコンテンツは海外市場向けであり、国内市場への影響は少ないとの声も。それよりも資金投入によってコンテンツ制作のコストアップに跳ね返るほうが脅威だといいます。

ローカル局はどうする。グラスゴーのSTV(ITVとともに構成するチャンネル3のスコットランド・ローカル局)は、テレビ放送もネット配信も同じスコットランド地域を担当しCM収入を得ています。いわば道州制の棲み分け。県域単位で多数の局がひしめく日本とは事情が異なります。

NHK+キー局によるテレビ番組のプラットフォームをOTT対抗策として用意すべきか。できるのか。県域ごとにテレビ局が存在し、その局数も異なる日本で、エリア分けを含め、どう整理するのか。この問題、15年ほどの検討期間がありながら、まだ落とし所がありません。でも時間はもうない。


2. IPクラウド化
  「BBCは10年後、地上波の放送をやめる意向だ」という衝撃的な噂が流れていました。2006年総務省のいわゆる竹中懇で「オールIP時代の放送」つまり全てネットを基盤とする放送を展望しようとして物議となりましたが、英国では現実問題として進行している気配。

英国はハード・ソフトが分離されています。電波を送出するハード主体と番組を編成するソフト主体とが別組織。TBS電波とTBS番組が別会社、って感じ。

そのハードのうち送出(プレイアウト)を担う会社「Red BEE」は英国テレビの80%相当のチャンネルを送出しています。ちなみに送信網はArqivaという別の会社が所有・運営しています。

2003年、BBCの送出部門分離から始まり、民放も請負い、フランスなどの送信にも広がり、2014年からエリクソン傘下となっています。電波の免許を持っているわけではなく、免許は放送局とマルチプレックスが持っているとのことなので、局からの業務委託による擬似的ないし実質的な分離ですね。

日本は竹中懇での議論の結果、紆余曲折ありながらも、放送法・電波法・電気通信事業法・有線テレビジョン放送法などなど10本程度の法律を大改正し、放送のハード・ソフト分離を選択できる規制緩和を断行しましたが、それを適用した放送局はほぼなく、基本はハード・ソフト一致です。

ただ、電波の送出機能をエリア毎に、ないし系列ごとに束ねたり、さらにはネット配信部門を切り出したりする経営もあり得る。スカパーなど衛星ではハード・ソフト分離ですし。経営戦略の選択肢として練っておくべきポイントです。

でも今回、Red BEEで見たものは、そのうんと先を行くものでした。全てのコンテンツをIPベースのクラウド環境でソフトウェア管理するシステムを実装していたのです。アマゾンAWSにコンテンツを乗せ、電波、ケーブル、OTT、あらゆるネットワークで、テレビ、スマホ、PC、あらゆるデバイスに送る。

オールIP、オールクラウド。マルチネットワーク、マルチデバイス。コンテンツ管理、加入者管理・課金、それらのマネジメントサービスも一体。
そうなるよね。だけどまだ先だよね。と見ないフリをしていたものを見せていただいた。
どうですニッポンのテレビ局様もこれにお乗りになっては。という営業。

オールIP☓クラウド。マルチネットワーク☓デバイス。遠からずこの潮は来ます。日本は欧州や米国が用意するこうした環境に乗り、世界市場もにらんで事業展開の絵を描くのか。国産のIPクラウド環境を自ら構築する気概を見せるのか。何もせず各社バラバラの対応に委ねるのか。これも時間がない。



3.データ利用
  AI時代はデータ主導。ネットフリックスのヘイスティングスCEOは、ユーザーの嗜好を2000にまで細分化・整理し、世界中のコンテンツから個々のユーザーに適した動画を推薦しているという。日本でもネットCMの8割はターゲティング広告で、つまり視聴者のデータが主導するビジネスとなった。

総務省の放送諸課題検討会報告でも「融合サービス推進」として映像配信と並び「視聴データ活用」が重要項目として挙げられています。すべての産業がデータ主導に構造が変わる中で、放送は全国民をユーザとしながらデータを使えていません。通信・放送融合よりうんと高速に押し寄せている波です。

英国では「Digital UK」というNPOが地上デジタル放送の統一プラットフォームFreeViewを運営するとともに、そのネット版であるFreeviewPlayを運営し、そこで得た視聴データをテレビ局に渡す仕事をしています。

FreeviewPlayをコネクテッドテレビに実装してもらうために、機器メーカ(シャープ、パナソニック、ソニーなど日本企業を含む)らの規格をコミュニティとして結んでいます。

このデータ・プラットフォームが得る視聴データは各放送局に返し、各局が囲い込んで家庭ごとのプロファイルでCMを分けるといったビジネスに利用できる。このコミュニティによるエコシステムも米OTTへの対抗策だと言います。

ただ、視聴データを集め、全放送局にデータを販売・シェアしたいものの、一般データ保護規則GDPRで難しくなったという恨み節も。ブレグジットでGDPR外れたらいいんですかねと聞いたら、そしたら英国から視聴者がいなくなってるんじゃないか・・いう切り返し。冗談か本気かわかりませんでした。



さて、この3点。日本型のモデルは構築できるでしょうか。難しいでしょうか。
まだそこまで頭の整理ができていません。
でも、通信・放送融合のレベルをうんと超えた地平での戦略が必要になっている、ということはしかと認識しました。
大きな宿題です。

2019年6月10日月曜日

イギリスからみた日本のテレビ、その未来(前編)

■イギリスからみた日本のテレビ、その未来(前編)


民放連の調査で英国を訪れました。ぼくが座長を務める「デジタル・ネット研究会」の一環で、キー局・ローカル局混成チームにより、英国のテレビ☓ネットを見聞したのです。日本のテレビにとって、UKが最も参考になるモデルと考えた次第です。

島国として方やEU大陸に、こなた中国に向き合い、互いにGAFAに苦しむ二国。
ブレグジットが国内も対EUも折り合いがつかず、首相がビッグベンと仏ストラスブール(欧州議会)を行き来し、ロンドンのタブロイドには「メイのバカ」という文字が踊るさなかでした。

テレビは似ています。公民二元体制:NHK/BBCと民放。キー局とローカル局の併存。そして映像はテレビが面白く娯楽の中心で、産業としてもさほど傷んではいない。けれどもネットフリックスなどOTTはそこまで侵入してきている。

相違点もいくつかあります。キー5局の競合は日本が激しい。イギリスは事実上、ハード・ソフト分離だが日本は電波と番組の運営は一体。アメリカの脅威は言葉の壁があり日本はまだ緩い。超高画質の4K8Kは日本が先行。ネット同時配信やデータ利用はイギリスが圧倒的に先行。

折しも日本は国会でNHKのネット同時配信に道を開く放送法改正の審議が始まろうとしていました。BBCが同時配信を始めたのが2008年、日本は・年の開きがあります。英国は米IT+TVが2006年に映像配信に打って出る否や防波堤を築いたのですが、日本はそこまで対応せずに済んだ、という構図です。

放送局(キー局、ローカル局)、ケーブル、配信、VOD(ビデオオンデマンド)、データ、広告などさまざまな企業や団体を精力的に訪れました。どこも丁寧に、いや、あけすけに、状況や戦略を共有してくれたのには驚きました。日本の放送局との親和性を読み取っているのか、連携の期待感が響いた次第。

この報告は民放連としていずれ整理される運びですが、取り急ぎ、ぼくが感じた点をざっくりとメモしておきましょう。深読み・朝読み・勘違いなどあると思いますが、それはいずれ正式な報告を待って訂正されたし。



まず英国テレビの状況。
業界人はテレビが圧倒的に強いエンタメと口を揃えます。若年層はリアルタイムのテレビを見なくなっているが、テレビの強さは維持。メディア視聴時間のうちテレビが76%で、オンライン・VODが20%。ネットが伸びているもののテレビは傷んでいない。

英国は一人あたりコンテンツ支払い額が世界最大で、メディア接触時間は2012~18年で557分→733分に32%増加。ゲームとコミュニケーションが上昇しているが、映像視聴も248分→261分に5%上昇している。

世代格差が広がっているのは日本と同様。
BBCの平均視聴者は2017年で61歳。上昇中。若者はOTT(YouTube、ネットフリックス、アマゾン)がTV(地上波、衛星、ケーブル、IPTV)の視聴時間を超えている。

TV局の番組の視聴時間(ライブ+録画再生+キャッチアップ+VOD)は減少している。2010年の一日当たり242分から2018年には197分へと低下。
オンライン、DVD、ゲームなどを含む映像視聴時間の合計に占めるTV番組の比率は全体では71%だが、16-34歳では46%.

だが、放送事業者の収入は横ばい程度を維持していることに注意。テレビのITサービスはオンエア番組のキャッチアップが圧倒的な比重。テレビ局は番組をデジタルで自由にセールスしている。
テレビ収入が横ばいで、ネット収入が高まっている構図。カニバっていないということです。


さて、その上で、今回の論点は3つありました。
プラットフォーム:ネット配信の総合プラットフォームは成り立つのか
IPクラウド化:ハード・ソフト分離を超え、IPのクラウド化へ進むのか
データ利用:AI時代にどう立ち向かうのか
10年後のテレビ局の構造を左右するこのポイントを探りました。
(つづく)